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しゃべりのうまいプログラマーよりコミュ障のクリエイター|理系に学ぶ。|ダイヤモンド・オンライン

川上 僕は競争に興味がないんですよ。世の中で勝とうと思ったら、不戦勝が一番いい。仮に競争相手がいたとしても、正々堂々と打ち合って判定勝ちとか、絶対にやりたくない。いかに競争せずに圧勝するか。ベストなのは奇襲ですよ。


川村 ただ、人間はやっぱり、競争が好きじゃないですか。


川上 権力を持っている人のほとんどが学生時代に受験戦争を勝ち抜いたエリートだからでしょう。学歴社会の弊害だと思うんですが、特にそういう人は競争すれば勝てると思っている。でも、大いなる錯覚ですよ。


川村 そういう人が社会のルールを作っていますしね。

川上 偉い人にはもちろん興味があるんだけど、もっとそうじゃない、本当に苦労している人の人生とか、考え方とか、世界観はどうなんだろうっていうのをずっと知りたいと思っていた。ただ、今はもう、だいたいわかったという感じです。


川村 わかってしまったんですか? 人間が何かということが?


川上 はい。突き詰めようとすれば突き詰められると思うんですけど、僕はだいたいわかればいいんで。

川村 以前に『仕事。』という僕の対話集で詩人の谷川俊太郎さんとお話をさせていただいたときに「心理学用語で“集合的無意識”という言葉があって、人間はみんなで一つの脳を持っているから、言語の違いを超えても、人類全体の無意識にアクセスできればいいと思っている」とおっしゃっていました。


川上 「みんなが知っている手法なのに、できあがったものはなんだかわからない」っていうのが強いんですよ。創作で苦しいのは、自分でゼロから生み出すこと。実際に一流のクリエイターでも全部をオリジナルでやってるわけじゃなくて、集合的無意識みたいなものを組み合わせてやっているわけですよね。


川村 突出したクリエイターは記憶力と、その膨大な記憶を要約する力が優れていますよね。そしてそれらを再構築して自分なりに表現することがうまい。


川上 例えば宮崎駿さんは見たものしか描かないんですけど、一切写真を撮らないで、覚えるんです。でも、20個くらい覚えたとしても、寝て次の日に起きて覚えているのは10個くらいなんですよ。その10個で描くから、だいたいオリジナルになるというのが、宮崎駿さんの理屈だそうです。



川村 表現する前の段階で、要約して覚えるということが大事なんでしょうね。


川上 それと解像度も大事なんじゃないでしょうか。すごく細かいことまでこだわると、作品なんてなかなか完成しないと思うんです。予算の都合もあるし、普通は時間なんてかけてられない。シナリオを作るだけで何年もかかってたら大変ですよ。

川上 理不尽さが人生という意味では、クリエイターでもコミュニケーション能力がある人ばかりが目について残念です。

川上 今は一人のカリスマでなく、大人数やチームでやらないと何でも結果を出せない時代になってしまったので、チームのトップになることイコール、コミュニケーション能力が要るという矛盾も生じているんじゃないですか。

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