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 アドラーは自らの体験に重ね合わせて以下のように話しました。
「私は自分に価値があると思える時にだけ勇気を持つことができる」
「そして、私に価値があると思えるのは、私の行動が周囲の人たちにとって役に立っていると思える時だけである」
 つまり、人は、自分が誰かに貢献できている、と思える時にだけ勇気が持てるのです。
 そう考えると、私たちが周囲の人を勇気づけるために何をすればいいのかがわかってきます。周囲の人の行動に対して「ありがとう」「あなたがいてくれて助かった」そう伝えることこそが、周囲の人に対する勇気づけになるのです。
 アドラーが最も大切にしている「共同体感覚」と「勇気」。そのいずれもが本人の「貢献」から始まります。しかし、勇気を失った人は貢献するだけのエネルギーが枯渇しているかもしれません。そんな相手に対して周囲の人間ができる「勇気づけ」は、たとえて言うならば飛行機のプロペラをブルンと手で回す行為に似ているかもしれません。周囲の人間が手でプロペラを回してはずみをつけてあげる。「ありがとう」「あなたのお陰だよ」と伝え、プロペラをブルンと回す。それを繰り返すうち、自分の力でプロペラが回り始める。自分から貢献を行い、自分の内面で「ありがとう」を感じることができるようになるのです。