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 目の前に東京湾を見下ろす大塚家具の有明本社。さる9月中旬の金曜日、ショールームも兼ねた本社ビルの会議室で行われた役員会では、堂々巡りの議論が実に5時間にもわたって繰り広げられていた。

 それも、紛糾のタネは久美子社長の辞任要求だという……。

「役員会が紛糾するようになったのは、ここ2カ月ほどのことなんです」

 そう溜息交じりに打ち明けるのは、大塚家具のさるベテラン社員である。

「ちょうどメディアでうちの会社の身売りが報道され始めた頃からで、この日のように数時間にも及んで紛糾することも珍しくありません。会社の危機がいかに深刻かを物語っていますよね」

 世間の耳目を集めた父・娘のプロキシーファイトから早3年。以来、坂を転げ落ちる石のごとく、かの会社の業績が急落していったのは今さら説明する必要もあるまい。しかし、役員会で久美子社長の辞任要求までなされていると聞けば、ただごとではない。

 しかも、先の社員が興奮気味に付け加えるには、

「なんと、久美子社長に辞任を要求しているのは3人の社外取締役なんですよ。一橋大学で教鞭をとっていた阿久津聡氏や弁護士の長沢美智子氏といった社外取締役が旗振り役となって、久美子社長を引きずりおろそうとしているんです」

「阿久津氏や長沢氏は久美子社長が父・勝久氏の反対を押し切って、三顧の礼で迎え入れた人物。プロキシーファイトで評価された“ガバナンス”の象徴的存在でもありました」

 企業ガバナンスの象徴にしては、声を上げるのが遅すぎた感が否めないが、

「大塚家具はこのままいけば数カ月以内に資金繰りがショートするというところまで来ている。そんなときに頑なに久美子社長の退任を求め、久美子社長が役員会にどんな議題を諮ろうとも議論には応じないというのですから、あまりに子どもじみていますよ。坐して死を待つと言えば聞こえは良いですが、これでは結局、責任を久美子社長に押し付けようとしているようにしか見えません」

「久美子社長は何とか会社を再建しようと様々な案を取締役会で提案しているんです。でも、社外取締役の謀反によって役員会は空転を続けており、何の打開策も打てていないのが現状で、久美子社長もさすがに頭を抱えてしまっている。このままいけば本当に民事再生法の適用という事態にもなりかねない。1400人の従業員が路頭に迷う日も近いかもしれません」

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