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イギリスは、EUとの離脱交渉で残る課題となっているアイルランド北アイルランドの国境管理の在り方などをめぐって実務レベルで合意に達したことを受けて、14日、緊急の閣議を開きました。

およそ5時間にわたる審議の結果、離脱協定の草案は了承されました。

これで難航していた交渉はEUとの最終的な合意に向けて進むことになります。

閣議のあとメイ首相は「長く、詳細にわたる、熱心な議論を行った。この決定がイギリス全体の利益にとって最善のものだと固く信じている」と述べました。

一方、EUのバルニエ首席交渉官は14日、記者会見を開き、イギリスと基本合意したと正式に発表したうえで、「この合意は離脱交渉を完了する上で決定的な一歩だ」とその意義を強調しました。

メイ首相は15日、議会に対し閣議で了承された草案の内容などについて説明することにしていますが、与党内の離脱派を中心に強い反発も出ています。

離脱に向けては、EUとの最終合意が得られた後も議会での審議など重要な局面が控えているだけに、メイ首相にとっては国内をどうまとめていくのか難しい課題が残されています。

イギリスとEUは、離脱の条件を定める「離脱協定」と、将来の経済関係の青写真を描く「政治宣言」について交渉を続けてきました。

閣議の了承を受けて、およそ500ページに上る「離脱協定」の草案が発表されました。

中でも注目されるのは、交渉が停滞する最大の原因となっていた北アイルランドの国境管理の在り方です。
イギリスがEUを離脱したあと、唯一、陸続きの国境となるアイルランドとの間で、人とモノの移動の自由をどのように維持していくのかをめぐり対立してきました。

イギリスの公共放送BBCは、草案にはアイルランド北アイルランドの間でこれまでどおり人やモノの往来の自由を確保する方法が見いだせるまで、イギリスが事実上、EUの関税同盟にとどまる方針が盛り込まれていると伝えていました。

これに対して離脱派の議員からは、EUのルールに縛られ続けることになると反発の声が広がっていました。

さらに少数与党を率いるメイ政権を閣外から支える北アイルランド地域政党も不満をあらわにしていて、EUとの最終的な合意をまとめられたとしても議会で承認を得られるのか不透明な情勢です。

EUとの合意案についてイギリスのメイ政権が閣議で正式に了承したことを受けて、イギリスを除くEU加盟の27か国が合意案の内容を精査することになります。
そして各国から異論が出なければ、EUは近く首脳会議を開いて、合意案を正式に承認するものとみられます。

その後、イギリスとEUのそれぞれの議会で審議が行われますが、イギリスでは与党の離脱派の議員らが反対票を投じる構えを示しており、過半数議席を持たないメイ政権が議会の承認を得られるかどうか、不透明な情勢です。

仮にイギリス議会がEUとの合意を否決すれば、何の取り決めもなく来年3月のEU離脱の日を迎える可能性が高まり、大きな混乱は避けられません。

このため一部の議員からは、議会が合意を否決した場合には再び国民投票を実施して、合意を受け入れるかどうか国民に問うべきだとする意見も出ています。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/14/200310(EU離脱交渉 イギリス政府が実務レベルで合意と発表)

イギリスではEUとの離脱交渉を率いてきたラーブ離脱担当相が15日朝、辞任を表明したほか、マクベイ雇用・年金相、それに北アイルランドを担当する閣外相など、合わせて4人が相次いで辞任を表明しました。

メイ首相は、EUと実務レベルで合意した草案について14日夜、閣僚の了解を取り付けたばかりですが、閣議では10人前後の閣僚が草案に盛り込まれた北アイルランドの国境管理の在り方をめぐって強い懸念を示したと言われています。

協定の草案では、アイルランド北アイルランドの間での人とモノの往来の自由を守る方策が見つかるまでの間、イギリスが関税同盟に残るとしていて、辞任の表明にあたりラーブ担当相は、「去年の総選挙でかかげた公約と異なり国民の信頼を裏切るものだ。これ以上、この方針を支えることはできない」と首相の方針を批判しました。

EUのトゥスク大統領は15日、バルニエ首席交渉官から報告を受けた後、臨時の首脳会議を今月25日に開いて、イギリスとの正式な合意を目指す方針を明らかにしたばかりですが、閣僚の相次ぐ辞任表明を受け、メイ首相は厳しい情勢に追い込まれています。