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アメリカ太平洋空軍は21日、NHKの取材に対し、アメリカ軍のB52爆撃機2機が、今月19日に南シナ海で、各国が領有権を争っている島の周辺の上空を飛行したことを明らかにしました。

爆撃機はグアムのアンダーセン空軍基地を飛び立ち、通常の訓練任務に当たったということで、太平洋空軍は、「国際法と、自由で開かれたインド太平洋へのアメリカの関与に沿ったものだ」と述べています。

南シナ海をめぐっては先週、アメリカのペンス副大統領が「国益国際法に従って海と空での航行を続ける」と述べ、軍事拠点化を進める中国に断固として対抗する姿勢を改めて示しています。

今回、アメリカ軍が南シナ海上空で爆撃機を飛行させたのも、トランプ政権のそうした強い姿勢の下、海洋進出を加速させる中国をけん制するねらいがあるとみられます。

アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所20日衛星写真の分析から、中国が南シナ海の島に新たな施設を建設したとする報告書を発表しました。

それによりますと、南シナ海の西沙(パラセル)諸島にあるボンバイ礁では、これまで灯台が設置されていただけでした。

しかしことし7月に撮影された写真からは、海上に長さ27メートル、幅12メートルほどの施設が建設されたことが確認できるとしています。施設の上部にはドーム型の設備と太陽光パネルが配置されています。

こうした点からCSISでは、この施設は軍事的な目的で、付近を航行する艦船からの電波などを収集するものだとみられると分析しています。

南シナ海の軍事拠点化を進める中国は、これまでに人工島に対艦ミサイルや対空ミサイルを配備しているほか、爆撃機を収容できる大型格納庫を建設していることが分かっています。

CSISでは、「中国がボンバイ礁に新たな施設を建設すれば、この海域を監視し軍事力を誇示するという目標にさらに近づくことになる」と指摘しています。

アメリカ軍の原子力空母、「ロナルド・レーガンは21日午前、香港の港に入りました。

今月中旬にフィリピン沖で行われた空母「ジョン・ステニス」との演習に参加したばかりで、寄港は主に乗組員らの休息が目的ですが、地元の人たちとの交流も予定されています。

指揮官のカール・トーマス少将は「温かく迎えてくれたことに感謝する」と述べたうえで、「この地域の平和と繁栄は海上の自由のもとに成り立っており、地域に安定と安全をもたらすためにも私たちの存在が重要だ」とその役割を強調しました。

アメリカ軍の軍艦をめぐっては長崎県佐世保基地に配備されている強襲揚陸艦「ワスプ」先月、香港に寄港する予定でしたが、中国政府はこれを拒否しました。

中国政府としては、貿易問題をめぐりアメリカとの対立が深まる中、今回は寄港を認めることで、今月末に予定されているトランプ大統領習近平国家主席による首脳会談に向けて、新たな摩擦が起きることは避けたいという思惑もあるものとみられます。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/21/200232(トランプ政権の元高官 中国迫害被害者の支援基金設立へ)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/21/200230(「中国は市場ゆがめる不公正な慣行変えず」米通商代表部報告書)