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中国の国政の助言機関である政治協商会議の郭衛民報道官は
会見で、アメリカと中国の貿易問題をめぐる交渉について「さまざまな問題で実質的な進展があった」と述べて、交渉が順調に進んでいることを強調しました。

そのうえで「なるべく早く双方に利益のある合意に達することは、両国のみならず世界経済にとっても良い知らせとなる」と述べて、交渉の最終的な決着に期待を示しました。

両国の交渉をめぐってアメリカは、今月1日としていた交渉期限の延長を表明し、今月中にトランプ大統領の別荘に習近平国家主席を招き、首脳会談で最終的な合意を目指すとしています。

アメリカ側は交渉には多くの課題が残っているとしていますが、中国政府としては、各国のメディアの注目が集まる全人代を前に交渉の進展を強調することで、貿易摩擦の影響などで減速する経済への懸念を和らげるねらいがあるとみられます。

中国では重要政策を決める全人代全国人民代表大会が、5日から北京で始まります。

これを前に国政の助言機関である政治協商会議が3日に開幕し、人民大会堂で行われた開会式には、習近平国家主席共産党の最高指導部のメンバーがそろって出席しました。

この中で、党の序列4位で、政治協商会議の主席を務める汪洋氏が活動報告を行い、アメリカとの貿易摩擦をめぐり、積極的に提言を行ったなどとしたうえで、「各民族や各界の人々の国家の利益を断固として守る明確な態度と固い信念を示した」と述べ、国益に関わる点では譲歩しない姿勢を強調しました。

そのうえで、汪氏は国政の助言機関として、減速が鮮明になる経済の分野では、製造業の質の高い発展や雇用の促進などについて提言を行っていく方針を示しました。

5日からの全人代では、アメリカとの貿易問題をめぐる交渉が続くなか、中国政府がどのような経済運営の方針を示すのかが、注目されています。

かつて10%以上の高成長を続けていた中国経済は、ここ数年、成長率が前年を下回る「減速」傾向が続いてきました。

去年のGDP=国内総生産の伸び率は6.6%と、1990年以来、28年ぶりの低い水準にとどまりました。

背景にあるのは、長年続けてきたインフラ投資を中心とする景気の下支え策のツケとも言える過剰債務の問題と、アメリカとの貿易摩擦です。

中国はリーマンショック以降、景気を下支えするため、インフラなどの公共投資や国有企業による過剰な設備投資を続け、その結果、政府や企業が抱える債務が、GDPに対する比率で2.5倍の規模に達しています。

このため、中国政府は去年の全人代では、一定の景気の減速を容認して、債務削減に取り組む方針を示していました。

しかし、そこにアメリカとの貿易摩擦が追い打ちをかけました。景気の先行きが不透明になったことから、企業は新たな設備投資を手控えるようになり、上海の株式市場の株価は、去年1年間で24%も下落しました。

右肩上がりだった新車の販売台数も、去年、28年ぶりに前の年を下回るなど、インフラ投資にかわる経済のけん引役と期待されていた「消費」も伸びが鈍化しています。

このため、中国政府は景気の失速を避けるため、市場に資金を供給する金融緩和や地方政府のインフラ投資の拡大に加えて、家電や自動車の買い替えに対する補助金などの個人消費の刺激策や、大規模な減税などを今回の全人代で打ち出す方針です。

しかし、こうした対策を実施することは、地方政府や国有企業の過剰債務問題の解決から遠ざかってしまうことになります。

また、金融緩和によって、経営状況のよくない国有企業に資金が投入され続けると、中国経済構造改革がさらに遅れることにもなります。

アメリカとの貿易交渉が大詰めを迎える中で、中国政府は厳しい経済財政運営を迫られています。

全人代と政治協商会議は今月中旬までの会期中、北京の人民大会堂で並行して行われ習近平国家主席共産党の最高指導部のメンバーも顔をそろえます。

このうち、全人代は中国全土の各省や軍などの代表、およそ3000人が出席し、重要政策を決めるほか、国防費を含む政府の予算案を承認します。

初日の5日は、李克強首相が政府活動報告を行い、アメリカとの貿易摩擦などを背景に、景気の減速が鮮明になる中、経済運営の方針などを示す見通しです。

また、今回の全人代では、中国の政府が中国で活動する外国企業に対して、技術の移転を強制することを禁止する新たな法律が制定される見通しで、アメリカとの貿易問題をめぐる交渉が続く中、配慮を示すねらいもあるとみられています。

例年、会期中には外相や主要な経済閣僚などが記者会見を行うほか、閉会後には李首相も記者会見を行っていて、外交や経済などの課題に対して、どのような方針を示すのかも注目されています。

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