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先月ベトナムで開かれた2回目の米朝首脳会談では、北朝鮮が、核施設の廃棄と引き換えに国連安保理による制裁の解除を求めたのに対し、アメリカは完全な非核化が実現するまで応じないとして物別れに終わりました。

こうした中、国連関係者によりますと、安保理では北朝鮮に対する制裁決議をめぐって、常任理事国の足並みが乱れていることが分かりました。

具体的には、中国やロシアは、制裁が北朝鮮の市民生活に与える影響を考えるべきだとして、今後、安保理の専門家パネルが決議の実施状況を調べる際には、市民生活への影響も調査項目に加えるよう主張しています。

これに対して、アメリカ、イギリス、フランスは、制裁は決議に基づいて厳格に実施されるべきで、市民生活への影響は調査項目に加える必要がないと主張していて、意見が対立しているということです。

今回の事態は、北朝鮮をめぐる問題に安保理が結束して対応することの難しさを改めて示したといえそうです。

ジュネーブの国連ヨーロッパ本部で開かれている国連人権理事会で22日、北朝鮮に対し、人権状況の改善を求める決議案がEU=ヨーロッパ連合から提出され、採択されました。

決議では、北朝鮮が国の政策に基づいて殺人や拷問、性暴力、投獄などが行われているとして強く非難するとともに、拉致による日本人などの被害者の即時帰還を求めています。

国連人権理事会で北朝鮮の人権状況を非難する決議が採択されるのは12年連続です。

採択後、ジュネーブにある北朝鮮の代表部はコメントを出し、「うそに基づいた決議をいくら重ねても何も達成されない」と反論しました。

去年までEUと共同で決議案を提出していた日本は、ことしは拉致問題の進展に向けて北朝鮮から対話に応じる姿勢を引き出そうと提出はしませんでしたが、決議には賛成しています。

トランプ大統領は22日、ツイッターに、「きょう財務省北朝鮮に対して大規模な追加制裁を発表したが、私はこの追加制裁の撤回を指示した」と投稿しました。財務省は前日の21日、北朝鮮の物資の調達などを助けた中国の海運会社2社に制裁を科すと発表しましたが、トランプ大統領が投稿した22日に発表された制裁はなく、撤回を指示した「追加制裁」が何を指すのかはわかっていません。

ホワイトハウスのサンダース報道官も「大統領はキム委員長を気に入っていて、この制裁は必要ないと思ったからだ」と述べただけで、今のところ詳しい説明はありません。トランプ政権は北朝鮮の非核化に向けて、制裁による圧力を維持する重要性を繰り返し強調してきました。このためCNNテレビは「政権幹部も大統領のツイートに困惑している」と伝えたほか、ABCテレビは、「驚きの政策転換だ」と伝えるなど、波紋が広がっています。

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