中国 「一帯一路」テーマの国際フォーラム #nhk_news https://t.co/nmupi4AOLe
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月25日
「一帯一路」は習近平国家主席が提唱したアジアとヨーロッパをつなぐ巨大な経済圏構想で、これをテーマにした国際フォーラムが25日から北京で始まりました。
フォーラムには、37か国の首脳を含む150余りの国の代表が参加し、25日は、幅広い分野の協力を話し合う分科会が開かれたほか、習主席や李克強首相が各国の首脳と個別に会談しました。
中国外務省によりますと、このうち李克強首相とマレーシアのマハティール首相の会談では、多額の債務への懸念を理由にマレーシアがいったん凍結し、今月、大幅な費用削減で再開にこぎつけた鉄道事業の協力文書に双方の代表が署名しました。
中国としては、「一帯一路」の主要プロジェクトでもあるこの事業を含め、一定の譲歩をして債務の拡大を懸念する相手国に配慮しながら、構想の推進をはかるねらいがあるとみられます。
中国 習主席 一帯一路「国際ルールに基づき持続可能性確保」 #nhk_news https://t.co/cEE790DPxx
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月26日
中国政府が開く「一帯一路」をテーマにした国際フォーラムには、37か国の首脳を含む150余りの国の代表団などが参加していて、日本からは自民党の二階幹事長が出席しました。
この中で習主席が演説し、「『一帯一路』は国際貿易や投資において新たな枠組みを作り、各国の人々の暮らしの向上に貢献し、繁栄の道を作った」と述べて、成果を強調しました。
「一帯一路」をめぐっては、中国の巨額の融資で対象国の債務が深刻化しているほか、政治的な影響力の拡大にも利用されているという懸念も出ていて、アメリカ政府は今回、高官レベルの代表団の派遣を見送りました。
これらの懸念を念頭に、習主席は「国際ルールに基づいて構想を進めると同時に、各国の法律を尊重し、財政上の持続可能性も確保していく」と述べました。
そのうえで融資について、事業による債務のリスクや、持続可能であるかどうかなどの評価を強化する枠組みを作ったことも明らかにし、懸念の払拭に努めました。
また、「一帯一路」のプロジェクトは一部で腐敗の温床になっているという指摘も踏まえ、「腐敗を一切容認せずに摘発し、清廉で公正なシルクロードを各国と築いていきたい」と強調しました。
そして、「第三国市場の開拓を奨励し、多くの国が参加して共同の利益を実現することを歓迎する」として各国に連携を呼びかけました。
さらに、貿易摩擦をめぐって激しく対立するアメリカを念頭に「われわれは、きし鮮明に保護主義に反対しなければならない」と述べて、けん制する一方、知的財産権の保護を強化することや、輸入拡大の方針を示し、配慮する姿勢も見せました。
そのうえで「各国が良好な投資環境を作り、中国企業や留学生、学者たちを平等に扱うよう望む」とも述べて、アメリカが中国の通信機器大手、ファーウェイの製品の排除を呼びかける中、中国企業を不公平に扱わないよう各国に求めました。
「一帯一路」をテーマにした国際フォーラムで、ロシアのプーチン大統領が演説し、「ロシアは、ユーラシア大陸全体で2国間や多国間の協力関係を発展させるための環境整備に力を尽くす用意がある」と述べ、「一帯一路」に改めて支持を表明しました。
そのうえでロシアが旧ソビエトのベラルーシやカザフスタンなどとともに4年前に創設した「ユーラシア経済同盟」にも触れ、「われわれは経済同盟の枠組みの中で共通の市場を作り、人、物、サービスの自由な移動を実現してきた。中国の一帯一路はこの経済同盟の圏内にも及んでおり、われわれの構想と完全に融合することになるだろう」と述べ、「一帯一路」との共存に期待を示しました。
また今回のフォーラムの開催に合わせて25日、ロシアの大手民間ガス会社「ノバテク」は北極圏で開発しているLNGプロジェクトに中国のエネルギー企業2社が資本参加すると表明しており、今後、中国とロシアの経済関係が一層、強まるものとみられます。
マレーシアのマハティール首相は、北京で開かれている中国の巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際フォーラムに出席し、26日スピーチしました。
マレーシアは、ヨーロッパや中東などから日本や中国を含む東アジアに物資を運ぶ貨物船が通過する、マラッカ海峡や南シナ海に面していて、マハティール首相は、「石油の需要が高まるにつれ、マラッカ海峡から南シナ海を抜ける航路は重要さを増している」と指摘しました。
そのうえで、「貿易の当事国には富がもたらされているが、航路の沿岸国では海への油の流出や廃棄物の投棄によって沿岸が汚染されている」と不満を表明しました。
そして、「マラッカ海峡が国際海峡である以上、海が汚染されないよう国際社会が責任を負うべきだ。現状では沿岸国が海や岸の清掃に追われており、貧しい国々がこうした責任を負わされるのは不公平だ」と述べ、国際社会が海洋汚染の対策を講じるべきだと主張しました。
二階幹事長「一帯一路に協力し日中関係発展に尽力」北京で講演 #nhk_news https://t.co/sm4OmRGGZY
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月26日
自民党の二階幹事長は26日、北京で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際フォーラムに出席しました。
講演で、二階氏は「中国が、開放性や透明性といった国際社会共通の考え方を十分に取り入れ、世界の平和と繁栄に貢献していくことを強く期待している。日本としても協力していく考えだ」と述べました。
そして、「多くの自然災害を経験してきた日本として、自然災害リスクへの対応の重要性を提起したい。国土強じん化をグローバルに推進したい」と述べ、「一帯一路」で防災対策を進める必要があると訴えました。また、二階氏は「日中両国は引っ越しできない隣国であり、いかなる難題があろうとも、両国の間の対話と交流を途絶えさせてはならない」と指摘しました。
そのうえで、「日中関係は完全に正常な軌道に戻り、新たな発展を目指す段階に入りつつあることを心から歓迎している。両国が、共に未来を創っていく関係になるよう、引き続き尽力していきたい」と述べ、日中関係のさらなる発展を目指す考えを強調しました。
中ロ首脳が北京で会談 北朝鮮への対応などめぐり協議か #nhk_news https://t.co/HCdMI1SzbA
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月26日
中国の習近平国家主席は、26日、「一帯一路」をテーマに北京で開かれている国際フォーラムに合わせて中国を訪れたロシアのプーチン大統領と会談しました。
中国国営の新華社通信によりますと、両首脳は、朝鮮半島情勢や、政治の混乱が続く南米ベネズエラなどの問題について意見を交わし、緊密に意思疎通を図っていくことで一致しました。
プーチン大統領は25日、ロシア極東のウラジオストクで北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と初の首脳会談を行っていて、習主席に対して会談内容を説明したとみられます。
中国とロシアは、北朝鮮の非核化の進展に応じて段階的に制裁の緩和を検討するべきだとする立場で、国連の安全保障理事会などで連携して対応していくことを確認したとみられます。
一方、両国の間では25日、ロシアの大手民間ガス会社が北極圏で開発しているLNG=液化天然ガスのプロジェクトに、中国企業が資本参加することが明らかにされていて、26日の首脳会談でもエネルギーなど幅広い分野で協力を深めることを確認しています。
#China and Mongolia sign BRI, Development Road deal #BeltandRoad #BRF2019 https://t.co/gpenG2f1if pic.twitter.com/czzjl7bQaA
— CGTN (@CGTNOfficial) 2019年4月25日
EUと定期首脳協議 WTO改革など協力を確認 首相 #nhk_news https://t.co/HyJ32reSqb
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月25日
ベルギーに到着した安倍総理大臣は日本時間の26日未明、EU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領やユンケル委員長との定期首脳協議などに臨み、会談の成果を盛り込んだ共同声明を発表しました。
それによりますと、日本とEUはルールに基づく国際秩序を守るために、G7とG20の場で協働し、共有された価値を堅持し、新たな課題に対処することなどを通じて、6月のG20大阪サミットの成功を確実なものとするとしています。
そしてWTO=世界貿易機関を中心とするルールに基づく多角的貿易体制を強化することを再確認し、WTO改革を進展させるために引き続き取り組むとしています。
さらに中国などを念頭に、日本とEUは、WTOの主要なメンバーと、自国の産業を優遇するため政府が補助金を活用することへの規制の強化に関する交渉を開始するとともに、強制的な技術移転に対処するため協力を強化するとしています。
またWTOの上級委員会で、韓国政府による水産物の輸入禁止をめぐる日本側の主張が退けられたことに関連し、WTOの通常委員会の監視機能の強化および、上級委員会が本来の機能を確保するための協力に引き続き取り組むと明記しました。
加えて、G7やG20において、質の高いインフラ整備の推進や電子データの適正管理に向けた国際的な枠組み作りで協力していくとしています。
また北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルなどの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄と、朝鮮半島の平和に向けた現在のアメリカの取り組みを支持するほか、東シナ海や南シナ海情勢をめぐって、一方的行動を差し控えることなどの重要性を強調する海洋安全保障の諸事項に取り組むことを確認するとしています。
定期首脳協議のあと、両首脳らはそろって記者会見に臨みました。
この中で、安倍総理大臣は、「国際社会の最重要課題は自由貿易体制の堅持だ。G20が自由貿易の推進やWTO改革に向けて、一致して力強いメッセージを国際社会に対して発出すべく、EUと連携していくことで一致した」と述べました。
また「持続可能な連結性および質の高いインフラ整備、地球規模課題等を中心に協力を進めていくことを確認した。特にわが国が推進する『自由で開かれたインド太平洋』と、EUの欧州・アジア連結性戦略は欧州とアジアをつなぐ広範な地域に繁栄をもたらすコンセプトであり、多くの共通点を有する。これらを軸に日本とEUのさらなる連携を模索していく」と述べました。
ユンケル委員長は、「WTOの改革についてはともに力を合わせてあたっている問題だ。WTOは深いところから改革される必要があり、日本もEUも力を合わせて、この改革を成功裏に進めていく所存だ」と述べました。
また安倍総理大臣が提唱している電子データの適正管理に向けた国際的な枠組み作りについて、「全幅の信頼を表明したい。安倍総理大臣の提唱に従い、通商的な枠組みで進めていきたい。欧州委員会も日本の力強い味方でありたいと思っている」と述べました。
米駐日大使“日米貿易交渉の早期妥結を” #nhk_news https://t.co/99qmL1E4Ci
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月25日
アメリカのハガティ駐日大使は、安倍総理大臣とトランプ大統領の会談が日本時間の27日行われるのを前にワシントンで日米関係について講演しました。
この中でハガティ大使は、日本が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定やEU=ヨーロッパ連合との協定に基づいてアメリカ以外の国々からの輸入品の関税を引き下げたことに言及し、「アメリカは貿易交渉で少し遅れを取っている。アメリカの農家や畜産家それにビジネスの人々は不利な立場に置かれている」と述べました。
そのうえで「われわれは世界の中で最も緊密な同盟国だ。経済的な関係もどこの国よりも劣ってはならない」と述べ、日本時間の27日行われる日米首脳会談や来月のトランプ大統領の日本訪問を通して、両国の貿易交渉が進展し、早期に妥結することに強い期待を示しました。
またハガティ大使は、26日のメラニア夫人の誕生日を今回、安倍総理大臣とトランプ大統領が一緒に祝うことや、ゴルフを共にすることなどを明らかにし、こうした個人的な関係を首脳レベルだけでなく国民全体に広げていきたいと述べ、両国の学生交流やスポーツ交流に努める考えを強調しました。
日米財務相会談 為替条項の溝埋まらず #nhk_news https://t.co/UwDtb6249q
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年4月25日
27日の日米首脳会談を前に、麻生副総理兼財務大臣はアメリカのムニューシン財務長官とワシントンで会談しました。アメリカ側は意図的な円安誘導を禁止する「為替条項」を貿易協定に盛り込むよう求めたとみられますが、麻生副総理は為替の問題は貿易政策とは切り離すべきだと主張し、日米の財務相どうしで協議を続けることになりました。
会談は、日本時間の午前2時すぎから行われ、「為替条項」の扱いが焦点になりました。
「為替条項」は輸出を有利にするために、自国の通貨を意図的に切り下げるのを禁止する取り決めで、ムニューシン財務長官は、日米の新たな貿易協定に盛り込むよう求めたものとみられます。
これに対し麻生副総理は、為替の問題は貿易政策と切り離すべきだと主張し、双方の溝は埋まりませんでした。
このため、貿易協議に関連した為替の取り扱いについて、今後も日米の財務相どうしで協議を続けることになりました。
為替条項をめぐってアメリカは、法的拘束力の強い貿易協定に盛り込みたい考えですが、日本としては、過度な円高になった場合の為替介入など政策が縛られるおそれがあり、受け入れられないという立場です。
今回の会談は、双方が互いの立場を述べ合うにとどまりましたが、来年の大統領選挙に向けてトランプ政権が、「為替条項」を協定に盛り込むよう強硬に迫ってくるおそれもあるだけに、日本にとって予断を許さない状況が続きそうです。
「為替条項」は、輸出の競争力を高める目的で、為替介入などを行い、自国の通貨を安く誘導するのを禁止する取り決めです。
アメリカのトランプ政権は、各国との貿易協定に「為替条項」を盛り込むことで、相手国の輸出競争力が高まるのを防ぎ、巨額の貿易赤字の解消につなげていきたい考えです。
トランプ政権は、去年、メキシコやカナダとの3か国の間で見直しに合意した貿易協定にこの為替条項を盛り込んだほか、中国との貿易交渉でも同様の要求をしています。
日本との貿易協定でも、ムニューシン財務長官が、円安誘導を防ぐため、為替条項を盛り込みたいという意向を繰り返し示しています。
一方、日本は、過度な円高になった際の為替介入が制約を受けるおそれもあることから、こうした条項を、法的拘束力の強い貿易協定に盛り込むことには否定的で、これまで日本が各国と結んでいる貿易協定にも、盛り込まれていません。
アメリカが離脱する以前のTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉でも、為替に関するルールは、協定そのものには盛り込まず、法的拘束力のない「共同宣言」の中に入れるにとどめていました。
日本としては、日米の新たな貿易交渉でも、協定そのものに為替条項を盛り込むことは反対の立場で、今後の交渉で、アメリカ側と一致点を見いだすことができるのか注目されます。
麻生副総理兼財務大臣は、ムニューシン財務長官と会談したあと、記者団に対して「為替については2017年2月の日米首脳会談で合意したとおり、貿易協議に関連した為替の取り扱いについて、ムニューシン財務長官との間で議論していくことを確認した」と述べました。
そのうえで麻生副総理は「私からは日本の立場として貿易政策と為替政策をリンクするような議論には賛同しかねると申し上げた」と述べ、為替の問題は貿易政策とは切り離すべきだと主張したことを明らかにしました。
アメリカの財務省は、25日、ムニューシン財務長官が、麻生副総理兼財務大臣と会談したと発表しました。
会談では、日本とアメリカの経済関係の重要性について改めて確認したほか、中国や北朝鮮、それにイランへの制裁といった重要な課題について意見を交わしたとしています。
ただ、今回の会談で焦点のひとつになっていた為替の問題については、アメリカ財務省の発表や、ムニューシン財務長官のツイッターへの投稿では、言及していません。
Excellent discussion this morning with my Japanese counterpart Shotaro Yachi on taking our ever important alliance with Japan to the next level. pic.twitter.com/AYdePnFg9B
— John Bolton (@AmbJohnBolton) 2019年4月26日