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中央アジアカザフスタンでは、ことし3月、30年近く大統領を務めたナザルバーエフ氏が退任し、その後任を選ぶ大統領選挙の投票が9日、当初の予定を前倒しして行われました。

選挙では、ナザルバーエフ氏の側近で暫定的に大統領の職に就いたトカエフ氏の当選が確実視され、これに不満を抱く人たちが投票日当日、首都ヌルスルタンや南部の商業都市アルマトイで政権を批判する集会を開きました。

これに対して、政権側は治安当局を出動させ、このうちヌルスルタンでは周囲の道路を閉鎖したうえで広場の周辺にいた人たちを次々に警察車両に押し込んで連行しました。

現場の様子を目撃した女性はNHKの取材に対して「倒れた人の手や足をつかんで、まるで羊を運ぶように連れて行った」と話していました。

カザフスタン内務省によりますと、当局はいずれの集会にも許可を出しておらず、合わせておよそ500人を拘束したということで、政権側の強硬な対応に一部の国民の不満が高まっています。

中央アジアカザフスタンで30年近く大統領を務めたナザルバーエフ氏が突如、退任したのを受けて9日、後任を選ぶ大統領選挙が行われました。

開票の結果、中央選挙管理委員会は10日、ナザルバーエフ氏の長年の側近として知られ、政策の継続を訴えるトカエフ氏が70.76%の得票率で当選したと発表しました。

トカエフ氏は1953年生まれの66歳。中国を専門とする外交官として活躍したあと、外相や首相、それに上院議長を歴任し、ことし3月、暫定的に大統領に就任しました。

一方、ナザルバーエフ氏は退任後も政府や政党の要職にとどまるうえ、今回の選挙でもトカエフ氏を党の公認候補に指名しており、今後もナザルバーエフ氏が実権を握るものと見られています。

カザフスタンでは、ナザルバーエフ氏の親族や側近に権力や富が集中していることへの不満が強まっていて、投票日当日には体制の事実上の継続だと批判する集会が各地で相次ぎ、およそ500人が身柄を拘束されました。

トカエフ氏にとっては強権的な体制や経済格差に対する人々の不満に、どう応えていくのかが大きな課題となります。

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