イラン核合意「進展も期待を満たすものではない」 #nhk_news https://t.co/DzZPvtdNr2
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年6月28日
核合意をめぐってイランは、アメリカの一方的な離脱と制裁の発動で、約束された経済的な利益が得られていないとして、先月から合意の義務を一部停止するなどしていて合意の維持が危ぶまれています。
こうした中、オーストリアの首都ウィーンで28日、イランに加え、フランスやドイツ、それに中国など関係5か国による次官級の協議が行われました。
イランの国営通信によりますと、フランスなどヨーロッパの主要3か国がアメリカの制裁を回避する形でイランとの貿易を続ける仕組みについて説明を行ったということで、イランのアラグチ外務次官は協議のあと「進展はあった」と述べ、ヨーロッパ側の取り組みに一定の評価を示しました。
一方で、アラグチ次官は「期待を満たすものではなかった」とも述べて、ヨーロッパ各国に対しさらなる取り組みを求めました。
ヨーロッパなどは、アメリカとイランの緊張が高まる中、引き続き、イランの説得にあたることにしていますが、イランは、来月7日以降、ウラン濃縮のレベルを高めると表明していて、合意の維持に向けて厳しい局面が続いています。
ヨーロッパ側がイランに説明を行ったのはINSTEX=貿易取引支援機関と呼ばれる事業体で、フランス、ドイツ、イギリスの3か国がEUの調整のもと、ことし1月、フランスのパリに設立しました。
ヨーロッパの企業がイラン側と直接、ドル建ての決済システムで取り引きを行えばアメリカの制裁の対象となりますが、INSTEXを介してユーロ建てで決済を行うことで制裁を回避することができるとしています。
このINSTEXは技術的な調整などに時間がかかっていましたが、EUは、イラン核合意をめぐる今回の協議の後、声明を発表し、INSTEXの運用が始まったことを明らかにしました。
声明によりますとフランスなど3か国が協議のなかで、INSTEXを利用した初めての取り引きの手続きが始まったことを説明したということです。また、声明では、3か国以外の複数のEU加盟国もINSTEXに参加する手続きを進めていると強調しています。
ただ、当面の取り引きは医薬品や医療機器、それに食品など小規模なものにとどまるとみられていて、イラン側を納得させ、核合意の維持につなげられるかは不透明です。
一方、アメリカ国務省でイラン政策を統括するフック特別代表は、イラン情勢について協議するためヨーロッパを歴訪しています。
イギリスのロンドンで28日、記者会見したフック特別代表は「イランはあまりに何度も外交を拒否し続けてきた。われわれは対話の扉を開いているが、イランが拒んでいる」と述べ、アメリカが対話を呼びかけているにもかかわらず、イランが応じないことが問題だと主張しました。
そのうえで「イランは圧力が緩和されるまで緊張をエスカレートさせるという手法を用いているが、トランプ政権はそれには従わない。だからイランの外交的孤立を深めさせ経済的圧力を強化し続けてきた」と述べ、イランが態度を改めないかぎり、制裁を強化していく考えを示しました。