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アメリカのトランプ政権は、去年8月、機密の漏えいを防ぐためだとして、政府機関から、通信機器大手ファーウェイなど、中国のハイテク企業の製品を排除する条項を盛り込んだ、国防権限法を成立させました。

アメリカ政府は7日、この法律に基づいて、今月13日から政府機関で、中国の5つの企業の通信機器や監視カメラなどの調達や使用を禁止すると表明しました。

対象となったのは、ファーウェイのほか、大手通信機器メーカーのZTE、監視カメラメーカーのハイクビジョンとダーファ・テクノロジー、無線機器メーカーのハイテラで、来年8月以降、アメリカ政府機関は、5社の製品を使用している世界中のあらゆる企業との取り引きも禁止されます。

トランプ政権はことし5月にも、アメリカ企業が政府の許可なく、電子部品などをファーウェイに販売するのを禁じる措置を発表するなど、中国のハイテク企業への締めつけを強めています。

米中の貿易摩擦が激しさを増す中、アメリカとしては、中国への圧力を強め、交渉で歩み寄りを迫るねらいもあるとみられます。

打開の糸口が見えない米中の貿易摩擦を受けて、7日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価は、一時、前日に比べて580ドルを超える大幅な値下がりを記録しました。その後は買い戻されましたが、投資資金はより安全とされる債券に流れ、アメリカの長期金利は2016年10月以来の水準まで低下しました。

また、外国為替市場ではドルを売って円を買う動きが強まり、ニューヨーク外国為替市場では円高ドル安が進み、一時、1ドル=105円50銭付近をつけました。

これらの動きはいずれも、米中の貿易摩擦が世界経済に深刻な影響を与えるのではないかという見方から、リスクを避けようとする動きがより強まったためです。

一方、世界経済の減速に備えようと、新興国では金融緩和が相次ぎ、インド、タイ、ニュージーランドが7日、利下げを決めました。
新興国での利下げは、資金が海外に流出するリスクもありますが、各国の金融当局は、景気を下支えるためにはやむをえないとしています。

市場関係者は「激化する米中の対立は、次第に世界経済全体への影響を意識させるようになっており、株価の乱高下など金融市場の不安定な動きは当面続くと考えられる。影響を最小限に食い止めたいとして、各国は『緩和競争』に参加せざるをえない状況だ」と話しています。

米中の貿易摩擦が長期化する中、今週、11年ぶりの元安ドル高水準になったことを受けて、トランプ政権は、中国が輸出に有利になるよう通貨・人民元を意図的に安く誘導しているとして「為替操作国」に認定し、両国の対立が深まっています。

これに関連してトランプ大統領は7日、ツイッターFRB金利を速やかに大きく引き下げるべきだ。ばかげた金融引き締めをやめなければならない」と投稿し、先月末に利下げを決めたばかりのFRBに対して、さらなる利下げを求めました。

一般的に利下げをすると自国の通貨は安くなりやすいため、トランプ大統領としては、元安ドル高の傾向を食い止めようと、FRBに追加の利下げを迫っているものとみられます。

さらにトランプ大統領は、ホワイトハウスで記者団に「中国は不公正な貿易取り引きで私たちを苦しめてきた。中国と戦わなければいけない」と述べ、中国への対抗意識をむき出しにしています。

FRBは来月17日から金融政策を決める会合を開きますが、深まる米中の国家の対立が、政策決定に影響を与える可能性もあります。

中国の税関当局は、8日、ことし1月から先月までの貿易統計を発表しました。

それによりますとアメリカとの貿易は去年の同じ時期に比べて輸出が7.8%の減少、輸入は28.3%の減少となりました。輸出よりも輸入が大きく減少したことから、アメリカに対する貿易黒字は去年の同じ時期に比べておよそ4%増加しました。

中国とアメリカは1年以上にわたって互いの輸入品に高い関税を上乗せする措置を続けていますが、トランプ大統領が問題視する中国の対米貿易黒字は、削減していません。

トランプ大統領は、中国が先の米中首脳会談で合意したアメリカ産の農産品の輸入拡大を実行していないとして、来月1日から中国からの輸入品について関税を上乗せする対象を拡大する方針を示しています。

これに対して中国は、逆にアメリカ産の農産品の輸入を見合わせて対抗していますが、中国の対米貿易黒字の拡大が続くことで、トランプ大統領が一段と中国への圧力を強めることが予想されます。

香港では、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案に反対して大規模な抗議活動が続いていて、一部の若者が警察と激しく衝突するなど、対立が深まっています。

これについて、香港マカオ事務弁公室のトップで、閣僚級の張暁明主任は7日、香港に隣接する深*センで、対応などについて協議する会議を開きました。

国営の新華社通信によりますと、会議で張主任は、香港は1997年の返還以来、最も深刻な状態にあるとしたうえで、「さらに情勢が悪化し、香港政府が抑え込めない動乱が発生すれば、中国政府は絶対に座視しない」と述べ、直接介入する可能性に言及しました。

そのうえで、「中国政府には多くの手段があり、発生するおそれのある各種の動乱を速やかに鎮める強大な力がある」と強調しました。

香港情勢をめぐっては、先月24日、中国国防省の報道官が、香港に駐留する人民解放軍の出動は可能だという見解を示しており、今回の発言は、先の見解と合わせて、香港の抗議活動をけん制するねらいがあるとみられます。

*「セン」は、土へんに川

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