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香港の警察などによりますと、29日昼すぎ、九龍半島の繁華街にある飲食店で、民主派団体の代表、岑子杰さんが男2人に襲われました。

男らは、バットで殴るなどし、岑さんと一緒にいた男性が腕などにけがをしたということです。

岑さんは29日夜、記者会見し「どんなに怖い目にあっても気になるのは香港の未来だ。私たちは引き続き、未来のために努力していく」と述べました。

この団体はたびたび大規模な抗議活動を主催し、31日には中国政府の出先機関の周辺でデモ行進を計画していて、岑さんは襲撃される前、団体の活動に反発する市民数人と言い争いになっていたということです。

また、郊外の新界地区でも29日午後、先月27日に行われたデモを呼びかけた男性が4人の男たちに鉄パイプや雨傘でいきなり殴られ、背中などにけがをしました。

地元メディアによりますと、今月18日の夜にも、先月行われたデモを呼びかけた男性が数人の男たちに棒で殴られ、背中や頭にけがをしています。

香港では容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐって2か月以上にわたって抗議活動が続き、デモの参加者とこれに反発する人たちとの衝突も相次いでいて、市民の間で不安が広がっています。

香港の警察は30日、民主派の団体「香港衆志」の幹部で、5年前に香港で民主的な選挙を求める抗議活動「雨傘運動」を主導した黄之鋒氏と、同じ団体のメンバーの周庭氏を逮捕したと明らかにしました。

警察は2人についてことし6月21日、多くの市民が警察本部を取り囲んだ抗議活動に関係し、違法な集会への参加を扇動した疑いなどがあるとしています。

黄氏は「雨傘運動」に関連して実刑判決を受け、ことし6月に出所したばかりでした。

2人は30日午後に起訴され、裁判所から保釈が認められました。

また「香港衆志」の林朗彦代表もあわせて起訴されました。

警察は活動禁止の命令を受けた団体香港民族党」の陳浩天代表を、暴動に関わった疑いなどで29日夜に逮捕したことも明らかにしました。

香港では31日が「雨傘運動」のきっかけとなった、中国が香港トップの行政長官を選ぶ選挙に民主派が立候補することを事実上閉ざす決定をした日から5年となります。

これに合わせて当日に大規模なデモが呼びかけられましたが、警察はデモを認めない決定をしていて、今回の逮捕で市民のさらなる反発が予想されます。

黄之鋒氏は5年前の「雨傘運動」を主導した学生リーダーの1人で、民主派団体「香港衆志」の幹部を務めています。

黄氏は「雨傘運動」で法廷を侮辱した罪に問われ、禁固2か月の実刑判決を受けて収監されましたが、ことし6月に出所し、今回の抗議活動に参加していました。

今月上旬には香港に駐在するアメリカの総領事館の外交官と面会したと報じられ、中国のメディアなどから「香港を乱す分子」などと批判されていました。

周庭氏も黄氏と同じく「雨傘運動」を主導した学生リーダーの1人で、当時民主化運動の「女神」とも呼ばれるなど、運動の象徴的な存在の1人です。

日本語が流ちょうな周氏は、ツイッターなどSNSでも日本語を駆使し、香港の民主化を積極的に訴えてきました。

日本をたびたび訪れている周氏はことし6月には東京で記者会見して、容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案の撤回を呼びかけていました。

陳浩天氏は「雨傘運動」のあと、香港の中国からの独立を主張する政治団体香港民族党を立ち上げました。

陳氏は3年前に香港の議会「立法会」の選挙に立候補を届け出ましたが、主張が香港の基本法に反するとして立候補が認められず、その後「香港民族党」は活動禁止の命令を受けました。

陳氏は6月のG20大阪サミットの際に大阪で記者会見し、サミットで香港の問題を取り上げるよう訴えていました。

メンバーが警察に逮捕されたことについて民主派の団体「香港衆志」の鄭家朗副主席が会見し「香港政府は今回の逮捕を中国に見せて抗議活動を潰そうとしている。政府は状況を見誤らず、民意を正しく受け止めるべきだ」と反発しました。

そのうえで市民に対し、引き続き抗議活動への参加を呼びかけています。

容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案をめぐって大規模なデモが続く香港で、5年前の抗議活動、「雨傘運動」を主導したリーダーらが30日、相次いで警察に逮捕されましたが、黄之鋒氏と周庭氏の保釈が認められ、2人は裁判所から出てきました。

このうち黄氏は「私たちは何度逮捕されようが、闘い続け、降伏しません」と述べました。

また周氏は「違法な集会に参加したとして、けさ、2人とも自宅で逮捕されました。中国政府、香港政府は私たちを恐れさせようとしているが、恐怖は感じない。今後も活動を続けていく」と述べました。

香港では容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正案などをめぐり激しい抗議活動が続いていて、隣接する中国広東省の深※センでは中国軍の指揮下にある武装警察が集結し、抗議活動をけん制するねらいがあるとみられています。

こうした中、中国共産党系のメディア「環球時報」の電子版は29日、深※センで武装警察と警察が合同で暴徒と化したデモ隊を制圧する訓練を行ったとする新たな映像を公開しました。

およそ1分間の映像には棒などを持った暴徒に対し、武装警察が香港市民が使う広東語で撤退するよう呼びかけ、放水車なども出て制圧する訓練の様子が撮影されています。

深※センの武装警察について中国国防省は地域をまたぐ機動力や社会の安定を守るための能力を検証するため年度計画に基づいた通常の訓練を行っていると強調していますが、香港では31日、再び大規模なデモ行進が呼びかけられていて映像を公開することで、一部で過激化する抗議活動をけん制するねらいがあるとみられます。

深セン=土偏に川

香港では容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする条例の改正をめぐり抗議活動が続いています。

31日は民主派の団体が香港政府の建物や、中国政府の出先機関がある周辺でデモ行進を呼びかけましたが、警察は29日「一部のデモ参加者の暴力行為がエスカレートしている」として集会とデモ行進を認めない決定を団体側に通知していました。

これについて団体の代表を務める岑子杰さんが30日記者会見し、警察に対し、異議を申し立てたものの認められなかったと明らかにしたうえで「違法な集会となり、参加者の安全を確保することができないと判断し、やむをえずあすのデモと集会は中止することにした」と述べました。

ただ団体の決定を受けて、参加を予定していた人たちが今後どのような対応を取るのかについては予断を許さない状況が続いています。

香港では5年前の抗議活動「雨傘運動」を主導したリーダーらが30日相次いで警察に逮捕されるなど緊張が高まっています。

中国に進出しているアメリカ企業の団体「米中ビジネスカウンシル」は29日、ワシントンで記者会見し、ことし6月に実施したアンケート調査の結果を発表しました。

それによりますと、回答のあったアメリカ企業100社余りのうちの81%が「米中の貿易摩擦の影響を受けている」と答え、前の年よりも8ポイント上昇しました。

このうち半数近くの企業が追加関税によって売り上げが減少したと回答したほか、部品や素材の調達先を変更したとしています。

さらに、ことし1年の売り上げが伸びる見通しだと答えた企業は全体の52%にとどまり、前の年の78%から大きく減少して悲観的な見方が広がっているとしています。

会見した米中ビジネスカウンシルのアレン会長は、「関税の影響を受けてアメリカ企業の競争力は、日本やヨーロッパの企業よりも低下している。市場のシェアを取り戻すのは非常に難しく、損害は長期にわたる可能性がある」と危機感をあらわにしました。

そのうえで、米中両政府に対して、早急に貿易交渉を再開させて関税の引き下げを実現するよう求めるとともに、中国政府に対しては不公正な貿易慣行が存在すると指摘し、外国企業進出の障壁を取り除き、経済の構造改革に乗り出すよう訴えました。

中国中央テレビによりますと、会談で習近平主席は南シナ海の問題について効果的に意見を交換してきている」と指摘し、南沙諸島や周辺海域の主権について対話に応じる姿勢を見せました。

その一方で「争いを脇に置いて、外部の干渉を排除しつつ、協力に専念し、発展をはかるべきだ」と述べて、経済面での協力を優先するべきだという考えを示しました。

これに対してドゥテルテ大統領「対抗しない形で平和的に南シナ海の問題を解決するべきだと考える。南シナ海の石油や天然ガスの共同開発に向けて話し合いを加速したい」と述べ、南シナ海の問題では対話を続けつつ、経済関係を引き続き強化したい考えを示したということです。

中国は南シナ海の大部分が中国の管轄下にあると主張し、人工島を造成して軍事拠点化を進めているのに対し、フィリピンやベトナムなどは反対していますが、対立を先鋭化させず経済関係を強化する姿勢をとっています。

ただフィリピン国内では中国への反発が広がり、ドゥテルテ大統領もこのところ厳しい姿勢を見せていただけに、今回の首脳会談についてフィリピン側がどのように発表するか注目されています。

フィリピン大統領府は、29日に北京で行われたドゥテルテ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談の内容を30日、公表しました。

この中で大統領府は、3年前の国際的な仲裁裁判で、南シナ海全域の管轄権を持つという中国の主張が全面的に否定されたことを受けて、ドゥテルテ大統領が習主席に「裁判の判断は最終的かつ法的拘束力があり上訴できないものだ」と述べて、判断を尊重するよう求めたと明らかにしました。

一方の習主席は、仲裁裁判の判断は認められないという中国の立場は変わらないと答えたとしています。

フィリピン国内ではことし6月、南シナ海で中国の船舶が衝突したフィリピンの漁船の乗組員を救助せず放置した事故を受けて抗議デモが相次ぐなど、中国への反発が強まっています。

ドゥテルテ大統領はこれまで中国からの経済支援を目的に、外交交渉で仲裁裁判の判断は持ち出さない姿勢を示していましたが、国内の反中国感情の高まりを受けて方針の転換を余儀なくされた形で、中国へのけん制を強めています。

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