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シリアの憲法委員会は、内戦の政治的な解決を目指して、アサド政権の後ろ盾のロシアとイラン、それに反政府勢力を支援するトルコが主導して設置され、30日、スイスのジュネーブにある国連で初会合が開かれます。

150人に上るメンバーには、アサド政権側と反政府勢力側の双方が含まれ、新しい憲法の案について議論することになっていますが、アサド大統領の退陣を求める反政府勢力に対し、アサド政権側は応じない姿勢とみられ、交渉は難航することが予想されます。

これに先立って、29日、憲法委員会の設置を主導したロシアとトルコ、それにイランの外相がジュネーブで記者会見しましたが、この中で、イランのザリーフ外相は「とても困難なプロセスの始まりにすぎない」と述べ、意見の対立が根深いことをうかがわせました。

シリアでは、反政府勢力の最後の拠点である北西部のイドリブ県などでアサド政権側による激しい空爆が行われるなど、人道危機が深刻になっています。

シリア憲法委員会は内戦の政治的な解決に向けた国連の安全保障理事会の決議に沿って、アサド政権の後ろ盾のロシアやイランと反政府勢力を支援するトルコの主導で設置され30日、スイスのジュネーブで初めての会合が開かれました。

委員会はアサド政権と反政府勢力、それにシリアの市民社会の代表、合わせて150人からなり、会合の冒頭、国連のペデルセン特使は、「政権側と反政府側が会する歴史的な瞬間だ」と述べて期待を示しました。

しかしアサド政権側のクズバリ共同議長は「国土のすべてを解放するまでテロとの戦いを続ける」と述べて委員会で協議中も反政府勢力への攻撃はやめないと強調したのに対し、反政府勢力側は戦闘が続けば協議に悪影響がおよぶと懸念を示しました。

憲法委員会は今後、新しい憲法の草案の作成にあたることになりますが、双方の対立は根深く、協議は難航が予想されます。

イラクでは高い失業率やぜい弱な公共サービスなどへの不満から始まった抗議デモが、今月初めに続いて先週から再び広がりを見せ、30日も首都バグダッドでは、数千人が、中心部の広場に集まりました。

イラク人権委員会によりますと各地で治安部隊との衝突などが起き、今月に入ってからの一連のデモの死者は250人を超えました。

デモは当初、職を求める若者が中心でしたが、いまでは、政治の刷新を訴える幅広い世代が参加していて、就任から1年のアブドルマハディ首相は有力な宗教指導者などからも辞任要求を突きつけられ窮地に立たされています。

一方、イラク国防省によりますと30日、バグダッドにあるアメリカ大使館の近くにロケット弾が撃ち込まれ、イラクの治安部隊の1人が死亡したということです。

誰が撃ち込んだのかなど背景は明らかになっていませんが、デモによる混乱が続くなか、さらなる治安の悪化が懸念されています。

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