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フランス・ドイツ・イギリスの3か国は14日、イランが核合意に定められた義務を果たしていないとして、国連の制裁再開につながる手続きに踏み切りました。

この日のインタビューでイギリスのジョンソン首相は「現在の核合意を無効にするなら『トランプ合意』に取り替えよう」と述べ、核合意が維持できなかった場合アメリカを交えた新たな合意を結ぶべきだという考えを示しました。

これについて、イランのロウハニ大統領は15日、首都テヘランで演説し「トランプは、約束を破る以外に何もしていない」と述べ、トランプ大統領への不信感をあらわにしました。

またザリーフ外相も訪問先のインドで「もともと合意はあったのに、そこから抜けたのはアメリカだ。『トランプ合意』を結んだところで、いったいどれだけ続くのか」と述べて、アメリカと交渉するつもりはないと強調しました。

そのうえでザリーフ外相は「核合意はすばらしい合意だ。核合意の未来はヨーロッパにかかっている」と述べ、イランへの経済支援策を具体化するようヨーロッパ各国に行動を促しました。

イランの核合意をめぐって、フランス、ドイツ、イギリスの3か国が、国連の制裁再開につながる手続きに踏み切ったことについて、中国外務省の耿爽報道官は15日の記者会見で「中国としては、残念に思う。こうした行動は、問題解決のためにならず、緊張緩和にもつながらない」と述べ、批判しました。

そのうえで耿報道官は、アメリカが核合意から離脱して、イランに対し圧力を強めていることこそ、緊張を生み出している根本的な原因だと指摘したうえで「各国には冷静さと自制を保ち、対話と話し合いで意見の食い違いを解決するよう呼びかける」と述べ、関係各国に自制を呼びかけました。

イランでは、1979年に親米だったパーレビ王政が打倒されて、反米のイスラム体制が樹立し、これに伴い、国王はイランを追われてその後、死亡しました。

その息子のレザ・パーレビ氏は長年アメリカで暮らし、反体制派の象徴的な人物とされていて、15日、アメリカの首都ワシントンの保守系シンクタンクで講演しました。

この中でパーレビ氏は、イランが今月、ウクライナの旅客機を撃墜したことについて「国際的な監視があったからこそ、イラン政府は責任を認めざるをえなかった。乗客に外国人がいなかったら真実は明らかにならなかっただろう」と述べ、イランの現体制には隠蔽体質があると非難しました。

そのうえで、イランの現体制は国民への弾圧を続けるなど、態度を改める気配はないとして、「われわれはイランの現体制の終えんを目の当たりにしようとしている。最高指導者ハメネイ師は退くときが来た」と述べ、イランには体制の転換が必要だと主張しました。

トランプ政権は、イランに圧力をかけ続けるとともに、イラン国内で起きている政府への抗議デモなどを支持する姿勢を見せていて、これに乗じる形でイラン国外にいる反体制派も活動を活発化させています。

イスラエルとエジプトは15日、エネルギー協力に関する共同声明を発表し、東地中海沖合のイスラエルのガス田で採掘される天然ガスをパイプラインでエジプトに供給し始めたことを明らかにしました。

両国は協力してイスラエル産のガスをエジプト国内の施設でLNG=液化天然ガスに加工し、ヨーロッパ市場に輸出するとしています。

イスラエルは近年、東地中海の沖合で見つかった大規模なガス田を開発し、今月上旬にはヨルダンへのガス供給を開始し、エネルギー協力を通じて周辺アラブ諸国との改善を図ろうとしています。

また、イスラエルはヨーロッパ市場に向けた取り組みとして今月、東地中海を横断する全長およそ1900キロのパイプラインを建設することでギリシャなどと合意しています。

一方、こうした動きに対して同じ海域でガス開発に意欲を示すトルコは去年11月、地中海の対岸に位置するリビアの暫定政府との間でイスラエル側のパイプラインのルートを塞ぐように互いの排他的経済水域を設定していてこの地域の新たな火種となることが懸念されています。

イスラエルは東地中海の沖合にある大規模なガス田を開発し、この地域でのエネルギーの輸出大国を目指しています。

イスラエルは長年、化石燃料を輸入に頼ってきましたが、2009年以降、東地中海の沖合で相次いで大規模なガス田を発見し開発にあたった結果、国内のガス消費はほぼ自給できるようになりました。

去年1月にはアメリカの支援を得て隣接するエジプトとヨルダン、それにギリシャ、イタリア、キプロスに呼びかけて「東地中海ガスフォーラム」を立ち上げ、この地域でエネルギー協力を推し進めています。

とりわけアラブ諸国エジプトヨルダンに対してはすでにあるパイプラインを通じてイスラエル産のガスを供給して冷え込んだ関係の改善を図ろうとしています。

一方、イスラエルは巨大なヨーロッパ市場に向けて今月2日、ギリシャキプロスと3か国で東地中海を横断する、全長およそ1900キロのパイプラインを建設することで合意しました。

今回発表された、エジプトと協力したLNGの輸出計画はパイプラインの建設を待たずにまずはLNGとしてヨーロッパ市場へのガス輸出を始めようという思惑があると見られます。

シリア北西部のイドリブ県では、アサド政権側が反政府勢力への攻勢を強め、先月中旬から30万人以上が家を追われるなど人道的な危機が広がっていて、政権の後ろ盾となっているロシアと反政府勢力を支持するトルコの合意に基づいて、今月12日から停戦することになっていました。

しかし15日、イドリブ県の広い範囲でアサド政権側の激しい空爆や砲撃が始まり、停戦はわずか3日で破られました。

現地の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、イドリブ県の中心都市では、多くの人が集まる市場なども空爆の標的となり、子どもや民間の救助隊員を含め、市民少なくとも15人が死亡し、30人以上がけがをしたということです。

反政府勢力の最後の拠点となっているイドリブ県での停戦は、これまでも長続きせず、市民の犠牲の増加や新たな避難民の発生など人道的な危機がさらに深まる懸念が出ています。

#中東