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ロシアのプーチン政権を鋭く批判してきたことで知られる野党勢力の指導者、ナワリヌイ氏は、先月、旅客機で移動中に体調の異変を訴え、現在、ドイツの病院で治療を受けています。

病院側は毒物が使われた可能性を指摘していましたが、メルケル首相は2日、記者会見し、「ナワリヌイ氏は神経剤ノビチョクと同じグループに属する物質によって攻撃された。軍で行った検査によって、この毒物が使われたことが明白に証明された」と発表しました。

ノビチョクは、旧ソビエトが開発し、その後、ロシアが保有を続けているとみられる神経剤で、おととし、イギリスでロシアの元スパイ、スクリパル氏とその娘が襲われた暗殺未遂事件でも使用され、イギリスの警察はロシア国籍の男2人を容疑者として特定しています。

メルケル首相は、「ドイツ政府全体を代表して、最大限に非難する」と述べ、ロシア政府に対して、説明を求めていく考えを改めて示しました。

また、ナワリヌイ氏の治療を続けているドイツの病院は2日、声明を発表し、「症状は改善を続けているが、容体は依然として深刻だ。回復には時間がかかることが予想される」としています。

ドイツ政府が、ナワリヌイ氏は毒物によって攻撃されたと発表したことに対して、ロシア外務省のザハロワ報道官は2日、「あらかじめ決定したことを正当化するための古いやり方だ」と非難し、ロシア政府は関与していないという立場を改めて強調しました。

そのうえで「われわれはドイツ政府に公式に問い合わせ、その回答を待っている」として毒物が使われたことを証明する医学的なデータを示すようドイツ政府に要求していることを明らかにしました。

イギリスのラーブ外相は、ドイツ政府の発表を受けて2日、声明を発表し、ロシアの元スパイと娘がイギリスで襲われた暗殺未遂事件でも使用された神経剤が再び使われたとして、懸念を示しました。

そして、「ロシア政府はナワリヌイ氏に何が起こったのか真実を話すべきだ。禁止されている化学兵器を使用した場合にはただではすまないことをイギリスはドイツや国際社会のパートナーとともに示していく」と強調しました。

ドイツ政府の発表を受けて、フランスのルドリアン外相は、声明を発表し、「とんでもない物質が使用されたことを最も強いことばで非難する。ナワリヌイ氏が置かれているロシアでの政治的な立場を考慮すると、彼に対する攻撃は、重大な疑問を抱かせる」として、ナワリヌイ氏に何が起きたのか、ロシア当局は説明すべきだとしています。

ドイツ政府の発表を受けて、EUヨーロッパ連合で外交を担当するボレル上級代表は2日、声明を発表し、化学兵器の使用はいかなる状況でも許されず、国際法に違反している」として事件を改めて非難しました。

そのうえで「事件に関わった責任者は裁きを受けなければならない」として、ロシアに対し、透明性のある調査を直ちに行うよう改めて求めるとともに、今後の対応を加盟国と協議していく考えを示しました。

#EU

ロシア極東のサハリンでは第2次世界大戦に勝利したソビエト軍の功績などを議論する、愛国者団体によるフォーラムが先月から開かれています。

2日は、前首相のメドベージェフ安全保障会議副議長もオンライン形式で参加し、ことし7月に発効した新しい憲法に触れ「国境の画定という行為を除き、領土の割譲やそれを議論することは認められていない」として、北方領土の引き渡しをめぐる日本との交渉には一切応じられないという姿勢を強調しました。

ロシアはこれまで、第2次世界大戦終結の記念日を2日としていましたが、終戦から75年となることしから、ソビエト時代に対日戦勝記念日の祝日としていた3日に変更し、対日戦の勝利を強調しています。

3日は、サハリンのほか北方領土国後島択捉島でも、駐留するロシア軍が参加して軍事パレードが行われる予定です。

こうした動きに対し、日本政府は「日本の立場と相いれず受け入れられない」とするとともに、領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと粘り強く取り組むとしています。

ロシア政府は、これまで第2次世界大戦終結の記念日を、日本が降伏文書に署名した9月2日としていましたが、終戦から75年となることし、ソビエト時代に対日戦勝記念日の祝日としていた3日に変更し、対日戦の勝利を強調しています。

3日は、極東のウラジオストクやサハリンのほか、北方領土でも戦勝75年を祝う記念の式典が開かれました。

このうち、北方領土択捉島では戦勝記念碑の前に島民200人余りが集まり、献花をして大戦の犠牲者を追悼したほか、島に駐留するロシア軍の兵士がパレードを行いました。

北方領土を事実上管轄するサハリン州のリマレンコ知事は、ユジノサハリンスクでの式典で、「大戦の最後の戦いが行われたのはこの地だ。戦争の結果、南サハリンと島々は解放され、今のサハリン州が形成された」と述べて、北方領土を含む島々がロシアの領土になったのは大戦の結果だとするロシア側の立場を改めて強調しました。

こうしたロシア側の主張に対して、日本政府は「日本の立場と相いれず受け入れられない」と抗議していますが、ロシア側は強硬な姿勢を崩していません。

#日露

#反ロシア
#対中露戦

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