菅首相「北方領土問題先送りさせず終止符」日ロ首脳電話会談で #nhk_news https://t.co/Ag6x0rG221
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年9月29日
菅総理大臣は、29日夜、ロシアのプーチン大統領と就任後初めて電話会談を行い、北方領土問題を次の世代に先送りすることなく、終止符を打たなければならないという考えを伝えました。
これに対しプーチン大統領は、平和条約締結問題も含め、2国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向だと応じました。
菅総理大臣とロシアのプーチン大統領との初めての電話会談は、日本側からの申し出で、29日午後7時すぎからおよそ20分間行われました。
この中で菅総理大臣は、「日ロ関係を重視しており、平和条約締結問題を含め、日ロ関係全体を発展させていきたい。北方領土問題を次の世代に先送りすることなく、終止符を打たなければならず、プーチン大統領とともにしっかりと取り組みたい」と述べました。
これに対しプーチン大統領は、総理大臣就任への祝意を示したうえで、「安倍前総理大臣との関係を高く評価しており、菅総理大臣との間でも、2国間および国際的な課題に関して建設的に連携する用意がある。平和条約締結問題も含め、2国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向だ」と応じました。
そのうえで両首脳は、平和条約交渉をめぐり2年前に安倍前総理大臣とプーチン大統領が1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速すると合意したことを改めて確認しました。
また菅総理大臣が、「航空機による墓参りをはじめとした、北方領土の元島民への人道的措置を重視しており、四島をめぐる協力をさらに強化したい」と述べたのに対し、プーチン大統領は、いわゆる「ビザなし交流」の重要性は認識しているとして、新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば再開する用意があるという考えを伝えました。
そして両首脳は、感染拡大を受けて延期された地方どうしの交流を進める「日ロ地域交流年」の開会式を実現するため、協力することで一致しました。
最後に両首脳は、近いうちに対面で日ロ関係について率直に話し合いたいという意向を確認しました。
一方、政府関係者によりますと、ロシア軍が北方領土にある演習場などで軍事演習を始めたと発表したことについては、すでに外務省が抗議を行っているとして、話題にはならなかったということです。
会談のあと菅総理大臣は記者団に対し、「プーチン大統領と、今後、率直に意見交換できるという手応えを感じた。わが国としては、領土問題を解決して、平和条約を締結するという基本方針のもとに、粘り強く交渉していきたい」と述べました。
ロシア大統領府はプーチン大統領が菅総理大臣と行った電話会談で、両首脳が両国のあらゆる関係を進展させる努力を続ける意思を確認したと発表しました。
ただ発表の中では、北方領土問題を含む平和条約交渉については具体的には触れられておらず、ロシアとしては、経済や医療分野での関係を重視しているとみられます。
ロシア大統領府の発表によりますと、電話会談のなかでプーチン大統領と菅総理大臣は、これまで政治や貿易、経済、文化などの分野で両国の対話と協力関係が発展してきたとしたうえで、新型コロナウイルスのワクチンの開発など医療分野での今後の協力の見通しについて協議したとしています。
そして両国の国民とアジア太平洋地域全体の利益のために、両国のあらゆる関係を進展させる努力を続ける意思を確認し、新型コロナウイルスの感染の状況が正常化することに伴いさまざまなレベルで対話を行うことで一致したということです。
ただロシア側の発表では、北方領土問題を含む平和条約交渉については具体的には触れられておらず、ロシアとしては経済や医療分野での関係を重視しているとみられます。
ロシアは、この電話会談を前にロシア軍が北方領土の択捉島と国後島の演習場などで軍事演習を始めたと発表しており、領土問題を巡って日本をけん制するねらいがあるとみられていました。
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