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アメリカ大統領選挙は3日、全米で一斉に投票が行われ、各州で順次、開票が進んでいます。

ABCテレビトランプ大統領が南部アラバマサウスカロライナなど10州で、バイデン氏が西部コロラドなど8州と首都ワシントンで勝利を確実にしたと伝えました。

選挙人の数はトランプ大統領は72人、バイデン氏は89人となっています。

また勝敗の行方を大きく左右する激戦州の南部フロリダではAP通信の集計では推定の開票率95%の時点でトランプ大統領の得票率が51.3%バイデン氏が47.8%と接戦となっています。

また選挙の行方を占うとして注目される中西部オハイオでは開票率66%の時点でバイデン氏が50.2%、トランプ大統領が48.5%となっています。

大統領選挙の勝敗は各州に割りあてられた選挙人の獲得数で決まります。

全米のほとんどの州では有権者の得票数で1票でも多かった候補者がその州のすべての選挙人を独占する勝者総取り方式をとっていて、全米で538人の過半数の270人を獲得した候補者が勝者となります。

今回の選挙では新型コロナウイルス対策や人種差別問題、雇用や経済政策などを争点に両候補が最終盤まで競り合いを繰り広げてきました。

また新型ウイルスの感染拡大を受けて各州で郵便投票が急増し、期日前投票を済ませた人は1億人を超えて過去最多となっていて、専門家は当日の投票を含めた投票総数は過去最高になると分析しています。

社会の分断がかつてなく深まり混乱も懸念されるなか、誰が次のアメリカ大統領に選ばれるのか、アメリカの選択の行方に世界の目が注がれています。

全米の投票状況を分析しているフロリダ大学の集計によりますと、期日前投票は、3日午後の時点で、前回選挙の投票総数の74%にあたる1億人を超えました。

このうち、全米で少なくとも6524万人あまりが郵便投票で投票したと推計され、3592万人あまりが投票所を訪れて投票したとみられます。

フロリダ大学マイケル・マクドナルド教授は期日前投票を終えた人は過去最多に上っているとしたうえで、前回の大統領選挙に比べて、多くの人が投票日を待たずに期日前投票を済ませていると分析しています。

また、今回の選挙では、投票者数は過去最多の1億6020万人にのぼり、投票率も過去最高の67%に達するとの見通しを示しています。

トランプ大統領は投票日の3日、首都ワシントン近郊にある陣営の事務所でスタッフらをねぎらい、「フロリダもアリゾナもうまくいっている。すばらしい夜になるだろう」と述べ、勝敗を左右する激戦州でも自身が優勢だと強調しました。

トランプ大統領ホワイトハウスで開票を見守ることにしています。
一方、バイデン氏は、病気で亡くなった長男や交通事故で亡くなった最初の妻や娘の墓がある地元デラウェア州の教会を訪れたあと、東部ペンシルベニア州の生まれ故郷で支持者に演説し、「この国を一つにする。私たちにはそれができる」と述べ、最後まで支持を訴えました。

アメリカ大統領選挙は各州で投票が行われ、このうち、東部ニューヨーク州の投票所には仕事の前に投票を済ませようと、朝から大勢の人が訪れました。

このうち、南部ブルックリン地区の住宅街にある図書館に設けられた投票所では、現地時間3日の午前6時、日本時間の3日午後8時から投票が始まりました。

気温はおよそ5度と、寒い朝でしたが、仕事前に投票を済ませようと、早朝から150人ほどが長い列を作り、投票するまでに1時間ほどかかる状態となりました。

ニューヨークでは、選挙の結果にかかわらずデモや混乱に乗じた略奪行為などが起きるのではないかという懸念が広がっていて、投票所の周辺では警察官が出動して警戒にあたっていました。

ニューヨークは伝統的に民主党の強固な地盤で、大統領選挙では1988年以降、民主党の候補者が勝利しています。

民主党のバイデン氏に投票したという女性は、「新型コロナウイルスの対応と人種差別問題をとても重視している。感染を抑え込まなければ経済の再生もありえない」と話していました。

また、投票を終えた別の男性は、「バイデン氏がリードしていると伝えられているが、すべての票を数え終わるまで、もしかしたら数え終わったあとでさえも何が起きるか分からないし、どちらが勝つか本当に分からない」と話していました。

首都ワシントンのホワイトハウス周辺では、トランプ大統領に批判的な複数の団体が集会を開いています。

「BLACK LIVES MATTER PLAZA」と呼ばれる広場では、3日夕方、トランプ大統領に批判的な複数の団体が、大統領選挙の投開票が公正に行われるのか、ホワイトハウスの近くで見守ろうと呼びかけて、集会を開いています。

会場には、「トランプ大統領は退陣するべきだ」などと書いたプラカードを掲げた人々が多く集まり、トラックの上に作られた仮設のステージではバンドが演奏を披露して、集会を盛り上げています。

また、各国のメディアも多く集まっていて、ワシントンの様子を中継で伝えています。

首都ワシントンでは、このほかにも複数の集会が予定されていますが、市内各地には、数多くの警察の車両が集まり、ホワイトハウス周辺の道路が次々と封鎖されるなど厳戒態勢が敷かれていて、これまでのところ混乱などは起きていません。

トランプ米大統領は大統領選挙での票集計を巡り、法廷闘争を辞さない姿勢を明確にしている。新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)に対応した投票ルールに抗議し、接戦となった場合は決着まで長い時間がかかることをほぼ確実にした。

  トランプ大統領の訴訟戦略を主導するのは、ペンス副大統領のアドバイザーを長年務め、現在はトランプ陣営の法務顧問であるマシュー・モーガン氏だ。

  激戦州の一つであるペンシルベニア州が、法廷闘争の主戦場となる可能性がある。米連邦最高裁判所は先月、投票日から3日以内に受領した郵便投票の集計を認める措置を同州に認めた。トランプ大統領はこれを不服として、法廷で争うと約束している。

  トランプ氏は2日夜、もう一つの激戦州であるウィスコンシン州で行われた集会で、ペンシルベニア州での規定や最高裁判断について長々と不満を述べていた。ウィスコンシン州でも投票規定を巡る法廷闘争が起きている。

  トランプ氏は「かなりの数の国民が甚だしい怒りを覚えるだろう。そのようなことはしてはならない。これはかなり危険な決定だ」と述べ、裁判所が考え直すことを望むと加えた。さらに「弁護団がこの問題に取り組む。彼らは闘うだろう」と述べた。

  投票日までの消印が押されていても、投票日より後に届いた郵便投票は不正の温床だと、大統領はこれまで繰り返し警告してきたが、その根拠は示していない。

原題:Trump Readies Lawyers for Election Battle, Led by Ex-Pence Aide

アメリカでは大統領選挙に合わせて連邦議会の議会上院と下院の選挙も行われ、共和党が議会上院で多数派を維持できるのか、それとも民主党がおよそ10年ぶりに上下両院で多数派になるのかが焦点となっています。

議会には法案の提出や大統領の弾劾・訴追の権限があり、主導権を握る党はアメリカの政治に大きな影響を及ぼします。現在、上院は共和党が下院は民主党が多数派です。

選挙の結果、民主党が上下両院で多数派となれば仮にトランプ大統領が再選されても、大統領は思うように政策を遂行できなくなります。逆にバイデン前副大統領が政権を奪還しても、共和党が引き続き上院で多数派を占めれば、同じ事態に陥ります。

一方、大統領と上下両院がそろって民主党になれば、オバマ前大統領が就任した2009年以来のことで、アメリカ政府の政策方針が大きく変化することが予想されます。

議会上院では2015年以来、共和党が多数派を占めていて、定員100人のうち選挙前は共和党が53人と過半数を占め、民主党は45人で、民主党会派で無所属の2人を含めると、47人となります。

上院議員は各州に2人で、2年ごとに定員の3分の1の33ないし34議席が改選となりますが、今回は補選も加わって35議席が改選されます。

内訳を見ると共和党が23人、民主党が12人です。

このうち西部アリゾナ州は2018年8月に亡くなった共和党の重鎮、マケイン前上院議員の地元で伝統的に共和党が強い州ですが、政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティックス」によりますと、各種世論調査の平均値で民主党がリードしています。

さらに西部コロラド州などでも民主党がリードもしくは接戦となっていて、アメリカメディアは民主党が議会上院の多数派を奪還する可能性もあると伝えています。

議会下院は定員が435人で2年ごとにすべての議席で選挙が実施されます。

各州の議席数は人口に基づいて配分され州ごとに異なります。

今回の選挙前の議会構成は民主党が232人、共和党が197人で、民主党が多数派です。

アメリカのメディアは民主党が現職の選挙区が多いことなどから、議会下院では引き続き民主党が多数派となる可能性が高いと伝えています。

ニュージャージー州のラトガース大学の研究機関によりますと、今回の議会下院の選挙では女性の候補者が過去最多の298人と、これまでで最も多かった2年前の中間選挙の234人を大きく上回っています。

このうち民主党は204人、共和党は94人で、少なくともおよそ4割にあたる115人は黒人やアジア系など白人以外だということです。

2000年11月7日に行われた大統領選挙では、クリントン大統領の後継候補である民主党のゴア副大統領と、政権奪還を狙う共和党のブッシュ氏の大接戦となり、最終的に、南部フロリダ州の結果が勝敗を分ける展開になりました。

このときは、フロリダ州の集計でブッシュ氏がゴア氏をわずかな票差で上回りましたが、およそ4万票の疑問票の数え直しを行うかどうかをめぐり法廷闘争へと発展しました。

州の最高裁判所は、数え直しを求めるゴア陣営の訴えを認めましたが、投票日から1か月余りたった12月12日、連邦最高裁判所は、数え直しを行うことは選挙の公正さを欠くなどとして訴えを退けました。

これを受けて、ゴア氏が敗北を認め、ブッシュ氏の勝利が決まりました。

新型コロナウイルスへの対応

アメリカでは新型コロナウイルスによる死者が23万人を超え世界で最も多くなっています。

累積の感染者数も920万人を超え、世界全体のおよそ20%を占めています。10月30日には、1日の感染者が10万人近くとこれまでで最も多くなり、深刻な状況が続いています。
(※数字はいずれも31日時点)

国内で感染が広がるなか、先月(10月)2日、トランプ大統領はみずからも感染したことを明らかにしました。

一時は高熱やせきの症状が出て酸素吸入も行われ、まる3日にわたって入院しました。メラニア夫人や息子のバロンさんに加え、ホワイトハウスのマケナニー報道官や大統領顧問のヒックス氏など政権中枢にも感染が広がりました。

ことし9月にホワイトハウスで開いた連邦最高裁判事を指名する記者会見の出席者に相次いで陽性が確認されたことから、多くの人を集めたこの会見で集団感染が起きたのではないかとも批判されました。

トランプ大統領は、その発言などから新型コロナウイルスの危険性を軽視していると批判されることも少なくありません。

当初、「リスクは極めて低い」などとしていたことについては、「パニックを引き起こしたくなかったからだ」と述べています。

そして、新型ウイルスに対するみずからの対応は適切だったとして「きちんと対応していなければ250万人が亡くなっていただろう」と述べているほか、新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼んで、感染を拡大させた責任は中国にあると繰り返し主張しています。

こうした対応について、バイデン氏は「トランプ大統領はウイルスの危険性を認識していたのに国民に伝えず、すべきことを何もしなかった」などとして、トランプ政権の失策だと批判を強めています。

一方でトランプ大統領臨床試験が進められている開発中の抗体医薬の投与を受けたことで感染した自身の症状が劇的に改善したとして、この薬を無料で国民の手に届くようにすると訴えています。

また、政府が新型コロナウイルスのワクチンの開発を急いでいると強調しています。

政府の開発計画のトップは、複数のワクチンについて効果や安全性が確認できれば、今月から来月にかけて3000万人に接種できる量が用意できるという見通しを示しています。

ただ、幅広い国民への供給時期については、アメリカCDC=疾病対策センターのレッドフィールド所長が来年の春以降になるとの見方を示しています。

経済回復に向けた姿勢

アメリカ経済はことし2月に失業率が半世紀ぶりの水準となる3.5%まで回復し、トランプ大統領は自身の経済政策による実績だとアピールしてきました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって経済は大きな打撃を受けました。

選挙戦の中でとりわけ両陣営が違いを鮮明にしているのが、落ち込んだ経済の回復に向けた姿勢です。

トランプ大統領が経済活動の再開を優先する立場をとる一方、バイデン氏は感染防止対策を重視する立場をとっています。

トランプ大統領は14%台まで悪化していた失業率が7%台に改善したことや、7月から9月のGDPの伸び率が年率換算でプラス33%まで回復したことについて、経済活動の再開を積極的に進めた結果だと主張しています。

しかし、国内で感染者の拡大に歯止めがかからないことから、バイデン氏は経済活動の再開は慎重に進めるべきだとしているほか、マスク着用などの感染予防対策の徹底を訴えています。

有権者の間では、「日常の生活や仕事を早く取り戻したい」という声が聞かれる一方、「感染拡大が怖い」という声もあがるなど意見が分かれていて、両陣営の主張の違いが有権者の投票行動にどう影響するかが焦点になっています。

人種差別問題

ことし5月、中西部ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首をひざで押さえつけられて死亡したことをきっかけに全米で人種差別への抗議デモが広がったことを受け、今回の大統領選挙では人種差別をめぐる問題が重要な争点の1つになっています。

民主党のバイデン候補は、全米に広がった抗議デモは黒人に対する差別がアメリカ社会の中に構造的に残っていることの証しだとして、デモへの理解を示したうえで、人種差別の解消を目指す姿勢を打ち出しています。

一方、トランプ大統領は黒人に対する構造的な差別はかつてのアメリカ社会と比べれば少なくなっているとの立場です。

むしろ暴徒化した一部のデモ隊がアメリカ国内の治安を脅かしているとして、「法と秩序」を訴え各州の知事に対して警察官や州兵を投入して治安の維持を強化するよう求めたほか、必要となれば連邦軍の派遣も辞さない姿勢を示しています。

トランプ大統領連邦軍の派遣に言及したことや、ホワイトハウス前で平和的にデモに参加していた人たちが大統領の写真撮影のために催涙ガスなどを使って強制排除されたことをめぐってはマティス前国防長官やデンプシー元統合参謀本部議長など、軍の元高官から強い懸念が相次いで表明されるなど波紋を呼びました。

また、エスパー国防長官も抗議デモに対する連邦軍の派遣に否定的な考えを示すなど、人種差別の抗議デモへの対応をめぐるトランプ大統領国防総省の間の溝が表面化しました。

また、フロイドさんが死亡したあとも、同様の出来事が相次いでいることから、民主党の一部の左派からは警察の予算を削減すべきだとの声もあがっています。

こうした中、トランプ大統領は警察の弱体化につながるとして、予算の削減には強く反対しています。

さらに「バイデン氏は警察の予算を削減しようとしている」と繰り返し主張しています。

これに対し、バイデン氏は予算の削減を強く否定する一方、人種差別に基づく捜査を禁止し、警察官の不法行為を調査・監視するための司法制度改革を進める考えを示しています。

アメリカでは、トランプ大統領の登場で、白人至上主義者が活動を活発化させているとの指摘もあります。

2017年8月に南部バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義や極右思想を掲げるグループと、これに抗議する市民グループが激しく衝突し、死傷者が出る事態となりました。

これについてトランプ大統領は「双方に責任がある」と発言したことから、「白人至上主義者を擁護している」との強い批判があがりました。

バイデン氏はトランプ大統領のこの発言に強い危機感を抱いたことが今回の大統領選挙に立候補を決めた理由の1つだと述べています。

また、トランプ大統領はことし9月のテレビ討論会でも白人至上主義を明確に非難しなかったとして、バイデン氏は批判を強めています。

さらに、人種差別への抗議デモが全米に広がったことを受け、南北戦争当時、奴隷制を支持した「南部連合」の軍人の像や旗などを公共の場から撤去するかどうかをめぐる議論も高まっています。

南部の保守層の間では、南部連合の歴史を今も「誇り」と捉える意識も根強く、トランプ大統領南部連合を否定する行為は、アメリカの歴史を否定するものだと強く反発しています。

そして、像を破壊する行為に厳罰を科す大統領令に署名したほか南部連合の将軍にちなんだ軍の基地の名前を変える法案が可決すれば、大統領として拒否権を行使する考えを表明しています。

一方、バイデン氏は、「南部連合のシンボルはアメリカの分断の象徴だ」との考えを示し、みずからの集会に南部連合の旗を持ち込むことを禁止したほか、南部連合の像は公共の場から撤去し、博物館などに収蔵するのがふさわしいと主張しています。

外交方針の違い

トランプ大統領は「アメリカ第一主義」を掲げ、グローバリズムに否定的な立場をとって、国際協調より自国の主張や都合を優先し、同盟国との摩擦も辞さない外交を推し進めてきました。

一方、バイデン前副大統領はアメリカの中間層の利益を守るとしたうえで、国際社会での指導力を取り戻し国際協調や同盟関係をより重視する姿勢を示しています。

トランプ大統領オバマ前政権が進めてきたTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉、イラン核合意、地球温暖化対策の「パリ協定」からの離脱を相次いで決めました。

さらに新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、WHO=世界保健機関についても中国寄りだとして脱退を通知しました。

これに対してバイデン氏はトランプ大統領のもとアメリカは孤立したと批判して「パリ協定」への復帰や、WHO脱退の撤回を掲げています。

同盟国との関係ではトランプ大統領アメリカの負担が重く不平等だとして各国に防衛費の増額などを求めたのに対し、バイデン氏はアジア太平洋地域を重視し日本やオーストラリアなどの同盟国との関係を強化するとしています。

北朝鮮の核・ミサイル問題については、トランプ大統領キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と3回会談し、核や長距離ミサイルの実験がなくなったとして成果を主張しているのに対し、バイデン氏はトランプ大統領北朝鮮を正当化し、核・ミサイル開発の継続を止められなかったと批判しています。

イラン情勢ではトランプ大統領が核合意を離脱し、経済制裁を科すなどして圧力を強めたのに対して、バイデン氏はオバマ前政権が進めた核合意に復帰すべきだと主張しています。
対中国政策ではトランプ大統領は「新型コロナウイルスの感染拡大は中国のせいだ」と繰り返し、損害賠償を求める考えも示して一層強硬な主張を展開しています。

トランプ政権は中国を大国間競争の競合相手と位置づける国家戦略のもと、政治経済安全保障のあらゆる面で圧力を強める政策をとってきました。

通商政策では中国に対する多額の貿易赤字を問題視し、中国からの輸入品の関税を引き上げて、貿易交渉を迫りました。

また最先端技術の分野での中国の発展に強い警戒感を示し、技術移転や知的財産をめぐる対策を求めるとともに、次世代通信技術5Gの分野で各国での中国製品の締め出しを図りました。

中国の海洋進出に対抗する姿勢も鮮明にし、南シナ海でのアメリカ軍の活動を活発化させ、ことし9月には領有権争いに中立的な立場を示していたこれまでの方針を転換し、南シナ海のほぼ全域の権益を自国のものとする中国の主張を完全に違法だと表明しました。

人権問題では新疆ウイグル自治区で人権侵害があるとして政府幹部への制裁を科したほか、中国が統制を強めた香港では優遇措置の撤廃に踏み切りました。

台湾をめぐっても圧力を強め、新型のF16戦闘機の売却を決めるなど、軍備の強化の支援に乗り出しています。
ポンペイ国務長官はことし7月の演説で中国との関係を重視した歴代政権の「関与政策」は中国の民主化につながらず、事実上、失敗したとして、圧力によって方針転換を迫る姿勢を鮮明にしました。

これに対しバイデン氏は中国への圧力だけでは不十分で、気候変動や核の不拡散、新型コロナウイルス対策など世界的な課題では中国と交渉すべきだとしたうえで、国際的な規範のもとに中国を引き込んで変化を促す姿勢を示しています。

特に新型ウイルス対策ではトランプ大統領オバマ前政権時代に中国に派遣された感染症対策の専門家を削減したことを問題視し、世界的な感染防止対策での中国との協力を模索する考えも示しています。

人権問題ではバイデン氏、そして民主党はもともと強硬な立場を示してきており、中国の海洋進出や軍事的な影響力の拡大に対しては同盟国や周辺国との関係を強化して対抗する姿勢を打ち出しています。

アメリカでは中国への国民感情がかつてなく悪化していて、新型コロナウイルスの感染が拡大したことし6月から7月にかけての世論調査では中国を「好ましくない」と答えた人が73%とこの15年で最悪になりました。

また連邦議会では香港や新疆ウイグル自治区をめぐる中国政府高官への制裁を含む法案や台湾を支援する法案などを全会一致で可決するなど、共和・民主の超党派で強硬な対中政策を後押ししています。

このため専門家の間ではトランプ大統領、バイデン氏どちらの政権になったとしても引き続き中国に対して厳しい姿勢でのぞむという見方が大勢となっています。

日米関係は?

アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領と、同盟国との同盟関係を重視するバイデン前副大統領。

その外交・通商政策の違いから、大統領選挙の結果は日米関係にも影響を及ぼす可能性があります。
トランプ政権は、中国の海洋進出に断固、対抗していく姿勢を示しており、沖縄県尖閣諸島については「日本の施政下にある」として、アメリカに防衛義務があることを明言しています。

一方で、「世界中に展開しているアメリカ軍による安全保障に同盟国がただ乗りしている」と主張し、同盟国に防衛予算の増額やアメリカ軍の駐留経費の負担を求めています。

トランプ大統領が再選されれば、こうした姿勢は変わらないと見られます。

対する民主党内では、国防費を削減して社会保障などにまわすことなどを訴える「プログレッシブ」と呼ばれる左派の影響力が増しています。

また、民主党は大統領選挙に向けて発表した政策綱領で「国防費を安定させ、財政規律を守りながら安全保障に取り組む」と記すなど、軍の合理化を示唆していて、こうした党の姿勢がバイデン氏の安全保障政策にも反映される可能性があります。

アメリカはウイルス対策のための巨額の財政出動財政赤字が急増しており、大統領選挙でどちらが勝利しても財政再建が大きな課題になる見通しです。

日本とのあいだでは、先月(10月)から、在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担をめぐる協議が始まっていて、選挙後に交渉が本格化します。

トランプ大統領が再選された場合、日本は厳しい交渉を迫られると見られていますが、バイデン氏が勝利した場合も日本にこれまで以上の負担を求めてくる可能性があります。
日本が関係する通商分野で焦点となるのは、TPP=環太平洋パートナーシップ協定にアメリカが復帰するかどうかです。

TPPは前のオバマ政権が推進し、トランプ大統領が交渉からの離脱を表明しました。

トランプ大統領は、「TPPから離脱したことで国内の雇用を守った」として、みずからの成果だと強調しています。

一方、民主党は「中国を意識した国際貿易のルールづくりに同盟国とともに取り組む」としているものの、TPPについて直接は言及しておらず、バイデン氏も明確な態度を示していません。

その背景には、前回の大統領選挙でトランプ大統領の勝利を支えた労働者や農家の支持をつなぎとめたいという思惑があると見られています。

このため、バイデン氏が勝利した場合、TPPに復帰するかどうかは現時点では未知数です。

アメリカの大統領選挙は各州で有権者の投票の結果選出される選挙人により選ばれます。

投票できるのは18歳以上のアメリカ国民ですが、実際に投票するためには事前に居住地の選挙管理委員会有権者として登録する必要があります。

大統領選挙の勝敗は有権者の得票数で決まるのではなく、投票結果によってそれぞれの候補者が獲得する選挙人の総数で決まります。

選挙人は有権者の代表に位置づけられ、全米であわせて538人いますが、各州に人口に応じて割りふられていて、各候補者は州単位でこの選挙人を奪い合います。

ただ全米50州のうち48州と首都ワシントンは、その州に割りふられた選挙人を投票結果に応じてそれぞれの候補者が分け合うのではなく、勝者が総取りする方式をとっています。

この結果、候補者としてはその州で有権者から投じられた票が1票でも多ければ、すべての選挙人を獲得できることになります。

例えばカリフォルニア州は選挙人の数が55人と全米で最も多く割りふられていますが、有権者の票の差が数万か数百かに関係なく、1票でも多かった候補者が55人すべてを獲得することになります。

勝敗を分ける激戦6州

アメリカ大統領選挙では事実上、共和党民主党の2大政党の候補者が争いますが、各州のこれまでの傾向をみると大きく共和党が強い州と民主党が強い州、そして支持率がきっ抗する州にわかれます。

このため支持率がきっ抗するいわゆる激戦州をどちらがおさえるかが選挙結果に直接、影響します。

今回の場合、ペンシルベニア、フロリダ、ノースカロライナ、ミシガン、ウィスコンシンアリゾナの6州が激戦州として注目されていますが、いずれも勝者総取りの方式を採用しており、これらの州でトランプ大統領、バイデン前副大統領のどちらが勝利するかが選挙結果を左右するとみられています。

この選挙人の勝者総取り方式の結果、全米での有権者の得票数が多かったとしても、選挙人の数では少ないという結果になることもあり、前回、4年前の選挙では民主党クリントン氏が全米の得票数では200万票以上多かったものの、選挙人の数では激戦州を次々に制したトランプ氏が74人上回り、トランプ氏の当選となりました。

アメリカ大統領選挙では法律で11月の最初の月曜日の翌日に定められた投開票日に、投票時間が終わった州から順次、開票作業が始まって、過去の多くの選挙ではその日の夜から翌日の未明にかけて大手メディアが当選確実を判定して速報してきました。

数週間にわたり結果判明しない事態も

しかし今回の選挙では多くの州で開票作業が遅れ、すぐには結果が判明しない可能性があります。

その最大の理由が新型コロナウイルスの感染拡大を受けた郵便投票の増加です。

州によっては3日の投票日かその前日の消印を有効としていて、選挙管理委員会への到着の最終期限を2週間以上あとに設定しているところもあります。

再集計の可能性も?

また開票結果が出ても票の数え直し、再集計になる可能性があります。

多くの州ではどちらかの陣営から要求があり開票結果の正当性を疑う理由があれば集計をやり直すことが出来る規定を設けているほか、僅差の場合、自動的に再集計する州もあります。

このため接戦になれば数週間にわたって集計が続き、勝敗が決まらないおそれもあります。

2000年の大統領選挙ではフロリダ州の票の再集計を巡って法廷闘争となり、およそ1か月にわたり結果が決まりませんでした。

12月8日までに勝者を確定

アメリカの法律では各州による選挙結果確定の期限を定めていて、ことしは12月8日までに結果を確定させ、選挙人を指名しなければなりません。

全米の48州では「勝者総取り」方式により1票でも多く得票した大統領候補者の政党がその州に割り当てられた選挙人の枠を独占することになります。

選挙人の投票は12月14日

その6日後の12月14日、各州で指名された選挙人は通常、所属政党の候補者に投票し、その結果は12月23日に連邦議会に通知されます。

得票数のとりまとめは1月6日

そして年明けの1月6日、連邦議会の新たな体制のもとで開かれる上下両院の合同会議で各州の選挙人の投票結果が集計され、全米で538人の過半数の270人以上を獲得した候補者が正式に大統領選挙の勝者となります。

トラブルで決まらない

ただ今回はこの法律の規定通りに大統領が決まらないおそれも指摘されています。

そのひとつが一部の州で投票結果を巡る訴訟などにより法律で定められた12月8日までに選挙結果を確定できないケースです。

この場合はその州では期限内に選挙人を指名できなかったとみなされ、1月の連邦議会の合同会議で全体の集計から除外される可能性があります。

この結果、選挙人の総数が減ってどちらの候補も過半数を獲得できない事態も想定されます。

法律ではどの候補も過半数を獲得できなかった時には連邦議会で決選投票を行い、議会下院が大統領を議会上院が副大統領を選出するとしています。

一方で選挙人の総数が減った場合に勝敗のラインを270人のままにするのか、それとも減ったあとの有効な選挙人の過半数とするのかは法律に明確な規定がなく、この点を巡って新たな法廷闘争になる可能性もあります。

決選投票はトランプ大統領有利?

連邦議会での決選投票に持ち込まれた場合、大統領を決める議会下院では議員ひとりひとりが票を投じるのではなく、各州ごとに1票を投じることになります。

議会下院の構成は現在、全体では民主党が多数を占めていますが、州ごとに見た場合、共和党が多数派の州が多く、仮に大統領選挙と同時に実施される下院議員選挙を経てもこの構図が変わらなければ、トランプ大統領に有利に働くことになります。

大統領就任は1月20日正午

アメリカの憲法では修正第20条で新しい大統領と副大統領の任期は1月20日の正午に始まると規定されています。

仮にこの日までに大統領、副大統領が選出されていなければ、連邦議会の下院議長が暫定的に大統領の代行として就任することになります。

再選を目指すトランプ大統領はニューヨーク出身の74歳。4年前の大統領選挙で大方の予想を覆して初当選し、アメリカ、そして世界に衝撃を与えました。

経歴

トランプ大統領は父親の不動産業を継いで実業家となり、ニューヨーク・マンハッタン中心部の高級ホテルの改修事業、さらにカジノ、ゴルフとさまざまな分野に進出し「不動産王」という評価を築くととともに、ホテルやゴルフ場に「トランプ」の名を冠することでブランド化に力を入れました。

その後、人気テレビ番組の司会も務め、「ユーアーファイアード!(=クビだ!)」という決めぜりふで、多くの国民に知られるようになります。

プライベートでは2回の離婚歴があり、現在のメラニア夫人は3人目の妻です。

子どもはあわせて5人、孫は10人います。

自身のホワイトハウス入りとともに長女のイバンカ氏やその夫のクシュナー氏を政権の重要ポストに起用して大きな話題を集めました。

トランプ大統領は、兄をアルコール依存症で亡くしたことから、酒は一切飲まず、たばこも吸わないことで知られています。

ハンバーガーなどのファストフード、ステーキを好み、ダイエットコーラを1日12本飲んでいるともいわれています。

身長は190センチ、体重は110キロです。

ゴルフ好きで知られ、かつてアメリカのゴルフ専門誌で「ハンディキャップは2.8」と紹介されたこともあります。

型破りな政治手法

大統領に就任するまで政治経験は一切ありませんでした。

政治家や軍人としての経験を持たない大統領はトランプ大統領が初めてです。

既存の政治を一掃すると主張し、伝統的な政治手法を次々と覆すかのように、重要政策や人事をツイッターで発表して伝える型破りなスタイルをとっています。

発言が事実に基づいていないと批判されることが多い一方、トランプ大統領はこうした批判を展開するメディアを「フェイクニュースだ」と逆に攻撃しています。

また「メディアが不誠実なので、ソーシャルメディアがなければ、国民に自分の声を届けられない」と発言するなど、メディアとの対立も深めました。

トランプ大統領は4年前の大統領選挙では「アメリカを再び偉大な国に」をスローガンに掲げ、「アメリカ第一主義」を政策の基本理念に保護主義的な貿易や条約や国際機関からの脱退や離脱を推し進めました。

またオバマ前大統領への敵対心を隠さず、イラン核合意やキューバとの国交回復などオバマ前大統領の政治的な遺産=レガシーと評価された代表的な成果を覆しました。

分断を深める

トランプ大統領アメリカ社会の分断をさらに深めたとの批判が根強くあります。

ことしアメリカ社会を大きく揺るがした人種差別への抗議活動を巡っては国民の融和を呼びかけるようなメッセージは少なく、一方で治安維持のために軍の派遣も辞さない姿勢を示し、構造的な人種差別の問題より「法と秩序」を訴えて、国民の議論を二分しました。

異例の選挙戦

選挙戦では自身の得意とするスタイルを崩さず新型コロナウイルスの感染拡大のなかでも大勢の支持者を集める演説を繰り返しました。

熱狂する支持者

トランプ大統領は岩盤支持層とも呼ばれる熱狂的な支持者に支えられ、その背景には地方などでこれまで自分たちの声が政府に届かないと感じていた人たちの不満をすくい取った面もあると指摘されています。

安倍前総理との良好な関係

トランプ大統領は安倍前総理大臣とは世界の指導者の中で最もよいと言われるほどの良好な関係を持ち、共通の趣味ゴルフを通じても親交を深めました。
たびたび「素晴らしい政治指導者だった」などと言及しています。

(1946年6月14生)

政権奪還を目指すジョー・バイデン前副大統領は東部ペンシルベニア州スクラントンの出身でカトリック教徒です。中産階級の家庭に生まれ、上院議員を36年間、オバマ政権で副大統領を8年間務めた中道派の重鎮です。

バイデン氏は10歳の時に、父親の仕事の都合でデラウェア州に移り住みました。

子どものころから、きつ音に悩んでいたバイデン氏は、鏡を見ながら話し方の練習をしたことなどを明らかにしていて、どのように克服したかについて選挙戦の集会でも語っています。

バイデン氏は、弁護士や地元の郡議会議員を経て、1972年、当時29歳で連邦議会上院議員に初当選しました。

その後、2009年まで36年にわたってデラウェア州選出の上院議員を務め、上院の外交委員長を務めるなど、民主党中道派の重鎮議員として知られてきました。

2009年に副大統領に就任してからは、外交経験が浅いオバマ前大統領を支え、在任中2011年と2013年に来日し、東日本大震災の被災地を訪れて復興の現状を視察しました。

2017年1月には、文民としては最高位となる自由勲章を当時のオバマ大統領から受章しました。

大統領選挙後に誕生日を迎え、78歳になるバイデン氏。

大統領選挙で勝利し、大統領に就任した場合、2017年に当時70歳で就任したトランプ大統領の記録を更新し、アメリカ史上最高齢の大統領になります。

家族の悲劇

バイデン氏は、家族を不慮の事故や病気で亡くしています。

上院議員に初当選したわずか1か月後、当時の妻と1歳の娘を交通事故で亡くしました。

車に同乗していた息子2人は助かり、バイデン氏は、子どもたちが入院していた病室で上院議員としての宣誓を行いました。

さらに、バイデン氏が副大統領を務めていた2015年、デラウェア州の司法長官などを務めた長男が脳腫瘍で、46歳の若さで亡くなりました。

葬儀の様子は全米にテレビ中継され、当時のオバマ大統領が弔辞を読み上げました。

バイデン氏が民主党の大統領候補として正式に指名されたことし8月の党大会では、バイデン氏が家族を失い、それを乗りこえてきたことに触れ、人の痛みを理解し共感できる大統領になれると訴えました。

選挙戦でも、支持者の集会などで家族を失った経験などを積極的に話し、オバマ前大統領が導入した医療保険制度の大切さを訴えています。

失言やセクハラ疑惑

バイデン氏は、大統領選挙への立候補を表明する前から「選挙戦を戦っている」と口を滑らせたり、車いすのゲストに立ち上がってあいさつするよう促したり、失言の数々でも知られています。

中には「日本の憲法は、アメリカが書いた」と述べるなど日本に関するものもあります。

民主党の関係者は「失言がなければジョーではない」とバイデン氏の失言の多さをやゆしています。

またバイデン氏は、複数の女性から過去に体を触られて不快な思いをしたなどとセクハラ被害を訴えられ、釈明に追い込まれています。

大好物はアイスクリーム

バイデン氏の身長は181センチ、体重は80キロです。

アイスクリームには目がないとも言われていて、民主党の候補者選びの選挙運動中にもアイスクリーム屋に立ち寄る姿も見られています。

今回の選挙は、新型コロナウイルスの感染拡大で、大規模な集会が開けない中での選挙戦となり、バイデン氏は、自宅の地下室にスタジオを作り、そこからインターネットを通じて支持者に支持を訴える活動を続けてきました。

また、トランプ大統領は、バイデン氏のことを「スリーピー・ジョー(=寝ぼけたジョー)」とあだ名を付けたほか、地下室から行っている選挙活動についても「地下室から出てこられないバイデン」と繰り返しやゆしましたが、選挙戦終盤は激戦州を精力的に回り、厳重な感染対策をとった上で集会を開きました。

(1942年11月20日生まれ)

トランプ大統領は、日本時間の午後3時前、ツイッターに投稿し、「私たちはいま、大差で勝っている。彼らは選挙を盗もうとしているがそうはさせない。投票所が閉まったあとに投票することはできない。今夜、声明を出す。大きな勝利だ」と書き込みました。

この投稿についてツイッター社は「誤解を招く可能性がある」として警告を表示し、「表示する」を選択しないと読めないような措置を取りました。

また、トランプ大統領の投稿に対して、民主党のバイデン氏は、ツイッターに「この選挙の勝者を宣言するのは、私でも、ドナルド・トランプでもない。有権者だ」と書き込んで反論しました。

トランプ大統領選挙対策本部で法務顧問を務めるジェナ・エリス氏は、ホワイトハウスNHKの取材に対して「大統領は非常に楽観的で、ホワイトハウスの中は、前向きな雰囲気に満ちている。今夜中にもトランプ大統領の勝利宣言が聞けるのではないか」と話しました。

その上でエリス氏はホワイトハウスイーストルームには、大統領が演説をするための用意が整っている。大統領が選挙人を270人獲得するか、大統領が決断すれば演説をするのではないか」と話していました。

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郵便投票は民主党が圧倒的に多いので、投票日にはトランプが僅差で勝つというのが、トランプ・ウォッチャーの見立て。開票速報に意味がなくなりそう。

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それにしても、米憲政史上初めてと言われるほどの激戦となった今大統領選の行方である。最大の焦点はウィスコンシン(WI)、ミシガン(MI)、ペンシルベニアPA)、アリゾナ(AZ)、フロリダ(FL)、ノースカロライナ(NC)の接戦6州の見通しだ。外務省分析によると、WIとMIはバイデン氏優勢、FLとNCがトランプ氏優勢で、問題はPAとAZの読みが難しいことである。だが、AZは頭ひとつバイデンが先行しているという。

激戦州以外の現時点での獲得選挙人予想はトランプ氏が205票、バイデン氏232票である。そして激戦6州の選挙人は101票。ところが、トランプ氏がPA(20票)を制するとトータル269票、バイデン氏も269票の同数となり、共に過半数に届かない。

米憲政史上、1800年と1824年(!)に続く3回目の決選投票(Contingent Election)になるのだ。大統領は下院が決め(州ごとに1票)、副大統領は上院が決める(議員毎に1票)。米下院多数派は民主党であるが、カリフォルニア州(選挙人55票)もワイオミング州(同3票)も同じ1票である。前代未聞の米大統領選が今、行われているのだ。

アメリカ大統領選挙の開票作業が続く中、トランプ大統領は日本時間の4日午後4時すぎからホワイトハウスで、支持者らを前に演説しました。

この中で、トランプ大統領は、激戦州の東部ペンシルベニア州について、「われわれは、69万票もの大差で勝っている。接戦にもなっていない。開票率も64%に達し、バイデン氏が追いつけるわけがない」と述べ、ほかの激戦州の中西部ミシガン州ウィスコンシン州でもみずからが勝っていると主張しました。

そして、郵便投票などの集計作業が今後も続くことになっている状況を受け、「国の恥だ。われわれは勝つ準備ができていたし、はっきり言って勝っていた。われわれの今の目的はこの国のために、選挙の高潔さを確保することだ。これは重大な不正行為だ」とした上で、「連邦最高裁判所で争う」と述べ、集計作業がこれ以上行われないよう、法廷闘争も辞さない構えを見せました。

大統領選挙では現在も開票作業が続き、激しい競り合いとなっていて、アメリカのメディアはまだ大勢判明を伝えていません。

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「われわれはアメリカ政治史上もっとも広範囲で包括的な不正投票組織を設立した」

Joe Biden brags about having “the most extensive and inclusive VOTER FRAUD organization in the history of American politics”

【今後の予定】

バイデン勝利宣言

   ↓

バイデン大統領就任式

   ↓ 暗殺(1週間後)

ハリス副大統領昇格

   ↓ 司法判断

トランプ大統領再選

   ↓

ペンス大統領就任

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