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内閣府が先ほど発表したことし7月から9月までのGDPの速報値によりますと、物価の変動を除いた実質の伸び率は、前の3か月と比べてプラス5.0%となり、4期ぶりのプラスとなりました。

これが1年間続いた場合の年率に換算すると、プラス21.4%となり、比較可能な1980年以降では、バブル経済まっただ中の1989年10月から12月までに記録したプラス12.0%を超えて、最大の伸びとなりました。

ただ、新型コロナウイルスの影響で前の3か月がマイナス28.8%と歴史的な急落となったことの反動という側面が大きいうえ、GDPは感染拡大前の水準には遠く、日本経済は回復途上にあることを示した形です。

項目別にみますと、GDPの半分以上を占める「個人消費」は、Go Toトラベルの効果で旅行や飲食への支出が増え、前の3か月との比較でプラス4.7%と大きく伸びました。

「輸出」もプラス7.0%と、大きく伸びました。これは経済活動の再開に伴って、アメリカや中国向けの自動車や自動車部品が増えたためです。

一方、「企業の設備投資」はマイナス3.4%、「住宅投資」もマイナス7.9%と落ち込みが続いています。

また、物価の変動を反映させた名目のGDPの伸び率も、前の3か月と比べてプラス5.2%、年率に換算するとプラス22.7%と大幅な改善となりました。

今回のGDPは大きく改善しましたが、海外と比べると、回復の勢いが鈍いのではないかという指摘もあります。

アメリカは、ことし4月から6月までの実質GDPの伸び率が、年率換算でマイナス31.4%と大きく落ち込んだあと、7月から9月はプラス33.1%でした。

ドイツやフランスなどユーロ圏19か国では、4月から6月までが年率換算でマイナス39.5%となったあと、7月から9月はプラス60.5%でした。

一方、中国は去年の同じ時期との比較で、ことし1月から3月まではマイナス6.8%となったあと、4月から6月はプラス3.2%、7月から9月はプラス4.9%となっています。

受注が回復しない下請けの中小企業の中には、貴重な資金を使って取引先との仲介サイトを活用し、販路を開拓しているところもあります。

群馬県館林市にある従業員20人余りの「誠和製作所」は、鉄道車両や自動車のブレーキに使う部品などを製造していますが、新型コロナウイルスの影響で受注が激減し、7月の売り上げは去年の同じ月のおよそ60%に減少しました。

工場の稼働率も落ち、去年秋におよそ1億円を投じて導入した最新鋭のレーザー加工機もほどんど動かせず、維持費だけがかさむ状況です。

厳しい状況の打開に向けて、この会社はあえて手数料を負担し、取引先を見つける仲介サイトに登録しました。

このサイトは、全国およそ1500社から部品の注文を受け付け、登録企業に紹介します。

登録した結果、新たな取引先から家畜の餌の製造装置の部品を受注し、先月は去年の90%近い売り上げを確保できたということです。

今月11日、工場を訪れた仲介サイトの担当者には、最新鋭のレーザー加工機稼働率を上げるため、さらに仕事を紹介してほしいと依頼しました。

担当者は、受注が伸びている半導体製造装置の部品に挑戦してみてはどうかと助言していました。

多田征訓社長は「大手企業も大変な状況なので、下請けに発注せずに自社で作るようになって、仕事が回ってこない。雇用調整助成金など、国の支援で耐えてきたが、耐えるだけでなく行動を起こさなくてはと考えた」と話していました。

飲食店の中には、大規模な宴会を控える“新たな日常”にあわせて、設備や業態を大胆に切り替えて生き残りを図る動きもあります。

東京 大田区にある日本料理店は、大衆居酒屋だった店舗を全面的に改装して、先月、再出発しました。

居酒屋の売り上げは、緊急事態宣言を受けて、例年に比べて90%近く減少し、その後の6月以降もおよそ40%の減少が続いていました。

店主の網藏育央さん(45)は、低価格のメニューで深夜まで営業する“薄利多売”のスタイルでは、大規模な宴会や2次会を控える“新たな日常”の時代を生き残ることは難しいと考えました。

そこで、少ない来店客でも1人当たりの売り上げを上げる“少人数・高単価”の戦略に切り替え、日本料理店への転換を決断しました。

国の「持続化給付金」や金融機関からの借り入れで、800万円を投じて店舗を全面的に改装しました。

改装のねらいは、高級感の演出と、感染防止策を徹底して安心して滞在できる空間づくりです。

空調設備を増設し、座席の間隔を広げて、飛沫を防ぐパーテーションも設けました。

カウンターは、料理人と客の間隔を広げて、飛まつを防ぐパネルは高級感を意識しました。

メニューは、居酒屋の時よりも50%ほど高い品ぞろえに切り替えました。

旬の高級食材をそろえる一方、むだが出ないように、単品をやめてコース料理に絞りました。

営業時間は居酒屋の時より短く、同時に入れる来店客の数も7人減らしましたが、売り上げは去年と同じ水準に回復しているということです。

来店した客は「コロナで苦しい時期に投資しようと思えるのはすごい」とか、「友達に紹介して安心だよと伝えたく、写真を撮った」などと話していました。

網藏さんは「コロナへの不安は尽きないと思うが、この先もチャレンジして新しい時代を乗り越えたい」と話しています。

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