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日銀は長期金利をゼロ%程度に抑える金融緩和策を続けていますが、金利がプラスマイナス0.2%程度の範囲で変動することは容認する姿勢を示しています。

日銀は今月中旬に金融政策決定会合を開いて今の金融緩和策の「点検」の結果を公表しますが、市場関係者の間では、容認する金利の変動幅を広げるのではないかという観測が出ています。

そうした中で、このところのアメリカの長期金利の上昇につられる形で日本の金利も先週5年1か月ぶりの水準まで急速に上昇し、株式市場の不安定な動きにもつながっています。

日銀の黒田総裁は、5日の衆議院財務金融委員会で、長期金利の変動幅について「『点検』の中で当然、議論になると思うが、私自身は、変動の幅を大きく拡大することが必要とも適当とも思っていない」と述べました。

そのうえで「新型コロナウイルスの影響が経済に打撃を与えており、アメリカの長期金利が上昇するとしても、日本の長期金利を低位で安定させることが重要な状況であることに変わりはない」と述べました。

この発言を受けて、午前中0.145%をつけていた長期金利は一時、0.07%まで急速に低下しました。

長期金利は満期までの期間が10年の国債の利回りが代表的な指標で、金融機関が住宅ローンの金利を決める目安にもなります。

このところのアメリカの長期金利の上昇につられる形で日本の長期金利も先月26日には5年1か月ぶりの水準となる0.175%まで上昇していました。

しかし5日は、日銀の黒田総裁が国会で今の金融緩和策で容認している長期金利の変動幅について「変動の幅を大きく拡大することが必要とも適当とも思っていない」と述べたことを受けて、長期金利が急速に低下し、一時、先月15日以来となる0.07%をつけました。

市場関係者は「日銀が今月中旬に開く金融政策決定会合で今の金融緩和策の『点検』の結果を公表し、容認する長期金利の変動幅を拡大するのではないかという観測が市場に出ていた。しかし、黒田総裁のきょうの発言を受けて変動幅を大幅に拡大しないのではないかという見方が広がり、長期金利の急速な低下につながった」と話しています。

#日銀#金融政策