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台湾の対中国政策を担当する大陸委員会のトップで閣僚の邱太三主任委員が18日記者会見し、アメリカのバイデン政権が同盟国と連携して中国の脅威に対抗することを歓迎し、中国に対して台湾に圧力をかけるのをやめ、前向きに関係を発展させるよう求めました。

この中で、邱主任委員は「アメリカの新しい政権が同盟国と連携して中国の脅威に対抗する外交を行い、民主主義と人権と国際ルールの重要性を強調していることを、われわれは歓迎する」と述べました。

そのうえで、中国に対し「台湾に対する政治的な枠組みの押しつけと敵対措置、とりわけ台湾海峡周辺での軍事的な威嚇をやめ、前向きに関係を発展させるべきだ」と求めました。

また、邱主任委員は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って止まっている中国人の台湾への渡航申請を、18日から一部受け付けることにしたと明らかにし、コロナ後の本格的な交流再開を呼びかけました。

中国政府は「1つの中国」の原則を受け入れない蔡英文政権の発足後、台湾への個人旅行を一方的に停止するなどの措置を取り、圧力をかけています。

台湾としては、率先して人的交流の再開に踏み出す姿勢を見せることで、中国に対し、台湾に圧力をかけるのをやめ、前向きに関係を発展させるよう促すねらいがあるものとみられます。

日米両政府は16日、都内で外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」を行い、中国の海洋進出や人権問題などを強い表現でけん制しました。

これについて、中国共産党指導部トップ25人の政治局委員の一員である、天津市の李鴻忠書記は18日、地方視察で天津を訪れた北京駐在の垂秀夫大使との会談で、「公然と中国の内政を非難し、香港や新疆ウイグル自治区、台湾をめぐる問題に干渉するものだ。現在改善しつつある両国関係を著しく破壊するもので、極めて残念だ」と述べ、強く非難しました。

これに対して、垂大使は「問題があれば、意思疎通を通じて解決すべきだ。李書記の発言は全く受け入れられない」と応じたということです。

日米の2プラス2をめぐっては、中国外務省の報道官も「日本はアメリカに戦略的に付き従い恥知らずだ」などと強い口調で非難していて、習近平指導部が日米両国の対中国政策に神経をとがらせていることをうかがわせています。

#日中

バイデン政権発足後初めてとなるアメリカと中国の外交当局のトップの対面での会談が、日本時間の19日午前6時すぎからアラスカ州アンカレジで始まりました。

冒頭から非難の応酬が1時間以上続く異例の展開となった初会談、アメリカと中国の外交当局トップの発言内容を詳しくお伝えします。

会談の冒頭、ブリンケン国務長官は「私は最も緊密な2つの同盟国である日本と韓国との会議から戻ったばかりで、両国はこの会談に強い関心があった。会談の内容がアメリカと中国だけでなく地域と世界に関わるからだ」と述べました。

そのうえで「われわれの政権はアメリカの利益を促進し、ルールに基づく国際秩序を強化することに取り組んでいる。これは各国が違いを平和的に解決することに役立つ。ルールに基づく秩序に代わるものは、力が正義で勝者がすべてを手にする世界であり、これは世界をはるかに暴力的で不安定にする」と主張しました。

さらに「きょうは中国がわれわれの意図や取り組みを理解できるよう国内外の優先課題を議論し、中国の行動に対するわれわれの深い懸念、新疆ウイグル自治区や香港、台湾、アメリカに対するサイバー攻撃、同盟国に対する経済的威圧についても話し合いたい。これらは世界の安定を維持するルールに基づく秩序を脅かしているため、ここで取り上げる義務がある」と述べました。

そして「米中の関係は競争すべき時は競争し、可能であれば協力し、必要な時は敵対的になると話したが、ここでもそうする」と述べました。

またサリバン大統領補佐官は「われわれはアメリカの外交政策の基礎となる同盟国や友好国との関係を再び強化させている。こうした国々との連携こそが発展と繁栄をもたらすものだ」としたうえで「バイデン大統領は先週、4か国のサミットを主催し、自由で開かれたインド太平洋の実現を約束した」と述べました。

そして「経済的、軍事的な抑圧から基本的な価値観への攻撃まで長官が提示したさまざまな懸念事項を率直かつ直接的に明確さをもって議論していく。これらの懸念事項はアメリカ国民だけでなく世界中の同盟国や友好国からも聞いている。争いは望んでいないが、厳しい競争は歓迎する」と述べました。

アメリカ側の冒頭発言のあと、中国の楊潔※チ政治局委員はアメリカの2人を大幅に上回り、20分近くにわたって発言しました。

※チは竹かんむりに褫のつくり。

楊政治局委員ははじめに「中国と米国はともに世界の大国で、世界と地域の平和、安定、発展に対する重要な責任を担っている」と述べました。

そして「アメリカにはアメリカの民主主義があり、中国には中国の民主主義がある。アメリカはみずからの民主主義を押し広めるべきではない」と述べ、アメリカをけん制しました。

さらに「問題は、アメリカが武力と金融覇権を使って他国に圧力をかけ、国家安全保障という概念を乱用し、正常な貿易を妨害していることや、一部の国をあおり立て中国を攻撃していることだ」と述べ、アメリカを強く批判しました。

そのうえで「新疆ウイグル自治区チベット自治区、それに台湾は中国の不可分の領土であり、内政に干渉する行為には断固として反対し対応する」と強調しました。

また「アメリカの人権問題は根深い。この4年の間に浮上したものではなく、黒人への殺りくは昔からある。他国に矛先を向けるべきではない」と反発しました。

そして「アメリカが普遍的価値や国際世論を代表することはできない。アメリカが代表できるのはアメリカ政府の考えだけだ」と述べ、アメリカの価値観に合わせるつもりはないという考えを強調しました。

一方で楊政治局委員は「お互い大国としての重要な責任があり、新型コロナウイルスへの対応や経済の立て直し、それに気候変動などは共同の利益となる」と述べ、協力できる分野では協力すべきだという考えを示しました。

そのうえで「両国の新たな関係のもと、改めて意思疎通を行い、互いの違いをコントロールし、ともに努力をして協力をしていくべきである。対立はなにも生まない。改めて健全で安定した発展の軌道に戻ることを期待している」と述べ、バイデン政権に関係改善に向けて動くよう求めました。

また王毅外相は「両国には未曽有の困難があり中国だけではなく世界の発展を損なってきたが、このまま続けてはいけない。アメリカは、香港問題での中国に対する制裁を引き上げたが、われわれは断固として反対する。これは私たちがアラスカに出発する前日に行われたことで、ホスト国としてするべきことではない」と反発しました。

ブリンケン長官は中国側の20分を超える冒頭発言のあと「皆さんの長い話を受けて私からも少しお話しさせていただく」と述べて、当初の予定にはなかったとみられる発言をしました。

このなかでブリンケン長官は「国務長官として世界の100近い国と話し、最初の外国訪問として日本と韓国も訪れたが、私が聞いている話はあなたの主張と大きく異なる。私が聞いているのはアメリカの復活と同盟国や友好国への関与に対する深い満足と中国の行為に対する深い懸念だ」と強調しました。

さらに「私たちが世界に関与する上での指導力は完全に自発的に構築された同盟や友好関係によるものだ」としたうえで「アメリカは国内ではより完全な団結を目指し、不完全さや過ちを認め、開放的に透明性をもって立ち向かってきた。課題から目を背けたり、存在しないように装ったり、隠したりしない」と述べました。

またサリバン補佐官は「問題の解決には世界の同盟国や友好国と協力することが最善だと信じている。今回の会談が一方による講義や長くてまわりくどい声明ではなく、お互いの考えがどこからくるものなのか、重視する原理原則や優先事項、長期的な戦略について説明し、耳を傾ける機会になることを望む」と述べました。

この後、アメリカ側の報道陣は部屋の外に出されました。

その後、反発した中国側が再び発言を求め、報道陣を呼び戻しました。

そして再びカメラが撮影を始めると楊政治局委員は「アメリカを好意的に見すぎていた。基本的な外交儀礼を守るべきだ」と述べ、ブリンケン長官が冒頭発言のあと、追加で発言したことに強い不快感を示しました。

そして「あなたたちは強者の立場でわれわれと話す資格はない。もしあなたたちが、われわれとしっかりとつきあいたいのであればわれわれは互いに敬意を払ってつきあうべきだ」と述べたうえで「われわれが西洋人から受けた苦しみはまだ足りないというのか。外国から押さえつけられた時間がまだ短いというのか」と述べ、過去の歴史を引き合いに出し厳しい口調で非難しました。

そのうえで「中国の首を絞め、抑圧しようとしても最後に損をするのは自分自身だ」と述べ、強く反発しました。

また王外相も「他の国を軽々しく脅すようなことはすべきではない。誰が誰を脅しているのかは歴史と国際社会が結論を出す」と述べました。

通常は双方がそれぞれ数分ずつ発言する会談冒頭のマスコミ撮影は、2度にわたって批判の応酬となる異例の展開となりました。

バイデン大統領が30年以上にわたり上院議員を務めた東部デラウェア州選出の民主党のクーンズ上院議員は、外交政策に精通した大統領の側近として知られ、政権の国務長官候補としても名前があがった人物です。

クーンズ議員はアラスカ州アメリカと中国の外交当局トップの会談が行われた18日、NHKの単独インタビューに応じ「われわれは中国とどのように競っていくか見いださなければならない。米中間には、前政権から残された課題が多くある。中国側も貿易などの問題でわれわれの見解を明確にすることを求めている」と今回の協議の意義を説明しました。

そのうえでバイデン大統領について、中国の習近平国家主席とは互いをよく知る関係だと述べた一方で「バイデン大統領は中国の価値観や制度がわれわれのものとは大きく異なること、そしてわれわれは長期にわたる激しい競争下にあることをはっきりと認識している」と指摘し、バイデン大統領が中国に融和的だといった批判はあたらないと強調しました。

また、海洋進出を強める中国の南シナ海尖閣諸島での行動を例に挙げながら「インド太平洋地域を自由で開かれたものとするため日本がより関与を深めることを歓迎する」と述べ、同盟国の日本がさらなる役割を担うことに期待を示しました。

さらに中国の人権問題をめぐり「中国の行動を踏まえわれわれが共有する利益のために日本がより強い行動をとることを期待している」と述べて中国に対抗する上で日本も厳しい態度で中国に臨むべきだという考えを示しました。

そのうえでクーンズ議員は、中国が再開を求めているオバマ政権時代に行われていたハイレベルの戦略対話について「中国とアメリカが定期的で開かれた交流を行わないことは世界の平和、地域の安全、安定のためにも望ましくない。再開する価値があると考えている」と述べて再開に前向きな考えを示しました。

アメリカ国内では野党・共和党を中心に対話が中国への譲歩につながることを懸念する声が根強くあります。

バイデン政権は批判を警戒し、今後、協議を続けるかは中国の対応次第だとしていますが大統領に近いクーンズ議員の発言は民主党中枢に中国との対話を重視すべきだという意見もあることを示しています。

中国では3年前、ファーウェイの孟晩舟副会長がアメリカの要請でカナダ当局に逮捕されたあと、2人のカナダ人が情報機関に拘束されました。

このうち国家機密を海外に提供したなどとして起訴されたマイケル・スパバ氏の裁判が19日、遼寧省丹東の裁判所で開かれました。

審理は非公開で行われ、今後、判決が言い渡されるとしていますが、ロイター通信は外交官の傍聴も許されなかったと伝えています。

裁判を前にカナダのガルノー外相は声明を発表し「拘束は恣意的なもので手続きも透明性を欠いており、強く懸念している」と批判していました。

起訴されたもう1人の休職中の外交官、マイケル・コブリグ氏の裁判も今月22日に開かれる予定です。

カナダではファーウェイの孟副会長の身柄をアメリカに引き渡すかどうかの裁判が続いていて、カナダ側に圧力をかけるねらいとみられています。

また欧米のメディアは18日に始まったアメリカと中国の外交トップによる会談とタイミングが重なったことは偶然ではないとして、アメリカへの圧力のねらいだとも伝えています。

#反中国#対中露戦#習近平伏魔殿体制=旧体制

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