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松田学のニュース解説 『4/12現在 ウクライナ危機状況分析』*当該事案は急激な状況変化がございます。その点最新状況はご自身でご確認下さい。

イエレン米財務長官は13日、ロシアのウクライナ侵攻を非難せずに利益を追求する国は近視眼的だと批判、西側諸国の制裁を損なう国は重大な帰結に直面すると述べた。

対ロシア制裁を妨げる行為に米国とパートナーは「無関心ではいない」とも発言した。シンクタンクのアトランティック・カウンシルが主催したイベントで述べた。具体的な国名は挙げなかった。

長官は「安心してほしい。バイデン政権は、プーチンが凶悪な戦争を終えるまで、パートナーとともにロシアをさらに経済的・金融的・戦略的な孤立に追い込む」と発言。

ただ「(一部の国は)明確な態度を示しておらず、恐らくロシアとの関係を維持してチャンスを得ようと考えている。そうした動機は近視眼的だ。平和的な安全保障と経済繁栄のための国際秩序の未来がかかっている」との認識を示した。

長官は、バイデン政権の多国間主義により、主要7カ国(G7)がロシアに多大な圧力をかけることができたと発言。同じアプローチを通じて、気候変動問題、新型コロナウイルスの流行、低所得国の支援といった大きな課題に対処できるとの見方も示した。

国際通貨基金IMF)など既存の機関を21世紀にふさわしい形に現代化する必要があるとも主張。米政府は第2次世界大戦中の1941年にIMF世界銀行など戦後の国際金融制度の設計を開始したと指摘。新たな制度が今必要とされていると述べた。

イエレン米財務長官は13日、中国に対し、ロシアとの連携に関して厳しい警告を発した。ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻に対する中国のアプローチの方法次第では、国際社会から経済的影響がもたらされることもあり得ると示唆した。

  イエレン氏は米シンクタンク、大西洋評議会での講演で、「中国は最近、ロシアとの特別な関係を再確認した」と指摘。「中国がこの関係を有益なものにし、戦争終結に寄与することを私は強く望んでいる」と述べた。発言は講演原稿に基づく。

  「この先、国家安全保障を含む全般的な国益を考慮する上で、経済的問題を切り離すことはますます難しくなるだろう」とイエレン氏は発言。

  「中国に対する、およびさらなる経済統合を前向きに受け入れる同国の意欲に対する世界の姿勢は、ロシアに関して断固たる行動を求めるわれわれの呼び掛けへの中国の反応によって影響を受ける可能性がある」と続けた。

原題:

Yellen Warns China on Russia Tie, Hints at Economic Consequences(抜粋)

アメリカのバイデン大統領は13日、ウクライナのゼレンスキー大統領とおよそ1時間にわたって電話会談を行い、8億ドル、日本円にしておよそ1000億円の追加の軍事支援を行うことを明らかにしました。

会談後にホワイトハウスが発表した声明では、追加の軍事支援について「ロシアによるウクライナ東部での攻撃強化に対応するための新たな軍事装備が含まれている」として、ロシア側のさらなる攻撃に備えウクライナの防衛能力を向上させるためだとしています。

軍事支援には装甲車両や砲撃システム、それにヘリコプターが含まれていて、こうした兵器の一部について、アメリカ軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、先週ウクライナ側から供与の要請を受けたことを明らかにしていました。

ウクライナで市民の犠牲が増え続ける中でアメリカは相次いで軍事支援を発表していて、ことし2月下旬にロシアが軍事侵攻を開始して以降、ウクライナへの軍事支援は合わせて25億ドル以上にのぼっています。

これは世界の軍事情勢を分析するスウェーデンストックホルム国際平和研究所が推計した、2020年のウクライナの国防予算のおよそ40%にあたります。

13日の取引で原油先物が続伸し、約4%高。石油トレーダー大手がロシア産原油の取引を手じまうという見通しを背景に、供給逼迫懸念が強まっている。米週間石油在庫統計で原油在庫が増加したものの、懸念を和らげるには至らなかった。

清算値は、北海ブレント先物が4.14ドル(4%)高の1バレル=108.78ドル、WTI先物が3.65ドル(3.7%)高の104.25ドル。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ロシアのプーチン大統領が同国の法令を通じて、非友好国にルーブル建てで天然ガス代金の支払いを要求していることについて、ウクライナ侵攻を受けロシアにEUが科した現行の制裁に違反すると加盟各国に警告した。

  非公開情報を理由に事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に語ったところでは、プーチン大統領が署名した法令に関する解釈を欧州委が加盟各国に示した。ロシアの法令はルーブル払いに従わない場合は、ガス供給を停止するとしており、欧州委の判断は欧州のエネルギー安全保障上のリスクを高める恐れがある。

  欧州委の解釈によると、ルーブル払いの仕組みは、ロシア政府と中央銀行、その代理機関にEUが適用する制限措置に違反し、天然ガス独占企業ガスプロム傘下のガスプロムバンクが用いる可能性のあるさまざまな金融市場手段の禁止措置にも影響しかねない。

  プーチン大統領が3月31日に署名した法令の規定によれば、欧州の買い手は外貨建てとルーブル建ての二つの口座を開設する必要があり、ガスプロムバンクが外貨をルーブルに交換し、ルーブルでの支払いをガスプロムに送金する。

  関係者によれば、欧州委が今月に入り加盟国と共有した予備的法解釈は新たな手続きについて、取引がいつ完了し、どの時点で買い手が義務から解放されるかロシア政府が中央銀行を通じて完全に掌握することになり、さらに適用為替レートを政府が都合良く操作できると分析した。

  EU加盟国の多くがガス代金をルーブルで支払わないとしており、ドイツ政府も13日、ロシアの要求に反対する姿勢をあらためて示した。

原題:

EU Warns Putin’s Rubles-for-Gas Demand Would Breach Sanctions(抜粋)

ロシアのプーチン大統領は今週のネハンマー・オーストリア首相との会談で、ガス代金をユーロで支払うことができると述べた。オーストリア通信(APA)が伝えた。

ネハンマー氏は13日のインタビューで、プーチン氏が「ガス供給は保証されている。ロシアは契約で合意した量を供給し、支払いは引き続きユーロで行うことができる」と述べたことを明らかにした。

ロシアは制裁に対する対抗措置として、ルーブルで代金を支払わなければガス供給が止まる恐れがあると警告していたが、ユーロでの支払いを容認している可能性がある。

ネハンマー氏はまた「ガスが供給されなければ(オーストリアの)産業界と家庭が深刻な打撃を受ける」と述べ、ロシア産ガスの禁輸に反対する姿勢を改めて示した。

ロシアからドイツへの天然ガスの供給が止まった場合、ヨーロッパ最大のドイツ経済はおよそ30兆円にのぼるダメージを被り、深刻な景気後退に陥るという見通しが明らかにされました。

これは、ドイツを代表するIFO経済研究所など5つの経済研究所が13日、ベルリンで共同で記者会見を開いて発表したものです。

それによりますと、ロシアからドイツへの天然ガスの供給が止まった場合、ドイツ経済は、この先2年間で、2200億ユーロ、日本円にしておよそ30兆円にのぼるダメージを受けるとしています。

これは、ドイツのGDP国内総生産のおよそ6.5%にあたり、その場合、ことしの成長率は1.9%にとどまり、来年はマイナス2.2%に落ち込むと見込んでいます。

キール経済研究所のクートス副所長は、会見で、「ウクライナでの戦争が景気回復に水をさしている。仮に、ロシアからのガスがとまれば、ドイツ経済は、来年、深刻な景気後退に陥る可能性が高い」と指摘しました。

ヨーロッパでは、ロシアへの制裁を一段と強化するべきだという意見が強まっており、自国経済への影響も大きいロシア産の天然ガス輸入禁止に踏み切るかどうかが議論の焦点となっています。

ロシアのプーチン大統領は、13日、北極圏の開発に関する関係閣僚との会合に出席しました。

このなかで、プーチン大統領「欧米諸国がロシアのエネルギー資源を含む通常の協力関係を拒否したことによって、すでに何百万人というヨーロッパの人々に影響を及ぼしている。エネルギー危機を引き起こし、アメリカにも影響がでている。物価があらゆるところで上昇していて、こうした国々にとって、前例のないことだ」と述べました。

ウクライナへ軍事侵攻を続けるロシアに対して、欧米側は経済制裁を強化しているほか、ロシアへのエネルギー依存から脱却を目指す動きもでていますが、プーチン大統領としては、こうした措置が欧米側に跳ね返っているとして強気の姿勢を示した形です。

また、プーチン大統領「ロシアの石油、天然ガス、石炭について、われわれは国内市場での消費を増やし、本当に必要としている世界のほかの国へ供給を増やすことができる」と述べ、制裁に対抗し、ロシアと友好的な関係にある国を念頭に、エネルギーを供給していきたい考えを示しました。

さらに、プーチン政権が重視する北極圏の開発について「ここには多くの仕事がある。関心のあるすべての人々にわれわれは共同作業を提供する」と述べ、外国企業の参加を呼びかけ、一連の制裁によって、開発計画を延期することはないと強調しました。

ロシアのプーチン大統領は13日、ロシアは石油、ガス、石炭など国内の膨大なエネルギー資源の輸出先を西側諸国から本当に必要としている国々に容易に変更することができると述べた。

当局者とのテレビ会議で「ロシアの石油、ガス、石炭に関しては、国内市場での消費を増やすことが可能だ」とした上で「同時にエネルギー資源を本当に必要としている世界の他の地域への供給も増加させる」とした。

また「西側諸国がロシアのエネルギー資源に関するものも含め(ロシアとの)標準的な協力を拒否したことが何百万人もの欧州の住民を苦しめ、真のエネルギー危機を引き起こしている」と指摘。「もちろん、われわれも問題に直面しているが、これは新たな機会を開くものである」とした。

プーチン大統領はこのほか、「非友好国」がロシアの北極圏におけるサプライチェーン(供給網)を破壊し、一部の国が契約上の義務を果たしていないため、ロシアで問題が生じていると語った。

ロシアのシュルギノフ・エネルギー相はイズベスチヤ紙に対して、政府は「友好国に対してどんな価格帯であれ」原油や石油製品を販売する用意があると述べた。インタファクス通信が12日に伝えた。

ロシアのプーチン大統領は、同国産石油や天然ガス、石炭のこれまでの買い手の一部が取引を拒んでいるとして、新たな買い手を国内外で見つける意向を示した。

  ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁措置では、大半の国がロシア産エネルギーを直接的な制裁対象にはしていない。しかし買い手が敬遠しているほか、輸送上の問題などでロシア産エネルギーの出荷は落ち込んでいる。プーチン氏は政府および企業の要人と13日に開いた会議で、ロシアの輸出に問題があり、解決策を必要としていることを公に初めて認めた。

  プーチン氏は「ロシア産石油、ガス、石炭について言えば、国内消費を引き上げ、より複雑な原料処理を促し、エネルギーを本当に必要としている別の国へ供給を拡大できる」と述べた。会議の様子は国営ロシア24テレビが放映した。

原題:Putin Says Russia Seeks New Markets as West Rejects Oil Exports(抜粋)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、イギリス政府は、通常は決して公にはしない機密情報を積極的に開示してきました。こうした姿勢は、アメリカ政府も同じで、情報を開示することで、欧米側はロシアの動向を把握していると機先を制するねらいとみられます。

このうちイギリス外務省は、軍事侵攻のおよそ1か月前にあたることし1月下旬の段階で独自の情報に基づく分析として、「ロシアが、欧米寄りのゼレンスキー政権を転覆させ、親ロシア派による政権の樹立を目指す動きがある」と発表しました。

ゼレンスキー大統領に代わる新しい指導者として元首相や元議員などの名前まで具体的に挙げ、ロシアの情報機関と接触しているなどと指摘しました。

また、イギリスの対外情報機関、MI6のムーア長官は、軍事侵攻が始まった2月24日ツイッターに投稿し、イギリスは、プーチン大統領によるウクライナへの侵攻計画のほか、ウクライナ側から攻撃を受けたかのような情報をねつ造する「偽旗作戦」についてもアメリカと協力して、明らかにしてきたと強調しました。

ムーア長官は、ウクライナの首都キーウ近郊のブチャなどで多くの市民の遺体が見つかった今月上旬には「プーチン大統領の計画には軍や情報機関による即時の処刑が含まれていることはわかっていた」と指摘しました。

さらに、情報機関のGCHQ政府通信本部のフレミング長官も先月講演で「ロシア軍の兵士が命令を拒否したり、みずからの装備を破壊したりと士気が低下している」と述べるなど、各機関が次々に機密情報を公表しています。

また、イギリス国防省は、ツイッターで、連日、戦況分析を公表し、ロシア軍の動きや攻撃のねらいなどについて、分かりやすく伝えています。

イギリスにとって、冷戦時代から、ソビエトは大きな脅威で、MI6は、KGB=国家保安委員会としれつな情報戦を繰り広げてきたとされています。

冷戦終結後も、2006年には、ロシアの元工作員が亡命先のロンドンで死亡し、体内から猛毒の放射性物質ポロニウムが検出されたほか、2018年には、イギリス南部で別の元工作員と娘が意識不明の状態で見つかっています。

いまもロシアを脅威と捉えるイギリスの情報機関は、モスクワなどに多くの情報工作員を潜り込ませているとみられ、今回の軍事侵攻を巡っても情報収集と分析に力を入れています。

イギリス国防省の諜報部門に高官としておととしまで所属し、40年近くにわたってイギリスのインテリジェンスの分野で中心的な役割を果たしてきたポール・リマー氏がNHKのインタビューに応じました。

現在、キングス・カレッジ・ロンドンで客員教授を務めるリマー氏は、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、イギリスが、機密情報を積極的に開示してきたねらいについて「ロシアの偽旗作戦などに対して先手を打って情報を発信することでロシアの立場を弱め、ロシアの政権内の足並みを乱すことだ」と指摘しました。

また、「イギリスには、長年にわたって経験を積んだ情報機関があるが、今回、特に重要なのはアメリカと信頼し合うことで情報が強化されたことだ」と述べ、イギリスの情報機関は、ウクライナ情勢を巡りアメリカ側と連携を強め、積極的に情報を交換していたとしています。

さらに、リマー氏は、2006年、プーチン政権を批判してイギリスに亡命していたロシアの元工作員が暗殺された事件や、2018年に元工作員の男性などへの暗殺未遂事件が発生したことなどを指摘したうえで、「プーチン政権とは普通の関係を築けないことが明らかになり、プーチン大統領のねらいと意図を理解することに多くの資源と労力をつぎ込む必要があった」と述べロシアに対する諜報活動に一層力を入れることになった背景について明らかにしました。

一方、リマー氏は、プーチン政権の今後について、「あすにでもプーチン政権が倒されるというのはおそらく希望的観測で、今後、政権側は、ウクライナとの戦争に勝利したかのようなストーリーを打ち出すかもしれない。政権への影響は、ロシア国民に制裁の効果が出てきてからだが、実際にそれが出るまでには時間がかかる。半年後や1年後、どういう状況になるかは未知数だ」と述べました。

ja.wikipedia.org
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ロシアのリャプコフ外務次官は13日、ロシアはウクライナ領内で武器を運搬する米国と北大西洋条約機構NATO)の車両を合法的な軍事標的と見なすと述べた。

リャプコフ次官はタス通信のインタビューに対し、西側諸国によるロシア軍、およびウクライナの分離派に被害をもたらそうとする試みをロシアは「厳しく抑圧する」とし、「ウクライナ領内における米国とNATOの武器輸送を合法的な軍事標的と見なすと警告する」と述べた。

ロシア国防省は13日、ウクライナ各地をミサイルなどで攻撃し、東部ハルキウ州にあるウクライナ軍の施設を破壊したなどと発表しました。

また東部の要衝マリウポリについて、ロシア軍などの攻撃を受け、ウクライナ軍の兵士1000人以上が武器を捨てて投降したと主張したほか、商業用の港を掌握したと発表し、市内の完全掌握に向け、攻勢を強めているとみられます。

さらに国防省のコナシェンコフ報道官は、ウクライナ軍がロシア領内の施設に対して破壊工作や攻撃を企てている。その場合はロシア軍はこれまで自粛してきた首都キーウを含む意思決定の機関を攻撃する」と述べ、ウクライナのゼレンスキー政権を強くけん制しました。

一方、ウクライナ側はロシア軍がまもなくウクライナ東部への大規模な戦闘に乗り出すのではないかと警戒を強めていて、欧米各国も今月に入りウクライナに戦車や地対空ミサイルシステム「S300」を供与するなど、軍事支援を強化しています。

これに対しロシア外務省のリャプコフ外務次官は、13日ウクライナ領を横断して兵器や弾薬を運ぶアメリカやNATO北大西洋条約機構の輸送手段については、合法的な軍事目標と見なす」と述べ、欧米側に強く警告しました。


ウクライナが国内の親ロシア派有力政治家の拘束を解くことと引き換えにウクライナ人戦争捕虜を釈放するよう求めたことに対し、ロシアは13日、親ロシア派有力者を拘束した者が近く拘束される可能性があると警告し、ウクライナからの要求を一蹴した。

ウクライナ治安当局は12日、ウクライナの「野党プラットフォーム―生活党」の党首でロシアのプーチン大統領と親交が深いビクトル・メドベチュク氏を逮捕したと発表。ゼレンスキー大統領はビデオ演説で「ロシアには(メドベチュク氏と)ロシアの捕虜になっているウクライナ人との交換を提案する」と述べた。

これに対し、ロシア安全保障会議副議長のメドベージェフ前大統領は「ウクライナ当局者と自称する変人らがメドベチュク氏から証言を引き出し、『迅速かつ公正に』有罪判決を下し、捕虜との交換を望んでいる。このような人々は自身が交換される側にならないように警戒し、夜間は十分に戸締まりをすべきだ」と述べた。

また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は13日、記者団に対し「メドベチュク氏とロシアとの秘密裏の関係はない」とした上で「メドベチュク氏の運命を見守る。同時に言論の自由を常に懸念している欧州の政治家に対し、言論の自由を守るよう呼び掛ける」と述べた。

メドベチュク氏とウクライナ人捕虜との交換に関する質問に対しては「メドベチュク氏はウクライナ人であり海外の政治家だ」と答えた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は13日、バイデン米大統領がロシアのウクライナ侵攻を「ジェノサイド(集団殺害)」と非難したことは容認できないと言明した。

ペスコフ報道官は「このような状況を歪めようとする試みは受け入れがたい」とし、「近年、広く知られた犯罪を犯してきた米国の大統領による発言として、容認できない」と述べた。

バイデン大統領は12日、ロシアのウクライナ侵攻がジェノサイドに該当するとの見方を初めて示した。その後、発言を補足する形で、法的手続きによって最終的に認定されることになると述べた。

国際刑事裁判所のカーン主任検察官は13日、ロシア軍の撤退後、多くの市民が殺害されているのが見つかったブチャを訪れました。

記者団の取材に応じたカーン主任検察官は「私がここを訪れたのは国際刑事裁判所が管轄する犯罪が行われたと信じるに足る合理的な根拠があるからだ」と述べ、戦争犯罪や人道に対する罪の本格的な捜査に乗り出す姿勢を示しました。

そのうえでカーン主任検察官は、国際刑事裁判所としても法医学の専門家などからなるチームを現地で捜査にあたらせることを明らかにしました。

また国際刑事裁判所によりますと、カーン主任検察官は13日、首都キーウも訪れてウクライナのベネディクトワ検事総長と会談し、捜査に向け協力していくことで合意したということで、今後、戦争犯罪などの責任の追及に向けた動きが活発化するものとみられます。

ロシア軍の侵攻が続くウクライナでの戦争犯罪などについて調べてきたOSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構は13日、初めての報告書を公表しました。

OSCEは欧米諸国とロシアも加盟しています。

調査は、軍事侵攻が始まったことし2月24日から今月1日までのウクライナ国内のできごとを対象として、ウクライナ当局やNGOからの情報のほか、報道の内容などをもとに、国際法戦争犯罪に詳しい3人の専門家が行いました。

報告書では、短い期間での詳細な調査は困難だったとしながらも、先月9日、東部マリウポリで産科などが入る病院が攻撃されたことについて、ロシア軍によるものと断定し、「意図的なもので、有効な警告や退避の期限もなかった。国際人道法の明確な違反で、戦争犯罪にあたる」と指摘しました。

さらに、先月16日、マリウポリで大勢の人が避難していた劇場が破壊されたことについては、破壊したのはウクライナ側だとするロシア側の主張を裏付けるものはないとしたうえで、「目に余る国際人道法の違反の可能性が高く、それを命じたか実行した者は戦争犯罪を犯した」と指摘しています。

そして、「ロシア軍が国際人道法を重視していれば市民の犠牲はかなり減っていたはずだ」などと結論づけています。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は13日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がロシア軍のウクライナでの行為を「ジェノサイド(集団殺害)」と呼ぶことを避け、「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」と述べたことを非難した。

 ゼレンスキー氏はウクライナを訪問中のポーランド、バルト3国の首脳との共同記者会見でこの問題について、「われわれにとってとても苦痛なので、同氏と最善を尽くして議論するつもりだ」と述べた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は12日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領指揮下の同国軍がウクライナで「ジェノサイド」を行っていると明言した。

 しかし、マクロン氏とドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は13日、「ジェノサイド」と呼ぶことを避け、強い非難の言葉を使うことは戦争終結の助けにならないと訴えた。

 マクロン氏は国営テレビ、フランス2(France 2)の取材に対し、国の指導者は言葉に注意を払うべきだと述べた。

 同氏は「ロシアは一方的に残忍な戦争を仕掛けたし、今やロシア軍が戦争犯罪を行ったと認知されている」「今起きていることは狂気の沙汰であり、信じ難いほど残忍だ」と認める一方、「同時に、私は事実を見つめ、この戦争を止め、平和を取り戻すためにできる限りの努力を続けたい。非難の言葉を強めることはその助けにならないのではないか」と述べた。

 マクロン氏は、特に「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」であり、現状においてジェノサイドという言葉の使用には「慎重」であるべきだとした。

カナダのトルドー首相は13日、ウクライナにおけるロシアの行為を「ジェノサイド(集団殺害)」とする見方が増えるのは「絶対的に正しい」と述べ、前日にバイデン米大統領がジェノサイドと糾弾したことを支持した。

トルドー氏は記者団に、「バイデン大統領が強調したように、ジェノサイド認定には公式な手続きが必要だと思う。しかし、ロシアによる行為、プーチンが行ってきた行為をジェノサイドと表現する人が増えているのは絶対的に正しいと思う」と語った。

バイデン氏はジェノサイドに言及した上で、国際的な司法手続きにより該当するかが認定されると述べた。

ロシアは13日、バイデン氏の発言に反発、米国は偽善を働いていると非難している。

米国は13日、ロシアがウクライナで「ジェノサイド」(集団殺害)を行ったかを巡り独自調査を行うか明言を控えた。ロシアの責任追及に向けた国際的な取り組みは支援するとした。

バイデン大統領は12日、ロシアのウクライナ侵攻が「ジェノサイド」に該当するとの見方を初めて示した。

国務省のプライス報道官は13日、バイデン大統領の発言が米政府の見解を反映したものか明言せず、「誰もが目にしている(現地からの)恐ろしい映像を見た印象を述べたもの」と説明した。

その上で、ジェノサイドの法的な基準を満たしているか認定を行う国際的な取り組みを支援すると表明。一方、米国として独自調査を行うかは明らかにせず、「責任追及という最終目的の達成に最も効果的な対応をしている」と述べた。

ホワイトハウスのサキ報道官は、独自調査を行うかどうか引き続き検討するとした。

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所によりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人は、12日の時点で465万人あまりで、このうち最も多い266万人あまりが国境を接するポーランドに避難しています。

ポーランド南東部のメディカにある国境の検問所付近では、ウクライナから避難してきた人たちが、ボランティアの支援を受けながら別の町へと向かうバスに乗り込んでいました。

チョルノービリ原発の近くの町から避難してきた女性は「町では3人が殺されました。森の中を抜けて逃げられたのは、運がよかったです。とても怖かったです」と話していました。

一方で、避難生活が長引くなか、比較的、情勢が安定している西部などから避難してきた人たちの中には、自宅に戻る動きも出ていて、今月に入り、ポーランドからウクライナに入国する人が連日、1万人を超えています。

ポーランドの国境警備当局によりますと、ポーランドからウクライナに入国した人は、今月12日には、1万7700人、今月11日には1万6600人などとなっています。

国境の検問所に続く道路では、ウクライナへの入国を待つ乗用車やトラックなどが長い列をつくっていて、中部の町に戻るという女性は「身の危険を感じて逃げましたが、家を空けてきたので心配になり、戻る決心をしました」と話していました。

ポーランドの都市ジェシュフに退避して、国際機関などと連携しながら避難民の支援や、日本に向かう避難民の受け入れの調整などを行っている松田邦紀・駐ウクライナ大使は、NHKの取材に対し「現在も避難してくる人はいるが、さまざまな事情でウクライナに戻る人も出てきており、そうした状況は国際機関などと共有している。ただ、ウクライナに戻っても自分の家に帰れず、別の場所で生きていかなくてはならないこともあり得る。国際社会としてニーズを踏まえたきめ細かい支援を行うことが求められている」と述べました。

ポーランドリトアニアラトビアエストニアの首脳が13日、そろってウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。ロシア軍が占領していた首都キーウ(キエフ)近郊も訪問し、ウクライナに対する軍事支援の強化を呼び掛けるとともに、ロシア軍に対する責任追及を求めた。

ポーランドのドゥダ大統領はキーウで行った共同記者会見で「これは戦争ではない。テロリズムだ」とし、「こうした犯罪を犯した兵士だけでなく、命令した人物の責任も追及しなくてはならない」と述べた。

ラトビアのレビッツ大統領は「あらゆる武器を提供し、ウクライナを支援する義務がある」としたほか、リトアニアのナウセーダ大統領は「ウクライナの未来は戦場で決まる。ウクライナは勝たなければならない」と述べた。

エストニアのカリス大統領は「(ロシアの)プーチン大統領がこの戦争に負けなければ、ヨーロッパに平和は訪れない」と語った。

ゼレンスキー大統領は、4カ国のウクライナに対する支援に謝意を表明。「常にウクライナを守り、常にウクライナのために立ち上がってくれている」と述べた。

フィンランドのマリン首相は、13日、スウェーデンを訪問し、アンデション首相と会談しました。

会談後、会見したマリン首相は、「ロシアによる軍事侵攻を受けて、ヨーロッパの枠組みは大きく変わった。NATOに加盟しなければ安全の保証を得る方法はない」などと述べ、NATOへの加盟申請に前向きな姿勢を示しました。

フィンランド政府は、NATOに加盟申請した場合、ロシアとの国境付近で緊張が高まる事態に対応する必要がある、などとする報告書を公表していてマリン首相は、この報告書をもとに今後、議会で議論を進め、数週間以内にNATOへの加盟申請について、結論を出したいとしています。

また、スウェーデンのアンデション首相も、十分な検討が必要だとしたうえで、早急に判断する意向を示しました。

フィンランドスウェーデンは、EUヨーロッパ連合には加盟しているものの、軍事同盟であるNATOには加盟せず、軍事的に中立の立場を続けてきました。

それだけに、今後の動き次第では、ヨーロッパの安全保障の枠組みが大きく変わる可能性もあり、ロシアが強く反発するのは確実とみられます。

ロシアのプーチン大統領の最側近の1人で、安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ氏は14日、スウェーデンフィンランド北大西洋条約機構NATO)に加盟すれば、ロシアは地域での防衛力を高める必要があると警告、核兵器の配備も示唆した。

フィンランドスウェーデンは、NATOへの加盟申請の是非を検討している。フィンランドのマリン首相は13日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて状況が完全に変わったとの認識を示し、NATOに加盟を申請するか「数週間以内」に決定すると述べている。

メドベージェフ氏は、両国がNATOに加盟した場合は、軍事的均衡を取り戻すためロシアはバルト海で陸海空軍を増強しなければならないと主張。「核のないバルト海はなくなる」とし核の脅威に言及した。

メドベージェフ氏は2008─12年にロシアの大統領を務めた。

ウクライナ情勢をめぐり国連のグテーレス事務総長は、市民の犠牲を食い止めるための人道的な停戦をロシアとウクライナに呼びかけていて、今月3日から人道問題担当のグリフィス事務次長をモスクワとキーウに派遣しました。

これについてグテーレス事務総長は13日、記者団に対し「現時点ではわれわれが望む停戦は可能ではないようだ」と述べ、人道的な停戦の実現は難しいという見方を示しました。

一方でグテーレス事務総長は、市民の避難や人道支援活動の安全を確保するようロシア側に求め、回答を待っていると明らかにし、双方への働きかけを続けていると強調しました。

また、グテーレス事務総長は、ロシアによる軍事侵攻が世界に及ぼしている影響について報告書を発表し、食料やエネルギーの価格上昇が貧困と飢餓を引き起こしていて、17億人が混乱にさらされていると指摘しました。

グテーレス事務総長は「世界の弱い立場の人たちが巻き添えの被害を受けてはならない」と述べ、国際社会に対してウクライナやその周辺国だけでなく、世界の途上国への支援も呼びかけました。

ロシア国防省は13日、ウクライナ各地をミサイルなどで攻撃し、東部ハルキウ州にあるウクライナ軍の施設を破壊したなどと発表したほか、東部の要衝マリウポリについて、商業用の港を掌握したなどと発表し、マリウポリ市内の完全掌握に向けて、攻勢を強めているとみられます。

ウクライナの公共放送は、動画投稿サイト、ユーチューブで13日に映像を公開し、東部ハルキウ州で文化会館や学校、それに住宅が爆撃されて火災が発生するなどし、このうち学校の建物は半分が破壊されたなどと伝えています。

こうした中、アメリカ国防総省の高官は13日、ロシア軍がウクライナ東部で戦力を増強するための動きが続いていると指摘しました。

このうち、ウクライナと国境を接するベラルーシやロシア国内では、引き続きロシア軍の部隊を再編成する動きがみられ、ヘリコプターや追加の砲撃システムなどの装備をととのえているのが確認できるとしています。

また東部ハルキウ州にあるイジュームの南側で、兵器などの戦力を増強していると指摘し、ウクライナ東部への投入を目指しているとの見方を示しました。

さらにロシア軍がロシア西部のバルイキなどで部隊の再編成や補給などを行ったあと、東部ルハンシク州の北部に侵攻させているのが確認できるということで、ウクライナ東部で近く大規模な攻撃が行われる可能性があるとの警戒が強まっています。

アメリカ国防総省のカービー報道官は13日、記者会見で、バイデン政権が新たに決定したウクライナへの追加の軍事支援について、速やかに現地に送る考えを示しました。

アメリカ国防総省によりますと、ウクライナへの追加の軍事支援には、兵士を輸送する装甲車200台や軍用車両100台、それにヘリコプター11機のほか、砲撃に使われるりゅう弾砲が含まれるということです。

また、対戦車ミサイル「ジャベリン」を500基、自爆型の無人攻撃機「スイッチブレード」300機も、追加で供与するとしています。

カービー報道官は、ロシア軍が軍事作戦の重点を移すウクライナ東部について、ロシア領内に近いことから、ロシア軍にとって前線の部隊への補給ルートが短くなるとの認識を示しました。

さらに、東部地域は平らな地形だとして、ロシア軍が地上部隊を本格的に投入する前に、戦車や長距離砲撃、それに迫撃砲などによる攻撃を行うことが予想されると指摘しました。

そして「われわれはウクライナ側と話し合い、彼らが何を必要としているかを確認している」と述べて、追加の軍事支援について速やかに現地に送る考えを示しました。

ロシア軍の激しい攻撃が続いている、ウクライナ東部マリウポリボイチェンコ市長は13日、オンラインの会見で「およそ15万人がマリウポリから退避できたものの、10万人以上が市内に残り避難できるのを待っている」と話し、マリウポリの人口40万余りのうち、いまだに多くの人が現地に残っている現状を述べました。

また「さらに郊外には退避の準備を終え、避難を待つ6万人がいる」と述べて、マリウポリ周辺にも避難できずにいる人が多くいるとしました。

さらにボイチェンコ市長は、ロシア側が市内の占領した地域を閉鎖したと述べたうえで「ロシア側が遺体を焼却する移動式の施設を13台、市内に導入したことを確認した。ロシアが戦争犯罪の証拠を消すための準備を進めている」と訴えました。

ウクライナ南部のオデーサ州の知事は14日、黒海に展開しているロシア軍の艦艇に対して「ミサイル攻撃で深刻な被害をもたらした」SNSに投稿しました。

一方、ロシア国営メディアは14日、ロシア国防省の話として黒海艦隊の巡洋艦『モスクワ』が、火災の結果、弾薬が爆発し、深刻な損傷を受けた」と伝えました。

ロシアメディアは、乗組員は避難したとも伝えていますが、ウクライナ軍の攻撃によるものかについては言及していません。

ロシア黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」が、搭載されていた爆薬の爆発により深刻な損傷を受けた。ロシアのインタファクス通信国防省の発表として14日に報じた。ウクライナの当局者は同艦がミサイル攻撃を受けたと主張した。

乗組員は避難した。報道によると、ロシア国防省は火災が原因と説明したが、火災がどのように発生したかは明かさなかった。

黒海に面したウクライナ南部オデーサ州のマキシム・マルチェンコ知事は、同艦がウクライナ製対艦巡航ミサイルネプチューン」2発の攻撃を受け、深刻な損傷を受けたとインターネットに投稿した。

ウクライナ国防省はコメントの求めに応じていない。ロイターは双方の主張の真偽を確認できていない。

ロシアメディアによると同艦には巡航ミサイル16発が搭載されていた。

ロシア国防省は14日、ウクライナ東部のドネツク州や南部のオデーサ州などでミサイル攻撃を続け、ウクライナ軍の武器庫などを破壊したと発表しました。

北東部スムイ州のジビツキー知事は「これまでに民間人100人以上が殺害され、犠牲者の数は増え続けている」と、13日にSNSのテレグラムで明らかにしました。

なかには両手を縛られたり、拷問を受けた痕があったりしたほか、頭を銃で撃たれた犠牲者の遺体も見つかったということです。

また、東部の要衝マリウポリでは、激しい戦闘が続き、ロシア国防省は14日、1100人を超えるウクライナ軍の兵士が武器を捨てて投降したと主張しました。

ウクライナのメディアによりますと、マリウポリの防衛にあたる部隊の指揮官の1人は、一部の兵士が投降した事実を認めたということです。

マリウポリの戦況について、アメリカ国防総省の高官は13日、ロシアの激しい攻撃にウクライナ側が応戦しているとの認識を示しました。

またイギリス国防省も14日「ウクライナの継続的な防衛によって、ロシアはかなり多くの軍と装備を必要としている」と分析しています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は13日の分析で、ロシア軍が今後1週間でマリウポリを掌握する可能性が高いと指摘しています。

このシンクタンクの分析によりますと、ロシア軍は12日の時点で市の中心部の多くを支配し、13日にはさらに支配地域を広げてウクライナ側を追い込んでいます。

ウクライナ側の激しい抵抗が続くなか、南部オデーサ州の知事は14日、ロシア海軍黒海艦隊の旗艦「モスクワ」に対して「ミサイル攻撃で深刻な被害を与えた」とSNSに投稿しました。

ロシア国防省によりますと巡洋艦「モスクワ」の乗組員は最大で680人、巡航ミサイル16発や魚雷などを搭載できるとしていて、ロシア海軍の主力と位置づけられています。

ロシア国防省は、国営メディアを通じて「巡洋艦『モスクワ』が、火災の結果、弾薬が爆発し、深刻な損傷を受けた。乗組員は避難した」と伝えていますが、一方で「火災の原因は究明中だ」として、ウクライナ軍の攻撃によるものかどうかは言及していません。

その後、国防省巡洋艦はまだ浮かんでいる。艦上の火災は収まり、主要なミサイルシステムに被害はない」と説明しました。

ロシア軍はウクライナ南部の黒海沿岸での支配地域の拡大を目指し、黒海艦隊はこれまで、巡航ミサイル海上からの攻撃を行ってきましたが、艦隊の象徴ともいえる旗艦が大きな被害を受けたとすれば、今後の作戦にも影響が出る可能性があるとみられます。

ミサイル巡洋艦「モスクワ」は、ロシア海軍黒海艦隊の旗艦です。

ロシア国防省によりますと1983年に就役し、ソビエト崩壊後の1999年、ウクライナ南部クリミアにある軍港セバストポリを拠点とするロシア黒海艦隊の旗艦となりました。

乗組員は最大680人で「バザリト」と呼ばれる巡航ミサイル16発や魚雷などを搭載できるということです。

2008年のロシアによるジョージアへの軍事侵攻のほか、2015年にロシアが軍事介入したシリア内戦にも派遣されるなど、ロシア海軍の主力と位置づけられています。

アメリカのエネルギー省傘下のNNSA=核安全保障局は13日、NHKの取材に対し、核爆発を伴わない臨界前核実験を去年6月22日と9月16日に西部ネバダ州にある核実験場で行ったことを明らかにしました。

NNSAは実験の目的や詳しい内容を明らかにしていませんが、アメリカが臨界前核実験を行ったのはおととし11月以来で、バイデン政権になってからは初めてです。

アメリカ政府は1992年に核爆発を伴う核実験の一時停止を宣言していますが、臨界前核実験については核爆発を伴うものではないなどととして歴代政権が続けてきました。

オバマ政権時代に副大統領を務めたバイデン大統領は、「核のない世界」の理念を引き継ぎ、核軍縮に前向きな姿勢を示していますが、ロシアや中国による核の脅威が高まる中、核兵器の近代化に必要とされる臨界前核実験を実施した形です。

ロシア軍がウクライナでの戦闘を続け、西側諸国が世界各国に対ロシア制裁への支持を求めていた3月。南アフリカの左派指導者ジュリアス・マレマ氏は群衆に向かってこう語りかけていた。彼自身も彼の支持者も、反アパルトヘイトの闘いを支援してくれたロシアに敵対することは絶対にないと。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻は、「影響力」をめぐるグローバルな争いを刺激している。この争いは、実際の戦闘と同じくらい重要ということになるかもしれない。この対立の中で、ロシア政府が新興諸国との歴史的な関係を利用しようとする一方で、米国とその同盟国はこれまでにも何度か、いわゆる「グローバル・サウス」(南半球を中心とする発展途上国)からの支持を得るのに苦労したという経緯がある。

ロシア政府は長年にわたり、米ゴールドマン・サックスが2001年にBRICs命名した新興市場、つまりブラジル、インド、中国との関係を強固なものにしようとしてきた。

ロシアのリャブコフ外務次官は3月30日、国営テレビRTに対し、この戦争の終結後、BRICsは「新しい世界秩序の中心」となるだろうと述べた。ロシアのメディアは、発展途上国に対してモスクワへの制裁に参加するよう説得する米国の試みは、裏目に出るだろうと主張している。

現実はもっと複雑だ。なんと言っても、ウクライナで民間人の居住地域が標的となり犠牲者が出ている証拠は増大している。とはいえ、その一方には、イラク侵攻から抑圧的な体制への支援、「グローバル・サウス」の困窮を加速させたとされる通商政策に至るまで、西側諸国に対する積年の恨みがある。

そうした傾向はBRICsだけでなく、発展途上国全体に広がっている。以前から中国は、自国の経済的・政治的影響力を発展途上国に広げていく作戦の一端として、西側諸国に対する懐疑的な見方を利用してきた。ロシアはそれをもっと踏み込んで利用しようとしている。

とはいえ、ウクライナ戦争の現実も影響を及ぼしつつある。国連総会は7日、ロシアを国連人権理事会から除名する決議について投票を行い、ウクライナと米国、欧州の同盟諸国にとって大きな勝利に終わった。ロシアが「反対」に投票するよう圧力をかけたにもかかわらず、ブラジル、インド、南アフリカなどは棄権に回った。一方で中国は「反対」票を投じた。

<分裂するソーシャルメディア

ルフレッド・ディーコン研究所(豪メルボルン)のマフムード・パルグー研究員によれば、2月22日から3月15日までの期間、ロシアとウクライナの問題に触れたアラビア語でのツイッター投稿のうち、約12%がシリアやイエメン、イラクアフガニスタン、あるいはパレスチナの紛争にも言及。西側諸国のダブルスタンダードを指摘する投稿も多かった。

パレスチナ政策調査研究センターが3月に実施した世論調査によれば、パレスチナ人の43%がウクライナとの戦争についてロシアに責任があるとしたのに対し、ウクライナに責任があるとしたのは40%だった。ただ回答者の57%は、西側諸国は欧州における紛争について判断する際に、イスラエルパレスチナ間の紛争とは別の基準を採用していると考えていることが分かった。

パキスタンスリランカでは、穀物とエネルギー供給の途絶によって引き起こされた食料・燃料価格の急騰が、すでに経済的・政治的危機を引き起こしている。中国寄りの傾向を強めていた両国では、今回の危機が西側諸国への批判を生み出している。ただしその一方で、足下の問題は、ロシアの軍事行動と、中国に対する債務の増大によるものだという主張も見られる。

侵攻開始以来、ロシアの報道機関は西側諸国のインターネットやテレビ視聴者とますます隔絶されており、こうした西側に批判的なやりとりに参加し盛り上げようと血眼になっている。特に力を入れているのが、すでに確固たる足がかりを得ていた中南米地域だ。RTスペイン語放送のフォロワーはツイッターで350万人、フェイスブックで1800万人を数え、RT英語版のフォロワーよりも多い。

シンクタンクの米大西洋評議会の系列であるデジタルフォレンジック研究所によれば、RTスペイン語放送と、同じくロシア国営スペイン語放送のスプートニク・ムンドは、ツイッターにおけるウクライナ侵攻関連のスペイン語投稿で最もシェアされている15のドメインに入っている。「最近の虐殺はウクライナによって捏造(ねつぞう)されたものだ」といったロシア側の陰謀論を拡散している例も多い。

英国のシンクタンクであるデモスは、侵攻が開始された2月24日、あるいは国連で重要な決議が行われた3月3日にツイッター投稿が急増した数百のアカウントを追跡。ロシアは、発展途上国における複数言語によるソーシャルメディア上での会話に、人為的な影響を与えようとしてきた可能性があると分析している。そうしたアカウントの大半は、反欧米・反植民地主義コンテンツのリツイートと、ロシア支持・侵攻支持の内容を混在して投稿していた。

<標的となるナショナリスト指導者>

デモスが確認した投稿は、ウルドゥー語、シンド語、ペルシャ語を含む複数の言語で書かれていた。また、インドのナレンドラ・モディ首相と、ヒンドゥー民族主義を掲げる与党インド人民党(BJP)を支持するネットワークや、南アフリカヤコブ・ズマ前大統領を支持するネットワークに組み込まれている例も見られた。ズマ氏は、愛弟子であるマレマ氏と同様に、開戦以来一貫してプーチン氏を公然と支持している。

インドでは、右派寄りでヒンドゥー民族主義を支持する年長の世代は、冷戦中にソ連がインド政府を支援してくれたこともあってロシア政府に同情的な傾向が強い。今回の戦争を機に、ウクライナ支持の傾向が強い若い世代との分断が露呈した格好だ。

平時からロシア製兵器の主要輸入国であるインドは、西側諸国による制裁にもかかわらずロシア政府との通商関係を維持したい意向を明らかにしてきた。報道によれば、これまでロシア産原油を輸入していなかったにもかかわらず、ロシアが大幅な割引価格で提供する石油を引き取っているという。

とはいえ、インドも制裁と無縁でいられるわけではない。エア・インディアは先週、保険に加入できなくなったことを理由として、モスクワ便の運航停止を発表した。

ブラジル政府も圧力を受けているが、その中には国内政界主流派からの圧力もある。侵攻の1週間前、ジャイル・ボルソナロ大統領はモスクワでプーチン大統領を訪問し、両国は「連帯」していると述べてプーチン氏を賞賛した。

だが数日後、ハミルトン・モウラン副大統領はブラジルが「中立」を保つことを否定し、ウクライナの主権を擁護すると述べて大統領を激怒させた。ブラジル外務省は4月6日、同国はキーウ(キエフ)近郊のブチャで殺害された市民に「連帯する」と述べたが、ロシア非難は控えた。

ジョー・バイデン米大統領は、直近では8日に南アのラマポーザ大統領に電話をかけ、ウクライナ情勢を巡って共同戦線に加わるよう再び圧力をかけた。ラマポーザ大統領は10日に出席した政治集会においてバイデン氏との電話が「穏やかな雰囲気だった」と述べたものの、政策は変更していない。国際的な影響力を巡る争いが終幕を迎えるのはずっと先の話だ。そして米政府は到底、強気の姿勢で振る舞える立場にはない。

なぜ今のタイミングで、日本や韓国が米国側から中国敵視の強化を強要されるのか。それは、2月末以来のウクライナ戦争で、ロシアを敵視する米国側と、ロシアが中国BRICSなどを巻き込んで米国覇権やドル決済を否定する非米側との対立が劇的になったからだ。

なぜ米国は、ドイツなど欧州にだけ意地悪して、アジアには寛容なのか。その理由は多分、英国がいるかいないかの違いだ。米国覇権の黒幕として機能している部分がある英国は、これからQE終了後の金融破綻などで米国覇権が自滅した場合に備えて、ロシアだけでなくドイツも経済的に潰しておきたい。ドイツは、欧州における英国の永遠のライバルだ。ロシアは、欧州における英国の永遠の敵だ。米国にとっては本来、欧州やユーラシア中露は自分らと別の大陸だから敵でなく、むしろ適当に安定していてほしい(ロックフェラーなど米国本来の隠れ多極主義者はそれを希求して国連P5体制を作った)。しかし米国の覇権運営を、隠れ多極主義者と暗闘しつつ牛耳ってきた英国は、ドイツとロシアの両方が弱体化してくれていた方が良い。 (田中宇史観:世界帝国から多極化へ)

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【宇野正美】ゼレンスキー大統領は[英雄]か?ついに正体を現す。最新講演会6

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