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イギリスのジョンソン首相は日本時間の7日夜8時半すぎからロンドンの首相官邸前で声明を読み上げました。

この中でジョンソン首相は「党の新しいリーダー、新しい首相が必要だ。新しいリーダーを選出するプロセスを始めるべきで、そのスケジュールは来週、発表されることで合意している」と述べ、与党・保守党の党首を辞任する意向を明らかにしました。後任を選ぶ党首選挙で次の党首が決まりしだい首相が交代することになりました。

またジョンソン首相は「過去数か月、プーチン大統領の軍事侵攻に対抗する西側諸国をけん引してきた」と述べるなど自身の実績を強調しましたが、首相官邸などでパーティーが繰り返し開かれていた問題などへの言及はなく謝罪もありませんでした。

ジョンソン首相をめぐってはパーティーの問題に加えて与党幹部が性的なスキャンダルで先週辞任し、二転三転する首相の対応が不誠実だなどとして反発が強まっていました。

こうした中で主要閣僚やおよそ50人の政府高官が相次いで辞任を表明するという異例の事態を受けて、ジョンソン首相はこれまでになく厳しい状況に追い込まれていました。

ジョンソン首相はEUからの離脱が最大の争点になった2019年の総選挙で与党・保守党を圧勝に導き、離脱を実現させるなどその実績を強調してきました。

またことし2月、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降はプーチン大統領に対してとりわけ強硬な姿勢を示す一方で、ウクライナの首都キーウをたびたび訪問してウクライナへの積極的な支援を打ち出すなど存在感をアピールしてきました。

しかし最大野党・労働党にも支持率でリードされる状況となるなど保守党内でもジョンソン首相に対する圧力は一層強まり、就任からおよそ3年で辞任に追い込まれることになりました。

英国のジョンソン首相は7日、辞任を表明した。スキャンダルが続き与党保守党内でも求心力を失っていた。後継者が決まるまでは職にとどまるという。

官邸前で会見した同首相は、「新しいリーダーが決まるまで、私が務めるべき内閣を任命した」と述べたが、辞任表明に至った事態についての謝罪はなく、退任を迫られたことについて「奇妙」だと述べた。

トラス外相-サッチャー元首相の信奉者

  昨年9月から外相を務める46歳。ウクライナでの戦争を巡る英国の対応では最前線に立ち、欧州連合(EU)との離脱後の関係を巡る交渉も取り仕切る。保守系ニュース・分析サイト、コンサバティブホームの調査では今年2月まで1年にわたり閣僚メンバーのうち支持率トップだった。オックスフォード大学では自由民主党(LDP)の学生代表でかつては保守党のリベラル系に属し、EU離脱にも反対していたが、国民投票後に姿勢を転換した。2020年には国際貿易相として来日し、日英包括的経済連携協定(EPA)に署名した。

ザハウィ財務相-自ら資産を築いた起業家

  自ら事業を成功させ、資産家となったザハウィ財務相(55)は、イラクバグダッドクルド人の両親の元に生まれた。フセイン体制から逃れた家族とともに幼少期に英国に渡り、当時は英語が話せなかった。英調査会社ユーガブの共同創設者で、2010年に議員に当選するまでの5年間は同社の最高経営責任者(CEO)を務めた。石油業界での勤務経験も持つ。18年まで閣僚経験はなかったが、ワクチン担当相として英国の迅速で大規模な新型コロナウイルスワクチンの接種を監督。称賛を集め、昇進をたぐり寄せた。EU離脱を問う国民投票では離脱を支持した。

スナク前財務相-元人気者

  無名の存在から20年2月に財務相として初めて閣僚に抜てきされた。新型コロナウイルス禍では企業や労働者を支援するため数百億ポンドに及ぶ対策を打ち出し、一躍人気を博した。ただ、夫人の税逃れ疑惑や生活費高騰への対応が鈍いとの印象、ロックダウン(都市封鎖)期間中に首相官邸で開かれた規則違反の集会に参加して罰金を科されたことなどで人気は後退。それでもブックメーカーの倍率に従うと、モーダント貿易政策担当相と並ぶ最有力候補と見なされている。ジョンソン首相との経済に関する見解の相違を理由に辞任し、首相から距離を置いたことがトラス外相やザハウィ財務相ら内閣にとどまった他の候補者より有利に働く可能性もある。42歳。

ウォレス国防相-静かな実力者

  1年前なら党首選候補者リストで名前が取り上げられることはほぼなかっただろうが、ロシアのウクライナ侵攻やそれ以前のアフガニスタン退避での英国の対応で手腕を発揮。コンサバティブホームの調査で閣僚メンバーの中で支持率トップに立っており、同サイトが今週行った一般の保守党員が望む次期党首の調査でも、モーダント貿易政策担当相やトラス外相を僅差で上回った。ジョンソン首相の信任投票が行われた際には首相と共に現れて距離の近さを示唆し、6月には党首の座に「関心はない」と語っていた。だが、一般党員の間での人気の高さを踏まえ、考えが一変する可能性もある。元陸軍将校、52歳。

ジャビド前保健相-元トレーダー

  閣僚経験豊富な52歳。これまで保健相や財務相を含め6つの省でトップを務めた。19年の保守党党首選では4位。スナク前財務相とは友人関係にあり、候補を一本化してどちらかが首相、もう一方が財務相になり次期政権運営にあたる可能性もある。ジャビド氏が財務相を務めた際、ナンバー2がスナク氏だった。移民2世のバス運転手の息子で、一家が営む店舗の上階のアパートで兄弟4人と育ち、イスラム教徒で子供の頃に人種差別にもあった。10年に議員に転じる前には、ドイツ銀行のアジアトレーディング業務を統括するなど銀行業界で成功していた。

モーダント貿易政策担当相-先駆者

  欧州連合(EU)離脱を強力に後押しした実績があり、カリスマや優れた指導力の資質を備えているとして与党・保守党内で評価が高い。ブックメーカーのラドブロークスは次期首相最有力候補の1人と見なす倍率を付けている。海軍での訓練経験を持つ元国防相の49歳。母親を15歳で失い、大学進学前にはルーマニアの孤児院で働いた。マジシャンのアシスタントを務めたこともある。議員になる前は主に広報関連の仕事に就いていた。

ハント元外相-安全な選択肢

  19年の党首選では次点となり、ジョンソン氏に敗れた。元外相だが、キャメロン政権、メイ政権と合計約6年にわたり保健相を務めた。55歳。先月のツイートでは、保守党が「党首を変えたいと望むのかどうか」決定すべき時は今だと主張、党首選への出馬意向を明確に示唆した。ジョンソン氏とは対照的な存在と自らを位置付け、16年の国民投票ではEU残留を支持し、より慎重で、伝統的な中道右派の保守党員に訴えかける姿勢を取る。ジョンソン政権発足以降は政府の主な役職には就かず、国家医療制度(NHS)に関する本の執筆に没頭している。

トゥーゲンハット下院外交委員会委員長-外交政策の専門家

  元兵士でイラクアフガニスタンに派兵された経験もある49歳。党首選があれば出馬するとの意向はこれまで既に示唆していた。議員としては15年に初当選したばかり。ジョンソン氏に対しては一貫して批判的。外交政策でも率直な発言が多く、とりわけ対中強硬姿勢の必要性を声高に唱えている。

原題:Here Are The Conservatives Who May Vie to Replace Boris Johnson(抜粋)

●リズ・トラス外相(46)

与党保守党内で支持が厚く、党員調査では常に上位に入る。ジョンソン政権下で国際貿易相も務めた。

5日にはジョンソン氏を「100%支持する」と述べた。

●ジェレミー・ハント元外相(55)

2019年の保守党党首選でジョンソン氏と共に決選投票に進んだ。

2年前から下院保健特別委員会の委員長も務めている。現政権下での汚点はない。先月の首相信任投票では不信任票を投じた。

●ベン・ウォレス国防相(52)

英国のジョンソン首相が7日、辞任を表明した。(2022年 ロイター/Henry Nicholls)
ウクライナ危機への対応により、ここ数カ月で保守党内の支持はトラス外相を上回るまでになった。元軍人。昨年のアフガニスタンからの英国民らの避難や、ウクライナへの軍事支援を主導し、高い評価を得た。

●リシ・スナク前財務相

5日に財務相を辞任。昨年まではジョンソン氏の後継者として有力視されていた。

新型コロナウイルス対策として打ち出した一連の経済対策は高い支持を得たが、妻の税金申告漏れや、ジョンソン氏とともにロックダウン(都市封鎖)中のパーティーに参加し罰金を科されたことがイメージダウンにつながった。

●サジド・ジャビド前保健相

ジョンソン氏への信頼が失われたとして5日に保健相を辞任、相次ぐ閣僚離反の口火を切った。元銀行員。両親はパキスタンイスラム移民。2019年の保守党党首選では4位だった。

●ナディム・ザハウィ財務相(55)

ジョンソン氏が5日、新財務相に任命。英国は新型コロナウイルスワクチンの接種を世界で最も早く開始した国の1つであり、その際にワクチン担当相を務めていた。元イラク難民で幼少時に英国に移住。議員当選前には世論調査会社ユーガブを共同設立した。

イギリスのジョンソン首相は7日、ロンドンの首相官邸で声明を発表し、与党・保守党の党首を辞任して首相の座からも退くことを明らかにしました。

声明の中でジョンソン首相は2020年のEUヨーロッパ連合からの離脱や、新型コロナウイルスのワクチンの接種などの実績を強調し「世界で最もすばらしい仕事を手放すことがどれほど残念かわかってほしい」と述べ、無念さをにじませました。

一方で首相官邸などでパーティーが繰り返し開かれていた問題など、みずからの求心力が低下するきっかけとなった一連のスキャンダルへの言及や謝罪はありませんでした。

そのうえで保守党の新しい党首を選ぶ選挙についてのスケジュールは来週発表されることを明らかにし、次の党首が決まりしだい首相の座も退くとしています。

これまでの例に従えば党首選挙に3人以上が立候補した場合、議員による投票を繰り返して得票の少ない候補者から脱落していく形で2人に絞り込んだうえで、全国の党員による投票が行われることになっています。

イギリスのメディアは議会が夏の休会に入る今月後半までに候補者が2人に絞り込まれ、ことし9月以降に最終的な投票が行われる見通しを伝えていますが、党内からは手続きを急ぐべきだという声も上がっています。

後継の候補者としては5日に辞任してジョンソン首相の辞任のきっかけをつくった前の財務相のスナク氏や、新型コロナ対策を指揮した前の保健相のジャビド氏、ウォレス国防相やトラス外相などが有力視されています。

イギリスではウクライナ情勢や物価の高騰など内外にさまざまな課題が山積する中で、新しい政権への移行が円滑に行われるかが焦点となります。

イギリスの保守党では党首選挙の日程や手順などは党の有力者などで作る委員会が決めて発表することになっています。

前回の党首選挙は2019年5月、当時のメイ首相がEUヨーロッパ連合からの離脱をめぐる混乱の責任を取って党首辞任の意向を表明したことを受けて行われ、10人が立候補して、まず保守党の下院議員による投票が行われました。

獲得した票が少ない候補が徐々に脱落していく仕組みで、候補者が2人になるまで投票が繰り返されました。

その後、最終候補の2人が全国の党員による投票に臨み、ジョンソン氏が党首に選ばれたのはメイ前首相の辞意表明からおよそ2か月後の7月下旬でした。

アメリカのバイデン大統領は7日、声明で「イギリスとアメリカはもっとも近しい友人で同盟国であり、両国民の特別な関係は強固で永続的なものだ。イギリス政府とは世界中の同盟国などと同じように重要な課題について緊密な連携を続けていく」としたうえで、ウクライナへの支援やロシアへの対応について両国が歩調を合わせて取り組んでいく考えを示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、辞任することを発表したイギリスのジョンソン首相と電話で会談しました。

大統領府によりますと、この中でゼレンスキー大統領はジョンソン首相がウクライナの利益を守るため国際社会でリーダーシップを発揮したとして謝意を伝えました。

ジョンソン首相はロシアによる軍事侵攻が始まってからG7=主要7か国の首脳として初めて首都キーウを訪れ、これまでに対戦車ミサイルや防空システムを供与するなど、ウクライナでは支援の姿勢を鮮明にしてきた指導者と受け止められています。

両者は軍事面での協力についても協議し、ゼレンスキー大統領は「イギリスからの支援が継続することに疑いの余地はない」と伝え、支援の継続に強い期待を示したということです。

イギリスの首相官邸によりますと、これに対しジョンソン首相は党派を超えてウクライナを支援していると強調したうえで、軍事面で必要な支援は今後も続けると伝えました。

そしてジョンソン首相はゼレンスキー大統領に「あなたは私のヒーローだ。だれもがあなたを大好きだ」と伝えて会談を締めくくったということです。

7日に辞任を表明したジョンソン英首相が、月末に首相別邸「チェッカーズ」でキャリー夫人(34)との結婚を記念する「豪華」披露宴の開催を予定していると、英大衆紙ミラーが与党保守党筋の情報として報じた。

ジョンソン首相は辞任を表明したものの、後継者が決定するまでは職にとどまると言明。ミラー紙は、披露宴の開催がジョンソン氏が即時辞任に踏み切らない一因と伝えた。

ジョンソン氏とキャリー夫人は昨年、コロナ禍中にロンドンで非公開で挙式。披露宴は今月30日に予定されているという。

イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスの厳しい規制が続く中、首相官邸などでパーティーが繰り返された問題や、与党・保守党の幹部の性的なスキャンダルへの対応をめぐって批判が強まり、7日、保守党の党首を辞任して首相の座からも退くことを明らかにしました。

新しい党首を選ぶ選挙のスケジュールは来週発表され、これまでの例に従えば、選挙に3人以上が立候補した場合は議員による投票を繰り返して2人に絞り込んだうえで、全国の党員による投票が行われます。

イギリスのメディアは、議会が夏の休会に入る今月後半までに候補者が2人に絞り込まれ、ことし9月以降に最終的な投票が行われる見通しを伝えています。

後継の候補者としては、直前に辞任してジョンソン首相の辞任に向けた流れをつくった前の財務相のスナク氏や、新型コロナ対策を指揮した前の保健相のジャビド氏、ウォレス国防相やトラス外相などが有力視されているほか、現職の閣僚からも立候補の意向を明らかにする動きが出ています。

一方で、党内からはジョンソン首相が秋までそのポストにとどまることに反発して、手続きを急ぐべきだという声もあがっていて、党首選挙のスケジュールも含めて党内での駆け引きが今後本格化することになります。

イギリスのメディアは、ジョンソン首相の後継に名乗りをあげる可能性がある政治家として、多くの名前をあげています。

▽スナク前財務相は、ジョンソン内閣の主要閣僚でしたが、今月5日、辞表を提出してジョンソン首相が辞任する流れをつくり、株を上げたとされています。

▽ジャビド前保健相は、財務相なども務め政治経験が豊富で、スナク前財務相と同様に辞表を提出したことで後継レースで先行したなどとされています。

▽ウォレス国防相は、ロシアが軍事侵攻したウクライナへの支援で手腕を発揮し、評価が高まっているなどとされています。

▽トラス外相は、保守党内で人気が高い有力政治家の1人で、首相を目指す強い意欲があるなどとされています。

▽ハント元外相は、前回、2019年の保守党の党首選挙でジョンソン首相に次ぐ2位となりました。現在は要職に就いていませんが、影響力を持ち続けているとされています。

イギリス政治が専門のロンドン大学クイーンメアリー校のティム・ベール教授は、これまで数々の政治的な危機を乗り切ってきたジョンソン首相が辞任に追い込まれた理由について、与党幹部の性的なスキャンダルが国民感情だけでなく保守党議員にとっても著しくモラルに反し、パーティー疑惑とは違って到底容認できなかったためだ、という見方を示しました。

また、ジョンソン首相の3年間の実績について「EU離脱派にとっては離脱を成し遂げたことが功績と言えるだろう。また、ロシアと戦うウクライナへの支援はすばらしいものだ」と評価する一方、「新型コロナウイルスへの対応はひどいものだった。手遅れになるまで科学的な助言を無視し続けた結果、イギリスは先進国の中でも最も死者が多い国の一つになった」と批判しました。

そのうえで後継者について、政党が党首を交代させる際には前任者と異なるタイプを選ぶ傾向があるとして、保守党は判断や行動が予測可能で信頼できる人物を選ぶだろうという見方を示しました。

ただ「候補者は大勢いるが、十分なカリスマ性を備えた人物はおらず、明確な後継者と言える候補がいないのが保守党の問題だ」として、後継者選びが難航する可能性もあるという考えを示しました。

そしてイギリスではインフレによって生活費が高騰する中、後任の首相は厳しい経済状況をいかに乗り切るかという困難な課題に直面すると指摘しました。

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