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1971年に東京 渋谷で起きた「渋谷暴動事件」で、警察官を殺害したなどとして指名手配され、45年余りにわたる逃亡の末、逮捕・起訴された過激派「中核派」の活動家、大坂正明被告の初公判が25日、東京地方裁判所で開かれました。大坂被告は「すべての容疑について事実ではありません」と述べ、全面的に無罪を主張しました。

中核派」の活動家、大坂正明被告(73)は、1971年の「渋谷暴動事件」で新潟県警から派遣されていた、当時21歳の警察官に火炎瓶を投げつけて殺害したなどとして、殺人や放火などの罪に問われています。

大坂被告は45年余りにわたる逃亡の末に逮捕され、25日の初公判で「すべての容疑について事実はありません。調書は取り調べで誘導されて作られ証拠としての価値はない」などと述べ、全面的に無罪を主張しました。

白髪交じりの大坂被告は時折、手元の紙や傍聴席を見るなど落ち着いた様子でした。

検察は冒頭陳述で事件に至るまでの背景や当時の状況について述べ「被告はデモ参加者の攻撃で後退していた警察官を見つけると、ほかの学生らとともに用意していた鉄パイプなどで殴りかかり、火炎瓶を投げつけた」と主張しました。

事件発生から半世紀以上を経て始まった裁判は、被告側と検察の主張が真っ向から対立する構図となりました。

裁判は裁判員に危険が及ぶおそれがあるとして、裁判員裁判ではなく裁判官だけで審理することとなり、冒頭で裁判長が「大きな声を出すなど審理の妨げになることはやめてほしい」と傍聴人に呼びかける場面もありました。

傍聴券 抽せん倍率は13倍余に

東京地方裁判所の前には25日朝から大坂正明被告の支援者などが多数集まり、街宣車を使ったりビラを配ったりして「大坂被告は無実だ」とアピールしていました。

半世紀以上前に起きた渋谷暴動事件の裁判を傍聴しようと、23の一般傍聴席に対し300人余りが傍聴券を求めて列を作り、抽せんの倍率は13倍余りにのぼりました。

「渋谷暴動事件」とは

「渋谷暴動事件」は、1971年11月に東京 渋谷で起きました。

沖縄返還協定に反対する過激派の学生ら数千人が暴動を起こし、暴徒化した学生らが派出所などを襲ったほか、当時、周辺を警備していた機動隊員などを鉄パイプで殴ったり火炎瓶を投げつけたりして、渋谷一帯が混乱状態に陥りました。

この事件で新潟県警から応援に来ていた、当時21歳の中村恒雄巡査が大やけどを負って死亡し、警視庁は殺人などの疑いで大坂正明被告を全国に指名手配しました。

しかし、行方は分からず、2010年に殺人罪の時効がなくなると、警視庁は最高で300万円の懸賞金をかけるなどして捜査を続けました。

そして、事件から45年余りたった2017年5月、大阪府警広島市内の中核派の関係先を捜索したところ、潜伏していた大坂被告を見つけ、公務執行妨害の疑いで逮捕。

その後、殺人の疑いで再逮捕しました。

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