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2022年に債務不履行(デフォルト)状態に陥ったスリランカ救済を巡り、日本とインド、フランスが主導して発足した債権国会合が9日、初協議を開いた。主要債権国の中国はオブザーバーとして参加した。

インド、フランスとともに共同議長を務めた日本の神田真人財務官によると、会合には26カ国が参加した。スリランカに債権を持つ参加国は19カ国で、このうち伝統的なパリクラブメンバーが15カ国、非パリクラブが4カ国だった。スリランカに債権を持たない国も7カ国参加した。

神田財務官は初会合後、「パリクラブ、非パリクラブ債権国が一堂に会して債務再編の条件合意を目指すことが(会合の)目的。中所得国の債務問題への対処に当たってのモデルケースになることを期待している」と省内で記者団に述べた。

会合では、国際通貨基金IMF)や世界銀行スリランカの経済状況などを説明。スリランカ政府が経済財政改革の進捗状況を共有し、改めて債務の透明性確保にコミットしていることを表明するとともに、各債権国が協調して債務再編を進めていくことを確認した。今後、担当者間での交渉を通じて具体的な債務再編の内容を詰める。

巨額の2国間債権を抱える中国にも正式な参加を打診したが、初会合ではオブザーバー参加にとどまった。神田財務官は「中国政府の判断として、オブザーバーとしての参加があった。引き続き中国には正式な参加を呼び掛けており、中国が参加した場合はこれを歓迎したい」と語った。

スリランカの公的債務817億ドル(2022年9月末時点)のうち、対外政府債務は351億ドルとされ、主要債権国である日本や中国、インドのほか、民間が抱える債権も多い。

スリランカが22年に対外債務の一時的な支払い停止を宣言して以降、中国やインドを含む全債権国や民間債権者で債務をどう再編するかが課題となっており、新たな会議体での協議を踏まえ、危機からの脱却に弾みを付けられるかが焦点となる。

債権国会合は4月に発足。スリランカが中所得国と位置付けられ、20カ国・地域(G20)が低所得向けに創設した共通枠組みのような債権国協調の枠組みが存在しない現状を踏まえ、日本がインド、フランスと主導した。

財務省によると、初会合はオンラインで約1時間実施した。

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