ロシアはウクライナが交渉を行うのを拒否したとして、同国での軍事作戦を再開したと、ロシア大統領府のペスコフ報道官が26日に述べた。
同報道官はコンファレンスコールで「ウクライナ側が事実上、交渉を拒否したため、ロシアの主力部隊は作戦計画に従って進軍を再開した」と発言。詳細な説明はしなかった。
ペスコフ氏によると、両国が交渉の可能性について話し合っていたため、プーチン大統領は進軍を一時停止するよう25日に命じていた。しかし両国は、交渉の形式や開催場所で合意できなかったという。
交渉実施の有無について、ウクライナ政府からは現時点でコメントがなく、ロシア軍が25日に侵攻を一時見合わせていたとの主張を裏付けるものもない。
ペスコフ報道官は米国と欧州が発表した対ロシア制裁について問われると、「かなり深刻だ」と述べた。その上で「基本的に予想できていたことなので、事前に十二分にこうした事態に備えていた」と話した。
原題:Kremlin Says Ukraine Refused Talks, Military Ops Resumed (1)(抜粋)
ロシア大統領府のペスコフ報道官は26日、メディアに対して「25日午後、ウクライナ指導部との交渉が予想されたことでプーチン大統領は主要部隊の進軍を停止する命令を出した」と述べました。
しかし、ペスコフ報道官によりますと、ウクライナ側が交渉を拒否したということで、26日午後、ロシア軍の主要部隊の侵攻を再開したとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、プーチン大統領に会談を求めたのに対し、ロシア大統領府はウクライナの非軍事化・中立化を条件に隣国のベラルーシでウクライナ側と会談する用意があることを明らかにしていました。
ロシア大統領府の報道官は、ウクライナでの軍事作戦を26日再開したと明らかにした。ウクライナとの協議を期待してプーチン大統領は前日、攻撃停止を命じていたが、交渉は実現しなかったという。
ペスコフ報道官は、西側諸国の制裁は予測していたものであり、経済への影響を最小限に抑える措置を講じていると語った。
一方、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はロイターに対し、ロシアとの停戦協議を拒否していないとし、ロシアからの非現実的な協議条件を突きつけられていると述べた。
同顧問は、ロシアの攻撃が拡大したのは昨日で、夜にかけて大規模ミサイル攻撃があったと指摘。「ウクライナを破壊する意図で、断固受け入れられない条件を飲ませるための行為と考えている」と述べた。
キエフ市は夜間外出禁止令を拡大し、26日の午後5時から28日朝までとした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、動画を公開し「私たちは敵の攻撃に耐え、撃退できている。国内の多くの都市や地域で戦闘が続いているが、わが軍はキエフや周辺の主要都市をコントロールできている」と述べ、ロシア軍への反撃に成功していると強調しました。
一方で「敵はミサイルや戦闘機などあらゆるものを使ってきた。住宅地を攻撃している」と述べ、ロシア軍がウクライナ軍の施設以外にも攻撃を続けているとして強く非難しました。
そしてウクライナ語からロシア語に切り替えて「戦争に反対する良識あるロシア人に感謝したい。私たちは戦争を終わらせる必要がある。私たちは平和に暮らすことができる」と語りかけ、プーチン大統領を非難するロシアの国民に謝意を示すとともに、ウクライナへの攻撃を即座に止めるようプーチン政権に対して働きかけることを呼びかけました。
ウクライナ侵攻を続けるロシア軍は26日、首都キエフなど複数の都市に対してミサイルや砲撃による連携攻撃を開始した。インタファクス通信によると、ロシア国防省は同軍がウクライナ南東部ザポリージャ州メリトポルを制圧したと明らかにした。
メリトポルは人口約15万人。現時点でウクライナ当局者のコメントは得られていないが、報道が確認されれば、ロシア軍が24日の侵攻開始後、初めて相当規模の都市を制圧したことになる。
ウクライナ政府は25日、首都に向けて侵攻を開始したロシア軍の進軍からキエフを防衛するよう市民に呼び掛けた。同日は戦闘が激化する一方で、ロシアとウクライナの両政府がともに対話に前向きな姿勢を示すなど、外交による事態打開の希望が見えていた。
ロイター記者によると、キエフでは26日にかけて砲撃による爆発が発生。ウクライナ当局者によると、ロシア軍はスムイとポルタバ、 マリウポリの街に向けて黒海から巡航ミサイルを発射。
キエフでは中心部の政府機関の建物が多い地区で銃声や砲撃音が聞かれた。ロイター記者は、キエフの南西区域にミサイル2発が撃ち込まれたのを確認した。うち1発はジュリャーヌィ空港近くに着弾したという。キエフ市政府は、1発が住居用ビルに撃ち込まれたと述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、キエフの首相府近くからビデオメッセージを発信し、「われわれは武器を置くことはない。国家を守り抜く」と訴えた。
ウクライナ空軍司令部によると、首都の南西にある空軍基地がロシア軍空挺部隊の攻撃を受け、周辺で激しい戦闘が発生した。ウクライナ側はロシアの輸送機1機を撃墜したとしているが、ロイターは確認できなかった。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は、キエフとその周辺はウクライナ側が掌握できていると説明。「市内で破壊・妨害活動や偵察活動の例が見られたが、警察と自警団が効果的に防衛できている」と、述べた。
ウクライナ側は、ロシア兵1000人以上が殺害されたとしているが、ロシア側は死傷者の数字を公表していない。ゼレンスキー大統領は24日の時点で、137人の兵士と市民が死亡し、数百人が負傷したと表明している。
フランス政府は26日、イギリスとの間のドーバー海峡で、ロシアに向かっていた貨物船を拿捕(だほ)したと発表しました。
理由について発表では「ウクライナ情勢をめぐってEU=ヨーロッパ連合が科した制裁の対象になっている企業が所有者になっている」としていて、フランス北部の港でアメリカ当局の協力も得て詳しく調べるとしています。
この貨物船は25日にフランス北部のルーアンを出港して、ロシアのサンクトペテルブルクへ向かっていました。
ロイター通信によりますと、これに対してパリにあるロシア大使館はフランス外務省に対して抗議の書簡を送る方針を示したということです。
フランスのマクロン大統領は農業関係のイベントで「確信を持って言えるのはこの危機、そして戦争は長引くということだ。私たちは大きな決意と連帯感を持って備えなければならない」と述べました。
フランス国内で、ウクライナが有数の生産国である小麦や家畜向けの飼料、燃料の価格がさらに上昇し、影響を懸念する声が広がっていることについては「燃料など農業生産に必要なものをできるかぎり確保し、収入や生産コストの負担の緩和という面でも農家を支援する」と述べ国内の農家の支援に乗り出す考えを示しました。
フランスの豚肉生産団体のティエリ・メイエール会長は「去年から小麦やとうもろこしの価格はとても高く、ウクライナ情勢はさらに高く押し上げて生産者を圧迫している」と述べて、支援の必要性を訴えました。
ヨーロッパ最大の歌謡祭とされる「ユーロビジョン・ソングコンテスト」を主催するEBU・ヨーロッパ放送連合は25日、ロシア代表の参加を認めないとする声明を発表しました。
理由についてEBUは「ウクライナでの前例のない危機にかんがみて、もしロシアから参加があればコンテストの評判を落としかねない」と説明しています。
イギリス・ロンドンの「ロイヤル・オペラ・ハウス」は25日、ロシアのクラシックバレエの名門・ボリショイバレエ団の公演を中止すると発表しました。
AFP通信によりますと「ロイヤル・オペラ・ハウス」は「ボリショイバレエ団の夏の公演は計画の最終段階にあったが、不幸にも現状では踏み切ることができない」と説明したということです。
こうした決定についてツイッター上では「正しい決定だ」といった肯定的な意見が多く寄せられる一方で「ロシアの一般の人々はウクライナ侵攻を望んでいない」として決定を疑問視する声も寄せられています。
ヨーロッパ各国の交通当局によりますと、イギリスが24日にロシアのアエロフロート航空のイギリスへの発着を禁止すると発表したのに続き、ブルガリアとチェコも26日までに同様の措置に踏み切ることを明らかにしました。
ポーランドの交通当局も禁止の方針をSNSで明らかにしています。
ロシア国営のタス通信によりますと、ロシアも26日、これらの国の航空機がロシア上空を飛行することを禁止する対抗措置をとったということです。
ヨーロッパ各国のロシアの航空機の乗り入れ禁止をめぐってAFP通信は27日、これらの国以外にも、エストニア、ラトビア、スロベニア、ルーマニアもロシアの航空機が自国の上空を飛行することを禁止する方針だと伝えています。
半数を超える人たちがポーランドに逃れたほか、ハンガリー、モルドバ、ルーマニアなどにも多くの人たちが避難しているということです。
ウクライナでは防衛態勢を強化するとして18歳から60歳の男性の出国を制限していることから、隣国に避難してきた人のなかでは女性、子ども、高齢者が目立っています。
ポーランド側の国境では避難してくる孫を待つ高齢の夫婦や、フェンスの脇で心配そうに親族の到着を待つ女性の姿が見られました。
ハンガリー側の国境では出国できなかった父親から見知らぬ女性に託された2人の子どもがすでに出国していた母親と再会し、抱擁を交わしていました。
ドイツ政府はウクライナへの兵器供給で合意し、国際銀行間通信協会(SWIFT)の国際決済ネットワークからロシアを排除する方策を検討していることを明らかにした。
外国への兵器供給は長年維持してきたドイツの方針を転換するもので、ロシアのプーチン大統領が指示したウクライナ侵攻に対する憤りを浮き彫りにした。
ドイツ政府の26日声明によれば、ドイツ製ロケット推進手りゅう弾(RPG)400本と装甲兵員輸送車14台がオランダ経由で、1万トンの燃料がポーランド経由でウクライナに供給される。追加供給も検討中だという。
原題:Germany Upends Policy to Hit Russia on SWIFT, Ship Ukraine Arms(抜粋)
アメリカのブリンケン国務長官は26日に声明を出し、ウクライナに対して最大3億5000万ドル、日本円にしておよそ400億円の追加の軍事支援を行うと発表しました。
声明では、ウクライナ軍がロシア側の装甲車両や軍用機などの脅威に対応するため殺傷力のある防衛兵器を供与するとしていて、アメリカ国防総省の高官は記者団に対し、供与される兵器には対戦車ミサイル「ジャベリン」も含まれることを明らかにしました。
「ジャベリン」は戦車などの装甲を貫通する強力なミサイルを標的に向けて自動で誘導する精密兵器で、アメリカ政府はウクライナの防衛力を強化するためだとして、これまでも供与してきました。
ウクライナ軍は「ジャベリン」で破壊したとするロシア軍の戦車の写真をSNS上に公開していて、アメリカに対して追加の供与を求めてきました。
声明の中でブリンケン長官は「アメリカはウクライナの人たちとともにあるという明確なシグナルだ」と強調しています。
ヨーロッパ各国もウクライナに対する軍事支援を相次いで発表しました。
ドイツは政府報道官が26日、声明を発表し、1000の対戦車兵器と携帯型の地対空ミサイル「スティンガー」500基をできるだけ早期にウクライナに供与すると発表しました。
ショルツ首相はツイッターで「プーチン大統領の侵略軍に対する防衛で、ウクライナを力の限り支援することがわれわれの義務だ」と述べました。
ドイツは紛争地域などへの武器の供与には慎重な立場をとり、ウクライナに対してもこれまで殺傷力のある兵器の供与は行わないとして軍用ヘルメットの供与などにとどめていましたが、ロシアによる軍事侵攻を受けて方針を転換した形です。
オランダ政府もウクライナからの要請を受けて26日、「スティンガー」200基を供与すると発表しました。
メタはロシアによるウクライナへの侵攻をめぐり、誤った情報が拡散しないようフェイスブックへの投稿の監視を強化していて、ロシアの国営メディアなどの4つのアカウントの投稿に対してファクトチェックや警告を付けるなどの対応をとっています。
メタの幹部によりますと、会社は24日、ロシア当局から警告を付けるなどの対応を中止するよう命じられ、会社側はこの命令を拒否したということです。
これに対しロシア当局は、こうした規制は検閲にあたり違法だとして、国内におけるフェイスブックへのアクセスを制限する措置をとったということです。
アメリカメディアはアクセスの制限が具体的に何を指すのか明確になっていないとしていますが、通信速度を下げる措置とみられると報じています。
メタの国際渉外部門トップのニック・クレッグ氏は「ロシアの国民はみずからを表現したり、団結したりするために私たちのSNSを使っている。今後も彼らの声が届くよう望んでいる」などとコメントしています。
ツイッター社は26日、ロシア国内の一部の利用者がツイッターの利用を制限されていると発表しました。
会社は「われわれのサービスを安全に利用してもらえるよう努める」としています。
アメリカメディアは「ロシアが情報の流れを止めるためにやっていることは明らかだ」などと報じています。
#GAFAM
ロシア国内のNGOが「大統領への戦争終結の訴え」と題してインターネット上で電子署名の呼びかけを26日に始めたところ、日本時間27日午前3時時点で、440の団体が賛同しています。
訴えの内容は「われわれは人間の尊厳のため、また命を救うために闘っている。戦争はその基本原則と相いれず痛みと苦しみを倍増させる人災で、われわれの長年にわたる努力が水泡に帰すことになる。政治的な争いを解決するための武力行使は非人道的であり、大統領には砲撃をやめて話し合いを始めるよう求める」というものです。
ロシアが軍事侵攻を開始した今月24日には、ロシア科学アカデミーに所属する科学者をはじめ、国内外のロシア人科学者たちが連名で強い抗議を表す公開書簡をウェブサイトに掲載しました。
それによりますと、2000人以上が名前を連ねているということで「この致命的な一歩は甚大な人命の損失を招き、確立された国際安全保障体制の根幹を揺るがすものだ。この戦争に合理的な正当性はなく、ウクライナ東部の情勢を軍事作戦の口実にしようとする試みは信用できない」とプーチン大統領の決定を厳しく批判しています。
そして「戦争によってロシアは国際的な孤立を余儀なくされた。科学研究は外国の仲間との全面的な協力なしには成り立たない。世界からの孤立はロシアの文化的、技術的な劣化をさらに進めることを意味し、将来の展望はない」として軍事行動の即時停止とともに、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重するよう求めています。
このほかフェイスブック上では「ロシアにいる同胞への呼びかけ」という意味のハッシュタグをつけたロシア語の投稿が相次いでいて、プーチン政権に対する非難とウクライナへの支持を呼びかけています。
ロシアでは、ノーベル平和賞を去年受賞したムラートフ氏が編集長を務める新聞「ノーバヤ・ガゼータ」をはじめ、一部の独立系メディアが軍事侵攻を批判する報道を続けています。
これに対してメディアの監督にあたるロシアの政府当局は26日「ノーバヤ・ガゼータ」など一部のメディアを名指ししながら「軍事作戦を『攻撃』とか『侵攻』と表現するなど、現実とは異なる情報が出ている」などとして政府の公式発表以外の情報源で現地の被害状況を伝える記事を削除するよう迫りました。
従わない場合はウェブサイトへのアクセスを制限するほか、500万ルーブル、日本円にしておよそ700万円以下の罰金が科される可能性があると警告しています。
プーチン政権はロシア各地で軍事侵攻に抗議する市民のデモを厳しく取り締まっていて、政権の行動に批判的なメディアの論調に対しても神経をとがらせ、言論統制を強めています。
ウクライナに侵攻したロシア軍は26日も各地で攻撃を行い、首都キエフでは中心部にある高層アパートでロシア軍の地上部隊からとみられる攻撃があったほか、市内で爆発音や銃撃音が伝えられています。
ウクライナ内務省の高官によりますと、キエフ市内にあるウクライナ軍参謀本部の施設の近くにある橋がロシア軍によって攻撃されたということです。
ロシア軍はこれまでにウクライナ国内の821の軍事施設を破壊し、南部のクリミア半島にも近い都市メリトポリを制圧したとしています。
ロシア軍はキエフの掌握に向け攻勢を強めていますが、アメリカ国防総省の高官によりますとウクライナ側も激しく抵抗しているということです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「わが軍はキエフや周辺の主要都市をコントロールできている」としたうえで、抵抗を続ける姿勢を示しました。
ロシアとウクライナの間で動きが出ていた停戦の交渉をめぐり、ロシア側はウクライナの非軍事化・中立化が条件だとしていましたが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領が25日にいったん攻撃の停止を命じたものの、ウクライナ側が交渉を拒否したとして、26日午後、ロシア軍の主要部隊の進撃を再開したと述べました。
ロシア国防省の報道官も「すべての部隊が全方向で攻勢を展開するよう命令を受けた」と述べました。
これに対しウクライナ大統領府は「交渉を拒否したと言うが彼らの戦術にすぎず、交渉前から袋小路に追い込もうとしている。最後通牒(つうちょう)は受け入れられない」と非難しました。
停戦に向けた交渉の動きが完全に途絶えたかどうかは不透明ですが、ロシア軍が首都に向けて部隊をさらに進める構えを強めていることで、今後首都キエフをめぐる攻防が激化する可能性も出ています。
ロシア軍はウクライナの国境周辺に展開していた戦闘部隊のうち、これまでにおよそ50%の戦力をウクライナ国内に投入し、一部はウクライナの首都キエフの30キロ北にまで到達していると分析しています。
ウクライナ軍は首都キエフ周辺と北東部のハリコフ周辺で激しい抵抗を続けているということです。
この高官はウクライナ側の抵抗によって「ロシア軍が勢いを欠いていることでいらだっているように見える」と述べました。
南部ではロシア軍が進撃を続けていて、アゾフ海に面するマリウポリの西側では数千人の部隊が展開し、西方向にある都市ヘルソンに向かって進んでいるということです。
ロシア軍はこれまでに弾道ミサイルなどを合わせて250発以上発射し、インフラや住宅地に被害が出ているとしています。
ロシア側はウクライナの制空権を奪っておらず現時点でどの都市も制圧できていないと分析していますが「状況は刻一刻と変わりうる」として、事態を注視する考えを示しています。
アメリカとヨーロッパ各国などは26日、共同声明を発表し、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークからロシアの特定の銀行を締め出す措置を実行することで合意したと発表しました。
SWIFTは世界各国の金融機関が国をまたぐ貿易などの決済や送金に使うシステムで、対象となるロシアの銀行を国際金融システムから切り離し、世界的に活動する力を低下させるとしています。
アメリカやヨーロッパ、日本などは、ロシアに対して金融やハイテク分野の経済制裁を決めていますが、最も厳しい措置の1つとされるSWIFTからの排除をめぐってはロシアからエネルギーを輸入するヨーロッパなどへの影響や、世界的なエネルギー価格の上昇への懸念から一部の国が慎重な姿勢を示していました。
しかし、ロシアの軍事侵攻が続く中、より強い対抗措置に踏み切る必要があるとの判断でまとまった形です。
各国は対象となるロシアの銀行を決定して数日以内に制裁を実施するとしていて、詳しい内容が焦点になります。
共同声明で各国は「ロシアを国際金融システムや経済からさらに孤立させる制裁を続けることを決意している」と強調し、今後さらなる措置を行う構えも示しました。
SWIFT(国際銀行間通信協会)はベルギーに本部を置く非営利組織で、国際金融の送金を手がけています。世界の1万1000以上の金融機関が利用し、決済額は一日当たり5兆ドル(日本円で約575兆円)にのぼります。
SWIFTを利用できなくなると、その国の企業は貿易の決済が困難になるため、アメリカはこれまでたびたび経済制裁にSWIFTからの除外を盛り込んできました。
2012年に欧米がイランに対して実施した経済制裁ではイランがSWIFTから除外され、石油の輸出による収入が大幅に落ち込んだとされています。
ロシアに対して同様の制裁が実施された場合、ロシアの主要な輸出品である石油やガスなどの貿易で決済が難しくなり、ロシア経済は大打撃を受けるとみられます。
ただ、ドイツをはじめとするヨーロッパ各国は天然ガスの供給の3割以上をロシアに頼っていて、ロシアが制裁の報復として天然ガスの供給を絞る可能性もあり、ヨーロッパの国々も大きな影響が出るおそれがあります。
このため欧米はロシアに対する経済制裁にSWIFTからの除外を含めるかどうか、慎重に検討してきたものとみられます。
SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから、ロシアの特定の銀行が締め出された場合、日本の金融機関も制裁の対象となる銀行との取り引きができなくなります。
一方で「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」「みずほ銀行」のメガバンクはロシアに現地法人を持っていることからグループ内でロシアの銀行を介さずに行う送金などはできる見込みですが、今後、明らかにされる制裁の内容しだいで、どのような影響が出てくるのか、不透明な部分もあります。
また、今回の制裁を受けて、市場関係者の間では、株式市場をはじめとする金融市場の混乱につながるのではないかという警戒感が強まっています。
制裁を受けて資源国のロシアから、天然ガスや原油の供給が滞れば、すでに高止まりしている価格がさらに上昇するおそれがあり、その結果、欧米で物価が一段と上昇する可能性もあるからです。
すでにインフレ対応で金融引き締めを急いでいる欧米の金融政策に影響を与える可能性も指摘されています。
SWIFTからロシアの銀行を締め出す措置をめぐっては、これまでヨーロッパ諸国の中に慎重な姿勢を示す国があり、議論が続いていました。
イギリスは各国が協調して実施する必要があると呼びかけていましたが、天然ガスなどの輸入でロシアに依存する国の中にはエネルギー調達への懸念から慎重な国も少なくありませんでした。
しかし、これまで慎重だったドイツは26日、ベアボック外相とハーベック経済・気候保護相が連名でツイッターに投稿し「ねらいを絞った機能的な制限が必要だ」として各国に歩調を合わせる姿勢を示しました。
またイタリアとハンガリーも賛同する姿勢に転じていました。
ロシアの一方的な軍事侵攻に対し国際社会でより厳しい制裁を求める声が広がる中、ドイツなどの国々が賛同に転じたことで欧米の合意につながったものとみられます。
アメリカのバイデン政権の高官はヨーロッパ各国などと、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから、ロシアの特定の銀行を締め出す措置を実行することで合意したことを受けて、記者団に「プーチン大統領が戦争を選んだ結果だ」と述べました。
そして、SWIFTから締め出す対象となる銀行については「欧米がすでに制裁を科している銀行が最初に検討されるだろう」と述べました。
また、今回の措置が、ロシアとエネルギーに関わる取り引きをしている国々に影響を及ぼさないようにする必要があるとして「われわれはどの銀行を通じてエネルギー関連の大部分の取り引きが行われているかを知っており、そうしたところを選ばないこともできる」と述べました。
一方、この高官は、中国がロシアが被る影響を和らげるために支援することは考えにくいとの見方を示しました。
アメリカのバイデン大統領は、26日に公開されたインターネット上で影響力があるアメリカのインフルエンサーとのインタビューで、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をめぐる対応について「選択肢は2つある。ロシアとの戦争に突入し第3次世界大戦を始めるか、国際法を真っ向から否定する行為をした国に代償を払わせるかだ」と述べました。
そのうえで、バイデン大統領は、制裁はすぐ効果を発揮するわけではないとしながらも「ロシアに科している制裁は経済的にも政治的にも、かつてないほどの規模だ」と述べました。
そして、バイデン大統領は、ロシア側の行動によってNATO=北大西洋条約機構などの結束が強まっていると指摘し「プーチン大統領の行動はみずからの意図と正反対の効果を生み出している。ロシアは、特に長期的に深刻な代償を払うことになる」と述べ、ロシアが制裁を通じて追い込まれることになると警告しました。
ja.wikipedia.org
ロシア政府は26日、ウクライナ側に停戦交渉を拒否されたと主張して部隊の進撃を再開し、ロシア国防省は「すべての部隊が全方向で攻勢を展開するよう命令を受けた」としています。
アメリカ国防総省の高官は26日、国境に集結していたロシア軍の大規模な戦闘部隊のおよそ半分がウクライナ国内に投入されたという分析を明らかにしました。
そのうえで、首都キエフ周辺と北東部のハリコフ周辺で、ウクライナ軍が激しい抵抗を続けているとしています。
キエフでは、中心部にある高層アパートがロシア軍によるとみられる攻撃を受けたほか、近郊の石油関連施設などで2回の大きな爆発が起きたと伝えられています。
また、東部のドネツク州ではロシア軍の砲撃で市民19人が死亡したと伝えられているほか、ギリシャ国籍の市民10人がロシア軍の空爆で死亡し、ギリシャ政府がロシア大使に抗議しました。
ウクライナの保健相は26日、これまでに198人が死亡したと発表していますが、死傷者はさらに増え続けているもようです。
こうした中、アメリカ政府がウクライナに対し、対戦車ミサイルなど、最大で3億5000万ドル、日本円にしておよそ400億円の追加の軍事支援を行うと発表したほか、これまで武器の供与には慎重だったドイツ政府も携帯型の地対空ミサイル500基などをウクライナ政府に供与すると発表しました。
今後、首都キエフをめぐるロシア軍とウクライナ軍との攻防が激化するとみられる中、市民などの犠牲者がさらに増えることが懸念されます。
国連は26日、グテーレス事務総長がウクライナのゼレンスキー大統領と電話で会談したと明らかにしました。
この中でグテーレス事務総長は、ウクライナへの人道支援を強化する考えを示し、来月1日には、緊急人道支援のための資金拠出を国際社会に呼びかけると伝えました。
一方のゼレンスキー大統領は、会談後、ツイッターに投稿し、ロシアの国連安全保障理事会での投票権を剥奪すべきだと、グテーレス事務総長に訴えたということです。
ウクライナ情勢をめぐって国連は、ウクライナへの人道支援に力を入れるとともに、ロシアに対しては対話を通じた平和的な解決を求め続けると強調しています。
グテーレス事務総長は25日、安保理でロシアが拒否権を行使し、ロシア軍の即時撤退などを求めた決議案が否決された後、記者団に対し「国連は、戦争の経験から、戦争を終わらせるために生まれた。きょうその目的は実現しなかったが、決して諦めてはならない。指導者は平和と対話の道に戻らなければならない」と訴えています。
ウクライナ内務省高官によると、北東部の主要都市ハリコフに27日、ロシア軍が進入したもよう。同高官は電信で、市内の通りにロシア軍の車両が見えると伝えた。
この高官やウクライナ当局が公表した映像には、複数の軍用車両が通りを走る様子が映っている。
ウクライナのメディアは、27日午前1時半ごろ、ロシア軍が、北東部のハリコフのガスパイプラインを爆破したと伝えました。
ウクライナの政府機関がSNSに投稿した映像では、夜空に炎と煙が高く上り、大きく広がる様子が映っていて、大規模な爆発が起きた様子がうかがえます。
けが人の情報は明らかになっていません。
ロシア大統領府のウェブサイトが26日、ダウンした。これに先立ち、ロシアのさまざまな政府機関や国営メディアのサイトがDDoS(分散型サービス拒否)攻撃を受けていると伝えられていた。
ウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相はこの日、ロシアのサイバー攻撃に立ち向かうため、IT部隊を創設すると発表した。
また、国際ハッカー集団「アノニマス」も、ロシアにサイバー攻撃を仕掛ける計画を明らかにしていた。
ウクライナでは23日、複数の政府機関サイトがアクセス不能に陥り、政府は大規模なDDoS攻撃が開始されたと明らかにした。
この攻撃の一部を巡り、サイバーセキュリティー会社「ESET」の研究者は、ウクライナで新たに発見された破壊的なソフトウエアが数百台のコンピューターを攻撃していると指摘。データ消去プログラムが「ウクライナの数百台のマシンにインストールされ」、攻撃は過去2、3カ月の間に準備されていた可能性が高いとした。
誰がこのデータ消去プログラムに関与しているのかは明らかになっていないものの、ロシアはウクライナなどの国に対してハッキングを行ったとして繰り返し非難されている。ロシアは疑惑を否定している。
ウクライナ首都キエフで現地時間27日午前8時09分(0609GMT、日本時間午後3時09分)ごろ、空襲警報が鳴り響いた。ロイター記者が伝えた。
記者によると、空襲警報の数分後、首都中心部の西で爆音が聞こえた。
ウクライナ政府などによりますと、ロシア軍はウクライナ北東部のハリコフに侵攻し、中心部でも戦闘が始まったということです。
地元の州知事は自身のフェイスブックで、住民に対して、シェルターにとどまり外出しないよう呼びかけています。
ハリコフをめぐっては、アメリカ国防総省の高官が26日、ロシア軍が周辺まで迫り、ウクライナ軍が激しく抵抗を続けていると明らかにしていました。
また27日未明には、ハリコフにあるガスパイプラインをロシア軍が攻撃し、大規模な爆発が起きたことが地元メディアなどで伝えられていました。
ハリコフはウクライナ第2の都市で、人口およそ140万人です。
ロシア軍とウクライナ軍との間では、首都キエフの周辺や北東部にあるウクライナ第2の都市ハリコフなどで激しい戦闘になっているもようです。
このうち、キエフの中心部から北西におよそ20キロの町ブチャでは、27日、アパートが攻撃を受けたほか、ロシア軍の複数の戦車が市内に入り、散発的に銃撃戦になっていると伝えられています。
また、ハリコフでは、ロシア軍の戦車部隊が中心部に侵攻しているということで、地元の州知事は、住民に対してシェルターにとどまり外出しないよう呼びかけています。
ロシア軍は重要なインフラ施設も攻撃していて、ウクライナ政府の機関によりますと、27日未明、キエフ市内にある放射性廃棄物の貯蔵施設にロシア軍のミサイルが撃ち込まれたということです。
ウクライナのメディアは、ミサイルは、貯蔵庫自体には当たっていないと伝え、政府の機関も現時点で周辺の住民への影響はないとしています。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は27日、ウクライナとの交渉のため、代表団をベラルーシ南東部のゴメリに派遣したと明らかにしました。
これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は自身のSNSで、ロシアによる軍事侵攻に加担しているとしてベラルーシでの交渉を拒否する考えを示しながらも「会談して戦争を終わらせたい」としてポーランドやトルコなどでの開催を提案しました。
ロシア国防省は27日、これまでにウクライナ軍の軍事施設、975か所を破壊したと伝えました。
この中には、23の軍の指揮所のほか、31の地対空ミサイルシステムが含まれるということです。
一方、ロシア軍の攻撃によってウクライナ側では民間人の犠牲者も相次いで報告され、OHCHR=国連人権高等弁務官事務所は、ウクライナ側の民間人の死者は少なくとも64人にのぼるとしています。
また、数百の民間住宅が被害を受けたほか砲撃によって複数の橋や道路が破壊され、一部の地域では停電や断水が起きているということです。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所は、ウクライナでは16万人が国内避難民となり、増え続けているほか、隣国のポーランドなど国外に避難した人の数も15万人を超えたとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、国連安全保障理事会でのロシアの投票権を剥奪すべきだと訴え、ロシアの侵攻は「大量虐殺」に等しいと強調した。
動画メッセージで「これはテロだ。彼らはウクライナの都市をさらに爆撃し、さらにずる賢くわれわれの子どもたちを殺害している」などと非難。
「ロシアのウクライナに対する犯罪行為は、大量虐殺の兆候も帯びている」とし、世界は安保理におけるロシアの投票権を剥奪すべきだと主張した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日に公開した動画で、ロシア側がウクライナとの交渉のためベラルーシに代表団を派遣したとしていることについて「ベラルーシからの攻撃がなければそこで話し合えたはずだ」と述べ、ロシアによる侵攻に加担しているとしてベラルーシでの交渉を拒否しました。
一方で、その代わりとなる場所としてポーランドや、スロバキア、ハンガリー、トルコ、それにアゼルバイジャンの都市の名前を挙げたうえで「話し合いは誠実なものとなり、戦争に終止符を打つことができる」と述べて別の場所であればロシアとの交渉に応じる考えを示しました。
また、ゼレンスキー大統領は現地の状況について「昨夜の攻撃は厳しいものだった。住宅地や生活インフラへの攻撃が行われた」と述べて、軍の施設以外の場所も攻撃を受けていると強調しました。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は27日、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ベラルーシでの交渉を拒否したことについて「ベラルーシのゴメリでの交渉は、ウクライナ側が、会談の場所として提案してきたものだ。すでに述べたように、ロシアの代表団は、会談に応じる用意がある」と主張しました。
また、ペスコフ報道官は「今回は軍事作戦による行動を停止することはないと、ウクライナ側に警告している」と述べ、軍事作戦を続けると威嚇しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ロシアが提案したベラルーシでの協議を拒否した。ベラルーシはロシアのウクライナ侵攻に加担したためとし、それ以外の場所で交渉する余地は残した。
一方、インタファクス通信などによると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は27日、24日の攻撃開始後、初となるウクライナとの交渉をする代表団がベラルーシのゴメルに到着し、現在ウクライナ側の到着を待っていると明らかにした。
ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は「彼らは無意味だと知りながらゴメルにやって来て、われわれは待っていると言っている」とし、代表団派遣は宣伝活動にすぎないと非難。
その上で「ゼレンスキー氏の立場は変わらない。真の交渉だけを求めており、最後通告はいらない」と語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ロシアによる攻撃を巡り国際司法裁判所(ICJ)に提訴したとツイッターの投稿で明らかにした。
「ロシアはジェノサイド(大量虐殺)の概念を巧みに使い侵略を正当化した責任を取らなければならない。ロシアに軍事行動をすぐにやめさせるよう命じる緊急決定を求めており、来週審理が始まることを見込む」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、「ウクライナはロシアに関する書面を国際司法裁判所に提出した。ロシアは大量虐殺の概念を操作して侵略を正当化した責任を問われなければならない」とツイッターに投稿し、ロシアを提訴する手続きを行ったことを明らかにしました。
その上で「われわれはロシアによる軍事行動を今すぐやめさせる緊急決定を行うよう、国際司法裁判所に要請している」として、関連する審理が来週にも始まることに期待を示しました。
評論家の寺島実郎氏が27日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、ロシアのウクライナ侵攻について持論を語った。
寺島氏はロシアの侵攻について「民主主義の試練」の観点から分析。ロシアが「いつの間にか、民主主義の国からプーチン専制の、極端に言うとヒトラーがやったこととほぼ同じストーリーに移りつつあります」と厳しく指摘した。
ウクライナについても「一方的な被害者かっていうと、そうでもない」とした。「たくましい国づくりをしてるかというと、そうでもない」と断言。「ゼレンスキーっていう大統領は、誤解されてはいけませんけどコメディアンだった人ですよ。『コメディアンがいかん』なんて話ではないですよ。人気者を大統領に選んでいくっていう流れの民主主義に達した」と分析した。
続けて、日本も含めて「民主主義の価値」について「考えないといけない」と主張。「専制化していく民主主義、ナショナリズムに走ってね。一方、いつの間にか衆愚政治っていうかですね。ポピュリズムに走っていく民主主義、両方の危険性をはらんだ、その展開を目撃してるんだっていうことをよく認識しておくべきだと思います」とロシア、ウクライナ、それぞれの政治が「危険性」を含んでいるとした。
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IJFは27日、ホームページを更新し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてプーチン大統領が務める連盟の名誉会長と大使の職務を一時的に停止することを発表しました。
プーチン大統領は13歳から始めた柔道の有段者で、愛好家として知られています。
IJFは25日、ビゼール会長がホームページでロシアへの直接的な批判は避けながら「私たちは現在の国際情勢を悲しく思っている。東ヨーロッパと世界が正常と安定を取り戻すことを希望する」とする声明を発表したほか、ことし5月にロシアのカザンで開かれる予定だった国際大会の中止を発表しました。
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