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田原総一朗の政財界「ここだけの話」今、日米が求める人物像は「大恐慌時代のルーズベルト」

 実はルーズベルトニューディール政策も完全に成功したわけではない。誤解をされるかもしれないが、あえて言うと、こういう大不況が襲ったとき、ヒューマニズムとか人道主義とか、善悪をすべて考えないで言えば、戦争が一番効果的だ。

 現に歴史的には、必ずこういう不況下で戦争が起こっている。第二次世界大戦があったから、アメリカの景気はよくなった。ヒューマニズムとか善悪を抜きにして言えばの話だが、戦争というのは、いってみれば最も効率のいい大きな公共事業のようなものなのだ。

 まず、多くの国を巻き込める。それから戦争が始まると、飛行機や戦闘機や戦車などいろいろなものを生産する。ところが生産したものがどんどん壊れていく。だから在庫がまったくない状況だ。そういう意味では理想的とも言える。

 歴史の流れをを見ていくと、今まで世界はこういう大不況のときには、戦争というものを使って景気を回復させた。

 ところが現在は、ヒューマニズムとか善悪とかいう問題ではなくて、戦争ができない。なぜならアメリカが弱くなりすぎたからだ。それは、アメリカのイラクでの失敗を見ればわかると思う。

 ところが、今度総理大臣になった麻生太郎氏は、財政再建は3年間凍結し、景気対策に全力を挙げると言っている。

 おそらく彼は、赤字国債の発行に踏み込むと思う。つまり、僕から見ると、麻生首相はどんどん民主党の小沢氏に近づいている。

 今までは明らかに自民党民主党は違いがあった。それは何かと言うと、自民党はフーバーで、民主党ルーズベルトだった。

 ところが麻生首相は、ルーズベルトに近づいている。どんどん民主党自民党の違いがなくなってきた。選挙までに、違いが出るのか、もしくは違いがなくなるのか。この辺が見どころだ。

 ところで、ルーズベルトニューディール政策には、続きがある。

 ルーズベルトが提唱したニューディール政策を行った人たちが、赤だと狙われて追放されるということが起きた。ここでアメリカは、マッカーシー旋風の後、再び自由主義経済論になる。時代はめぐっているのだ。

 多分日本もルーズベルトを求めた後、またフーバーを求めるのではないか。

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