ウクライナでは、ＥＵ＝ヨーロッパ連合への加盟に向けた動きを中断し、ロシアとの関係を強化するヤヌコービッチ政権に対して、野党勢力による抗議デモが続いていましたが、政権と野党側の間でいったんは暴力の停止で合意しました。
しかし、これに反対する野党勢力の過激なグループと治安当局がそれぞれ銃を発砲し、１８日の衝突以降、３日間で７５人が死亡しました。
こうした事態を受けて、国連のパン・ギムン事務総長は記者団に対し、「治安当局と反政府デモ隊の双方が銃を発砲している状況に衝撃を受けている。すべての勢力は直ちに暴力をやめ、対話の席につくべきだ」と述べ、双方に対して対話による解決を図るよう求めました。
また、アメリカのバイデン副大統領は２０日、ヤヌコービッチ大統領と電話で会談し、直ちに治安当局を撤収させるよう求めるとともに、制裁措置を検討していることを伝えました。
このほか、ＥＵも、デモ隊の弾圧に関わった政権幹部などを対象にＥＵ域内にある資産の凍結を決めるなど、国際社会からは事態を鎮静化させるよう求める動きが強まっています。
