マスメディアの典型的な話し方は、アナウンスやナレーションである。いかにも礼儀正しく、おしとやかに語る。ことばの意味が立ち上がらない。アタマから尻までのっぺりした語り方である。だが、真実を語る語り方はまるでその逆だ。政治家の演説の真実は、その語り方から読み取ることができるものだ。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2017年10月14日
人にはさまざまな感情があるが、喜怒哀楽の中でいちばん表現のむずかしいのは何か。怒りの感情をことばで表現できる俳優はほとんどいない。また、喜びをことばで表現することもむずかしい。笑いも巷にあふれているが、喜びの感情が表現された笑いもほとんどない。そんな欠点が朗読には典型的に表れる。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2017年10月15日
朗読の実践者でプロミネンスという表現があるのをまったく知らない人が大ぜいいる。特定のことばを強めることに不安があるのだ。だから、感情の死んだ表現しかできない。アナウンスはもちろん、ナレーションもそんなものだ。見かけは派手だが力はない。プロミネンスとは文素が要求する感情の力である。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2017年10月15日
文学作品の読み上げを聞いて感動する場合と、文学作品の表現を聞いて感動する場合とのちがいはどこにあるのか。前者では、聞き手が一旦、声から言葉を聴き取って頭で意味を考えて自ら感動している。後者では、聞き手は声から直接に作品世界の情景を思い浮かべられるから意味解釈なしに感動できるのだ。
— 渡辺知明 (@WATANABE_tomo) 2017年10月15日