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アメリカでは今週、オバマ前大統領をはじめ前政権の閣僚や民主党の議員などに宛てた爆発物とみられる不審物が相次いで見つかり、FBI連邦捜査局は26日、事件に関与したとしてシーザー・セヨク容疑者を南部フロリダ州で逮捕したと発表しました。

メディアは、セヨク容疑者のものとみられる車に張られたステッカーやSNSの書き込みなどから、トランプ大統領の支持者の可能性があると伝えています。

この事件で不審物の宛先となったオバマ前大統領や民主党の関係者の多くは、トランプ大統領が演説で名指しで非難してきた人たちで、トランプ大統領の攻撃的な言動が事件を誘発させたのではないかとも指摘されています。

拘束を受けてトランプ大統領は26日、ホワイトハウスでの会合で、「卑劣なテロ行為だ」と事件を強く非難したうえで、「政治的な脅迫をアメリカに根付かせることを許してはならず、そのために大統領としてあらゆることをする覚悟だ」と述べて、解明に全力を尽くすと強調しました。

そのうえで「アメリカが一つになり、平和で分断されていないことを世界中に示さなければならない」と訴えるとともに、メディアの取材陣を指して「感謝している」と述べて、ふだんの攻撃的な姿勢を抑えました。

トランプ大統領への審判の場とも位置づけられる中間選挙は来月6日に迫っていて、トランプ大統領として事件の早期収拾をはかり、選挙への影響を最小限におさえたいという思惑をにじませた形です。

逮捕されたのは、フロリダ州に住むシーザー・セヨク容疑者(56)です。

アメリカのメディアなどによりますと、セヨク容疑者はニューヨーク出身で、窃盗や詐欺、爆発物による脅迫といった多くの前科があり、2012年には自己破産したということです。

また、セヨク容疑者は共和党員で、所有する乗用車の窓にはトランプ大統領のステッカーが多く貼られていました。

さらに、セヨク容疑者のものとみられるツイッターには、トランプ大統領の集会に参加した自分の姿が投稿されているほか、トランプ大統領の誕生日を祝うコメントも書き込まれていて、セヨク容疑者が熱心なトランプ支持者であることをうかがわせています。

アメリカのトランプ大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「セヨク容疑者のものとみられる車にトランプ大統領の写真が貼られていたのを見たか」と質問されたのに対し、「見ていないが、ほかの人よりも私を支持している人だとは聞いている」と述べました。

また、「今回の事件を受けて、日頃の攻撃的な言動を改める考えはあるのか」という質問に対しては、「もうすでに改めているから、これ以上慎重になる必要はない。もう少し積極的になれる気もするが、メディアに不公平に扱われるのでやめておく」と述べるにとどまりました。

この事件で見つかった爆発物とみられる不審物はこれまでに13個にのぼっています。宛先の多くはトランプ大統領が演説で名指しで非難してきた人物でした。

不審物が最初に見つかったのは22日、世界的な投資家でオバマ前大統領など民主党の関係者に多額の寄付をしてきたジョージ・ソロス氏のニューヨーク近郊の自宅でした。

2日後の24日には7個の不審物が次々に発見されます。宛先はワシントンにあるオバマ大統領の自宅やニューヨーク近郊にあるヒラリー・クリントン国務長官の自宅、東部デラウェア州にあるバイデン前副大統領の自宅、そして、カリフォルニア州選出の民主党の下院議員の事務所で、それぞれ配達の前の段階で見つかりました。またCNNテレビのニューヨーク支局が入るビルでも見つかり、宛先はCNNに出演するブレナン元CIA長官でした。さらにホルダー元司法長官に宛てた郵便物もフロリダで発見されました。

25日には、かつてトランプ大統領を公に非難した俳優のロバート・デ・ニーロさんのニューヨークにある事務所で見つかったほか、再びバイデン前副大統領の自宅に宛てた不審物も見つかりました。

そして、26日にも、民主党の2人の上院議員やクラッパー前国家情報長官に宛てた不審物が見つかっています。

トランプ大統領は、南部ノースカロライナ州で26日夜、日本時間の27日午前、支持者を前に演説し、民主党の関係者などに宛てた爆発物が相次いで見つかった事件について「政治的な暴力は絶対に認められない」と非難しました。

そのうえで「メディアによって繰り返される不当な報道や否定的な攻撃は人々の対立をあおるだけだ。メディアは1人の個人による邪悪な行為を、私や共和党に対抗するための政治的なポイント稼ぎに利用しようとしている」と述べてメディアを批判しました。

この事件で逮捕された容疑者は、トランプ大統領の支持者だとみられています。

トランプ大統領としては、野党・民主党に対するみずからの攻撃的な言動が事件を誘発させたのではないかともメディアが指摘する中、矛先をメディアに向けることで、事件が来月に迫った中間選挙に影響することを最小限に抑えたい狙いとみられます。

一方、トランプ大統領は、中米の人たちが集団でアメリカへの移住を目指して北上していることを念頭に、「民主党は不法入国しようとしている集団をアメリカに招待して、無料で教育を受けさせ、投票権を与えようとしている」と民主党を批判し、入国を断固阻止する考えを強調しました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/25/200255オバマ前大統領とクリントン元大統領らに不審な郵便物届く)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/10/24/200305(米投資家ソロス氏の自宅に爆発物 FBIが捜査)

中米では、今月13日以降、アメリカへの移住を目指して多くの人々が北上を続け、メキシコ南部、チアパス州の当局者によりますと、その数は、現在、およそ6000人に上っています。

これに関して、アメリカ国防総省は、26日、国境の警備にあたる国土安全保障省からの支援要請に基づき、マティス国防長官がメキシコとの国境に兵士を派遣すると決めたことを明らかにしました。

国防総省によりますと、派遣される兵士たちは、国境の警備を強化するためのバリケードやフェンスの設置にあたるほか、国境警備隊員の輸送や司令部の設置などの支援活動に従事します。

アメリカとメキシコの国境には、警備を強化するため、これまでに2000人余りの州兵が派遣されており、アメリカのメディアは少なくとも800人の軍の兵士が派遣される見通しだと伝えています。

アメリカを目指して北上する人々について、トランプ大統領は、「犯罪者が紛れ込んでいる」などと主張し、入国を断固として阻止する考えを強調しており、中間選挙まで10日余りとなる中、重要な争点の1つになっている不法移民対策で厳しい姿勢を示すことで、支持層にアピールする狙いがあるとみられます。

南アフリカでは、少数の白人が大多数の黒人を差別するアパルトヘイト=人種隔離政策が撤廃されたあとも、人口で8%ほどの白人が農地の7割以上を所有したままで、政府は、白人農家から土地を収用し、黒人に配分する政策を加速する方針を示しています。

これについて、ラマポーザ大統領は26日、ヨハネスブルクで開かれた、投資を呼びかけるイベントで講演し、「黒人に土地を配分することは歴史的な不平等を解消し、経済発展を進めるために必要だ」と説明しました。

そのうえで、土地の収用は法律に基づいて進め、個人の財産権を侵害するものではないと強調しました。この問題をめぐっては、アメリカの保守的なメディアが、南アフリカ政府の政策は白人への人種差別だと一方的に批判していて、トランプ大統領もことし8月、「南アフリカ政府は白人農家の土地を奪っている」とツイッターに書き込みました。

ラマポーザ大統領は講演の中で、アメリカの多くの人は歴史的に複雑な土地問題の背景を理解しているとしたうえで、「国のトップもきちんと理解すべきだ」と述べて、名指しこそしなかったものの、トランプ大統領に苦言を呈しました。