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日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)は、昨年度までの直近3年間のみずからの報酬を有価証券報告書に42億円余り少なく記載していたとして、今月10日、代表取締役だったグレッグ・ケリー容疑者(62)とともに金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。

2人の勾留は20日までが期限で、特捜部は勾留の延長を求めましたが、東京地方裁判所は勾留の延長を認めない決定をしました。検察はこれを不服として準抗告しましたが、裁判所は20日夜、改めて延長を認めない決定をしました。

弁護士は21日にも保釈の請求をするとみられ、裁判所が認めればゴーン前会長らは21日にも東京拘置所から保釈される可能性が出てきました。

ゴーン前会長らの勾留をめぐっては、特捜部が同じ過少記載の容疑の時期を分けて再逮捕し、先月19日の最初の逮捕から1か月以上、身柄の拘束が続いていることについて、海外メディアを中心に批判する論調が高まっていました。

関係者によりますとゴーン前会長とケリー前代表取締役「報酬は正式には決まっていなかった」などと供述し、いずれも容疑を否認しているということです。

日産自動車の西川廣人社長は、20日夜、カルロス・ゴーン前会長らが拘置所から保釈される可能性があることについて、報道陣から対応を問われ「まだ聞いていないので、起こってからです」と述べました。

さらに、ゴーン前会長と直接会うつもりがあるか問われると「まだ保釈されていないので、なんとも言えません」と話していました。

20日夜、東京拘置所でゴーン前会長と面会した弁護士によりますと、前会長は「このままでは絶対に納得できない。裁判を通じて自分の主張を聞いてもらい名誉を回復したい」と話し、保釈された後は記者会見を開く意向もあるということです。

また外国人の場合は保釈が認められても海外への出国制限が条件になることが多いとされていますが、ゴーン前会長は必ず裁判には出廷するとして、保釈後は日本国内だけでなく海外に渡航することも希望しているということです。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/20/200430(日産ゴーン前会長ら 21日以降の勾留延長認めず)

日産自動車カルロス・ゴーン前会長が10年前のリーマンショックで生じた私的な投資での18億円余りの損失を日産に付け替えるなどしていた疑いがあるとして、東京地検特捜部は日産に損害を与えた特別背任の疑いで再逮捕しました。

東京地方裁判所20日、ゴーン前会長らがみずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した容疑について勾留の延長を認めない決定をしていましたが、再逮捕をうけてゴーン前会長の勾留はさらに長期化する見通しです。

再逮捕されたのは日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)です。

東京地検特捜部の調べによりますとゴーン前会長は、10年前の平成20年、リーマンショックの影響でみずからの資金管理会社が銀行と契約して行った金融派生商品への投資で18億5000万円の損失を出したため、損失を含む投資のすべての権利を日産に移し、日産に損害を与えたなどとして特別背任の疑いが持たれています。

また特捜部によりますとゴーン前会長は、損失の付け替えに尽力した関係者の利益を図るため、平成21年から24年までの間に日産の子会社からその関係者が経営する会社の口座に1470万ドルを振り込ませていた疑いもあるということです。

証券取引等監視委員会も当時、この取り引きを把握し関係した銀行に違法性のおそれを指摘していたということです。

関係者によりますとゴーン前会長はこの取り引きについて「当局に違法性があると指摘されたため、損失の付け替えは実行しておらず、日産に損害は与えていない」などと説明していたということです。

ゴーン前会長はみずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した疑いで今月10日に再逮捕され、特捜部は20日、勾留の延長を求めていましたが、東京地方裁判所は、勾留の延長を認めない極めて異例の決定をしていました。再逮捕を受けてゴーン前会長の勾留はさらに長期化する見通しです。

容疑者は日産自動車代表取締役最高経営責任者として、日産の業務全般を統括し、日産およびその子会社に損害を与えないように忠実に職務を行うべき任務を負っていたものであるが、
1、自己の資産管理会社がA銀行との間で締結していたスワップ契約において多額の評価損が生じたため、自己の利益を図る目的で、平成20年10月、同スワップ契約の当事者の地位を前記資産管理会社から日産に移転させる旨の契約を締結して日産を同スワップ契約の当事者とさせ、評価損約18億5000万円を含む同スワップ契約上の損失を負担すべき義務を負わせ、
2、前記スワップ契約上の地位を日産から前記資産管理会社に再移転した際、Bの尽力によりC銀行発行に係るスタンドバイ信用状をA銀行に差し入れるなどしていたところ、自己およびBの利益を図る目的で、平成21年6月から平成24年3月までの間、4回にわたり、日産の子会社名義の預金口座からBが経営するD社名義口座に対し、合計1470万米ドルを振り込み入金させ、その任務に背く行為をし、日産に財産上の損害を加えた。

東京地検特捜部の調べによりますとゴーン前会長は10年前の平成20年、リーマンショックの影響でみずからの資産管理会社が銀行と契約して行った金融派生商品への投資で18億5000万円の含み損を出したため、投資の権利を日産に移し損失を付け替えた疑いがあるということです。

この権利はその後、再びゴーン前会長の資産管理会社に戻されましたが、前会長はこの際の信用保証に協力したサウジアラビア人の知人が経営する会社に、平成21年から24年にかけて日産の子会社から1470万ドル(日本円でおよそ16億円)を送金させた疑いがあるということです。

特捜部はこうした一連の行為が日産に損害を与えた特別背任にあたると判断し再逮捕しました。証券取引等監視委員会も当時、日産に権利を移した取り引きを把握し銀行側に違法性のおそれを指摘していたということです。

関係者によりますとゴーン前会長はこの取り引きについて「当局に違法性があると指摘されたため、損失の付け替えは実行しておらず、日産に損害は与えていない」などと説明していたということです。

ゴーン前会長はみずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した疑いで今月10日に再逮捕され、特捜部は20日、勾留の延長を求めていましたが、東京地方裁判所は、勾留の延長を認めない極めて異例の決定をしていました。今回の再逮捕を受けてゴーン前会長の勾留はさらに長期化する見通しです。

ゴーン前会長の再逮捕の容疑となった「特別背任」は会社の取締役などが自分や第三者の利益を図る目的で任務に背いて、会社に損害を与えたときに成立する罪です。経営幹部に対しては通常の背任罪よりも重い罪に問うため、会社法に特別に設けられています。

今回、特捜部がゴーン前会長を再逮捕した容疑はこれまでと違い日産に損害を与えたとする特別背任の疑いです。特捜部は次の2つの行為が特別背任に当たるとみています。

▽損失付け替え
1つ目は個人的な投資の損失を日産に付け替えた疑いです。
特捜部の調べや関係者によりますと、10年前の平成20年、ゴーン前会長の資産管理会社は、銀行と契約した金融派生商品の1つの「スワップ取引」と呼ばれる取り引きで18億5000万円の含み損を出しました。
リーマンショックの影響によるもので、取り引きに当たって、銀行側から担保を追加するよう求められていたということです。このため前会長側は、損失を含めた取り引きの権利を日産に移すことを提案し、日産に損失を付け替えた疑いがあるということです。

▽知人側に16億円流出
2つ目は日産の資金を知人側に流出させた疑いです。
証券取引等監視員会は当時、日産に権利を移したこの取り引きを把握し、関係した銀行に違法性のおそれを指摘したということです。このため「スワップ取引」の権利はゴーン前会長の資産管理会社に再び戻されました。
ゴーン前会長の会社に権利が戻った際、追加の担保を求めていた契約先の銀行に対する信用保証に協力した人物がいます。関係者によりますと、この人物はサウジアラビア人で、ゴーン前会長はこの人物の会社の口座に平成21年から24年にかけて日産の子会社から1470万ドル、日本円にしておよそ16億円を送金させた疑いがあるということです。
関係者によりますと、ゴーン前会長は損失を付け替えた疑いについて「当局に違法性があると指摘されたため、損失の付け替えは実行しておらず、日産に損害は与えていない」などと説明していたということです。

ゴーン前会長の再逮捕について、元検事の高井康行弁護士は、
「特捜部は、特別背任の疑いについても、司法取引を通じて早い段階から資料の提出を受けて捜査していたと考えられる。
当初の予定では、虚偽記載の罪について年内に起訴し、来月以降に特別背任の疑いで逮捕する予定だったとみられるが、きのう、東京地方裁判所に勾留延長を却下され、急きょ、再逮捕を前倒ししたと思われる。
一連の状況について、海外を含む世論からは検察が裁判所に対して報復的に再逮捕したという見方もされかねない。
裁判所も含めて日本の刑事司法全体が有効に機能しているかが問われる事態だ。
裁判所は特別背任の疑いについてさらに勾留するだけの疑いがあるのかどうか、慎重に判断することが求められる」と指摘しています。

山下法務大臣は記者会見で、「検察当局で捜査中の個別の事件なので、捜査や裁判所の個別判断について、所感を述べることは、差し控えたい」と述べました。
そして記者団が、「今回の検察の対応については、国際的な批判もあると思うが、どう考えるか」と質問したのに対し、山下大臣は、「一般論として、容疑者の逮捕や勾留などは、刑事訴訟法の規定に従って司法判断を経ているので、適正に行われているものと承知していて、批判は当たらないと考えている」と述べました。

逮捕容疑は、
(1)ゴーン氏の資産管理会社と銀行の間の通貨のデリバティブ金融派生商品)取引を契約で多額の損失が発生したため、2008年10月、契約の権利をゴーン氏の資産管理会社から日産に移し、約18億5千万円の評価損を負担する義務を日産に負わせた疑い
(2)その際に信用保証に尽力した関係者が経営する会社に対し、2009年6月~2012年3月の4回、日産の子会社から計1470万ドル(現在のレートで約16億3千万円)を入金させた疑い
の二つだとのことだ。

しかしこれらの特別背任の刑事立件には、多くの疑問がある。
(1)の事実は、行為から10年を経過しており、通常であれば、特別背任の時効が完成している。海外にいる期間は公訴時効が停止するが、ゴーン氏の場合、海外にいた期間が3年以上あったということで、一応、時効は完成していないとは言えても、経理書類の保存期間が原則7年、「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」等の保存期間が10年間と定められていることもあって、通常は、犯人の海外渡航期間があったからと言って、10年も前の事件を刑事事件として立件することはしない。

しかも、多額の損失が生じた契約の権利をゴーン氏の資産管理会社から日産に移すことで、日産が損失を被る危険性はあったことは確かだが、実際は、その後、契約は元に戻されているので、損失は発生していない。損失が発生していないのに、特別背任で刑事立件された例というのは、聞いたことがない。

また、その話は、そもそも、銀行側が、担保不足を解消するための措置を要求したことが発端で、それに対応する措置として行われたものだと考えられる。しかもそこには社内手続や取締役会での承認等、様々な経緯があり、それによって、仮に、背任に当たる余地があるとしても、そこに関係する人間の範囲は無限に拡大する。決して、ゴーン氏が一人で行えるような行為ではないはずだ。

(2)の事実については、詳細が不明であり、現時点は何とも言えないが、いずれにしても国際的な取引に関連する資金の動きに関する問題なので、単純に刑事事件としてとらえられるような話ではないように思える。

それ以上に重要なことは、捜査の経緯から考えても、この特別背任の容疑について、刑事立件が予定されていたとは思えないということだ。

ゴーン氏らの逮捕勾留事実は、2015年3月期までの5年間の「退任後の報酬の合意」についての有価証券報告書虚偽記載の事実だった。これについては、ゴーン氏の逮捕当初から、有価証券報告書虚偽記載は「入り口事件」であり、特捜部は、特別背任など「実質的犯罪」の立件を予定しているとの観測があった。もし、特別背任が立件可能なのであれば、当初の逮捕事実で起訴した12月10日の時点で、特別背任で再逮捕したはずだ。

ところが、検察が、勾留満期の12月10日にゴーン氏らを起訴するとともに再逮捕した事実は、2018年3月期までの直近3年間の同じ虚偽記載の事実だった。

しかし、8年間にわたる「覚書」の作成は、同一の意思で、同一の目的で毎年繰り返されてきた行為なのであるから、仮に犯罪に当たるとしても、全体が実質的に「一つの犯罪」と評価されるべきものだ。それを、古い方の5年と直近の3年に「分割」して逮捕勾留を繰り返すというのは、同じ事実で重ねて逮捕・勾留することに他ならず、身柄拘束の手続に重大な問題が生じる。しかも、過去の5年分の虚偽記載を捜査・処理した後に、直近3年分を立件して再逮捕するとすれば、その3年分を再逮捕用に「リザーブ」していたことになる。それは、検察の常識を逸脱した不当な身柄拘束のやり方である。

検察も、本来であれば、そのような実質的に同一事実での逮捕勾留の繰り返しという不当な再逮捕を行いたくはなかったはずだ。しかし、その事実での再逮捕以外に、身柄拘束を継続する方法がなかった。だからこそ、直近3年分の同じ事実での再逮捕を行ったのである。少なくとも、12月10日の時点で、特別背任罪の立件が可能な状況だったとは思えない。

それに、今回の事件の捜査は、地方の地検から検察官の応援派遣を受けているとされている。応援検察官を年末には原庁に戻さなければならない。20日の勾留期間が年末年始にかかる12月10日以降に新たな事実で再逮捕すれば、年末年始休暇返上で捜査を継続することになる。そのような捜査スケジュールは、検察の常識からはあり得ない。その点から考えても、12月10日の時点で特別背任の刑事立件が可能と判断していたのであれば、絶対に、その時点で、特別背任で再逮捕していたはずだ。

検察は、直近3年間の虚偽記載という「無理筋」の再逮捕事実で勾留延長を請求して却下され、準抗告まで行っている。もし、再逮捕後の10日間の捜査で特別背任の立件が可能になったというのであれば、勾留延長など請求せず、その時点で特別背任で再逮捕すれば良かった。

勾留延長請求が却下され、準抗告も棄却され、検察は、確実に追い詰められていた。

検察にとって衝撃的だったのは、これまで特捜事件で検察の主張を否定することなどあり得なかった東京地裁が、勾留延長請求の却下によって、検察とは大きく異なる判断を示したことだ。

延長請求を却下したのは、その時点で刑事処分を決めることができず、さらに身柄拘束を続ける必要があることについて「やむを得ない事情」がないと判断されたからだが、それは、そもそも、「有価証券報告書虚偽記載」の刑事事件としての重大性などについて、裁判所が検察の主張を十分に理解してくれなかったためだ。

検察は、準抗告を申立て、他の裁判官の判断を仰いだ。しかし、判断は同じだった。これによって、検察は、再逮捕事実での勾留期間が満了し、当初の逮捕事実での「起訴後の勾留」だけになると、ゴーン氏が保釈される可能性が高いことを覚悟せざるを得なくなった。

もし、保釈されてゴーン氏が公の場に出てくることになると、検察捜査に対して、そして、日産経営陣のクーデターに対して、厳しい批判を行うことは必至だ。代表取締役会長の地位を奪われたとはいえ取締役の地位に残っているゴーン氏が、検察や日産経営陣に対して「反撃」し、国際的批判が一層高まることは、検察にとって重大な「脅威」だったはずだ。

上記のような捜査の経緯から、特別背任での刑事立件には問題があり、再逮捕は予定されていなかったが、勾留延長請求却下、準抗告棄却で、ゴーン氏の保釈が不可避となり、追い詰められた検察が、急遽、「無理筋」を承知で、しかも、捜査班の年末年始休暇をも犠牲にして、特別背任による逮捕という「暴発」に至ったということが考えられる。

上記のとおり、今回の、ゴーン氏の再々逮捕は、検察組織内での判断だけで行える「逮捕権」を、検察が「組織防衛」の目的で使ったとすれば、「権力者ゴーンが日産を私物化している」と批判している検察こそ、「権力を私物化」したことになる。

今後のゴーン氏再々逮捕後の検察捜査の展開を、我々は、冷静に注意深く見守っていく必要がある。

 起訴前に身柄拘束が許されるのは最初の48時間(警察が逮捕した場合は72時間)と、10日+10日の20日間が限度なので、特捜部は満期日の12月10日にゴーン氏を(1)2010~2014年の分の有価証券報告書の虚偽記載の被疑事実で起訴し、ゴーン氏の身柄は自動的に起訴後勾留に移行します(刑訴法208条、60条)。重要なのは、この起訴の時点から、弁護人等によるゴーン氏の保釈請求が可能になることです(刑訴法88条以下)。保釈は基本的に認められなければなりませんが、実際には、罪証隠滅や関係者威迫の可能性を安易に認め、事案によっては保釈を簡単には認めません。

 一方、特捜部は、同じ12月10日、(2)2015~2017年の分の有価証券報告書の虚偽記載の被疑事実でゴーン氏を逮捕(再逮捕)しました。これにより、ゴーン氏は、(1)の被疑事実の起訴後勾留と(2)の被疑事実での逮捕の両方を受けていることになり、(1)との関係では保釈請求が可能ですが、(2)の被疑事実との関係では起訴前で保釈請求ができないことになり、結局、保釈請求はできないことになります。

 そして、(2)の被疑事実につき、最大合計22~3日の身柄拘束のコースを“振り出しに戻る”のが良くある日本の刑事手続のあり方です。この「事件単位説」による再逮捕の繰り返し、安易に(起訴前)勾留を認める裁判所(官)の慣行、勾留期間中の勾留取り消しや案件により起訴後の保釈を容易に認めない(事件を審理する)裁判所の慣行などにより、無罪推定が働くはずの被疑者・被告人の身柄拘束が長期に及ぶ実態があり、これが「人質司法」と批判される原因となっています。

 しかし、ゴーン氏については、(2)の被疑事実について、東京地裁が、特捜部の請求により逮捕、勾留までは認めたものの、勾留期限の12月20日、東京地裁が特捜部の勾留延長請求を却下しました。裁判官が特捜部の勾留延長請求を認めないのは異例のことです。一部の報道では、東京地裁が、(1)と(2)を完全に別の事件とは見ず、“振り出しに戻る”ルールを抑制的に考えたのではないかとも言われています。

 いずれにせよ、そうすると、この時点で、ゴーン氏の身柄については(1)の被疑事実についての起訴後勾留と、(2)の被疑事実について身柄拘束のない状態になり、弁護人等による保釈請求が可能な状態になりました。そこで、弁護人が保釈請求のために動き、今日(12月21日)にも、ゴーン氏が保釈により身体拘束を解かれるやの報道がされたのです。

 しかし、特捜部はこのような流れを阻止すべく、12月21日、ゴーン氏を(3)特別背任の被疑事実で再逮捕しました。一部報道では、特別背任罪による責任追及は難しいとも言われていたため、筆者も驚きました。これにより、ゴーン氏の身柄については、(1)の被疑事実についての被告人勾留、(2)の被疑事実についての身体拘束のない状態、(3)の被疑事実についての逮捕という状態が発生し、(3)について起訴前で保釈が認められず、かつ、(3)について“振り出しに戻る”最大合計2日+20日の身柄拘束のコースに入りました。

東京地方裁判所20日、検察が求めたゴーン前会長らの勾留の延長を認めないことを決め、その後、検察の準抗告も退けました。

これについて東京地裁は21日、準抗告を退けた理由の要旨を公表しました。

理由の要旨では「再逮捕した事件と先に逮捕していた事件が、事業年度が続く一連の事案であることや、再逮捕後の捜査の内容と容疑者の供述内容などを踏まえると、2つの事件の争点と証拠の重なり合いが、抽象的なものだとは言えない。勾留期間を延長するやむをえない理由はないとして請求を退けたのは正当だ」としています。

裁判所が検察の準抗告を退けた理由を公表するのは極めて異例です。東京地方裁判所によりますと、推測による報道が繰り返されていることから、裁判所が判断した理由を正確に伝える必要があることや今回の事件に対する関心が極めて高いため公表することにしたということです。

グレッグ・ケリー前代表取締役については、弁護士が午前11時半過ぎに裁判所を訪れ、保釈を請求しました。裁判所が認めれば、21日にもおよそ1か月ぶりに保釈される見通しです。

ケリー前代表取締役とゴーン前会長は20日、検察の勾留延長の請求がいずれも認められず、2人とも21日にも保釈される可能性が出ていましたが、ゴーン前会長の再逮捕によって、ケリー前代表取締役だけが保釈される見通しとなっています。

日産の代表取締役だったグレッグ・ケリー被告(62)は、20日東京地検特捜部の勾留延長の請求が認められなかったことを受け、21日午前、弁護士が裁判所に保釈を請求しました。

保釈について、裁判所が特捜部に意見を求めたのに対し、関係者によりますと、午後3時半の時点でも特捜部から意見が出されなかったということです。

こうしたことから、裁判所の決定は21日は出ないことになりました。

22日から連休に入り、保釈金の納付などの手続きも難しいことから、ケリー前代表取締役が保釈されるのは、早くても今月25日以降になる見通しになりました。

 日産自動車は21日、前会長カルロス・ゴーン容疑者の特別背任容疑での再逮捕を受け「容疑の中身については、捜査に関わるのでコメントは差し控えたい」(広報担当者)と説明した。東京地検からの連絡などはなく、急なタイミングの再逮捕発表で事実関係の確認に追われた。担当者の一人は「びっくりの一言」と話した。関係者は「社内ではみんな喜んでいた。検察はよくやってくれた」と安堵の声が広がったと明かす。


書類送検されたのは、東京地検の元特捜部長の石川達紘弁護士(79)です。

ことし2月、東京 港区白金で、乗用車が金物店に突っ込んで歩道を歩いていた37歳の男性がはねられて死亡し、警視庁は車を運転していた石川弁護士から話を聴くとともに、車の記録装置を解析するなどして捜査していました。

その結果、当時、エンジンをかけたまま、車を降りようとして誤ってアクセルを踏み、100キロ以上のスピードで急発進したとみられることが分かったということで、21日に過失運転致死などの疑いで書類送検しました。

警視庁によりますと、「アクセルを踏んだ記憶はない」などと話しているということです。

石川弁護士は、東京地検の特捜部長や名古屋高検検事長などを歴任し、金丸信自民党副総裁の脱税事件やゼネコン汚職事件などを指揮しました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/20/200154(パトカー一時不停止疑いで巡査書類送)
https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/14/200154(あおり運転事故裁判 被告に懲役18年の判決)