ゴーン前会長の弁護士「無罪明らかにする」 #nhk_news https://t.co/ePrZeDfXpd
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年3月4日
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)は、みずからの報酬を有価証券報告書に少なく記載した金融商品取引法違反の罪や特別背任の罪で起訴され、去年11月の最初の逮捕以降、4日まで106日間にわたって身柄を拘束されています。
先月から新たにゴーン前会長の弁護を担当している弘中惇一郎弁護士は、東京 丸の内の日本外国特派員協会で初めて記者会見を開きました。
この中で弘中弁護士は「今回の事件はほとんどが10年以上前の話で日産も当時から知っていたことばかりだ。今になって何のために検察に届け出たのか大変奇妙な感じがする。常識的に考えて刑事事件になるようなものではない」と指摘しました。
そのうえで「このような事件が起きれば海外から優れた経営者が日本に来なくなると海外のメディアは報じている。日本の社会や将来のためにもできるだけ早く無罪を明らかにし、信用を取り戻す必要がある」と述べました。
また4日前に新しい弁護団としては初めて保釈請求を行ったことについて、「逃亡や証拠隠滅を疑われないような説得力のある保釈申請を出したつもりだ。ゴーン前会長が外部と情報交換することができなくなるような工夫をコンピュータや監視カメラを使って具体的に考え裁判所に提案している」と述べました。
ゴーン被告「そう遠くない時期に」保釈との見方=弘中弁護士 https://t.co/7iQYwDiAMj
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2019年3月4日
弘中氏らの弁護団は2月28日、同弁護団としては初めて、前の弁護団の分も含めると3度目となる保釈を東京地裁に請求した。1月に行った前の弁護団による2度の保釈請求はいずれも却下された。
昨年11月19日の逮捕後から担当していた元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士らは2月13日付で辞任し、弘中氏らが新たなゴーン被告の弁護団として選任された。
弘中氏は、保釈請求にあたり、ゴーン被告が外部と情報交換ができないような環境を維持するため、コンピューターや監視カメラの使用などを具体的に提案していると説明。「これまでの経過を踏まえて、証拠の隠滅や逃亡が疑われないように、私なりの説得力ある保釈申請をしたつもりだ」と述べた。
このタイミングで保釈を請求した理由については、ゴーン被告に「何としても保釈を得たいという強い気持ちがある。保釈は(ゴーン被告の)権利であり、当然認められるべき」と述べ、「戦術的に早めに保釈申請した」と話した。再び却下されれば、準抗告する方針だ。
ゴーン被告の健康状態は「相変わらず元気を維持しているという印象を受けた」と語った。一方、同被告の拘留期間は4日で100日を超えており、海外からの批判が特に強まっている。弘中氏は、自身が弁護士になったころに比べ、拘留期間が「だんだん長くなっている」と指摘。検察が有罪にできるだけの証拠に対する自信の弱さから「被告の防御権を弱くしようとして拘留を長引かせる。極めてアンフェアだ」と問題視した。
弘中氏は弁護を引き受けてから日がまだ浅く、「大胆なことは言えないが、無罪になってもおかしくない」との見解を示した。「道義的なレベルでもゴーン氏が責められる点があるとは思っていない」と説明し、「日本の裁判官を説得できると思っている」と自信を見せた。
これまで数々の無罪判決を勝ち取ってきた弘中氏は、検察側の証拠や構図の矛盾点を鋭く突くことから「カミソリ弘中」などの異名を取る。弘中氏は、自身が「73歳になったが、まだ『カミソリ』の切れ味があるかどうかを試してみたい」とも語った。
弘中氏は、厚生労働省の郵便不正事件で文書偽造などの罪に問われた村木厚子・元事務次官や、資金管理団体「陸山会」を巡る事件で強制起訴された小沢一郎・自由党代表の無罪判決を勝ち取った経験を持つ。
ゴーン前会長の弁護士 記者会見の主な発言 #nhk_news https://t.co/4es2VMkiBS
— NHKニュース (@nhk_news) 2019年3月4日
「今回の事件はほとんどが10年以上前の話で、日産も当時から知っていたことばかりだ。今になって何のために刑事事件として検察に届け出たのか大変奇妙な感じがする。細かいことは証拠を見なければ分からないが、常識的に考えて刑事事件になるようなものではない」
「時代の変わり目、大きな政策の転換点にそれまで社会を代表していた人がひどくたたかれることがあり、“国策捜査”ということばでも説明されている。今回の事件も10年以上前のことを蒸し返すというのは、世界の経済的な動きとか政治的な動きとリンクしているのではないかと思って取り組んでいきたい」
「逃亡や証拠隠滅を疑われないような説得力のある保釈申請を出したつもりだ。ゴーン前会長が外部と情報交換することができなくなるような工夫を、コンピュータや監視カメラを使って具体的に考え裁判所に提案している」
「検察官の言うとおり自白しないと勾留を続けることは“人質司法”と呼ばれ、各国から批判が多い。私どももこうした状況を訴えて1日も早く保釈を取りたい」
「われわれは前の弁護士の大鶴基成氏(元東京地検特捜部長)から引き継ぎを受けているが、大鶴氏のやったことに縛られるということはない。ゴーン前会長が経験した事実自体は変わらないので、そこからどういう証拠を集めて論理を組み立てるか。全く新しい発想で進めてきたいきたい」
「ゴーン前会長とは何回か会って打ち合わせやヒアリングをし、前の弁護士からの引き継ぎもした。ゴーン前会長に関するいくつかの著書も読んでいる」
「このような事件が起きれば、海外から優れた経営者が日本に来なくなると海外のメディアは報じている。日本の社会や将来のためにもできるだけ早く無罪を明らかにし、信用を取り戻す必要がある。いずれにしてもこの事件は歴史的にも社会的にも大変重要な裁判になるだろうと思う」
「関係者がフランスや中近東など世界中に散らばっている。非常に長い時間の間に、非常に多くの国の方々を巻き込んでいる事件なので、これからの裁判はかなり大変なものになるだろう」
「私も73歳になったが、まだカミソリの切れ味があるかどうか試してみたい」
「私は前会長と会ってから1か月もたっていないので、以前より顔色がよいか悪いか、太ったか痩せたかよく分からないが、拘置所で面会したかぎりでは元気を維持しているという印象を受けた」
「身柄が拘束されて4か月近くたち、ゴーン前会長には何としても保釈を得たいという強い気持ちがある」