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 もっとも、キャバクラはまだマシかもしれない。大人の世界にはもっと過激な夜の施設が数多く存在しているからだ。かつて1983年、宮内庁東宮侍従長(男性65歳)が勤務時間中に新宿の個室付き特殊浴場に遊びに行って心臓麻痺で死亡した事件のように、マヌケな不祥事は末代まで語り継がれてしまう危険性がある。

 いわんや立ち寄った店舗が、ノーマルな性癖の範囲内にとどまらないサービスを提供していた場合はいっそうピンチであろう。

 たとえば50代男盛りの頑固部長はニューハーフヘルス(掘られる側)で感染、40代の女子校生活指導担当教師はキャンパス系イメージクラブ(セーラー服オプション2000円)で感染、30代出世株のイケメン商社マンは赤ちゃんプレイ店で前の客が使ったおしゃぶりから感染……などといった複雑な事情が周囲にバレると、たとえ肺炎が回復しても当人たちは社会的に回復できまい。

 上記は主に男性の場合だが、たとえ女性であっても、不倫旅行先の温泉宿で感染、マッチングアプリで探したパパから感染、推しのホストの生誕祭で集団感染が爆発、違法薬物の集団濫用パーティーでウイルスが蔓延……など、感染経路が発覚することで「社会的に死ぬ」ケースはあり得る。

 そこまで悪いことをしていなくても、濃厚接触者が追跡されていく過程で、自分が外回り営業をサボってビールを飲んだりマッサージやパチンコに行ったことが職場にバレるだけでも、かなり気まずい事態にはなる。

「今回のウイルスの流行は人間の本性をあぶりだす。良い人間はいっそう良い振る舞いをするし、悪い人間はいっそう悪い振る舞いをするし、卑怯な人間はいっそう卑怯な振る舞いをする」

 ややウロ覚えで恐縮だが、1カ月ほど前に中国のネット上でこうした書き込みを見たことがある。パニック時こそ、人間の本性や普段は隠された秘密が明らかになることを、私たち日本人は9年前の東日本大震災で体験済みだ(震災発生時に不倫相手と一緒にいたことで配偶者と修羅場になったケースなどは、当時よくささやかれたものである)。

 新型コロナウイルスもまた、社会や人間のダメな部分に巣食うという特徴を持っている。

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コロナ“外出禁止令”直前も「ハグとキス」

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