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およそ5000人を乗せて太平洋を航行していたアメリカ海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルトは、乗組員が新型コロナウイルスに感染したため、現在はグアムに停泊して検査が進められています。

これについて、ハイテン統合参謀本部副議長は9日の記者会見で、これまでに感染が確認された乗組員は416人に上り、このうち1人は集中治療室に搬送されたことを明らかにしました。

また、西部ワシントン州の基地で出港に向けて準備を進めていた原子力空母「ニミッツでも乗組員数人の感染が確認され、隔離措置をとったことを明らかにしました。

一方、会見に同席したノーキスト国防副長官は、「セオドア・ルーズベルト」について、「必要があれば直ちに展開し、作戦を遂行する十分な能力がある」と述べ、即応態勢に影響はないことを強調しました。

ただ、アメリカ軍の空母をめぐっては、横須賀基地に停泊中の原子力空母の乗組員の感染も伝えられていて、ハイテン副議長は、「われわれはウイルスの環境の中で、どう作戦を実行するか考える必要がある」と述べ、さらに感染が拡大した場合、どのように空母を運用するか検討する考えを示しました。

アメリカのニューヨーク州では、感染者が15万9937人に上り、全米のおよそ3分の1を占めています。

感染者の増加のペースは、1日当たり1万人前後と横ばいで推移していますが、亡くなった人は、1日としてはこれまでで最も多い799人増え、7067人に上っています。

ニューヨーク州のクオモ知事は9日の記者会見で、現在、およそ1万8000人の感染者が入院して治療を受けていることを明らかにしたうえで、大学の寮を活用するなどしてベッドの数を現在の9万床から11万床まで拡充する計画を明らかにしました。

そして、1918年に世界で大流行したスペインかぜに例えながら「われわれは第1の波にいる。波を乗り切れば、もう終わったと思うかもしれないが、私はそう簡単に思わない」と述べ、感染対策と医療の拡充を続ける考えを強調しました。

さらに、今月30日まで延長した外出制限を、来月以降、緩和するかどうかについて「それはわれわれが何をするか次第だ」と述べ、外出制限を徹底させるため、市民に改めて協力を呼びかけました。

トランプ大統領は9日の記者会見で、新型コロナウイルスの国内での感染拡大について、「今、アメリカは山の頂上にいて、場合によっては下り始めているところもある」と述べ、感染者の増加がピークを迎えつつあるという見方を改めて強調しました。

そのうえで、経営が悪化している国内の航空業界について、「雇用を維持し、経営を支えるために、政府としてできるかぎりのことをしなければならない。週末には航空会社と協議し、大規模で、納得のいく支援策を提案できるだろう」と述べ、今週末にかけて航空業界に具体的な支援策を示す方針を明らかにしました。

アメリカの航空業界は、政府による入国制限や各州の外出制限の影響で、国際線、国内線ともに利用客が激減し、資金繰りが悪化していて、従業員の解雇も相次いでいます。

アメリカで先月成立した大規模な経済対策には、航空業界が金融機関から融資を受けやすくするために、政府が条件付きで債務を保証することなどが盛り込まれており、トランプ大統領は、その詳細を提示する考えだとみられます。

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