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 ハンター・バイデン氏が父親のジョー・バイデン米副大統領(当時)をウクライナのガス会社ブリスマ・ホールディングスの関係者に紹介したことを示唆する内容の電子メールが、ハンター・バイデン氏のノートパソコンから発信されていたとする記事が、先ごろニューヨーク・ポスト紙に掲載された。ロン・ジョンソン上院議員は、この記事が他の報道機関に無視されたことに驚かなかった者の1人だろう。ツイッターフェイスブックが、同紙の記事をプラットフォーム上から消し去ってバイデン親子を攻撃から守ろうとしたことにも、同議員らは驚かないだろう。

 ジョンソン議員が委員長を務める上院国土安全保障委員会と、チャック・グラスリー議員が委員長を務める上院財政委員会が先月、ハンター・バイデン氏の海外での金融取引に関する合同報告を発表した際にも同様のことが起きた。両委員会は、ハンター・バイデン氏とブリスマとの関係が、オバマ前政権に与えた悩みの種を追跡し、モスクワ市の元市長と結婚していたロシアの大富豪から同氏への350万ドル(約3億6900万円)の電信送金など、興味深い話題を掘り下げた。

 大半のニュースメディアは、バイデン親子が犯罪行為に手を染めた証拠は何も示されていないとして、この上院の報告書を無視した。何と緩い基準だろう。例えば同報告には、ハンター・バイデン氏が10万ドルの散財をしていたことや、ジェームズ・バイデン氏(バイデン前副大統領の弟)とサラ・バイデン氏(前副大統領の義理の妹、ジェームズ氏の妻)が中国最大の民間石油・ガス会社と関係する中国人ビジネスマンのゴンウェン・ドン氏から資金提供を受けていたことも記載されていた。

 ハンター・バイデン氏がブリスマの取締役だったことは、それ自体で十分にオバマ政権内の懸念事項であり、ジョージ・ケント氏とエイモス・ハックスタイン氏の2人の政府当局者が不満を表明していた。ケント氏は在キエフ米大使館の首席公使代理を務めていた。同氏は2016年、「ブリスマの取締役会にハンター・バイデン氏がいることは、ウクライナで反腐敗政策を押し進めている全ての米政府当局者にとって極めて厄介だ」とのメールを同僚に送っていた。上院の報告書は少なくとも、バイデン氏の金融取引が「金融犯罪、防諜(ぼうちょう)および強要に関する懸念」を生じさせると指摘している。

 それが米国の政策に影響を与えたのではないかという懸念もある。ジェフリー・パイアット米国大使は2015年9月にウクライナ南部オデッサで行った講演で、ウクライナ汚職に関与した人物としてミコラ・ズロチェフスキー氏の名前を挙げた。ズロチェフスキー氏はウクライナの元当局者で、ブリスマ・ホールディングスのオーナーでもある人物だ。しかし、パイアット氏はその3カ月後、ジョー・バイデン氏のアドバイザーから、講演でズロチェフスキー氏について言及しないよう告げられた。問題は、バイデン氏の息子がズロチェフスキー氏の企業の取締役だったことがその判断に影響したかどうかだ。

 バイデン陣営はジョー・バイデン氏の公式の予定表に、問題となっているウクライナ人と面会した記録はないと述べているが、それはあまり意味がない。2017年1月にバラク・オバマ氏およびジェームズ・コミー氏と大統領執務室で面会したことも、公式の予定表には書かれていないからだ。

 それでも、委員会が明らかにした情報は、息子のブリスマへの関与について、バイデン氏が、自ら認めているよりもずっと多くを知っていたことを示唆している。バイデン氏は、息子が海外で行っているビジネス取引について息子と話したことがないと述べているが、それについてハックスタイン氏と話し合ったことは確かだ。同氏は2015年10月に自らの懸念を伝えるため、バイデン氏の元を訪れている。ジョー・バイデン氏は良く言っても、息子に「何も問題はない」とするアプローチを取った。より不寛容な言い方をすると、ウインクしてうなずき、黙認したのだ。

 上院の報告書はさらに、当時国務長官だったジョン・ケリー氏について、義理の息子のクリス・ハインツ氏がハンター・バイデン氏のビジネスパートナーであり、ケリー氏が何も知らなかったと言うのは真実ではないと指摘している。

 ニューヨーク・ポストが探し出した電子メールが本物だったと想定すると、それはハンター・バイデン氏のビジネス手法について極めて詳細な内容を提供している。たとえ法律に違反していないとしても、父親の名前と地位とを利用して利益を得ようとするもので、ワシントン政界関連で見られる地位悪用の典型的な例だった。

 これは、ジョー・バイデン氏を信頼して平常な状態に戻るよう求められている有権者にとって、重要な情報を含んだ正当な記事だ。今回の件が、大半の米国民が考えるワシントン政界の日常的な利己主義・不誠実な行為に類するものかどうかを、われわれは疑っている。

QAnonは、世界は一部のエリートたちが組織する「ディープ・ステート(影の国家)」によって支配されていると主張する。ディープ・ステートはトランプ大統領を政権の座から引き下ろそうと陰謀を企てていると主張する。そしてトランプ大統領と組んで、ディープ・ステートに対する「反革命」を起こす必要性があると説く。そしてトランプ大統領もQAnonを支持する発言をおこなっている。

QAnonはSNSという現代の最新のコミュニケーションを駆使して、支持者を着実に増やしている。その全容は見えず、まるで秘密教団のような様相を見せている。

2020年の夏ごろから、「Q」と書かれたシャツを着たり、「We are Q」という旗を掲げてトランプ大統領の政治集会に姿を現すようになっており、アメリカの幾つかのメディアは「QAnonが政治の表舞台に登場した」と書いている。

QAnonは、お互いの間で様々なメッセージを交換し、それを『聖書』を通して解釈する傾向がある。SNSを通した組織的な活動は「QAnon運動」の形態を取っている。宗教的な特徴から「インターネット宗教」と呼ばれることもある。

アメリカに最初の陰謀論が登場し、大きな政治的力を発揮したのは、1850年代である。

カトリック教徒の移民が増え始めたため、これはローマ・カトリックの陰謀」であると主張された。カトリック教徒の移民を増やすことで、最終的にアメリカをカトリック教の国に変えようとしているというわけである。これがアメリカの最初の組織的な移民排斥運動へと繋がる。

こうした主張をする集団は自らの身分を明らかにせず、その組織の存在を問われても「何も知らない(know nothing)」としか答えなかった。この組織は「Know-nothing Party」と呼ばれるようになる。

陰謀論を主張し、組織に属する者の姿は姿を現さないところは、QAnonと共通するものがある。また、奇妙な陰謀論を唱えることで大衆を扇動しようとするところも共通している。

陰謀論には荒唐無稽なものが多い。

たとえば宇宙人が人間の姿をして世界をコントロールしているという「陰謀論」から、ユダヤ人が世界を支配しているという「ユダヤ陰謀論」、エリートで構成され、社会を裏から支配しているという「フリーメイソン陰謀論」、「ロスチャイルド陰謀論」など、枚挙に暇がないほど多くの陰謀論が語られている。

QAnonが主張する「ディープ・ステート陰謀論」も、こうした系譜に繋がるものである。

現代でもアメリカ政治では多くの陰謀論が唱えられ、実際に政治的な影響を及ぼしている。例えば、保守派は気候変動をリベラル派の陰謀であると主張している。共和党議員の多くがそれを信じており、トランプ大統領がパリ協定を離脱した時、喝采の声を上げた。

また、キリスト教原理主義者であるエバンジェリカルは、コロナウイルス感染拡大はトランプ大統領を倒すための陰謀であると主張している。こうしたエバンジェリカルの陰謀論を受け、トランプ大統領は十分なコロナウイルス対策を怠たり、マスクの着用を拒否した。

このように、アメリカの陰謀説は宗教グループと関連したものが多い。1970年代にキリスト教右派は、公民権運動はキリスト教倫理を破壊するものだと攻撃し、その背後に共産主義者の陰謀が存在すると主張した。宗教的右派や保守派の間で、こうした陰謀論が信じられていた。

キリスト教右派レーガン大統領を支援したのは、「新世界秩序陰謀論」に対抗するためでもあった。一部のエリートが裏で世界を操り、新秩序を構築しようとしているという陰謀論である。この陰謀論は、QAnonの「ディープ・ステート陰謀論」に通じる。共通しているのは、「グローバル派」に対する敵意である。

もっと最近の例では、オバマ大統領は秘密のイスラム教徒であるという陰謀論がある。この陰謀論を受け、極右勢力はオバマ大統領を「非アメリカ人」と攻撃した。

またキリスト教原理主義者であるエバンジェリカルの指導者は、オバマ大統領の国際主義はアメリカをキリスト教的倫理から遠ざけ、非道徳的な社会にしたと主張している。

こうした陰謀論を流布したのはWND(World Net Daily)というサイトで、ここが陰謀論のハブになっていた。オバマ時代、毎月、800万人が訪れていた。

トランプ大統領は、大統領になる前からWNDの創設者のジョセフ・ファーラと知り合いになっていた。

さらに大統領選挙中に、トランプ候補はエバンジェリカルに急接近する。とても宗教的とは言えないトランプ候補だったが、エバンジェリカルはトランプ支持を決めた。

現在、エバンジェリカルはトランプ大統領の最大の支持者になっている。エバンジェリカルはトランプ候補の道徳性を問わず、キリスト教倫理の復活に役に立つと判断したのである。

トランプ大統領も、自らをアメリカの倫理的に堕落に歯止めをかけ、破壊から救う救世主になると訴えた。

アメリカの陰謀論の背景には大なり小なりキリスト教の影が見え隠れしている。そういう意味でトランプ大統領がQAnonの陰謀論に組みする下地は十分にあったといえる。

QAnonが初めて登場するのは、2017年10月28日である。4Chanのチャット・フォーラムにID(gb953qGI)を使って初めて登場した匿名のインターネット・グループである。

その過激な主張のため、4Chanの使用が禁じられ、次に8Chanへ場所を移した。その後、Facebook, Twitter, YouTube,Redditで活動をし、メンバーを増やしていった。

QAnonの基本的な主張は「ディープ・ステート」がアメリカに様々な害を与えているというものである。QAnonにとって「ディープ・ステート」は総称であり、具体的な悪をなす存在は「Evil Doers(悪をなす者)」と呼んでいる。

主要なメディアは、「フェイク・ニュース」を流してトランプ大統領を潰そうと画策していると主張する。これはトランプ大統領もメディアと共通する。QAnonにとって彼らは排除されるべき存在である。

彼らは「ディープ・ステート」の支配に対する反革命を指導する存在がいると考える。その人物は「Q」と呼ばれ、政府の最高機密情報にアクセスできる高官で、トランプ大統領のために働いている人物と考えられている。Qは、トランプ大統領のメッセージを暗号として発信する人物である。

また「Anon」は「anonymous(匿名)」を意味する。QAnonはこの2つの言葉をあわせたものである。したがってQAnonはQの追随者を意味している。

Qが発する暗号(code)をオンライン・ゲームのようにチャット上で仲間と謎解きをする。ちなみにQはアルファベットの17番目の字である。トランプ大統領が頻繁にこの17という数字を使うことから、17は特別な意味があると考えられ、Qが使われるようになったと言われている。

QAnonはトランプ大統領を全能の存在として尊敬している。この世界に善を取り戻すために神によって選ばれた人物と見られている。これは、エバンジェリカルのトランプ論と極めて類似している。

またQAnonは、大衆を覚醒させる必要があると主張する。したがって現在は「大覚醒(Great Awakening)」の時代であるという。この「大覚醒」というのは、アメリカで過去にあった宗教復活の運動のことであり、QAnonは同じ意味合いを含めて、この言葉を使っていると思われる。

大覚醒を通して、嘘を暴き、国民に福音の真実を伝えるのがQAnonの目的のひとつである。それによって、人々が国際的なパワー・エリートに対して立ち上がると期待している。

トランプ大統領は、その指導者と位置付けられている。また、QAnonは、世界は悪と善の闘いの場であるとみる。これは『聖書』の黙示録の世界である。トランプ大統領「Make America Great Again」は、単に経済的な偉大さだけを意味する訳ではない。キリスト教的な倫理観をアメリカ社会に復活させ、アメリカを偉大な国にするという意味合いも含まれている。

QAnonが敵とするのは、まずロスチャイルド家である。同家は、世界の金融市場を支配していると考えられている。「ロスチャイルド家陰謀論」は数百年前から存在するが、QAnonにとって「ディープ・ステート」の意を受けて行動する存在として理解されている。

次の標的はジョージ・ソロスである。ソロスが設立してOpen Society Foundationは、欧州政府の不安定化をもたらしたと批判する。さらにサウジアラビアのサイードも槍玉に挙がっている。

QAnonは、着実に共和党内に浸透し始めている。共和党連邦議会選挙の予備選挙にQAnonの陰謀論の共鳴する候補者が多く立候補し、党の上院議員候補と下院議員候補の指名を勝ち取っている。そうした候補が当選する可能性は低いが、そうした現象を無視するわけにはいかない。

さらにQAnonに特徴的なのは宗教的な言辞である。QAnonは「インターネット宗教」と呼ばれることがある。ネット上で知り合った仲間を癒し合う場でもある。そこで行われることは宗教的儀式にも似ている。

そうした宗教的な傾向は、『聖書』を神の言葉と信じ、『聖書』に従って生きることが大切だと考えるエバンジェルカルの宗教観とどこか似ている感じがする。QAnon運動を担っているのはエバンジェリカルの若者であるというのが、筆者の印象である。

反革命を唱えるQAnonは次第に暴力的になる可能性がある。既にFBIは、QAnonを民主主義の脅威であると指摘し、暴力事件で逮捕された事件も出てきている。宗教的信念が背後にあれば、さらに過激化する可能性も出てくる。

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来月のアメリカ大統領選挙まで2週間余りとなるなか、トランプ大統領と政権奪還を目指す民主党のバイデン氏は、18日、日曜日もそれぞれ選挙のカギを握る各州をまわって有権者に支持を訴えました。

トランプ大統領は18日午前、西部ネバダ州の教会で行われた催しに参加しました。

ネバダ州は前回は民主党が勝利していますが、トランプ陣営が巻き返しに向け運動に力を入れている州の1つです。

その後、トランプ大統領カリフォルニア州に移動し、支持者らが集まる非公開の催しなどに参加したあと、18日夕方には再びネバダ州に入り、大規模な集会を開いています。

一方、民主党のバイデン氏は激戦州の南部ノースカロライナ州で演説を行い「私は民主党の候補として立候補しているが、共和党でも民主党でもなくアメリカの大統領としてすべての人のために働くと約束する」と述べ、支持を訴えました。

そのうえでバイデン氏は、「期日前投票は始まっている。待つ必要はない。きょう投票に行こう」と述べ、速やかに投票を行うよう呼びかけました。

来月の大統領選挙まで2週間余りとなるなか、全米の世論調査の支持率では依然としてバイデン氏がリードしていますが、トランプ大統領も週末だけで4つの州を回るなど巻き返しに向けて運動を加速させていて、選挙戦は終盤に入りさらに激しさを増しています。

#米大統領

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