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イエレン米財務長官はバイデン政権が2021年に講じた包括的支出プログラムについて、力強い経済回復の原動力となったと擁護。40年ぶりの高インフレにつながったとの批判に反論した。

  イエレン長官は昨年、1兆9000億ドル(現行レートで約249兆2000億円)の米国救済計画(ARP)成立に大きく貢献した。先のトランプ前政権では合計3兆ドル近い規模の大型プログラムが2件導入されていた。ARPは家計や企業、地方政府に資金を注入し、新型コロナウイルス感染拡大による危機的影響を乗り切るのを助けたが、同時にワクチン接種も拡大していた。

  イエレン長官は28日、ワシントンで講演。テキストによれば、「これらの対応は力強い回復を引き起こす上で重要な役割を担った」と述べ、パンデミック(世界的な大流行)による人的被害を減らすことに貢献したと指摘。「2021年全体の強い経済成長を導く上で中心的役割を担い」、同年の成長は他の先進国を上回ったほか、リセッション(景気後退)後に続く典型的なペースより急速な労働市場の回復をもたらしたと説明した。

  イエレン氏は労働市場にみられる回復ペースを、世界的な金融危機後と比較。米失業率は2009年に10%に達した後、4%を割り込むまでに8年以上を要したが、20年4月に15%に接近した後はわずか20カ月で4%を下回るようになった。

  イエレン長官の講演テキストは、多くの消費者にとって経済回復の足を引っ張っているインフレに言及していない。民主党の苦戦が予想されている11月の中間選挙を控え、物価の急上昇はバイデン政権にとって最大の脅威となっている。

米GDP、1-3月は予想外のマイナス-貿易赤字拡大など響く (2)

原題:Yellen Defends Biden’s Stimulus in Face of Inflation Criticism(抜粋)

イエレン米財務長官は28日、米国の失業保険制度を見直し、リセッション(景気後退)時に職や収入を失った労働者への支援を迅速化する効果的な自動安定化機能を導入するよう呼びかけた。

ワシントンのブルッキングス研究所での講演で、新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)によって引き起こされた2020年のリセッションなどは、収入を失った労働者に取って現金での支援を迅速に受け取ることが重要であることを示していると指摘。ただ、現金の支援がいつ、どのように提供されるべきか、また現行の社会的セーフティ・ネットとどのように折り合いをつけるべきかを示すためには一段の研究が必要と述べた。

イエレン氏は「ここ数十年間のあらゆるリセッションは柔軟かつ自動的な対応の必要性を強調している。首尾よく設計された自動安定化機能は最良の救済策だ」とし、このような仕組みは所得支援だけでなく、住宅や医療などを含むように拡大する必要があると語った。

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