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アフガニスタンでは、おととし8月、イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握し、駐留していたアメリカ軍が完全撤退しました。

タリバンによる統治が行われる中、国家予算の半分以上を占めていた国外からの援助は滞り、経済が悪化し、仕事を失う人が相次いでいます。また、ロシアのウクライナへの侵攻などを背景に、物価も上昇し、市民の生活も厳しさを増しています。

イランへの「密出国」試みる男性は

国連によりますと、国民の3分の2に上るおよそ2830万人が食料が不足するなどして、緊急の人道支援を必要としているとみられています。

こうした中、現地では、国外に逃れて暮らすことを希望する人たちが相次いでいます。

ことし2月、トルコやシリアで5万人以上が死亡する地震が発生した際には「トルコへの救援機がある」といううわさが流れ、首都カブールの空港に乗り込もうとする人が殺到しました。

さらに今、パスポートの取得など正規の手続きをとらずに国を離れる「密出国」を試みる人も、少なくありません。

このうちカブールに住む30代の男性は、タリバン復権後、仕事を失い、生計をたてるため、隣国のイランにひそかに出国しようとしています。

男性は、親族などを頼り定職につこうとしてきましたが見つからず、海外に暮らす親戚から送金してもらったり、日雇いの仕事をしたりして、暮らしてきました。

一緒に暮らす妻と5人の娘たちは、食事を減らすなど生活費を切り詰めていますが、インフレも進む中、生活は日々追い詰められています。

男性は、パスポートを取得するには時間がかかり、密出国をしたほうが、早く安く国外に出られると考えていて、「タリバン復権してから仕事も食べるものもなくなり、生活は一変した。家族と離れるのはつらいが、他に選択肢はない。私が行かなければ、家族は貧困で死んでしまうかもしれない」と話していました。

手引き業者が語る「密出国」 国境地帯は

アフガニスタンから相次ぐ密出国。
その実態について密出国を手引きする業者がNHKの取材に応じました。

業者の男性は、おととし8月のタリバン復権直後からおよそ3000人を密出国させたと証言します。
その多くが、働き口が多いとして、まずは、隣国のイランを目指すといいます。

1人1万6000アフガニ、日本円で2万5000円ほどを業者に支払う契約をしたうえで、アフガニスタン西部から出国するということです。

無事に出国できたら、業者に金を支払い、そこからさらにトルコやヨーロッパを目指す人もいるということです。
密出国の際、治安部隊からの銃撃を受けたり、密航船が沈没したりして犠牲者が後を絶ちませんが、出国を希望する人は過去1年半で、10倍に増えているといいます。
業者の男性は「経済的な理由や、タリバンの圧政を逃れるために人々は国を離れている。海で溺れて亡くなる人もいるがアフガニスタンにとどまるよりは、海で溺れるほうを選ぶ」と話していました。

多くの人が密出国するというアフガニスタン西部ニムルーズ州では、イランとの国境近くの茂みで、イラン側に、ひそかに渡ろうとする人たちの姿がありました。

国境警備隊に見つかると強制送還されるおそれがあるため、警備が手薄な夜間に出国を試みる人が少なくないといいます。

出国を考えているという男性は「イランを通ってヨーロッパに行きたい。道中で死ぬかもしれないのは、分かっているが、行くしかない」と話していました。
トルコ経由でイタリアへ半数以上がアフガニスタン人 前年3倍以上
IOM=国際移住機関によりますと、去年、トルコを経由してイタリアに入国した人はおよそ1万3000人に上るということです。

そのうちの半数以上にあたる、およそ7000人がアフガニスタン人で、これは前の年のおよそ1900人に比べ、3倍以上となっています。

増加の理由についてIOMは、2021年8月にアフガニスタンタリバンが権力を掌握したことに加え、トルコ政府が国内のアフガニスタン人に対し締めつけを強めたため、ヨーロッパに流入した可能性が高いとみています。

地中海では、北アフリカリビアなどからシチリア島に到着する移民が多い一方、トルコからの航海は距離も長くて危険なうえ、イタリア当局の船も少なく、救助されづらかったのではないかとみています。

IOMのイタリア事務所のディジャコモ広報官は、「ヨーロッパの各国は海上での救助にもっと力を入れるとともに、難民と移民の両方に対し、正規に入国できる方法を確保しなくてはならない」と指摘していました。

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