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国務省のマシュー・ミラー報道官は20日、イランのライシ大統領が死亡したヘリコプター墜落事故を巡りイランからの支援要請があったことを明らかにした。ただ、主に輸送面の理由から受け入れることができなかったと述べた。

米国とイスラエルを主な敵対国とみなすイランから異例の要請があったことが分かった。

同報道官は「イラン政府から支援を要請された。こうした状況で外国政府からの要請があれば必ず応じるようにしているため、支援を申し出るつもりだとイラン政府に明確に伝えた」とした。ただ最終的には、主に輸送上の理由から支援を提供することはできなかったという。詳細には触れなかった。

イランのライシ大統領とアブドラヒアン外相が搭乗していたヘリコプターが19日、アゼルバイジャンとの国境近くの山岳地帯に墜落し、搭乗者全員が死亡した。吹雪の中、夜を徹して捜索した結果、20日未明に炎上して燃え尽きた残骸が発見された。

米国のオースティン国防長官は20日、イランのライシ大統領が死亡したヘリコプター墜落事故の原因について何の知見も持っていないと述べた。

オースティン長官は記者団に対し「原因について推測することはできない」とし、米国は関与していないと述べた。

また、イランのライシ大統領とアブドラヒアン外相が死亡したことで、地域の安全保障に必ずしも広範な影響が及ぶとは考えていないと語った。

国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、ライシ大統領は地域的な過激派グループを支援していたと指摘。米国はこの地域での不安定化に向けた行為について、イランの責任を問い続けると語った。

中東イランのライシ大統領がヘリコプターの墜落事故で死亡したことが確認され、ロシアのプーチン大統領など各国首脳らが弔意を示した。

ロシア大統領府の発表によれば、プーチン氏はライシ師について「傑出した政治家」であり、ライシ師の死は「取り返しのつかない損失」だと述べた。プーチン氏はまた、ライシ師について、「ロシアの真の友人として両国の関係の発展に計り知れない貢献を果たした」などとたたえた。

ロシアがウクライナに侵攻して以降、ロシアとイランの関係はますます緊密になっている。イランはロシアに対してドローン(無人機)「シャヘド」を提供しており、ウクライナに対する攻撃に使用されている。

レバノンのミカティ首相は、ライシ師らの死亡を受けて、3日間の服喪を発表した。
レバノンに拠点を置くシーア派組織ヒズボラは中東で最も強力な武装組織のひとつであり、イランにとって最も強力な非国家のパートナー。

インドのモディ首相はX(旧ツイッター)への投稿で、ライシ師の死をめぐり「深い悲しみと驚き」を表明。ライシ師がインドとイランの関係強化に貢献したと振り返った。

イラクのスダニ首相はXへの投稿で、イランの最高指導者ハメネイ師とイラン政府に対して「心からの哀悼とお見舞い」を表明した。

パキスタンのシャリフ首相は、1日間の服喪を行うとし、ライシ師らの死亡した人々への敬意と連帯を示すため半旗を掲げると明らかにした。

北朝鮮金正恩朝鮮労働党総書記が、イランのライシ大統領がヘリコプター墜落事故で死去したことを受けて哀悼のメッセージを送った。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が21日に報じた。

金氏はライシ氏の死がイランにとって「大きな損失」で、遺族ができるだけ早く立ち直るよう願うと述べた。

また、ライシ氏について「優れた政治家かつ親友」で「イラン国民の主権、発展、国益イスラム革命の収穫を守るという大義に多大な貢献」をしたと称えた。

北朝鮮とイランは緊密な関係にあり、弾道ミサイルプログラムの協力などが疑われている。

中東イランの超保守派のライシ大統領(63)がヘリコプターの墜落事故によって死亡した。ライシ師はかつて最高指導者ハメネイ師(85)の後継者と目されていたが、ライシ師の死去により、イランの強硬派の体制は不透明な未来に直面することになった。

イラン北西部の山間部にヘリコプターが墜落し、ライシ師やアブドラヒアン外相、政府高官が死亡した。今回の墜落事故は、イランが国内外から前例のない困難に見舞われているなかで発生した。

イラン経済は米国による制裁によって停滞しているほか、若年層は政府に対する反発を強めている。イランは中東やその他の地域で、好戦的な姿勢を強める敵対国にも直面している。

ライシ師の後任には、ハメネイ師の承認を受けて、モフベル第1副大統領が暫定大統領として就任した。

シンクタンク王立国際問題研究所(チャタムハウス)で中東・北アフリカ・プログラムのディレクターを務めるサナム・バキル氏によれば、モフベル暫定大統領はライシ師ほどの知名度はないものの、「もう一人の管理者」であり、精鋭部隊の革命防衛隊(IRGC)や権力の中枢にも近いという。バキル氏は、モフベル暫定大統領が数日中に「普段の日常」のモデルを提示する可能性が高いとの見通しを示した。

憲法の規定では50日以内に大統領選を実施する必要がある。専門家によれば、大統領選は急ごしらえで行われ、投票率も低くなるとみられる。イランで3月に実施された選挙では、政府が投票を呼び掛けたにもかかわらず、投票率が1979年の建国以来、過去最低の水準だった。

3月の選挙には、ロハニ前大統領などの穏健派の出馬が禁じられ、最高指導者の死後も保守的な支配を継続する小集団のまとまりがより強固なものとなった。

ライシ師が死亡しても、特に外交政策などはハメネイ師が最高指導者の立場を離れるまでは、ほとんど変化がないとみられている。

中東に大きな不安定要素をもたらしてきた国は、その行動がさらに読みにくくなった。

イスラエルに対する最近のミサイル攻撃で示されたように、イランは世界中の投資家が中東に多額の資金を振り向けるのをためらう主な理由の1つになってきた。ライシ大統領が19日にヘリコプター墜落事故で死亡したことで、同国を巡る不確実性は一層高まる。

イランで大統領はあくまでナンバー2の立場に過ぎない。4年ごとに選出され、ハッサン・ロウハニ氏のような改革志向の穏健派と、ライシ氏のような保守強硬派のどちらの人物も就任している。ただ外交問題に影響力を持ち、輸入政策で大半の意思決定を下すのは、1989年からその地位を保っている最高指導者ハメネイ師だ。

それでもライシ氏にも、通貨暴落や物価上昇率を40%まで高めてしまった責任はある。誰が後任になっても、引き続き米国による石油輸出禁止の制裁は続く。また米国が制裁対象としている革命防衛隊にほとんどの活動を統制され、機能不全に陥った国内経済を引き継がなければならない。

こうした状況から、イランが生産する日量160万バレルの原油の大半を購入している中国という特筆すべき例外を除けば、外国人投資家のイランに対する関心は非常に限定されている。しかしながら、85歳になったハメネイ師の最有力後継者候補とみなされていたライシ氏が死亡したことは大きな意味がある。

最高指導者は88人のメンバーで構成する「専門家会議」で選出され、3月にはメンバー自体の選挙が行われたばかり。投票率は過去最低の41%にとどまり、ロウハニ氏などの穏健派は立候補を禁じられたことで、専門家会議は保守強硬化がさらに進んだ。その結果、次期最高指導者にもハメネイ師の息子のモジタバ師か、あるいは革命防衛隊に極めて近い別の人物が選ばれる可能性がある。いずれも多くのイラン国民には不人気だろう。

最大の不確実要素は、イランの最高指導者が30数年ぶりに替わったとき、イスラエルとの紛争の可能性を含めて重要な地政学的問題にどう対処するかという点だ。

ハメネイ師は強硬な言い回しをしていても、長期にわたる在任によって、この地域で「一体何が起きるのか分からない」という投資家の不安を和らげる役割を果たしてきたのは間違いない。

さらにライシ氏の死で、性格や態度が知られていた唯一の次期最高指導者候補が姿を消したことになる。

ホワイトハウスは20日、サウジアラビアとの2国間防衛協定で最終合意が近いと明らかにした。サリバン米大統領補佐官が先週末にサウジのムハンマド皇太子らと会談し、協議が大きく進展したという。

国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、2国間協定での合意に「これまで以上に近づいている」とし「最終に近い」と述べた。

協定はサウジが中国製兵器の購入を停止し、中国からの投資受け入れを制限する見返りに、米国がサウジ防衛を正式に保証するとともに、サウジがより先進的な米国製兵器にアクセスできるようにする内容になる見通し。

米当局者によると、合意の一環として米国からサウジに対するF35戦闘機などの武器売却も協議している。

2国間協定が成立すれば、イスラエルのネタニヤフ首相に提示する、より広範な枠組みの一部となる。ネタニヤフ氏はサウジとの関係正常化を実現するために譲歩するか決めることになる。

カービー氏は、米国とサウジの合意の時期は不明だと述べた。その上で、バイデン大統領の最終目的はパレスチナ国家樹立だが、イスラエルイスラム組織ハマスと戦闘を続ける中、早期にパレスチナ国家を巡り合意する可能性は低いとの見方を示した。

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会談はサウジの都市ダーランで実施された。「おおむね確定しつつある両国間の戦略的合意案の準最終版」を巡り検討が行われたという。

両国は、米国による安全保障と民生用原子力に関する支援について協議している。イスラエルイスラム組織ハマスの戦闘勃発を受けて頓挫したサウジとイスラエルの関係正常化計画を再び軌道に乗せることを目指す、より広範囲な枠組みの一環。

会談では、イスラエルパレスチナ問題について「2国家解決を実現するための信頼できる道筋」を見つけるとともに、ガザでの戦闘停止や、人道援助を促進する必要性についても話し合われた。

#米沙(二国間協定)

バイデン米大統領は20日、イスラエルパレスチナ自治区ガザで進めるイスラム組織ハマスに対する軍事作戦について、ジェノサイド(大量虐殺)ではないと言明し、親パレスチナ活動家からの批判を一蹴した。

ホワイトハウスで開催されたユダヤ系米国人のイベントで、イスラエルは昨年10月7日のハマスによる奇襲の犠牲になったと強調。イスラエル人の安全を米国は「断固として」支援するとした。

「(ハマスガザ地区指導者ヤヒヤ・)シンワルやその他のハマスの虐殺者たちを排除するためにわれわれはイスラエルと共にある。ハマスの敗北をわれわれは望んでおり、その実現のためにイスラエルと連携している」と強調した。

バイデン政権のイスラエル支援を巡っては、親パレスチナ活動家が大統領が出席する国内イベントで抗議活動を行ったり、大統領の名前をもじり「ジェノサイド・ジョー」と呼ぶなど、風当たりが強い。

バイデン氏はまた、ハマスに拘束されている人質の解放を何としても実現すると語った。

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「あなたたちの多くが怒りやいら立ちを感じているのは承知している」とした上で、「人道危機だ」と述べ、即時停戦を求めていると強調した。

アメリカ・ホワイトハウスは、バイデン政権の高官がイスラエルのガラント国防相らと会談し、ガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦の代替案について説明を受けたと明らかにしました。アメリカ側の働きかけによって軍事作戦の大規模化を回避できるかが焦点です。

アメリカ・ホワイトハウス20日、安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官が訪問先のイスラエルでガラント国防相や軍トップのハレビ参謀総長と会談したと発表しました。

サリバン補佐官は会談で、多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部ラファへの大規模な地上作戦の実施に改めて懸念を伝えたということです。

そして、ホワイトハウス「ガラント国防相らがアメリカ側の懸念に応えるため、代わりとなる新たなアプローチを説明した」として、サリバン補佐官がイスラエル側から大規模な地上作戦の代替案について説明を受けたと明らかにしました。

代替案の詳しい内容は明らかになっていませんが、両者は協議を続けることで合意したとしています。

一方、ガラント国防相SNSハマスを壊滅させ人質を取り戻すため、ラファでの地上作戦を拡大することがイスラエルの義務だと強調した」と投稿し、ラファでの作戦を拡大させる構えを重ねて示しました。

ラファをめぐって、イスラエル軍が追加の部隊を派遣して攻撃を強化する姿勢を見せる中、アメリカ側の働きかけによって軍事作戦の大規模化を回避できるかが焦点です。

トランプ米政権時代に国家安全保障を担当する大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン氏ら3人が20日、イスラエルでネタニヤフ首相と会談したことが分かった。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

オブライエン氏のほか、ジョン・ラコルタ元駐アラブ首長国連邦(UAE)大使、エド・マクマレン元駐スイス大使も参加。いずれもトランプ氏の側近に当たる。

一行はイスラエルの野党指導者ヤイル・ラピド氏らとの会談も予定。イスラエルの複雑な国内政治状況を理解することが訪問目的の一つだという。

トランプ前米大統領の側近が外国政府高官に会うために組織されたグループとして外国を訪問するのは珍しい。イスラエル側と何を話し合ったのかは不明だ。

関係筋は、一行はトランプ氏の要請で行動しているわけではなく、イスラエル側に伝えるべきメッセージもないと説明。ただ、非公式アドバイザーの役割を担っており、同氏に報告書を提出する見通しだと付け加えた。

米中央軍(CENTCOM)は21日、米国が設置した浮桟橋からパレスチナ自治区ガザにこれまで569トン以上の人道支援物資が搬入されたと明らかにした。ただ、全ての支援物資が届けられているわけではないという。

支援物資は17日に米国設置の桟橋に到着。国連によると、請負業者によって埠頭から輸送されたトラック10台分の食糧がガザにある国連世界食糧計画WFP)の倉庫に届いた。

ただ、18日に届いたのはトラック5台分だけだった。国連関係者によると、支援物資のアクセスが困難だった地域を通る途中でパレスチナ人によりトラック11台分の荷物が運び出されたという。

さらに19日と20日は浮桟橋からの支援物資はなかった。

国連当局者は20日、ラファ検問所が閉鎖されたままで浮桟橋から支援物資が2日にわたって搬入されていないため、食糧や医薬品がエジプト側で山積みになっていると述べた。

人道状況が悪化の一途をたどるガザ地区への支援として、日本政府がUNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関を通じて、毛布や給水用の容器などを供与することになり、引き渡しの式典が20日、エジプトで行われました。

首都カイロで行われた式典には在エジプト日本大使館の岡浩大使やUNRWAのサハル・ジョブリカイロ事務所長らが出席し、支援物資の目録が手渡されました。

日本政府はUNRWAの要請を受け、毛布5000枚や給水用の容器1万個などを供与することにしていてUNRWAを通じてできる限り速やかにガザ地区に届けたいとしています。

UNRWAをめぐっては一部の職員が去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとの疑惑を受け、日本政府も一時、資金拠出を停止していましたが、先月ガバナンスの改善策が進められているとして再開を表明していました。

岡大使は「ガザの人々の人道状況を改善するため、多くの国が支援を再開していると認識している。日本の支援が正しく正確に必要とする人に届くことが大切だ」と話していました。

また、UNRWAのサハル・ジョブリ所長は「UNRWAパレスチナ人のための唯一の機関であり象徴だ。UNRWAを存続させることは国際社会の連帯責任であり、二度と見捨ててはならない」と訴えていました。

#外交・安全保障

国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官がパレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡りイスラエルのネタニヤフ首相やイスラム組織ハマスの指導者らの逮捕状を請求したことについて、フランス外務省は20日遅く、ICCと「刑事免責に対する戦い」を支持すると表明した。

同省は「フランスはICC、その独立性、そしてあらゆる状況下での刑事免責に対する戦いを支持する」との声明を発表した。

バイデン米大統領イスラエル当局者に対する逮捕状請求は「言語道断」と非難したが、フランス外務省は異なるスタンスを示した。

同省は昨年10月7日のハマスによる「反ユダヤ主義的虐殺」を改めて非難する一方、イスラエルのガザ侵攻について国際人道法違反の可能性を再度警告。

イスラエルについては、検察官が提出した証拠を検討した上でICCの予審裁判部が逮捕状を発行するか決定することになる」と述べた。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・226目②)

イランでヘリコプターが墜落し、ライシ大統領など搭乗していた全員が死亡した事故で、現場近くの町では21日、葬儀が行われ、集まった大勢の国民が祈りをささげました。一方、新しい大統領を選ぶ選挙は来月28日に行われることが決まり、混迷が深まる中東情勢にも影響するだけに選挙戦の行方が注目されます。

イラン北西部の東アゼルバイジャン州で19日、ヘリコプターが墜落し、ライシ大統領やアブドラヒアン外相など搭乗していた8人全員が死亡しました。

事故を受けて、東アゼルバイジャン州の主要都市タブリーズでは21日、犠牲者の葬儀が行われました。

中心部の広場などを埋め尽くした人たちは、ライシ大統領をはじめ亡くなった人たちの写真を掲げて通りを歩くとともに、遺体をおさめたひつぎを囲んで追悼し、祈りをささげました。

イランではこのあとも23日まで3日間かけて、首都テヘランやライシ大統領の出身地である北東部のマシュハドなど、国内各地で葬儀が行われる予定です。

一方、新しい大統領を選ぶ選挙は来月28日に行われることが決まり、今月30日には立候補の届け出が始まる予定で今後、政治的な駆け引きが活発化する見込みです。

今のところ立候補に向けた各勢力の具体的な動きは明らかになっていませんが、イランの外交政策は混迷が深まる中東情勢にも影響するだけに選挙戦の行方が注目されます。

イラン大統領選 事前審査の仕組み
イランの大統領選挙では、立候補者が政治を担うのに適切かどうかを事前に審査する仕組みがあります。

審査を行う「護憲評議会」と呼ばれる組織はイスラム法学者などで構成され、その人選は最高指導者のハメネイ師らが決めるため、その意向が大きく反映されます。

前回2021年の大統領選挙では、欧米との対話を重視する「穏健派」や「改革派」と呼ばれる勢力の有力候補が、この事前審査で相次いで失格となり、保守強硬派のライシ政権が誕生することになりました。

このため、次の大統領がどのような人物になるかは、ハメネイ師の意向も鍵となります。

ライシ大統領 “女性の権利などを抑圧”批判も
保守強硬派として知られるライシ大統領は任期中、女性が公共の場で義務づけられている「ヘジャブ」と呼ばれるスカーフの着用を徹底させようとするなど、イスラム教の価値観を重視する政策を強く打ち出しました。

こうした姿勢に対しては、女性の権利などを抑圧していると批判する声も国内外から出ていました。

おととし9月、このヘジャブのかぶり方が不適切だとして逮捕された女性が死亡し、大規模なデモがイラン各地に広がると、ライシ大統領は「デモと暴動は違う。社会の治安を乱すことは許されない」として、強い態度で取締り、デモを封じ込めようとしました。

デモ隊と治安当局の衝突も起き、ノルウェーに拠点を置く人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は、デモの参加者550人以上が死亡したと指摘していて、国際社会からも厳しい非難の声が上がりました。

使用ヘリは1960年代に開発 経済制裁の影響で購入難しく
イランのライシ大統領などが搭乗していたヘリコプターが墜落し全員が死亡した事故で、複数の欧米メディアによりますと、使用されていたヘリコプターは1960年代に開発されたアメリカの当時のベルヘリコプターのモデルだということです。

アメリカのメディアブルームバーグはこのモデルのヘリコプターは1998年に製造を終えていると伝えています。

イランでは1979年のイスラム革命で、親米の王政が打倒されて反米を掲げる現在の体制が樹立され、経済制裁の影響で欧米諸国から新しい機体や部品を購入することが難しくなりました。

ブルームバーグ「イランは最も古く、簡易的なヘリコプターをいまだに使用していて、新しい部品の入手が限られるなかで、飛行を続けるために技術者のスキルに頼っていた」とも指摘しています。

今回の事故を受けてイランのザリーフ元外相は20日、国営テレビの取材に対して「昨日の大惨事の犯人の1人はイランに対して航空機や部品の販売を禁じたアメリカだ」と述べ、アメリカによる制裁を非難しました。

一方、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官20日、「アメリカの制裁に責任があるという主張については全く根拠がない」と反論しました。

上川外相「深甚なるお悔やみ」「大統領選の状況注視」
上川外務大臣は記者会見で「イラン政府およびイラン国民の皆様、ご遺族に対し、深甚なるお悔やみを申し上げる。わが国は中東地域の平和と安定を重視していて、今後もイランを含む中東各国と築いてきた良好な関係を生かし関係国とも連携しつつ、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、積極的な外交努力を展開していく」と述べました。

また来月28日に行われる大統領選挙については「選挙をめぐる動きを含め引き続き状況を注視していく」と述べました。

#パレスチナガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・227目①)

シリア大統領府は21日、アサド大統領の妻アスマ夫人(48)が白血病と診断されたと発表した。

隔離を必要とする特別な治療を受けることになり、公的な活動は停止する。

アスマ夫人は英国出身で投資銀行に勤務した経歴を持つ。2019年8月に乳がんから完全に回復したと明らかにしていた。