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ゼレンスキー大統領は16日午前、日本時間の16日午後10時すぎから、アメリ連邦議会の上下両院の議員を前にオンラインで演説しました。

この中でゼレンスキー大統領は、ウクライナ国内の状況について「ロシアはすでに1000発近いミサイルを発射した。数え切れない砲撃も行っている」と述べました。

そして「ロシアはわれわれの国や人々だけでなく自由に生きる権利を攻撃している」と述べ、攻撃は世界に対するものだと位置づけ、ロシア軍機による攻撃から国土を防衛するためウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めました。

また、それが難しい場合は、防空システムや戦闘機を供与してほしいと訴えました。

そして、ロシアが軍事攻撃をやめるまでさらなる制裁を科すよう強く訴えました。

そのうえで、ゼレンスキー大統領は「過去の戦争の教訓から、先人たちは戦争から私たちを守るための機構をつくったが、残念ながら機能していない。新たな機構や同盟をつくることが必要だ」と述べて、国連など既存の枠組みが機能していないと指摘して、新しい枠組みの創設を訴えました。

ゼレンスキー大統領はこれまでもウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めていましたが、バイデン政権やNATO北大西洋条約機構は、飛行禁止区域の設定はロシアとの直接の軍事衝突につながるとして、否定的な考えを示しています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、米議会に対しオンライン演説し、死と破壊をもたらし避難民の流出につながっているロシアの侵攻と空爆に対抗するため、一段の軍事支援や武器供給を要請した。

ゼレンスキー大統領は「ロシアはウクライナの空を死の源に変えた」とし、「われわれはウクライナの上空を守る必要がある」と強調。その上で、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定し、戦闘機や防空システムを供給するよう改めて求めた。

「人々を救うためにウクライナ上空に飛行禁止区域を作ること、これが果たして無理な要求だろうか?やりすぎだろうか?」と問いただし、「私はあきらめてはいない」と強調した。

北大西洋条約機構NATO)と同様、バイデン氏や米議会の多くの議員らは、核武装したロシアとの紛争をエスカレートさせるという懸念から飛行禁止区域の設定に反対。また、ロシア製戦闘機「ミグ29」をウクライナに移送する案についても、議会で一定の支持は得られているものの、政府は難色を示している。

ゼレンスキー氏は米国の歴史を引き合いに出し、1941年の日本軍による真珠湾攻撃や2001年の武装組織アルカイダによる米国への攻撃に言及。また、公民権運動の指導者キング牧師が1963年にワシントンで行った演説「私には夢がある」を想起するよう議員らに求めた。

「私には夢がある。この言葉は今日、皆さん一人ひとりが知っている。私はこう言いたい。私には必要なものがある。私には空を守る必要がある」と語った。

また、ウクライナ侵攻を支援する全てのロシア政府当局者を標的とした制裁の発動など、さらなる行動を取るよう米議会に促したほか、米企業に対してはロシアから撤退するよう要請した。

ゼレンスキー氏は、ウクライナが米国の圧倒的な支援と、バイデン氏の「個人的な関与、ウクライナと世界中の民主主義の防衛への誠実なコミットメント」に感謝しているとし、「我が国にとって、そして欧州全体にとって最も暗い時期であるからこそ、私はあなた方にもっと多くのことをしてほしいのだ」と訴えた。

最後にバイデン大統領に対し、英語で「私はあなたが世界のリーダーになることを望む。世界のリーダーであることは平和のリーダーでもある」と呼び掛け、演説を締めくくった。

ペロシ下院議長は「ウクライナに栄光あれ」という言葉をウクライナ語で述べ、ゼレンスキー氏を紹介。ゼレンスキー氏は演説の前後にスタンディングオベーションを受けた。演説の最後にはビデオ映像越しに手を振り、胸に手を当てて感謝の意を表した。

バイデン大統領は15日、136億ドル規模のウクライナ緊急支援を含む歳出法案に署名。ホワイトハウス当局者によると、16日にはウクライナに対する8億ドルの追加安全保障支援を発表する見通し。

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、米連邦議会でオンライン形式で演説し、ロシアの侵攻阻止に向けた一段の支援を米国に要請した。真珠湾攻撃や2001年9月11日の同時多発テロを引き合いに出し、バイデン大統領に「世界の指導者」となるよう求めた。

  演説はウクライナ語で行ったが、終盤には英語で「私はあなたが世界の指導者になることを望んでいる」と発言。「世界の指導者であるということは、平和の指導者であることを意味すると」語った。

  「ロシアはウクライナの空を多く人々を死に追いやる場所に変えてしまった」とゼレンスキー氏は指摘。「われわれはこのテロ行為への答えを求めている」と話した。上下両院の議員らはゼレンスキー氏がスクリーンに現れると、総立ちして拍手喝采を送った。

  米国は歴史を思い出すべきだ、ともゼレンスキー氏は発言。「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日の朝、米国の空はあなた方を攻撃した戦闘機で黒くなった」とし、「それを思い出すべきだ。9月11日を思い出すべきだ」と続けた。

  ゼレンスキー氏は北大西洋条約機構NATO)あるいは米国が支援する形でウクライナ上空に飛行禁止区域を設定することを求めているが、これに対しては多くの米議員がこれまで一貫して消極的な姿勢を示している。

原題:Zelenskiy Pleads for Aid, Tells U.S. ‘Remember Pearl Harbor’ (1)(抜粋)

ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、アメリ連邦議会の上下両院の議員を前にオンラインで演説しました。

このなかでゼレンスキー大統領は、真珠湾攻撃同時多発テロ事件に言及しながら「何の前触れもなく空から攻撃を受けたとき、人々はどうすることもできない。それと同じことがわれわれにも3週間前から毎日、そして今この瞬間にも起きている」と訴えました。

そのうえでロシアによるミサイル攻撃や砲撃が激しさを増しているとして、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定の必要性を強調するとともに、それが難しければ代わりに高性能の地対空ミサイルや戦闘機を供与してほしいと訴えました。

そして、アメリカで人種差別の撤廃を訴えたキング牧師の歴史的な演説の「私には夢がある」という一節に触れたうえで、「私には必要とする支援がある。空を守らなければならない。あなたたちの決定と支援が必要だ」と訴えかけました。

またゼレンスキー大統領は、ロシアが軍事攻撃をやめるまで毎週、ロシアに制裁を科すよう求めるとともに、戦争を防ぐための既存の国際的な枠組みが機能していないと指摘して、新たな機構や同盟の枠組みを作る必要があると主張しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの停戦交渉について、なお続いているものの「かなり難航している」との認識を示した。NBCニュースが収録済みのインタビューを放映した。

  同大統領は空域ではロシアが優位にあるとし、あらためて米国を含むパートナー国に軍用機の追加提供を呼び掛けた。またロシアは侵攻により、越えてはならない一線を全て越えたと非難した。

原題:

Russia-Ukraine Negotiations Ongoing, Fairly Difficult: Zelenskiy(抜粋)(抜粋)

バイデン米大統領は16日、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は「戦争犯罪者」だと述べた。

バイデン氏はホワイトハウスで開かれたイベント後に記者団に対し「プーチン大統領戦争犯罪者だ」と述べた。

ロシアのタス通信によると、ペスコフ大統領報道官はバイデン大統領の発言を「容認できず、許されないレトリックだ」と批判した。

バイデン大統領は16日、ウクライナへの、合わせて8億ドル、日本円にしておよそ950億円の追加の軍事支援を決定する大統領令に署名しました。

その場でバイデン大統領は「今、問われているのはアメリカと世界が支持する原理である自由であり、それはプーチンを絶対に勝たせないということでもある」と述べました。

そのうえで「市民を攻撃する航空機やヘリコプターを防ぎ、ウクライナ上空を防衛するためだ」として、ウクライナ無人機や防空システムを供与すると明らかにしました。

ホワイトハウスによりますと、今回の軍事支援には、対空ミサイルシステム「スティンガー」800基や、無人機100機などが含まれるということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍機による爆撃やミサイル攻撃などに対してウクライナ上空の飛行禁止区域の設定や戦闘機の供与を求めていますが、アメリカはロシアとの直接の軍事衝突につながるおそれがあるとして否定的な考えを示しています。

一方で民間人の犠牲も増え続ける中、ウクライナの対空の防衛力の強化は喫緊の問題となっていて、アメリカとして今回、ロシアもにらみながら、可能な範囲での軍事支援を打ち出したかたちです。

またバイデン大統領は、ウクライナがより射程の長い対空システムなどの装備を得られるよう支援しているとしたうえで「アメリカと同盟国、友好国はウクライナへの武器の供与に全力を挙げ、装備の用意が整えばさらなる供与もあるだろう」と述べ、今後、各国と協力して軍事支援をより強化していく考えを示しました。

バイデン大統領は16日、記者団に対し、プーチン大統領について「戦争犯罪人だ」と述べて、初めて「戦争犯罪人」ということばを使って厳しく非難しました。

この発言について、ホワイトハウスのサキ報道官は記者会見で「市民の命を奪い、病院や妊娠中の女性、ジャーナリストを攻撃する、独裁者による野蛮でおぞましい行為を見たうえでの大統領の発言だ」と説明しました。

一方で、ロシアの行動が戦争犯罪にあたるかどうかについては、国際刑事裁判所が捜査していることを念頭に「国務省による法的な手続きが続けられている」と述べるにとどめました。

ロシア軍の攻撃について、ブリンケン国務長官は今月6日「戦争犯罪に値する意図的な市民への攻撃をしているという確度の高い情報がある」としたうえで「戦争犯罪にあたるか調査できるよう情報を取りまとめている」と述べています。

ロシア国営の「第1チャンネル」の職員で、ニュース番組中に反戦を訴えたマリーナ・オフシャンニコワさんは16日、ロイター通信のインタビューで「これ以上、黙っていることはできなかった」と抗議の意思を表した思いを語りました。

この中でオフシャンニコワさんは、今回の軍事侵攻で、かつてロシア南部のチェチェン共和国で続いた紛争の記憶が鮮明によみがえったとした上で「ウクライナの人々がどのような目に遭っているかを感じ、理解できた」と話し、みずからの経験から突き動かされた行動だと述べました。

そしてロシア国内の多くの人たちがあとに続き、ウクライナへの軍事侵攻に抗議の声をあげることに期待を示しました。

一方、ロシアの複数のメディアは、軍事侵攻が始まった先月24日以降、「第1チャンネル」とは別の国営のロシアテレビや「NTV」でニュースキャスターやジャーナリストが相次いで仕事をやめたと伝えています。

このうちNTVで長年働いていたロシアの著名なジャーナリストの1人について、会社側は「健康上の理由で退職した」としていますが、プーチン政権のプロパガンダを担う主要メディアの中でも軍事侵攻に反対する人が出ているのではないかという臆測も伝えられています。

ロシアのプーチン大統領は16日、米国およびその同盟国とひそかに協力していると自身が見なしている「くずどもと裏切り者」をロシアから一掃すると警告した。

  大統領はテレビ放映されたビデオ会議で、西側諸国がロシアを破壊することを望んでいると主張した。ウクライナ軍事侵攻から3週間経過し、ロシアは西側の制裁で経済破綻のリスクに直面している。

  プーチン氏は「どのような人、特にロシアの人々は、くずどもと裏切り者を愛国者と常に見分けることができ、誤って口の中に飛び込んだ小虫のように吐き出すことができる」と発言した。

  大統領はさらに、「この自然で必要な社会の自浄が、わが国とわれわれの連帯、団結、課題対処への準備を強めるだけだと私は確信している」と述べた。

  2日前にはロシア国営テレビのニュース番組の生放送中に女性プロデューサーが乱入し、ウクライナでの戦争に反対を訴える異例の出来事があった。

ロシア国営テレビで反戦訴えた女性に罰金3万円、さらに厳格な処罰も

原題:

In a Chilling Threat, Putin Vows to Rid Russia of ‘Traitors’(抜粋)

ロシアのプーチン大統領は16日、欧米の思想に同調する国内の「反逆者」はロシア破壊を狙う西側諸国に利用される可能性があるが、国民が裏切り者をすぐに判別して排除する「自浄作用」が働くと述べ、反体制派弾圧を強める姿勢を鮮明にした。

閣僚らに対し「西側諸国は無論、いわゆる『第5列』、つまり反逆者に望みを懸けるだろう。いかなる人も、とりわけロシア人は常に真の愛国者と人間のくずや反逆者を区別し、口に入り込んだ虫のように吐き出すことができる」と強調した。

プーチン氏はこれまでも国内の反体制派を締め付け、西側諸国を非難する発言を繰り返してきたが、この日は特に敵意に満ちた発言となった。

ロシアの野党政治家で2000年代序盤にプーチン政権の第1首相を務めたミハイル・カシヤノフ氏は「政権に賛同できない人々の一斉弾圧開始を発表したも同然だ」とツイッターに投稿した。

プーチン氏は、西側諸国はロシアを二分させ、「第5列」の協力によって市民の対立を引き起こすつもりだと主張。「その目的はロシアの破壊だ」とし、そのような取り組みは阻止すると述べた。

「社会の自然で必要不可欠な自浄作用によって国は強くなり、われわれの結束、団結力、困難に対処する準備態勢も強化される」とした。

ロシアのプーチン大統領は同国経済は国際的な制裁という「経済の電撃戦」を切り抜けたと表明しながらも、制裁への対応に伴い失業増加とインフレ高進に見舞われる可能性があると警告した。

  プーチン氏は16日、オンライン形式で開かれた政府の会合で「新たな現実を受け、ロシア経済には重大な構造変化が必要になる。隠すことはしないが、それは容易にはいかない」と発言。「一時的なインフレ高進と失業増加につながるだろう」と付け加えた。

  プーチン氏は「物価上昇は国民の所得に深刻な影響を与える」とし、年金など社会保障の拡充と公務員賃金の引き上げを当局に指示。新たに紙幣を印刷せずとも政府にはコストを賄うだけの十分な資金があると述べたが、具体的な説明はなかった。

原題:Putin Says Russia Beat ‘Economic Blitzkreig,’ Warns of Hardship(抜粋)

ロシアのシルアノフ財務相は、16日に利払い期日を迎えたロシアのドル建て国債2本の利払いについて判断するのは米国側で、米政府は決済が可能かどうかを明確にすべきだと語った。

制裁に見舞われているロシアのプーチン大統領ボルシェビキ革命以降で初めての国際的なデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に立たされており、ウクライナ侵攻の経済的代償があらわになっている。

シルアノフ氏はロシア国営の対外発信テレビ局の取材に対し、ロシア政府が14日に中継銀行に対して約1億1700万ドルの利払いをするように指示しており、それを受け入れるかどうかは米当局次第だと述べた。

シルアノフ氏は「相当する外貨で義務を果たすことができるかできないかは、われわれによるものではない。われわれには資金があり、支払いを済ませた。今やボールは主に米当局にある」と指摘した。

ロシアは制裁によって世界の金融市場の重要な部分から切り離され、6400億ドル相当の金と外貨準備の半分近くが凍結された。シルアノフ氏は、ドル口座を凍結されているということは、意図された最終受取人に支払われないリスクがあることを意味すると表明。

シルアノフ氏は「支払いは中継する米銀行に届いた」とし、「現時点で支払いは処理中であり、それが完了したか否かの報告はまだ受けていない。まだ決済はされていない」と言及した。

「しかし、この銀行は米財務省外国資産管理室(OFAC)と協議中で、支払いの目的に関する具体的な情報を要求してきたことをわれわれは知っている」とも発言した。

ロシアはドルでの決済に失敗した場合、自国通貨のルーブルで利払いをするとしている。しかし、格付け会社フィッチ・レーティングスは、30日の猶予期間内にドルでの利払いがなされない場合、デフォルトの要件を満たすとの見解を示している。

ロシアのプーチン大統領は16日、西側諸国が世界支配を達成し、ロシアを解体しようとする試みは成功しないと強調した。

政府閣僚向けのテレビ演説で、もしロシアが撤退すると西側諸国が考えているならば、それはロシアという国を理解していないと主張。ウクライナの中立化、非軍事化、非ナチ化について話し合う用意があるとする一方、ロシアは依然として軍事作戦の目標を達成すると述べ、それは「計画通りに進行している」とした。

また「予見可能な将来、キエフの親ナチ政権が大量破壊兵器を手に入れることは可能であり、その標的はもちろんロシアだっただろう」と語った。プーチン氏は民主的に選出されたウクライナ政権について一貫して「ネオナチ」と呼んでいる。

さらに「いわゆる集団的な西側諸国による偽善的な発言や今日の行動の背景には敵意のある地政学的な目的がある。西側諸国は力強く主権的なロシアを望んでいないだけだ」とした。

西側諸国による制裁を巡っては、現在の課題に対応するための十分な財源があると強調。制裁によって引き起こされた新たな現実に適応していくとしたほか、インフラ向け融資の増額を指示し、経済の構造改革が必要だとした上で、インフレと失業率が上昇しているため、子どもがいる家庭への支援と社会保障費の増額を確約した。

西側諸国がロシアの事実上のデフォルト(債務不履行)を宣言したが、紛争は西側諸国が制裁を科すための口実にすぎなかったとし、「西側諸国は、ロシア経済全体とロシア国民全員に打撃を与えることが目的であることを隠そうともしない」と非難した。

ウクライナ政府は16日、ロシア軍による激しい攻撃が続く東部の都市マリウポリで、病院がロシア軍に占拠され、患者や医療スタッフなど合わせておよそ400人が人質になっていると発表し、ロシア側を厳しく非難しました。

これはウクライナのベレシチュク副首相が16日、会見で明らかにしたものです。

それによりますと、ロシア軍による激しい攻撃が続く東部の都市マリウポリで、15日に病院がロシア軍に占拠されたということです。

患者や医療スタッフなど合わせておよそ400人が人質となっているほか、ロシア軍が病院の中から外に向けて銃撃を行い、周囲の市民の避難も困難になっているとしています。

ウクライナ政府は、マリウポリに「人道回廊」と呼ばれる避難ルートが設置されたあとも、ロシア軍による攻撃が続き、多くの市民が取り残されているとしています。

病院の占拠を受け、ベレシチュク副首相は「このような状況では人を避難させることは不可能だ」と述べ、ロシア側を厳しく非難しています。

ウクライナのクレバ外相は16日、ツイッターに、大勢の人たちが避難していた東部マリウポリの劇場が、ロシア軍の攻撃を受けたと書き込みました。投稿された写真には、破壊された劇場とみられる建物が写されています。

今のところ詳しい状況は分かっていませんが、クレバ外相は「数百人が避難していた劇場が攻撃された。ロシアの戦争犯罪を止めてほしい」などと訴えています。

これに対してロシア国営のタス通信は「ロシアはこの日、マリウポリに対して空爆はしておらず、ウクライナ側が劇場を爆破した」と報じ、ウクライナ側の主張を否定しています。

また、人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」は、攻撃前の14日に劇場周辺を撮影したとする衛星画像を公開しました。画像には、赤い屋根の劇場の外側、正面と裏側の地面にそれぞれロシア語で「子どもたち」ということばが大きく白い文字で書かれていて、避難する人を攻撃から守るための試みだったとみられています

ロシア国防省は、同国軍がウクライナの都市チェルニヒウでパンを求めて並んでいた10人を銃撃したとする米国の情報を否定し、この地域にロシア軍はいないと発表した。

キエフの米大使館は、ロシア軍が攻撃したとツイッターフェイスブックに投稿した。根拠は明らかにしていない。ウクライナの検察当局が調べている。

米大使館は「本日、チェルニヒウでパンを求めて並んでいた10人をロシア軍が銃撃し、殺害した。こうした恐ろしい攻撃は起きてはならない。われわれは、ウクライナにおける残虐行為に対する責任を明確にするため、あらゆる選択肢を模索している」と投稿した。

ロシア国防省の報道官は、銃撃で死者が出たとしてウクライナのメディアが取り上げている情報や映像は、ウクライナ治安当局のでっち上げ」と反論。「現在もこれまでも、チェルニヒウにロシア兵はいない。全部隊が市外にいて道路を封鎖しており、攻撃的な行為を行ってはいない」と述べた。さらに、米大使館は「未確認の偽情報」を発表したと付け加えた。

ロシアとウクライナが15項目の暫定的な和平案で大きく進展したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が16日、関係者3人の話として報じた。

報道によると、ウクライナ政府が中立化を宣言し、軍隊の制限を受け入れるなら、停戦しロシア軍が撤退する計画だという。

これを受け、ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、ウクライナでの紛争解決に関するロシア・ウクライナ間の合意の可能性について公表するのは時期尚早だと述べた。ロシア通信(RIA)が伝えた。

ロシアとウクライナは16日、交渉が前進している兆しを示した。ウクライナが自国の軍隊を保持する中立国になるという提案を、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「ある種の妥協点と見なすことができる」と述べた。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は国民向けの演説で、ロシアの「交渉姿勢はより現実的になったように思われる」と発言。ただ、合意に達するには引き続き努力が必要だと話した。

  英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、進行中の停戦交渉では多くの障害が残っているものの、著しい前進を遂げつつあると報道。これを好感して株式相場は日中高値を付け、米S&P500種指数の上げは一時2%に達した。

  だが交渉を直接知るウクライナ政府の当局者は、依然として問題が残り、交渉に著しい進展はまだないと言明。ロシア側の語調が前向きになってきたのはウクライナとの合意成立に向けたものというよりも、制裁圧力の緩和を狙っているからだと説明した。ロシア軍がウクライナ各地で攻撃の手を緩めていないことも、この当局者は指摘した。

  ペスコフ氏はウクライナとの交渉でスウェーデンオーストリアのような中立モデルが議論に上っていることを確認したが、それ以上の詳細は明かさなかった。ロシアのウクライナ侵攻は21日目に入った。

  これに対しウクライナ側の交渉担当者、ポドリャク大統領府顧問は、受け入れ可能なのは法的効力がある安全保障の確約を伴う「ウクライナ」モデルだけだとテキストメッセージで主張。「これはウクライナが攻撃を受けた場合、当事国が現在のように黙って見ていることがないという意味だ」と続けた。

  ペスコフ氏の発言の前にはロシア側交渉団トップのメジンスキー大統領補佐官が交渉に「一定の進展」があったとしつつ、いくつかの問題が依然解決できていないと述べていた。15日遅くにはプーチン大統領が妥協の模索にウクライナがあまり真剣でないと非難、交渉の行方に悲観的な見方を示していた。

  戦争前までウクライナ北大西洋条約機構NATO)加盟を追求していた。ただ、ゼレンスキー大統領は加盟が近く認められる見通しはほぼないとの認識を示唆。一方でウクライナの主権について確固とした保障を求めている。

  ロシアは侵攻開始時にはウクライナの完全な非武装化を要求していたが、いまやその要求を取り下げつつある様子だ。

  スウェーデンは中立国として2回の世界大戦に関与しないことを決定、冷戦期もいずれの陣営にもくみさない路線をとった。それでも1991年のソ連崩壊後にNATOとの協力を開始し、2014年にロシアがクリミアを併合して以降は段階的に軍事費を引き上げ、NATOとの結びつきをこれまで以上に求めるようになった。

  オーストリアは1955年に永世中立を宣言。軍事同盟への加入や外国軍の国内駐留を憲法で禁じている。

原題:

Kremlin Says Neutral Ukraine With Army Could Be Compromise (1)(抜粋)

Kremlin Embrace of Neutral-Ukraine Plan Sparks Hope on Talks (1)(抜粋)

3週間前の先月24日にウクライナに侵攻したロシア軍は首都キエフや東部にある第2の都市ハリコフ、南部の黒海沿岸など各地で戦闘を拡大しています。

このうち東部マリウポリでは2400人以上の市民が死亡したとEUヨーロッパ連合のボレル上級代表が14日に明らかにするなど、各地で市民の犠牲が増え続けています。

こうした中、停戦に向けたロシアとウクライナの代表団による交渉が14日からオンライン形式で続けられています。

交渉でウクライナ側は戦闘の停止やロシア軍の即時撤退などを強く求めていますが、ゼレンスキー大統領がNATOへの加盟は現時点では困難だという認識を改めて示すなど、加盟しないよう強く要求しているロシアとの間で一致点を探っていることもうかがえます。

これについて、ロシア側の代表団トップ、メジンスキー大統領補佐官は16日「ウクライナ側からは、オーストリアスウェーデンのように、自国の軍を持ちながら、中立化・非軍事化を目指す案が提示されている」と述べました。

これに対しウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問は「オーストリアスウェーデンのようなモデルではなく、『ウクライナ式』でなければならない。明確に安全が確保できる強力な同盟国を必要としている」と述べ、アメリカや隣国トルコなどが参加する安全保障の協定によって守られるべきだというウクライナ側の主張を強調しました。

交渉で双方は、ウクライナNATO加盟に代わる、安全保障の枠組みなどについて議論しているとみられます。

ただプーチン大統領は16日、関係閣僚と行った会議で「われわれは定めたすべての目標は必ず達成する。ロシアと国民の安全を確実に確保し、ウクライナがロシアへの攻撃的な行動の足がかりになることは決して許さない」と軍事作戦の継続を改めて強調しました。

ロシア側は8年前に一方的に行ったクリミア併合や、親ロシア派の武装勢力が事実上統治する地域の独立の承認なども求めるなど、依然として強硬な姿勢を崩しておらず、今後の交渉で双方が妥協点を見いだせるかが焦点です。

ヨーロッパの国際機関、ヨーロッパ評議会は16日、加盟国の閣僚からなる委員会を臨時に開いて、ロシアを除名することを決め、決定は即日発効しました。

ヨーロッパ評議会は1949年に設立された、人権や民主主義、法の支配などの国際基準の策定を主導する国際機関で、ロシアも加盟国でしたが、ロシア外務省は15日「NATO北大西洋条約機構EUヨーロッパ連合が反ロシア政策の道具に変え、平等な対話という原則を放棄した」と主張して、脱退を通告しました。

これに対してヨーロッパ評議会は「ロシアはみずからの行動によって、世界で最も進んだ人権保護システムの恩恵をロシア国民から奪っている」と非難していましたが、今回、正式にロシアを除名し、これによりロシアの国民は、ヨーロッパ評議会の下部組織であるヨーロッパ人権裁判所に人権侵害などを訴えることができなくなりました。

ロシアをめぐっては、去年2月、ヨーロッパ人権裁判所がロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏が逮捕された際に即時釈放を求める決定を出していました。

ウクライナは先月26日、ロシアによる軍事侵攻には正当な理由がないとして、オランダのハーグにある国際司法裁判所に提訴し、合わせてロシアに対して直ちに軍事行動をやめさせる暫定的な命令を出すことも求めました。

国際司法裁判所は16日ウクライナで起きている広範な人道上の悲劇を深刻に受け止めており、人命が失われ人々が苦しみ続けている状況を深く憂慮している。ロシアによる武力行使国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」として、ウクライナ側の訴えを認め、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう命じる暫定的な命令を出しました。

国際司法裁判所の訴訟には当事国の同意が必要で、今回ロシアはその意思を示していませんが、裁判所は暫定的な命令には法的拘束力があるとしています。

命令には15人の裁判官のうち13人が賛成し、ロシアと中国の裁判官が反対しました。

国連の主要機関で「世界法廷」とも呼ばれる国際司法裁判所で、軍事侵攻に厳しい判断が示されたことで、たとえロシアが受け入れなくても、ウクライナへの国際的な支援に一層の正当性が認められることになり、同じハーグにある国際刑事裁判所で始まっている戦争犯罪などの捜査にも影響を与える可能性が指摘されています。

国際司法裁判所の暫定的な命令が出されたあと、ウクライナの代表は記者団に対して「ロシアは国際法上の義務である裁判所の命令を順守し、軍事作戦を停止しなければならない。ウクライナは正義を実現するために国際法のあらゆる手段に訴える」と述べました。

外務大臣「わが国は、ロシアによるウクライナ侵略は、国際法国連憲章の違反だと強く非難するとともに、攻撃の即時停止と部隊の撤収を求めてきた。ICJによる暫定措置命令は当事国を法的に拘束するものであり、日本としては措置命令を支持し、ロシアに対し、直ちに従うことを強く求める」などとする談話を発表しました。

国際司法裁判所(ICJ)は16日、ウクライナに侵攻したロシアに対して軍事行動を直ちに中止するよう命じ、ロシアの武力行使を「深く懸念している」と表明した。

ICJの決定は拘束力を持つが、それを行使する直接的な手段はなく、これまで判決が無視されることがまれにあった。

ウクライナはロシアの軍事侵攻を受けて、ICJにロシアを提訴していた。軍事行動の即時停止命令は賛成13、反対2で決定した。

ICJのドナヒュー所長は「ロシアによるウクライナでの武力行使を深く懸念しており、国際法上の非常に深刻な問題を提起している」と指摘した。

ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで「完全な勝利だ」と歓迎した上で、「ICJの命令は拘束力がある」とし、「ロシアが命令を無視すれば、さらに孤立する」と述べた。

ロシアは明らかに不条理な訴訟だとして審理を欠席し、ICJはいかなる措置も講じるべきではないと主張する文書を提出した。

ウクライナ大統領府の高官は16日、ロシア軍によって今月11日に拉致された、南東部ザポリージャ州の都市メリトポリのイワン・フェドロフ市長が解放されたと明らかにしました。

ウクライナ国防省は、解放後にゼレンスキー大統領がフェドロフ市長と電話で話した様子だとする映像を公開しました。

映像では、ゼレンスキー大統領が「あなたの声が聞けて本当に良かった」と話しかけたのに対し、市長は「私を見捨てないでいてくれてありがとうございます」と応じているのが確認できます。

これに関連して地元メディアは、ウクライナ政府高官の話として、捕虜となっていたロシア軍兵士9人が、今回の市長解放のためにロシア側に引き渡されたと伝えています。

メリトポリの市長をめぐっては、拉致の翌日の12日に、ロシア軍に占拠された市庁舎の外で解放を求めるデモがあり、ウクライナ政府は2000人以上の市民が参加したとしていました。

一方、同じザポリージャ州では、別の都市ドニプロルドネの市長もロシア軍に拉致されたと、クレバ外相が13日に明らかにしています。

アメリカ国防総省の高官は16日、ロシア軍の侵攻について最新の分析を記者団に明らかにしました。

それによりますと首都キエフに北と北東、北西の3方向から向かっている地上部隊に引き続き目立った前進の動きは見られない一方、黒海に展開するロシア海軍の活動が活発化し、艦艇がウクライナ最大の港湾都市オデッサの近郊の町を砲撃したと指摘しました。

これについてこの高官は「砲撃を加えることで地上戦をしやすくするための準備をしている可能性がある」と述べ、オデッサの制圧に向けた作戦を準備している可能性があるという見方を示しました。

また、これまでに激しい攻撃を受けている地域では被害が拡大していて、ウクライナのクレバ外相は16日、ツイッターに、大勢の人たちが避難していた東部マリウポリの劇場がロシア軍の攻撃を受けたと書き込みました。

クレバ外相は「数百人が避難していた劇場が攻撃された。ロシアの戦争犯罪を止めてほしい」などと訴えています。

一方、ロシア国営のタス通信「ロシアはこの日、マリウポリに対して空爆はしておらず、ウクライナ側が劇場を爆破した」と報じ、ウクライナ側の主張を否定しています。

こうしたなかウクライナ大統領府の高官は16日、ロシア軍によって今月、拉致された、南東部の都市、メリトポリの市長が解放されたと明らかにしました。

ウクライナ国防省は、ゼレンスキー大統領が解放された市長と電話で話した様子だとする映像を公開し、ゼレンスキー大統領が「あなたの声が聞けて本当に良かった」と話しかけたのに対し、市長は「私を見捨てないでいてくれてありがとうございます」と応じる様子が確認できます。

これに関連して地元メディアは、ウクライナ政府高官の話として、捕虜となっていたロシア軍兵士9人が、今回の市長解放のためにロシア側に引き渡されたと伝えています。

一方、ロシア、ウクライナ双方の代表団による停戦をめぐる交渉では、NATO北大西洋条約機構への加盟に代わるウクライナの安全保障の枠組みなどについて議論されているとみられますが、ロシア側は依然として強硬な姿勢を崩しておらず、今後の交渉で妥協点を見いだせるかが焦点です。

ロシアがウクライナに軍事侵攻して17日で3週間となる中、ロシア軍は、首都キエフの包囲に向けて攻撃を続けています。

また、ロシア軍は、南部ヘルソン州の全域を掌握したと宣言するなど、黒海沿岸でも戦闘を激化させ、海軍の艦艇がウクライナ最大の港湾都市オデッサの近郊の町を砲撃したとみられています。

一方、ロシアのプーチン大統領の側近、パトルシェフ安全保障会議書記は16日、アメリカの安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官と電話会談を行い、アメリカ政府によるウクライナへの兵器の供給など、軍事支援に強く反発したということです。

アメリカ政府は、無人機や対空ミサイルシステムなどを供与すると明らかにしたほか、各国と協力して軍事支援をより強化していく考えを示していて、ロシア側は、こうした動きを強く警戒しているとみられます。

こうした中、ロシアとウクライナの停戦をめぐる交渉が14日からオンライン形式で進められています。

交渉では、ロシアが強く要求してきたウクライナの「中立化」をめぐり、NATO北大西洋条約機構ウクライナが加盟しない代わりに、ウクライナを防衛するためアメリカや近隣諸国などとの別の安全保障の枠組みについて議論が続いているとみられます。

また、トルコ政府も仲介に動いていて、16日にロシアのラブロフ外相とモスクワで会談したトルコのチャウシュオール外相は、17日にはウクライナを訪問し、クレバ外相と会談する予定です。

ロシアとウクライナの双方からは、一定の合意に近づいているという見方も示されていますが、ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、アメリカのメディアとのインタビューの中で「非常に困難だ」と話すなど、双方の立場が隔たる中で、交渉の先行きは楽観できない状況が続いています。

オデッサは、黒海に面したウクライナ南部の港湾都市で、温暖な気候から「黒海の真珠」とも呼ばれています。

軍事侵攻前の人口は、キエフ、ハリコフに次いで3番目に多い、100万人余り。東に8400キロ余り離れた神奈川県横浜市とは、昭和40年に姉妹都市となり、交流が続いています。

オデッサ港は、ウクライナ最大の港で、東部で製造された工業製品や南部で生産された小麦などを輸出する、国際貿易港として古くから発展してきました。

また2014年、ロシアがクリミアを一方的に併合したあと、ウクライナ政府は、クリミアにあったウクライナ海軍の司令部の機能をオデッサに移し、沿岸防衛の要と位置づけてきました。

軍事侵攻を続けるロシア軍としては、オデッサを支配することで、ウクライナを国際的な海の物流網から切り離すとともに、海軍の戦力を使えなくするねらいがあるものとみられます。

ロシアとウクライナの停戦に向けた交渉は、2月28日、3月3日、7日と隣国ベラルーシで3回、双方の代表団が対面で行い、その後は、オンライン形式で進められています。

ウクライナ側は、戦闘の停止やロシア軍の即時撤退、そして戦闘地域からの市民の避難や支援物資の供給を安全に進めるための状況の改善などを強く求めています。

一方、これまでウクライナ側が目指してきたNATO北大西洋条約機構の加盟については、ウクライナ側は、「今は現実的でない」などとして、必ずしもこだわらない姿勢も示しています。

ただ、ウクライナ側は、NATO加盟に代わり、アメリカやイギリスなど主要国や、近隣のトルコと新たに協定を結び集団的な安全保障の枠組みで自国を防衛する仕組みを要求しているとみられます。

ロシア側は、ウクライナNATO加盟にこだわらない姿勢を示してきたことに対して「妥協点」になりうるとしていて、新たな安全保障の枠組みなどをめぐり、議論が展開されているとみられます。

一方、ロシア側は、NATOに加盟させないことを法的に保証させる「中立化」、ロシアの脅威となる兵器を撤去させる「非軍事化」のほか、「非ナチ化」と主張するロシア語教育やロシアの文化などに関する制限を撤廃すること、さらには、8年前に一方的に併合した南部クリミアの承認、親ロシア派の武装勢力が事実上、支配している東部地域の独立承認なども要求しているとみられます。

イギリスのフィナンシャルタイムズは、16日、複数の関係者の話として、停戦合意案は、15項目にわたる見通しで、その中には、ウクライナNATO加盟断念やアメリカなどから安全の確保を得られることと引き換えに、ウクライナ国内に外国の基地を置かないことの確約などが検討されていると伝えています。

双方の代表団などによりますと、交渉では、作業部会を設置して合意文書の作成を目指していて、ウクライナ側は、最終的に、ゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領との間で、首脳会談を実現して停戦合意の署名に持ち込みたい考えを示しています。

国防省の情報当局は17日、ウクライナに侵攻中のロシア軍の動きがここ数日、陸・海・空の全てでほぼ止まっているとの見解を示した。ロシア軍は甚大な損失を被り続けているという。

同省は、ウクライナ側の抵抗は依然激しく、よく連携が取れていると分析。全ての主要都市を含め、ウクライナの領土の大半は引き続きウクライナの統治下にあると指摘した。

ロシア通信規制当局が国内でインスタグラムへのアクセスを遮断したことで、同国のハイテク起業家らがロシア独自の写真共有アプリ「ロスグラム」を立ち上げようとしている。ロスグラムの16日のウェブサイトによると、サービス開始は28日。クラウドファンディングや有料コンテンツといった追加機能も提供するとしている。

新サービスの広報責任者アレクサンデル・ゾボフ氏はロシア最大級の交流サイト(SNS)、フコンタクテに投稿し、「私のパートナーのキリル・フィリノフ氏とわれわれの開発者グループは既に今回の事態の変化に対する準備を終えた」とし、「われわれの仲間に愛された人気のソーシャルメディア」のロシア独自版に自分たちで取り組む意欲を強調した。

同氏がフコンタクテに掲載した写真を見る限り、ロスグラムの画面の配色やレイアウトはインスタグラムと非常によく似ている。

ロシア当局がインスタグラムを遮断したのは14日。運営会社の米メタ・プラットフォームズが前週にウクライナのユーザーに対し、ロシアの侵攻でヘイトスピーチの同社方針を変更し、ロシア人への暴力を呼び掛けるような投稿を容認する方針を打ち出していた。

ロシアでは昨年11月、ガス大手ガスプロム系のメディアが中国系動画アプリ「TikTok(ティックトック)」のライバル版を始めている。

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は17日、ウクライナとの協議はビデオリンクを通じて続けられていると述べた。軍事的、政治的、人道的な問題を話し合っているとした。

ロシア安全保障会議の副議長を務め、プーチン大統領の最側近の1人でもあるメドベージェフ元大統領は17日、ロシアは米国が率いる敵をつけあがらせないようにする力を持っており、ロシアを引き裂こうとする西側のロシア恐怖症に基づく陰謀をくじくだろうと述べた。

2008年から12年まで大統領を務めたメドベージェフ氏は、米国はロシアを屈服させた上で引き裂こうとするたくらみの中で「非常に不快な」ロシア恐怖症をあおっていると指摘。「それはうまくいかないだろう。ロシアには厚かましい敵全てをつけあがらせないようにする力がある」と述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、日本時間の17日午後5時すぎからドイツの連邦議会で議員を前にオンライン形式で演説を行いました。

ゼレンスキー大統領は「戦争が始まって3週間で子どもを含む多くの人たちが犠牲になった。ヨーロッパの真ん中でいま起きていることだ」と国内の惨状を訴えました。

そのうえで「ヨーロッパには、ベルリンの壁ではない、自由と不自由を分かつ壁があり、われわれは隔てられている。私たちを助けるはずの平和のための決断がなされないたびに、この壁は大きくなっている」と述べました。

ゼレンスキー大統領としては、ドイツは、ロシアの影響下から逃れたいとするウクライナの立場を理解せず、ロシア産の天然ガスを輸送する「ノルドストリーム2」の計画を進めてきたことなど、自国の経済を優先する政策をとってきたと批判しました。

そしてゼレンスキー大統領は、ベルリンの壁が崩壊する前の1987年に、当時のアメリカのレーガン大統領がベルリンで行った演説で、壁を取り壊すべきだと呼びかけたことに触れたうえで「ショルツ首相に言いたい。ヨーロッパに今ある壁を壊してほしい。後世が誇れるようにドイツにふさわしい指導的な役割を果たしてほしい。戦争をとめてほしい」とさらなる支援を求めました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、ドイツ連邦議会でオンライン演説し、ショルツ独首相に対し、自由な欧州と不自由な欧州を分断する新たな「壁」を壊すよう要請した。ウクライナがロシアとの戦争をやめ、自由を取り戻すのを助けてほしいと訴えた。

ゼレンスキー氏は演説で、1948─49年のベルリン大空輸、1989年のベルリンの壁崩壊に触れつつ、欧州の中心に自由を巡る新たな「壁」が作られつつあると指摘。ドイツとロシアのビジネス上のつながりがその壁の建設を助け、ウクライナを孤立させたと語った。

同氏は、ロシアによる爆撃と各国の不作為によってこの壁は日に日に大きくなっていると述べ、ショルツ首相に「壁を壊してほしい」と呼び掛けた。

連邦議会の議員らはゼレンスキー氏をスタンディングオベーションで迎えた。

カトリン・ゲーリング・エッカルト副議長はゼレンスキー氏に「あなたの国は民主主義を選んだ。それこそプーチン氏が恐れていることだ」と伝え、プーチン氏はウクライナの存在する権利を否定しようとしているが、既に失敗したと語った。

オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所は今月2日、ウクライナで行われた疑いのある戦争犯罪や人道に対する罪について、各国の要請を受け捜査を始めると発表しました。

裁判所は16日、カーン主任検察官がみずからウクライナ西部を訪れ、首都キエフにいるゼレンスキー大統領とオンラインで会談したことを明らかにしました。

会談でカーン氏は「東部のマリウポリや他の都市の写真を見て、市民や子どもたちが置かれた窮状が分かった。大統領の協力のもとすべての証拠を集めたい」と述べ、捜査への協力を求めました。

また、CNNのインタビューに対して「クラスター爆弾の使用や、民間施設が密集する場所への不当な攻撃は許されない」と述べ、非人道的な兵器の使用や市民への意図的な攻撃の有無が捜査の焦点になるとしています。

これに先立ちカーン氏は隣国ポーランドも訪れ、ウクライナからの避難民への聞き取り調査を行っていて、責任の追及に向け速やかに現場の状況を確認し関係者に協力をあおいだものとみられます。

トラス英外相は7日、ウクライナ戦争犯罪が行われた「非常に強力な証拠」があり、「ロシアのプーチン大統領がその背後にいる」という認識を示した。ただ、プーチン氏を「戦犯」と断言するには至らなかった。

トラス外相はBBCラジオに対し、「最終的には国際司法裁判所が誰が戦争犯罪者であるかどうかを決定する。われわれは証拠を提出する」と述べた。

バイデン米大統領は16日、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は「戦争犯罪者」と言明。ロシアのペスコフ大統領報道官は「容認できず、許されないレトリック」と批判した。

ロシアで重大事件を担当する連邦捜査委員会の発表によりますと、捜査対象としたのは、著名なブロガーのベロニカ・ベロツェルコフスカヤ氏など、合わせて3人です。

捜査委員会は、ベロツェルコフスカヤ氏はインスタグラムで「ロシア軍がウクライナで都市を破壊し、子どもを含む市民を殺害したという、うその情報を故意に伝えた」として、刑法の違反行為にあたる疑いがあるとしています。

また、本人が国外にいるという情報があるとして、国際指名手配するとしています。

また、ほかの2人についても「現場の目撃者から得たとしてSNS上でウクライナでのロシア軍の損害に関するうその情報を投稿した疑いがある」と主張し、自宅の捜索や事情聴取を行っているとしています。

今月成立した改正刑法では、ロシア軍の活動について、うその情報を拡散したとみなされれば懲役もしくは禁錮15年が科される可能性があり、3人はこの規定が適用された初めてのケースとみられます。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は16日の会議で「欧米はわれわれの社会を分断し、市民の対立をあおり『第5列』を使ってロシアの破壊という目的を果たそうとしている」と述べ、軍事侵攻に異を唱える人々をスパイを意味する「第5列」と呼んで、締めつけを一層強める考えを示しました。

中国外務省の趙立堅報道官は、駐ウクライナ中国大使が同国に寄り添う姿勢を示した発言を認め、中国は「事態の緩和そして政治的解決に向けたあらゆる努力を支持する」と述べた。

  範先榮大使は14日に行われたウクライナのコジツキー・リビウ州知事との会合で、中国は「ウクライナの人々に対して友好的な国」であり、ウクライナを攻撃することは「決してない」と述べた。リビウ州政府のウェブサイトに掲載された会合の概要によれば、範大使はウクライナの人々が示した強さや団結を称賛した。

  趙報道官は17日の会見で範大使の発言について「中国は大使の発言を明確に支持する」と述べた。同報道官は前日、大使の発言を「知らない」と話していたことから、発言が中国政府の立場を表明したものかについて不透明感が高まっていた。

  ただ、攻撃は「決してしない」という大使の発言が、中国がロシアに軍事支援をしないという保証として解釈できるのかは判然としない。この点について趙報道官は、「そのような関連付けや解釈を行おうとすることは論理的でない」と述べ、明確にすることを避けた。

原題:China Affirms Ukraine Friendship, Promise to ‘Never Attack’ (1)(抜粋)

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