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ロシアのプーチン大統領は27日、講演会で3時間半余りにわたって西側批判を展開し、世界情勢における欧米の支配は終わりを迎えつつあるとした。また、ウクライナ戦争に後悔はないとし、「特別軍事作戦」は依然として目的を達成しつつあると述べた。

プーチン氏は、ロシア専門家との会合「バルダイ・ディスカッション・クラブ」の質疑応答に、自信に満ちリラックスした様子で応対。以前に健康状態について質問を受けた時に見せた、堅く不安気な様子とは対照的だった。

この1年で何か失望したことはあったかとの質問に対し、プーチン氏は「ない」とだけ答えたが、ウクライナでの損失は常に念頭にあるとも述べた。

冒頭の45分間の演説では、ウクライナについてほとんど触れず、代わりに「西側の敵」に対する従来からの批判を繰り返した。

世界は第二次世界大戦以来、最も危険な10年に直面していると述べ、衰退している西側諸国がロシアに対して核による脅迫を行っているとした。

しかしその後、ウクライナ戦争に直接話が及ぶ段になっても、ここ数カ月のロシア軍の撤退や部分動員令については全く触れなかった。司会者が計画通り進んでいるのかという国民の懸念に遠回しに言及した際には、その目的は変わっていないと答えた。

その上でプーチン氏は、ロシアがウクライナに軍事的に介入していなければ、ドンバス地方は単独で存続できなかったとの考えを示し、ロシアによるウクライナ東部・南部4州の「併合」を擁護した。

英国のクレバリー外相はこれに対し「今日のプーチン氏のメッセージは、不明確で真実味がなく、見るべきものもない。われわれのメッセージははっきりしている。隣国を平気で侵略してはならないということだ」とした。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官も記者会見で、プーチン氏の発言に目新しい点はなく、戦略的目標の変化を示唆するものではないとの認識を示した。

核兵器めぐる緊張>

プーチン氏はトラス前英首相が状況次第では英国の核抑止力を行使する用意があると発言したことを引き合いに出し、核の緊張をあおったのは西側諸国だと主張。さらに、放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾」をウクライナが使用する可能性があるとの見解を改めて示した上で、ウクライナ側はこのようなロシアの見解はロシア自身が「汚い爆弾」を使用する計画があることを意味すると主張しているが、それは誤りだと強調した。

ロシアは今週、核戦力運用部隊による定例の大規模演習を実施している。これについて米国のオースティン国防長官は27日、現時点では、実際の配備のための偽装である可能性を示すものはないと述べた。

ロシアのプーチン大統領は27日、世界は第二次世界大戦以来、最も危険な10年に直面していると述べ、衰退している西側諸国がロシアに対して核による脅迫を行っていると非難した。

ロシア専門家との会合「バルダイ・ディスカッション・クラブ」で、ウクライナへの軍事侵攻に後悔はないとし、西側諸国が戦争をあおり、世界中に混乱をもたらす「危険で血に染まった汚い」地政学的ゲームを展開していると非難。「西側諸国が世界情勢を一手に支配してきた歴史的時代は終わりを告げようとしている。われわれは今、歴史的な境目に立っている。この先はおそらく、第二次世界大戦以降、最も危険で予測不可能かつ重要な10年になるだろう」とした。

また、トラス前英首相が状況次第では英国の核抑止力を行使する用意があると発言したことを引き合いに出し、核の緊張をあおったのは西側諸国だと主張。さらに、放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾」をウクライナが使用する可能性があるとの見解を改めて示した上で、ウクライナ側はこのようなロシアの見解はロシア自身が「汚い爆弾」を使用する計画があることを意味すると主張しているが、それは誤りだと強調した。

核兵器の使用についてロシアが言及したことはないとした一方、核を巡り激化する可能性については、核兵器が存在する限り、その危険性は存在するとした。

また、ロシアの軍事ドクトリンは防衛のためにのみ核兵器を使用することを認めているとし、ロシアがウクライナ核兵器の使用を検討しているとの主張を否定。核戦争寸前まで達したキューバ危機を巡り当時のジョン・F・ケネディ米大統領とともに状況を打開した旧ソ連最高指導者ニキータ・フルシチョフ氏のような立場になることは望まないとした。

さらに、ロシアは米国と核軍縮を巡る協議を再開する用意があると指摘。ただ、ロシア側が提案した「戦略的安定」に関する協議について、米国から何の反応もなかったとした。

ロシアのプーチン大統領は27日、首都モスクワで開かれている国際情勢をテーマにした会議で演説しました。

このなかでプーチン大統領「欧米側はウクライナで戦争をたきつけ台湾周辺で挑発を行い、世界の食料とエネルギー市場の不安定化をもたらしている」と述べ、欧米側が国際社会を不安定にしていると主張しました。

このあとプーチン大統領は出席者からの質問に応じ、欧米側がロシアが核兵器を使用するのではないかと警戒していることに関して核兵器が存在するかぎり、その使用の危険性は常にある」と述べました。

一方で「ロシアは核兵器を使用する可能性について積極的に発言したことはない」と述べたうえで、欧米側がロシアによる核兵器の使用の可能性をあおることでロシアと友好国などとの関係を悪化させようとしていると批判しました。

また、放射性物質をまき散らすいわゆる「汚い爆弾」についてもプーチン大統領「ロシアとしては政治的にも軍事的にも使う意味がない」と主張しました。

一方、プーチン大統領は来月インドネシアで開かれるG20の首脳会議にみずからが対面で出席するかどうかについて「ロシアからは間違いなく高いレベルの関係者が出席する。私も行くかもしれない。考えてみる」と述べただけで明言しませんでした。

プーチン大統領が出席した会議は、2004年にロシアで設立された国際政治の専門家などによる討論クラブが開いているもので「バルダイ会議」と呼ばれています。

ことしは首都モスクワで4日間開かれ、主催者によりますと会議には41の国から100人以上の専門家や外交官などが参加したということです。

ことしの会議のテーマは「ポスト覇権主義の世界。すべての人のための正義と安全保障」で、ウクライナ情勢を巡り対立を深めるアメリカの「1極支配」を打破したいとするプーチン大統領の強い思いが反映されています。

最終日の27日に登壇したプーチン大統領は演説を行ったり、出席者からの質問に応じたりしておよそ3時間半にわたり持論を展開し続けました。

このなかでプーチン大統領は、欧米は自分たちの価値観を一方的に押しつけているなどとする批判を繰り返し、中国やインド、アフリカなど非欧米諸国の出席者を前に、多極化した新しい国際秩序の必要性を訴えました。

アメリカのバイデン大統領は27日、アメリカのケーブルテレビのインタビューの中で「ロシアのプーチン大統領ウクライナに対して核兵器を使う意図はないとしているが、信用できるか」と問われると「もし彼に使用する意図がないならば、どうして核兵器を使う能力があると繰り返し発言しているのか」と述べ、プーチン大統領の発言に懐疑的な見方を示しました。

ロシアは、放射性物質をまき散らす爆弾、いわゆる「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性について、一方的に懸念を表明しています。

これについて、IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長は27日、国連の安全保障理事会の非公開の会合に出席後、記者団の取材に応じました。

この中でグロッシ事務局長は、「汚い爆弾」の製造に関わっているとロシアが主張する、ウクライナの施設2か所に査察官を派遣し「数日中に査察を始める」と述べました。

査察についてはウクライナ側が、ロシア側の主張に根拠がないことを示すためとしてIAEAに求めていました。

今回の査察では、施設で核燃料から放射性物質を取り出した形跡があるかなどを調べると説明し、数日で結論を出すと明らかにしました。

一方、ロシアのプーチン大統領は27日、首都モスクワで開かれている国際情勢をテーマにした会議に出席し、欧米各国がロシア側が「汚い爆弾」を使用する懸念を示していることについて「ロシアとしては政治的にも軍事的にも使う意味がない」と主張しました。

また、ロシアが核兵器を使用するのではないかと欧米側が警戒していることについて、プーチン大統領は「核兵器が存在するかぎり、その使用の危険性は常にある」と述べる一方で、欧米側が核兵器の使用の可能性をあおることで、ロシアと友好国などとの関係を悪化させようとしていると批判しました。

ロシアのプーチン大統領は27日、ロシアと中国の関係は「前例のない水準」にあるとしたほか、中国の習近平国家主席を「親友」と呼んだ。

またロシアの外務省によると、ロシアのラブロフ外相は27日、中国の王毅外相と電話会談し、ウクライナ紛争解決を巡るロシアの立場に対する中国の指示に感謝を示したという。

一方、中国外務省によると、王毅外相は中国にはあらゆる面でロシアとの関係を深める意思があり、両国の発展を妨げるいかなる試みも成功しないと主張。中国とロシアが発展と活性化を実現させるのは正当な権利とした。

ロシアのプーチン大統領は27日、ウクライナの領土保全を保証できるのはロシアだけだと述べ、紛争を引き起こしたのは北大西洋条約機構NATO)と西側諸国だと改めて主張した。

プーチン氏は、ロシアが2月24日にウクライナに対する「特別軍事作戦」を開始する前に、西側諸国がロシアが提案した安全保障案に合意しなかったと指摘。ロシアの目的は、ウクライナ東部ドンバス地方の住民を救うことだけだったと述べた。

その上で、ロシアがウクライナに軍事的に介入していなければ、ドンバス地方は単独で存続できなかったとの考えを示し、ロシアによるウクライナ東部・南部4州の「併合」を擁護した。

また、2014年にウクライナの首都キーウ(キエフ)で行われた抗議活動を受け親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊したことが直接、現在の紛争につながっていると指摘。ウクライナの「強硬な愛国主義者」が「最後の兵士が倒れるまで」ロシアと戦おうとしているとし、ウクライナ人兵士を犠牲にしていると非難した。

ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は27日、ウクライナに派遣した兵士が今週砲撃を受け、23人が死亡、58人が負傷したと明らかにした。

カディロフ氏はプーチン・ロシア大統領の盟友。プーチン氏の支持者が戦闘で大規模な敗北を認めるのは異例だ。

死傷した兵士は南部ヘルソン州で攻撃を受けた。通信アプリ「テレグラム」で明らかにした。

チェチェン共和国は住民の大多数をイスラム教徒が占める。カディロフ氏はプーチン大統領の歩兵を自任。数千人の兵士をウクライナに派遣している。

カディロフ氏は「多大な損失を被ったが、チェチェン人は聖戦に参加している」と表明。攻撃を受けたチェチェン軍は報復し、約70人のウクライナ人を殺害したという。

ロイターは事実関係を確認できていない。

ウクライナティモシェンコ大統領府副長官は27日、同日未明までに国内のエネルギー施設がロシアの攻撃を受けたと表明し、首都キーウと4地域の停電が予定より長引く可能性があると述べた。

首都キーウ、キーウ州、ジトーミル州、チェルカーシ州、チェルニヒウ州の電力供給が大幅に制限される見通し。

当局はこれまで発電システムの負荷軽減と修理作業のため、1日4時間の停電が実施される可能性があると表明していた。

大統領府はウェブサイトに掲載した声明で「停電は4時間を超える可能性がある」とし、復旧に向け全力を尽くしているが、電力使用全般を最小限に抑える必要があると訴えた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、屋外の暗闇の中、ドローンの残骸の脇でビデオ演説し、ロシアによる発電所の攻撃が相次いでいるが、ウクライナが抵抗の意思を失うことはないと訴えた。

大統領は過去2日間で23機のドローンを撃ち落としたと発言。「爆撃でわれわれを打ち壊すことはできない。祖国で敵の賛歌を聞くことは、領空の敵のロケットよりも恐ろしい。われわれは暗闇を恐れない」と述べた。

大統領によると、ロシアはこれまでに8000回以上の空爆を実施。4500発のミサイルを発射した。

ウクライナの送電会社ウクレネルゴは27日、ロシア軍がウクライナ中部地域の送電網を夜間に攻撃したため、さらなる電力供給制限の可能性があると発表した。

ロシアはここ数週間、送電網を含むウクライナの重要インフラへの攻撃を強化。冬が近づく中、何百万人もの人々が電気・暖房なしの生活を余儀なくされている。

IEA=国際エネルギー機関は、ロシアのウクライナ侵攻は世界のエネルギー市場にとって転換点となり化石燃料の需要が2030年ごろに頭打ちとなる一方、再生可能エネルギーへの移行が急速に進むという見通しを示しました。

これはIEAが年に一度まとめている「世界エネルギー見通し」で27日、明らかにしたものです。

それによりますと、ウクライナ侵攻のあとのエネルギー危機を受けて、各国の政府がロシア産の天然ガスや石油の調達をやめたり、再生可能エネルギーの導入を進めたりする結果、すべての化石燃料の需要は2030年ごろに産業革命以来初めて頭打ちになると予測しています。

また、世界最大の輸出国だったロシアのガスや石油の供給は2030年には半減するとしています。

一方、各国政府が打ち出した政策や企業の動きなどを試算すると、世界の再生可能エネルギーへの投資額は2030年までに年間2兆ドル、日本円にしておよそ290兆円にのぼり現在の水準から50%以上増加すると試算しています。(1ドル=約145円で計算)

パリにあるIEAの本部で記者会見したビロル事務局長は「私たちはエネルギーの歴史のなかで転換点を迎えている」と述べ、ロシアの侵攻によるエネルギー危機は化石燃料からクリーンエネルギーへの移行を間違いなく加速させていると強調しました。

カザフスタン大統領府は27日、首都アスタナで中央アジア5か国とEUが初めて首脳級の会談を行い、それぞれの国の主権や領土の一体性を尊重する原則を支持することで一致したと発表しました。

これに先立ち、カザフスタンのトカエフ大統領はEUのミシェル大統領と首脳会談を行い「関係はさらに強固になっている」と強調しました。

これに対しミシェル大統領は「EUは民主主義を強化するための改革を支援する。人権や自由の尊重はわれわれの協力にとって重要な要素だ」と述べ、EUが重視する価値観を共有することに期待を示しました。

ロシアが勢力圏とみなす中央アジアをめぐっては、このところカザフスタンなど一部の国がロシアと一線を画す姿勢を示していて、EUと貿易などでの連携を強めるねらいがあるとみられます。

一方、EUとしても、エネルギーについてロシアに依存し、現在、対応を迫られていることを教訓に、中国に依存している資源の調達先を多角化しようと中央アジアとの関係を強化したい考えです。

ロシアはこれまで、ウクライナアメリカの支援を受けて生物兵器を開発していると繰り返し主張していて、27日にはロシアの要請に基づき安保理の緊急会合が開かれました。

この中でロシアのネベンジャ国連大使は、新たな証拠が見つかったと主張し「ロシアの安全に対する直接的な脅威だ」と述べました。

これに対して国連軍縮局の担当者が「そうした開発計画は把握していない」と報告したほか、アメリカとウクライナも事実無根だと反発し、ほかの欧米各国も証拠がないとロシアを非難しました。

ロシアの要請で安保理の緊急会合が開かれたのは3日連続で、25日にはウクライナ放射性物質をまき散らす、いわゆる「汚い爆弾」を使用する可能性があると主張したほか、26日にはイランから供与された無人機で、ウクライナを攻撃していると欧米から批判されていることに対して、みずからの主張を展開していました。

アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「ロシアは偽の情報を広めるという唯一の目的で会合を要請している」と述べたほか、イギリスのウッドワード国連大使も「会議の議題は、ロシアの陰謀論で埋め尽くされている。どこまでばかげたことにつきあわなければならないのか」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。

ロシアが支配するウクライナ南部のヘルソン州では、ウクライナ軍が領土の奪還に向けて中心都市ヘルソンに部隊を進めているとみられ、州の西部ではロシア軍が撤退を始めたと伝えられているほか、ロシア側がヘルソンの住民を東側へ強制的に移住させています。

こうした中、戦況を分析しているイギリス国防省は28日、ロシアがヘルソンの周辺で部隊を増強させているとみられると指摘しました。

防衛態勢を築いているという見方を示したうえで、増強している部隊には予備役から動員された兵士も含まれていると指摘しています。

これに関連して、ヘルソン州にいる親ロシア派勢力の幹部は国営のロシア通信に対して、ヘルソン市内の建物の1階部分を土のうで補強するなどウクライナ軍の突破に備えていると主張しています。

ウクライナのレズニコフ国防相は今月25日、NHKの単独インタビューで、ロシア軍がヘルソン州などで農業用の用水路をざんごうとして使い、抵抗を続けているとして、反撃の勢いはこのところ弱まっているという見方を示していました。

ロシアのプーチン大統領は27日、「軍事作戦に伴う損失はあるが、ロシアの将来の利益になることは間違いない」と持論を展開して、軍事侵攻を継続する構えを崩しておらず、今後、南部での戦闘が激しくなることが懸念されます。

ウクライナが南部で確保し続けている主要都市ミコライウは造船産業の拠点で人口は50万人に上るが、半年前から新鮮な水道水を市民に供給できなくなった。ウクライナ側の説明によると、ロシア軍がヘルソン州近くにある同市の取水施設を制圧し、閉鎖したことが原因だ。

路面電車の修理車両に積まれて市の中心部に運ばれてきた給水タンクから水をもらおうと待ち構えていた市民の1人、スベタさんは「彼ら(ロシア軍)がわれわれを大量虐殺しようとしている」と憤りの声を上げる。

スベタさんを含め、市の人口の半数強に当たる22万人は、しばしばロシア軍の砲撃を受けるこの都市に今も残っている。人々にとって水道の遮断は、プーチン大統領が開始したウクライナへの戦争が、前線だけでなく民間インフラにまで及んでいることを確認させられる苦い現実だ。

ロシアは過去数週間で、ミサイルやドローン(無人機)を駆使したウクライナのエネルギー施設などへの攻撃を強化。ウクライナの大部分で電力供給がままならなくなり、攻撃に伴う死者も発生したほか、浄水が確保できない場所が出てきた。

ただ、ミコライウの水問題は他の地域よりもずっと前から続いている。同市の水道管理責任者ボリス・ディデンコ氏はロイターに、ロシア軍はウクライナが2014年、クリミア半島への給水を止めた仕返しとしてミコライウの取水施設を閉鎖したとの見方を示した。

<禁じ手>

ミコライウの市民は毎日のように、ポリタンクを手に抱えたり、カートに乗せて市内各地の給水所に向かう。スベタさんの後ろに並んでいたヤロスラフさんは「これがわれわれの今の生活だ。何の楽しみもないまま1日が過ぎ、次の日を迎える」と嘆いた。78歳のヤロスラフさんはかつて市内の造船所で働いていた。

世界中の水資源を巡る紛争の影響を文書にまとめている米カリフォルニア州シンクタンク、パシフィック・インスティテュートのピーター・グライク上席研究員は、ロシアが2月のウクライナ侵攻以降、水を武器として利用してきたと説明する。

グライク氏は電子メールによるやり取りの中で、「ウクライナの水に関するインフラはダムから浄水所、下水処理施設までロシアが幅広く標的にしている」と記した。同氏によると、国際法で民間インフラへの攻撃は戦争犯罪と規定される。

グライク氏らの研究チームが分析したこところでは、戦争が始まって最初の3カ月だけで、ウクライナの給水施設が破壊されたり、水道用と水力発電用のダムが攻撃されたりした事例は60件余りに上る。

ロシアはこれまでに複数の発電所を攻撃対象としたことを認めつつ、民間人の犠牲を避ける万全の努力をしていると主張している。しかし国連によると、確認されただけで民間人死者が1万4000人を超え、実際はこれよりずっと多い公算が大きいという。

一方、パシフィック・インスティテュートのデータベースに基づくと、ウクライナ側も水を時折武器にしてきており、ロシアが14年にクリミアを自国領土に組み入れると給水を止めたのはその一例だ。

グライク氏は、ウクライナ政府に給水を維持する法的義務はないものの、人道的な見地でそうするのが妥当だったと言えるのではないかとみている。

またウクライナ軍は2月、ロシアのキーウ攻撃を遅滞化させる目的でドニエプル川のダムから放水を行うという局面もあった。

それでもミコライウのディデンコ氏はロイターに「他の地域の問題はその地域だけで解決できる性質のものだ。われわれだけがこれほど大規模な災厄に見舞われている」と訴えた。

水がなくなって1カ月が経過した後、背に腹は代えられなくなった市当局は、下水管を清掃し、トイレの使用や洗い物を市民ができるようにするために、南ブーフ川河口から塩分を含む水を取り込むという「禁じ手」に踏み切った。この水は強い刺激臭があり、せっけんが泡立ちにくく、すすぐのも難しくなる。最悪なのは、市内の水道管で腐食による破損が起きていることだ。

<対症療法>

ディデンコ氏の話では、最終的に市内の水道システムを全面的に交換するしかないが、その膨大な費用をミコライウの財政で賄うことはできない。市内の工場は稼働しておらず、人口減少で税収も減っているからだ。

同氏は、取水施設の点検や補修をするために必要な停戦にロシアが応じないと非難し、「まさに破局的だ」と語った。

実際、市内のあちこちの道路では破損した本管から水が漏れ出している様子が見受けられる。ある修理現場にいた責任者は「この3日で5件目の水漏れだ」と話す。

ディデンコ氏は、塩水自体はどうすることもできない以上、できるだけ職員に水道管を修復させ続ける以外選択肢はないと説明。「われわれの仕事は現状を維持し、冬を乗り切ること。それは簡単ではなく、これからもっと問題が出てくるだろう」と警戒している。

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