松山英樹 マスターズで優勝 男子日本選手で海外メジャー初制覇 #nhk_news https://t.co/lr3KE4N1yz
— NHKニュース (@nhk_news) 2021年4月11日
アメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナルゴルフクラブで11日、行われた最終ラウンドで29歳の松山選手は通算11アンダーで2位と4打差の単独首位でスタートしました。
松山選手は出だしの1番をボギーとしますが、続く2番のパー5をバーディーとしてすぐに取り返します。
さらに8番、9番と連続バーディーを奪って、前半、スコアを2つ伸ばして折り返します。
後半に入ると、12番のティーショットをバンカーに入れ、この日2つ目のボギーとしますが、直後の13番パー5でバーディーを奪い、再びスコアを戻します。
しかし、15番のパー5の第2打を池に入れてボギーとしたあと16番も連続ボギーとしてスコアを落とし我慢のゴルフが続きます。
2位と2打差で迎えた最終18番をボギーでしのぎ、1打差で首位を守りました。
松山選手は最終ラウンドをバーディー4つ、ボギー5つでスコアを1つ落としたものの、通算10アンダーで初めてのマスターズ優勝を果たしました。
日本の男子選手が、ゴルフの海外メジャー大会で優勝するのは初めてで、松山選手は10回目のマスターズ出場で歴史的な快挙を成し遂げました。
男子ゴルフのマスターズ・トーナメントで初優勝を果たした松山英樹選手は「1番のティーグランドに立ってすごく緊張した。2番のティーショットですごくいいショットを打てたので、そこからだいぶ落ち着いてできた」と最終ラウンド序盤の心境を振り返りました。
後半に入ってからは「絶対難しくなると思っていたし緊張して、なかなか簡単にバーディーをとれるような状態ではなかったので、本当に1つずつミスをしないようにやっていた」と話しました。
2位と2打差で迎えた最終18番については「2打差あってよかったなと思いながら、丘を上がっていた」と話していました。
そのうえで松山選手は「10年前、マスターズに来させてもらって、自分は変わることができたと思っているので、その時、背中を押してくれた人たちに、またいい報告ができるのはよかったなと思っている。今回は、最後、ハラハラ、ドキドキさせてしまったので、次に勝つときはしっかりといい勝ち方で終わりたいと思っている」と笑顔をみせていました。
海外メジャーの全米オープンで1980年に2位に入り、現在は日本ゴルフツアー機構の会長を務める青木功選手がコメントを出し「日本初、アジア初となる今回の優勝は、私だけでなく、日本全国のゴルフファンや関係者が待ち望んだ瞬間でした」と悲願の初優勝をたたえました。
そのうえで「2011年のマスターズでは、東日本大震災で日本の国民が大きく傷ついているときに、見事ローアマチュアに輝き、特に被災した方々に勇気を与えてくれました。そして今回、新型コロナウイルスの世界的な拡大によって、皆さんの気持ちが落ち込んでいる状況の中でのマスターズ優勝で、本当に多くの方々に希望を与えてくれたと思います」としています。
さらに「今回の優勝は、ゴルフ界の将来を担う子どもたちに大きな夢を与えてくれたに違いありません。将来のプロゴルファーのためにも、松山選手の持っている心の強さ、忍耐力、技術の高さを、これからもいかんなく発揮し、披露してくれることを願っています」とメッセージを送っています。
力強く正確なショットと巧みなテクニック、そして勝負強いパットが持ち味で、これまで国内ツアーで8勝、アメリカツアーで5勝を挙げています。
東北福祉大学の2年生で19歳だった2011年に、海外メジャー大会の「マスターズ・トーナメント」に出場し、日本選手最年少で予選通過を果たして27位に入りアマチュアで最も成績がよい「ローアマチュア」に輝きました。
その年の11月にはアマチュアで国内ツアー大会を制し、2013年4月に大学に通いながらプロに転向しました。
この年、国内ツアーで4勝をあげて新人として初めて賞金王に輝き、2014年からはアメリカツアーに本格的に挑戦しました。
そして、この年(2014年)の6月には日本選手として史上最年少の22歳で、アメリカツアー優勝を果たしました。
アメリカツアーでの優勝は男子では青木功選手、丸山茂樹選手、今田竜二選手に次いで4人目でした。
2017年2月にはアメリカツアーで丸山茂樹選手の記録を抜いて日本の男子選手では単独で最多となる通算4勝目を挙げ、さらに8月の世界選手権シリーズ第4戦で通算5勝目をあげました。
海外メジャーではこの年(2017年)の全米オープンで2位に入りました。
しかし、2018年の左手のけがの影響などもあってその後、ツアーでの勝利から遠ざかっていました。
ショットや、パットの感覚を確かめながらのゴルフが続く中、去年11月の大会では2位に入るなど復調を見せていました。
男子ゴルフの海外メジャー大会は、マスターズ・トーナメント、全米オープン、全英オープン、それに全米プロ選手権の4つの大会で、出場条件の厳しさや賞金額、それに歴史と伝統などから世界で最も注目を集める大会です。
この海外メジャー大会を最も多く制したのは1960年代から90年代にかけて活躍し、「帝王」とも呼ばれたアメリカのジャック・ニクラスさんで、4つの大会で合わせて18回の優勝を誇っています。
1990年代からはアメリカのタイガー・ウッズ選手が活躍しおととしのマスターズで11年ぶりの勝利を挙げたウッズ選手は歴代2位の15勝を積み上げています。
一方、日本選手はこれまでこの4つのメジャー大会で優勝の経験はなく、青木功選手が1980年に全米オープンで2位に入ったのが最高でした。
松山英樹選手は2017年の全米オープンで青木選手に並ぶ2位に入り、マスターズでも2015年に5位となるなど日本の男子選手として初めてとなる海外メジャー大会優勝への期待が高まっていました。
1934年から始まったマスターズ・トーナメントは4つの海外メジャー大会のうち、唯一、毎年同じコースで行われます。
会場のアメリカ・ジョージア州にある「オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ」は「ガラスのグリーン」と呼ばれるほど、速くボールが転がるグリーンが特徴で難易度の高いコースです。
また、11番から13番までの3つのホールは風向きを読みにくく「神に祈るほど難しい」ことから「アーメン・コーナー」と呼ばれています。
メジャー大会の優勝者や世界各地のツアーの賞金ランキング上位者など限られた選手のみが招待される大会で、優勝者がはおる「グリーンジャケット」はすべてのゴルファーの憧れとも言われています。
これまでに多くの日本選手が挑んできましたが2001年の伊澤利光選手、2009年の片山晋呉選手が4位に入ったのが日本選手としての最高成績です。
松山選手はアマチュアとして初めて出場した2011年に27位に入り、アマチュアとして最も成績のよい「ローアマチュア」に輝き、これまでは2015年の5位が最高成績でした。
男子ゴルフの海外メジャー大会でこれまで最多の18勝を挙げ「帝王」と呼ばれたアメリカのジャック・ニクラスさんは、みずからのツイッターで「日本人ゴルファーとして初めてメジャー大会で優勝したことを心から祝福したい。日本のゴルフ界全体が満足しているだろうし、青木功さんに続き、永遠に日本の英雄になる。すべてのショットを見たが美しくプレーし冷静で落ち着いていた」とたたえました。
マスターズで優勝後の松山英樹インタビュー(一問一答) #nhk_news https://t.co/Hq9Wt44ZhA
— NHKニュース (@nhk_news) 2021年4月12日
Q:グリーンジャケットを羽織ってガッツポーズを見せた。どんな気持ちだった?
A:本当は18番でやりたかったけど、表彰式でできてよかったと思います。
Q:最終日どんな気持ちでプレーをしていた?
A:自分のベストを尽くすことだけを考えて、通算14アンダーから15アンダーまで行けば、追いつかれないと思っていたので、そこを目指してやっていました。
Q:出だしの1番でボギー、2番でバーディー取り返した。最初の1番と2番はどうだった?
A:正直、1番のティーグランドに行くまでは全然普通にいけたのかなと思うが、やっぱりティーグランドに立って、すごく緊張してきて。2番のティーショットですごくいいショットを打てたので、そこからだいぶ落ち着いてできました。
Q:そして3番、4番、5番とすばらしいパーセーブだった。
A:そうですね。ミスパットなんですけど。まあ、そういうのも今週は多くて。よかったなと思っています。
Q:そして8番、9番の連続バーディーで一時2位とは5打差。リーダーズボードは確認していた?
A:ずっとチェックはしていましたけど、後半になって絶対難しくなってくると思っていましたし、自分の状態が、緊張してなかなか簡単にバーディーをとれるような状態じゃなかったので。本当に1つずつミスをしないように、しないようにやっていたんですけどね。最後ミスしましたけど。まあよかったと思っています。
Q:リードした状態で15番も果敢に2オンをねらっていた。あの時は?
A:距離的に4番アイアンだったので、3番アイアンならきざもうと思ったが、(同じ組の)ザンダー・シャフリー選手も3連続(バーディー)できていましたし、ここでバーディーを取れば、引き離せるかと思っていたが、裏目に出ましたね。
Q:18番。最終組の丘を上がってくるとき、スタンディングオベーション。どういう気持ち?。
A:2打差あってよかったなと思いながら(丘を)上がっていました。
Q:黄色のウエアはなぜ?
A:特に意味はないんですけど、黄色とネイビーなら、グリーンジャケットに合うかなと思って。
Q:意識していたんですね?
A:いや、ウエア決める時は全然そういうのはないんですけど。終わってみてそういう風になったのでよかったなと思っています。
Q:日本の子どもへメッセージ
A:やっと日本人でもできるというのが分かったと思うので、僕もまだまだ頑張ると思うので、メジャーを目指して頑張ってもらいたいと思っています。
Q:東北の皆さんへのメッセージは?
A:10年前、ここ(マスターズ)に来た時に、ここに来させてもらって、自分が変わることができたと思っているので。10年っていう、早いのか遅いのかわからないですけど。こうやってその時背中を押してくれた人たちに、またいい報告ができたのはよかったなと思っています。
Q:日本のファンにもひと言。
A:最後はハラハラドキドキさせてしまったので、次、勝つときはしっかりといい勝ち方で終わりたいなと思っています。
男子ゴルフのメジャー、マスターズ・トーナメントで11日に日本人初制覇を成し遂げた松山英樹選手。優勝を確信したこの日の重要なショットは何だったのかと問われると「18番のティーショットがフェアウェーにいったことが一番のキーポイントだと思う」と説明した。https://t.co/4uP22mfKmE
— ロイター (@ReutersJapan) 2021年4月12日
米英メディア、松山英樹マスターズ優勝は「コロナによる日本の報道陣の少なさが、松山にとっては幸いだった」 松山「日本の報道陣の数が減ったことで、私にとってはストレスが減った」とコメント~ネットの反応「マスコミはアスリートファーストじゃないからな」 https://t.co/Bxqouf4QVr
— アノニマス ポスト ニュースとネットの反応 (@anonymous_post2) 2021年4月12日
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