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ウクライナ側の拠点バフムトをめぐってロシア国防省は15日の発表で、民間軍事会社ワグネルの部隊が街の南と北にある2か所の区域を奪ったとした上で、市内に残るウクライナ軍は退却していると主張しました。

イギリス国防省は14日の分析で、ロシア側は国防省とワグネルの関係が改善され、精鋭の空てい部隊も加わってバフムトへの攻撃を再び活発化させていると指摘した上で、ウクライナ側は一部で撤退を余儀なくされているという見方を示しました。

ウクライナ軍の東部方面部隊の報道官は15日、地元メディアに対して「過去数十年で例のない血みどろの戦いになっている」と述べ、ロシア側が24時間で、バフムトや周辺に150発を超す砲撃を行うなど激しい攻撃を続けていると訴えました。

その上で「われわれは敵の戦闘能力をそぎ落とし、体力と士気を奪うことに全力を注いでいる」と述べ、バフムトでロシアの侵攻を食い止める考えを強調しました。

#ウクライナ戦況(東部ドネツク州バフムト)

欧州連合(EU)内では、ロシア産化石燃料の利用停止に向けた努力に向けて、その抜け穴をふさぐという困難な課題に取り組むべきだという政治的圧力が高まっている。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻から1年、EUは海上輸送によるロシアからの石油・石炭輸入を制裁対象としてきた。

ロシア産天然ガスは制裁対象となっていないものの、パイプライン経由で供給される天然ガスへの依存は劇的に低下した。だがその一方で、EU各国によるロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入量は全体として増大しており、2027年までにロシア産化石燃料の使用から脱却するというEUの公約達成が危ぶまれている。

結果的に、EUはロシアの国営天然ガス企業ガスプロムとノバテックに何十億ドルも送金したことになり、これがウクライナでの戦費に回っている可能性がある。このエネルギー企業2社は、法人税の納付によって、ロシア財政に対する最大の貢献者に名を連ねているからだ。

グローバル天然ガス市場の予測を行う調査会社キャプラビューのアナリストらは、ウクライナ侵攻開始から10カ月間でロシアが輸出したLNGの半分近くは欧州に向かい、その収益は約140億ドルに達したと試算している。

EUの分析では、ロシア産LNGの輸入量は、2021年の160億立方メートルから昨年は220億立方メートルに増大したとされている。EUがかつてパイプライン経由でロシアから購入していた天然ガスは年間1550億立方メートルで、これに比べれば圧倒的に少ないとはいえ、侵攻開始以降、輸入量が大幅に増えた国も一部に見られる。

調査会社ケプラーの分析では、ベルギーとスペインでは、ロシアのウクライナ侵攻開始後12カ月間で、ロシア産LNGの輸入量が2倍近く増大した。

27カ国が加盟するEU内部ではこの問題への対処を求める声が高まっているが、その方法についての合意は得られていない。エネルギー価格が高騰するリスクや、むしろロシアのエネルギー収益を高めてしまうリスクが高いからだ。

EUのカドリ・シムソン欧州委員(エネルギー担当)は先月、加盟国とEU域内企業に対しロシア産LNGの購入をやめるよう呼びかけ、EUからロシアへの資金の流れを断つ取り組みを喧伝する一方でLNG輸入量が上昇していれば「EUの評判に傷がつくリスク」があると述べた。

またスペインでも先月、テレザ・リベラ・エネルギー相が、スペイン企業に対してロシアのLNGの新規購入契約を結ばないよう要請した。ただし同氏は、公式の制裁を理由としない限り、ロシア産LNGの購入を停止したEU企業は契約違反で違約金を支払わざるをえなくなるだろうと述べている。

リベラ氏はロイターの取材に対し、「制裁パッケージの一環として位置付けるべきだと考えている。さもなければ、きわめて馬鹿げた状況になる」と語った。

「総量としてはそれほど多くないというのは事実だ。とはいえ、なぜロシア産LNGの輸入をまだ続けているのかという説明は容易ではないと思う」

全加盟国の同意が必要となる制裁の承認は政治的なハードルが高いため、EUの一部では別の選択肢を模索する動きがある。

先週には、複数のEU加盟国が連名で、ロシア企業が欧州向けLNG輸出に必要なインフラ設備の利用を予約することを停止できるようにする法律上の選択肢をEUとして設けることを提案した。

この提案は、EUの天然ガス市場に関する幅広いルールを含む法案の一部であり、欧州議会との協議が必須となる。欧州議会はさらに踏み込んだ措置を求めており、ロシア産天然ガスのEUへの輸入を実質的に全面禁止することを提案している。

「前例のない時代には、前例のない対応が求められる」と語るのは、欧州議会でこの法案の代表提案者となっているイェジ・ブゼク元ポーランド首相。ブゼク氏は、この提案はロシア産化石燃料への依存に終止符を打つというEUの戦略に沿ったものだと話している。

<実務上、国際法上の課題も>

だがEU当局者の一部は、欧州議会の提案が加盟国からの政治的支持を得られる可能性はきわめて低いと話しており、理由の一端として、法律上の困難を挙げる。

イカー・マッキンジー法律事務所でエネルギー関連の上級顧問を務めるクラウスディーター・ボーチャート氏によれば、世界貿易機構(WTO)のルールが認めているのは、各国がある限定された条件の下で特定の製品を自国市場から排除することだけだという。

ボーチャート氏は欧州議会の提案について、「個人的には、今回のような案が、こうしたWTOの無差別原則と整合するのか疑問を抱いている」と語る。同氏は以前、欧州委員会エネルギー局の幹部の立場にあった。

オランダのロブ・イェッテン・エネルギー相は、一部の国では、LNG輸入の即時停止に対応できるほど供給源するのが不可能という実務上の困難がある、とロイターに語った。

イェッテン氏はロシア産LNGに対する制裁の見込みについて、「一部のEU加盟国にとって、これはやりすぎと言うことになろう」と語る。

オランダはウクライナ侵攻開始以来、パイプライン経由でのロシア産天然ガスの輸入を全廃した。LNG輸入については、減らしているもののゼロにはなっていない。

<傷を負うのは誰か>

ロシア産LNG輸入の停止は両刃の剣だとアナリストらは言う。

キャプラビューのアナリスト、タミル・ドゥルズ氏は、輸入停止によって欧州での天然ガス価格は上昇するが、必ずしもロシアの輸出収益が減るとは限らない、と言う。LNGであれば、対ロシア制裁を科していないアジア市場などに輸出先を変更することは簡単だからだ。

「実質的にロシアに滞留しているパイプライン経由のガス輸出と異なり、ロシア産天然ガスについて、ロシアの輸出収益やグローバル天然ガス市場の依存度を低下させることははるかに難しいだろう」とドゥルズ氏は語る。

また、タンカー間の積み替えを考えれば、他国から運ばれてくるLNGについてロシア産が含まれていないと判定することは難しく、禁輸措置の執行にも課題が残る。

EU外交担当者の中には、たとえば欧州ではLNGがロシア産でないことを証明する文書の提示が義務付けられ、他地域の市場ではそうした証明が求められないとすれば、サプライヤーが欧州向けのLNG出荷に二の足を踏むのではないかという懸念が見られる。

このところLNG市場での需給は逼迫(ひっぱく)しているため、一部のアナリストは、欧州がロシア産LNGの代替を探そうとしても容易ではなく、そのギャップを埋められなければガス不足の恐れが生じると話している。

コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターの研究者アンヌゾフィー・コルボー氏は、「制裁の基本は、制裁の対象とする国より深い傷を自国が負わないようにすることだ」と語る。

#ウクライナ経済制裁EULNG

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#独中(ベアボック外相・訪問)
#台湾有事(EU・ドイツ・ベアボック外相)

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#台湾有事(EU・フランス・マクロン大統領)

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#仏中(マクロン大統領・訪問)

中国を訪問したブラジルのルラ大統領は15日、米国に対して戦争の扇動をやめるべきだと呼び掛けた。

ルラ氏は北京市内での記者会見で、米国と欧州連合(EU)はウクライナでの戦争をあおらず、平和について語り始めるべきだと主張。ロシアのプーチン大統領ウクライナのゼレンスキー大統領に、平和こそが全員の利益にかなうこと、現時点で戦争に関心をひかれているのは両氏だけだということを納得させる必要があると述べた。

そのうえで、和平の道を見つけようとする国々のグループを結成するべきだと訴えた。

ゼレンスキー氏は、プーチン氏が権力の座にある限り和平交渉には応じない立場を貫いている。

ルラ氏は14日から中国を訪れ、習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。ボルソナーロ前政権下で冷え込んだ中国との関係を建て直す狙いがある。

ウクライナ情勢を外交の主要課題とする欧米諸国とは異なり、ルラ氏の訪中では中国との貿易やブラジル経済の再建に向けた投資、二酸化炭素(CO2)排出量取引などが主な焦点になっている。

ルラ氏はロシアのウクライナ侵攻に対し、バイデン米大統領が率いる反対意見とは一線を画して、不介入路線をとっている。

#ウクライナ代理戦争(ブラジル・ルラ大統領アメリカ)
#ウクライナ和平交渉(中国・ルラ伯大統領)

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#米伯(ルラ大統領・ドル覇権)

ウクライナでは、キリストの復活を祝う復活祭にあたる16日も各地で戦闘が続き、地元の当局者などによりますと南部ミコライウ州で、ロシア軍の砲撃で10代の若者2人が死亡したほか、前日の15日には南部ザポリージャ州で地元の教会が破壊されたとしています。

ウクライナ軍の参謀本部は16日、東部ドネツク州の拠点バフムトと、州都ドネツクの南西にあるマリインカが激戦地となっていると指摘しました。

一方、ロシア国防省は15日、バフムトについて、民間軍事会社ワグネルの部隊が街の南と北にある2か所の区域を奪ったとした上で、市内のウクライナ軍が退却していると主張するなど、ウクライナ側は厳しい状況が続いているとみられます。

こうした中、ワグネルの代表プリゴジンは14日、SNS上にウクライナの侵攻に関する長文の論文を投稿しました。

論文でプリゴジン氏は、バフムトを掌握する重要性を強調するとともに、「理想的なのは、特別軍事作戦の終了を発表し、ロシアの成果が得られたことを人々に知らせることだ」などと主張しました。

そして、ウクライナ軍が大規模な反転攻勢を行えば、ロシア側のリスクになるとしていて、侵攻から1年たった2023年2月24日時点でロシア側が占領した領土を維持したうえで停戦することなどを提案しています。

これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は15日に発表した分析で、プリゴジン氏はウクライナ侵略の終結を提案したわけではない。ウクライナを倒すか、または、ロシア国内の愛国主義の勢力を再生してから、将来的にロシアが勝利できるように求めたものだ」と分析しています。

プーチン大統領 ロシア正教会の大聖堂で夜の礼拝に参列

ロシアのプーチン大統領は、キリストの復活を祝う16日の復活祭にあわせて首都モスクワの中心部にあるロシア正教会の大聖堂で、側近のひとりであるモスクワのソビャーニン市長や多くの市民とともに夜の礼拝に参列しました。

プーチン大統領は火をともした赤いろうそくを手にし、ロシア正教会を率いるキリル総主教にあわせて祈りをささげていました。プーチン大統領ウクライナへの侵攻を続ける中、去年もこの時期に、復活祭の礼拝に参列しています。

ロシア正教会のキリル総主教はプーチン政権の軍事侵攻についてロシア正教の信者の世界を守るためのものだとして支持する立場を鮮明にしています。

#ウクライナ戦況(東部ドネツク州バフムト)
#ウクライナ戦況(東部ドネツク州マリインカ)
#ウクライナ和平交渉(ロシア・プリゴジン

#NATOexpansion

#反ロシア#対中露戦

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