ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指してウクライナ側の拠点、セベロドネツクなどへの攻撃を続けていて、ロシア国防省は22日、ルハンシク州やドネツク州のウクライナ軍の弾薬庫などを攻撃したと発表しました。
またウクライナ南部への攻撃も強化していて、21日にはミコライウ州の造船所をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍の武器などを破壊したとしているほか、オデーサ州の沖合にあり、ロシア軍が攻撃の拠点とするズミイヌイ島の近くでウクライナ軍の無人機を撃墜したと明らかにしました。
これに対しウクライナ側も各地で反撃を試み、激しい戦闘が続いているもようです。
こうした中、ロシアと欧米との対立が深まっています。
ロシア外務省のリャプコフ外務次官は22日、リトアニアが、ロシア本土と飛び地のカリーニングラードを結ぶ鉄道貨物輸送の制限を始めたことをめぐり、アメリカ国務省のプライス報道官がリトアニアを支持する姿勢を示したことにコメントしました。
この中でリャプコフ外務次官は「今のヨーロッパ情勢におけるアメリカの影響は大きい」としたうえで「NATOやEUがロシアに対して仕掛けるハイブリッド戦争の一環だ」と欧米側を批判しました。
この問題をめぐってはロシアのプーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記も「適切な措置が検討されており、近く実施されるだろう」と述べ、対抗措置をとる構えを示しています。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は、22日開かれたBRICSの関連会合にそれぞれビデオメッセージを寄せました。
このうち、プーチン大統領は、欧米によるロシアへの制裁を改めて批判したうえで「結果として世界では食料安全保障の問題の深刻化や農作物の価格高騰などが生じている」と述べ、食料危機の責任はあくまで欧米側にあると主張しました。
そしてロシアから中国やインド向けの原油の輸出量が大幅に増えていることや、BRICS各国に大量の肥料を輸出している実績を挙げながら「ロシアはBRICSと連携して物流ルートの再構築や新たな生産網の構築に取り組む」と述べ、中国やインドなどとのいっそうの関係強化を目指す姿勢を強調しました。
一方、中国外務省によりますと、習主席は、NATO=北大西洋条約機構の東方拡大を念頭に「軍事同盟を拡大し、他国を犠牲にして自国の安全を追求すれば、必ず安全保障上の苦境に陥るだろう」と述べて、欧米を批判しました。
さらに、習主席は「制裁はブーメランであり、もろ刃の剣であることが何度も証明されている」と述べた上で欧米によるロシアへの制裁は世界に悪影響を及ぼすことになると主張して、プーチン大統領と足並みをそろえました。
ロシアのプーチン大統領は22日、西側の制裁を受けてロシアは貿易と石油輸出の相手をBRICS諸国に切り替えていると述べた。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成するBRICSの会合参加者向けにビデオ演説し、ロシア市場で中国製自動車の存在感を高める計画や、インドのスーパーマーケットチェーン出店について議論していると明らかにした。
また「BRICS諸国におけるロシアの存在感も高まっている。中国とインド向けのロシア産石油輸出は顕著に増加している」と述べた。
国際的な金融決済の新たな仕組みに関する開発について、BRICS諸国と共同で取り組んでいることも明らかにした。
「ロシア金融メッセージングシステムはBRICS諸国の銀行との接続が可能だ。ロシアの決済システム『MIR(ミール)』は存在感を強めている」としたほか「BRICS通貨バスケットに基づく国際基軸通貨を創設する可能性を探っている」と述べた。
新興5カ国(BRICS)は、通貨バスケットに基づく準備通貨の開発で作業を進めている。ロシアのプーチン大統領がBRICS首脳会議に先立つテレビ演説で語った。
この中でプーチン氏は、中国とインドに対するロシアの石油輸出は著しく増加していると指摘。中国とはロシア車の輸出増加で、インドとは同国の小売チェーンのロシア市場参入についてそれぞれ協議していると述べた。
原題:
Putin: BRICS Countries Working on Basket-Based Reserve Currency(抜粋)
ロシアのプーチン大統領は22日、デフォルト(債務不履行)リスクが注視される中、外貨建て債の債務を履行するための一時的な手続きを確立する法令に署名した。
ロシアは資金があるにもかかわらず、ウクライナ侵攻を受けた西側の制裁により利払いが困難になっているとし、欧米諸国がロシアを人為的にデフォルトに追い込もうとしていると非難している。
プーチン氏は新たなスキームに基づき、政府がユーロ債の支払いを処理する銀行を選ぶ期間を10日間設けた。
法令は「ユーロ債の債務は外貨建て債務の価値と同等額のルーブルで履行された場合、適切に履行されたと見なされる」としている。
法令によると、為替レートは支払い日におけるロシア国内の為替市場のレートに基づいて算出される。
ロシアは5月27日にドル建て債で7125万ドル、ユーロ建て債で2650万ユーロ(2798万ドル)の利払い期限を迎えた。
ロシア財務省は同国の連邦証券保管振替機関(NSD)に資金を移管したとしているが、制裁によりこれ以上の手続きは進まない見込みで、30日の猶予期間が終了する6月末ごろにデフォルトに陥る可能性がある。
オーストリアの首都ウィーンで開かれている核兵器禁止条約の締約国会議は、2日目の22日、条約には参加しないものの会議にオブザーバーとして出席している、NATOの加盟国が相次いで発言しました。
このうちノルウェーの代表は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によってヨーロッパの安全保障環境が激変したとしたうえで「NATOの核政策を完全に支持している。同時に核軍縮に向け禁止条約の締約国とも建設的な対話を続けたい」と述べ、条約には参加しないものの、締約国との協力を模索していく姿勢を示しました。
またオランダの代表は、禁止条約と核保有国も参加するNPT=核拡散防止条約との関係に言及し「禁止条約がNPTを強化し補完するよう、改めて求める」と述べ、2つの条約が補完し合って現実的な核軍縮が進むよう、改善を求めました。
さらにドイツの代表は「『核なき世界』という目標は完全に共有している。ロシアが核による威嚇を行い、中国が核戦力を強化するいまこそ、同じ目的のために対話と議論を進めたい」と述べ、核廃絶を目指す条約の理念は共有する考えを強調しました。
国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF)は22日、ウクライナ人映像記者が友人と共にキーウ(キエフ)の北でロシア軍によって「冷酷に処刑」されたとする報告書を公表した。
死亡した記者はマクシム・レビン氏。3月13日に行方不明になっていたが、RSFは同氏がこの日に処刑されたとしている。
ロイターは、報告書の結論を独自に確認できていない。
RSFは、弾丸やレビン氏の燃えた車など現場の証拠に加え、同氏と友人の遺体が4月1日に発見された際の写真を検証した。
報告書によると、レビン氏は至近距離から1、2発の銃弾を受けて死亡した可能性が高い。友人は遺体の位置などから判断して、生きたまま焼かれた可能性があるという。
ウクライナ検察は、レビン氏がロシア軍兵士に小銃で2発撃たれて殺害されたとしている。
ウクライナ人のフォトジャーナリスト、マクシム・レビン氏(40)は、ことし3月、取材中に行方不明となり、4月1日に首都キーウ近郊の森の中で遺体で見つかっていました。
フランスに本部を置く「国境なき記者団」は、5月から6月にかけて現地で調査を行い、6月22日、報告書を公表しました。
それによりますと、遺体の状況などから、レビン氏が至近距離から頭部を撃たれていたほか、一緒に遺体で見つかった友人のウクライナ軍兵士は、生きたまま焼かれた可能性があることが分かったということです。
「国境なき記者団」のクリストフ・ドロワール事務局長は「集められた証拠は、レビン氏と友人の兵士がロシア軍に処刑されたことを示していて、拷問された可能性もある。2人を処刑した者の特定に全力で取り組む」とコメントしています。
ロシア軍は22日もウクライナ第2の都市・ハリコフや東部ドンバス地方に激しい攻撃を続けた。4カ月間にわたるロシアの侵攻で犠牲や破壊が広がる中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国が欧州連合(EU)の「加盟候補国」に認定される見通しとなったことに歓迎の意を表した。
EUは23日の首脳会議で、ウクライナを加盟候補国に正式に認定する見通し。加盟手続きには長い時間がかかるため、象徴的な意味合いが強いが、ウクライナ人の士気を高めると期待されている。
ゼレンスキー氏はオランダの首都アムステルダム向けのビデオ演説で、EUの全27加盟国が候補認定を支持するだろうと論じ「われわれにはその資格がある」と語った。
外交筋によると、ウクライナが加盟基準を満たすまでには10年以上の時間を要する見込み。ただ、EU首脳らはロシアの侵攻によってウクライナ人が犠牲を強いられたことを認める意思表示が必要だとしている。
<ハリコフ総攻撃>
ロシア軍は、一時は押し戻されていたハリコフで21日、22日に攻勢を強めた。
砲撃で少なくとも20人が死亡したと報じられており、ウクライナ政府は、主戦場となっているドンバスから同国軍の一部をハリコフの民間人保護に振り向けるよう仕向けるのがロシア側の狙いだと指摘。
ハリコフ州のオレフ・シネグボフ知事は、通信アプリ「テレグラム」に「ロシア軍による民間人への砲撃は弱まらない」と投稿。「ロシア軍が圧力を受けて撤退したチェルニヒウやキーウと同じシナリオは期待できない」とした。
東部ルガンスク州のガイダイ知事はネット上の投稿で、ロシア軍は要衝セベロドネツクでウクライナ軍を包囲するために予備部隊を増強していると指摘。ロシア側が同市を既に制圧したと主張していることについては「戦闘は続いている」と反発。「ロシア軍は完全掌握していない」と現地テレビに語った。
リトアニアのナウセーダ大統領は22日、ロイターのインタビューに応じ、同国がロシアの飛び地カリーニングラードへの本国からの貨物列車運行を拒否した問題で、ロシアが電力供給遮断などの報復に動く事態に備える考えを示した。軍事的な衝突は想定していない。
欧州連合(EU)が発動した対ロシア制裁に基づき、加盟国であるリトアニアはカリーニングラードとロシア本土間の建設資材や金属、石炭などの物資の国内通過を拒絶。ロシア側はこれに激怒し、プーチン大統領最側近の1人は21日、リトアニア国民が痛みを感じる方法で報復すると警告した。
こうした中でナウセーダ氏は「ロシアが(対抗措置として)非友好的な行動、例えば送電システムの遮断に動くことなどへの準備は整っている」と語った。
旧ソ連圏のバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)はEU加盟から17年を経た現在でも、安定的な電力供給をロシアに依存している。ただリトアニアは昨年、ロシアが電力供給を遮断した場合の「保険」として、ポーランドとシステムをつないで欧州大陸から電力を得るための装置を導入した。
またEUが16億ユーロを拠出したプロジェクトは、バルト3国が2025年にロシア、ベラルーシと共有する送電システムから脱却し、欧州大陸の送電システムに切り替えることを目指している。
一方、ナウセーダ氏は「われわれは北大西洋条約機構(NATO)に加盟している以上、ロシアが軍事的な手段でわれわれに挑んでくるとは考えていない」と語った。
ナウセーダ氏は、来週のNATO首脳会議にリトアニアとロシアが現在対立している問題を持ち込む意向を表明。この会議ではバルト3国を含め、ロシア周辺のNATO加盟国の駐留部隊を拡充するかどうか検討する見通しだ。
同氏は「ロシアの現状や同国が問題解決のためにどんな手段や威嚇を行使しているかを説明する上で、今回の事例(対立)を用いるのは間違いではないだろう。それにより、われわれがロシアからごう慢な態度で脅されている時に、ロシアの顔を立てられるようにしなければと発言する人々を沈黙させられるかもしれない」と述べた。
さらに同氏は、EUの対ロシア制裁が段階的に強化されるのに伴って、リトアニアもカリーニングラードとロシア本土間の輸送禁止物資の対象を拡大していく方針を明らかにした。
ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指して、ウクライナ側の拠点であるセベロドネツクなどへの攻撃を続けています。
また、南部への攻撃も強めていて、21日にはミコライウ州の造船所をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍の武器などを破壊したとしているほか、オデーサ州の沖合にあるロシア軍の攻撃の拠点の近くで、ウクライナ軍の無人機を撃墜したと明らかにしました。
これに対しウクライナ側も反撃を試み、各地で激しい戦闘が続いているもようです。
こうした中、23日からは2日間の日程でEUの首脳会議が開かれ、加盟を申請したウクライナについて、交渉開始の前提となる「加盟候補国」としての立場を認めるかが協議される見通しです。
これを前にゼレンスキー大統領は22日、動画を投稿し「ウクライナにとってよい決定をしてもらうため、各国の首脳たちに朝からずっと電話をかけ続けている」と述べました。
大統領は「加盟候補国」として認めるよう、23日も電話での働きかけを続けるとしていて、EUとの関係強化に期待を示しています。
ショルツ独首相は22日、議会で演説し、自国と同盟国を守るために軍備を強化し、欧州連合(EU)最大の経済大国にふさわしい責任を果たすと表明した。
過去数十年で最大の安全保障上の危機において、ドイツには特別な責任があり、自国だけでなく同盟国の安全保障にも責任を負っていると述べた。
ロシアのプーチン大統領が「大失敗」を認めるまで、ウクライナに軍事的、人道的、財政的支援を行うことがドイツには不可欠と訴えた。
エネルギー価格の上昇や食料問題の悪化など、ウクライナ戦争の影響で特に打撃を受けている南半球の途上国との連帯を示すことが重要と指摘。「もしわれわれがこれらの国々に対して連帯を示すことができなければ、ロシアや中国のような大国がそれによって利益を得ることになる」と主張した。
ジョンソン英首相は国防情報当局の見解として、ウクライナ戦争におけるロシアの勢いは、軍が資源を使い果たすにつれて今後数カ月で減速すると述べた。欧州の複数の新聞とのインタビューを南ドイツ新聞が22日伝えた。
ロシア軍はウクライナ東部のドンバス地域で前進しているが、兵士や装備に大きな損失が出ていると指摘した。
「国防情報当局によると、今後数カ月の間にロシアは資源を使い果たし、前進する勢いを失う可能性がある」とし「その時に形勢を逆転させるようウクライナを支援しなければならない。(週末にドイツで開催される)主要7カ国(G7)首脳会議で主張するつもりだ」と話した。
ウクライナの勝利、あるいはプーチン・ロシア大統領の失敗はどのようなものかとの質問に対し「少なくとも(侵攻が始まった)2月24日以前の状態を回復し、(ロシアの)軍隊を侵攻した地域から撃退することだ」と述べた。
英国防省は23日、ロシア軍がウクライナ東部の都市リシチャンスクに向かって進軍しており、川を挟んだセベロドネツクを含め周辺地域に対する圧力を強めているとの分析をツイッターに投稿した。
6月19日以降、リシチャンスクに南方から進入する経路に向け5キロメートル余り進軍した可能性が高いとした。
ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は23日、ロシア軍が攻勢を強める都市リシチャンスクとセベロドネツクの南にあるLoskutivkaおよびRai-Oleksandrivkaの両集落が制圧されたと明らかにした。
ウクライナ軍は、セベロドネツクとその近郊のZoloteおよびVovchoyrovka集落の防衛を続けているという。
ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指してウクライナ側の拠点、セベロドネツクなどへの攻撃を続け、ロシア国防省は22日、ルハンシク州で弾薬庫などを破壊したと発表しました。
イギリス国防省は、ロシア軍が19日以降、セベロドネツクに隣接するリシチャンシクに向かって部隊を進めた可能性が高く、ウクライナ側は、包囲されないよう一部の部隊を撤退させたという分析を23日、示しました。
そして、ロシア軍は最近、部隊を強化して火力を集中させ、セベロドネツクなどの一帯に対して、圧力を強めていると指摘しました。
ロシア軍は、ウクライナ側が反転攻勢に乗り出していた東部ハルキウ州でも、ここ数日、砲撃を強め、ウクライナの公共放送が22日、伝えたところによりますと、8歳の女の子を含む15人が死亡したということです。
しかし、24日で侵攻開始から4か月がたちますが、ロシア軍は東部のいずれの州も全域を掌握はしていません。
こうした中、ロシア軍の動向に詳しい軍事評論家のワレリー・シリャエフ氏はNHKの取材に対して、ロシア軍の指揮をとっていたとされる、南部軍管区のトップ、ドボルニコフ氏が総司令官を更迭されたという見方を示しました。
シリャエフ氏は「ドボルニコフ氏に代わって、事実上、別の人物が指揮している。それはロシア軍の軍事政治総局長で、別の紛争に参加した経験がある 人物だ」と述べ、ロシア軍のゲンナジー・ジトコ軍事政治総局長の名前を挙げました。
侵攻したロシア軍の総司令官をめぐっては、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も21日、プーチン大統領が、ドボルニコフ氏からジトコ氏に交代させたとする見方を示しています。
そのうえで、「主要な戦闘の最中の司令官の交代は、ロシア軍の上層部の深刻な危機を物語っている」と指摘しています。
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