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ウクライナの復興支援をめぐってイギリスで開かれた国際会議が閉幕し、ウクライナ政府は企業側から投資への高い関心が寄せられ、この冬に向けた資金調達の道筋がついたとしました。

会議には、ロシアによる軍事侵攻で甚大な被害を受けているウクライナの復興について話し合うため、日本を含む61か国の政府関係者のほか、国際機関や民間企業などが参加しました。

最終日の22日は、支援を受けるウクライナ側の透明性の確保や、復興の妨げとなる地雷の除去などについて意見が交わされました。

世界銀行の試算では、ウクライナの復興費用は4110億ドル、日本円でおよそ58兆円に上り、各国の援助に加えて企業の直接投資が課題となっています。

会議を主催したイギリスのクレバリー外相は、呼びかけに応じて500社近くが投資を約束したと明らかにし「ウクライナの復興は単独ではできない。われわれはウクライナとともにあることを示した」と成果を強調しました。

また、ウクライナのシュミハリ首相は、復興費用のうち、この冬に向けたエネルギー関連施設や住宅の再建などに必要な65億ドル、日本円でおよそ9200億円について「会議を通じて集められると確信している」と述べ、調達の道筋がついたとしました。

発表された議長声明には企業側の求めに応じて新たな戦争保険の枠組みを設けることや、凍結されているロシア関係者の資産の活用を国際法の範囲内で検討すること、それに教育や社会サービスの復興に力を入れることなども盛り込まれました。

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#ウクライナ復興会議(ロンドン)

ロンドンで開催中のウクライナ復興会議に出席したウクライナのシュミハリ首相は22日、同会議での支援表明に基づき、早期復興計画で今年必要となる65億ドルを確保できると確信していると述べた。

首相は21日に約70億ドルの支援を確保する見込みと述べていた。ウクライナ政府はエネルギー部門の再建にまず重点的に取り組み、早期復興を進める計画。

復興会議の共同議長を務めた英国とウクライナは閉会に際して声明を出し、参加国が複数年にわたる復旧・復興に600億ドルを拠出することに合意したと説明。欧州連合(EU)が20日に表明した500億ユーロの支援と米英による追加支援がその大半を占める。

シュミハリ氏はまた、産業界からウクライナのプロジェクトに多くの関心が寄せられたと述べた。英政府が投資リスクの低減に寄与する可能性がある「戦争リスク保険のためのロンドン会議フレームワーク」を公表した後にとりわけ関心が強まったとした。

世界銀行欧州委員会、国連は3月に、ロシアのウクライナ侵攻開始から1年経過した時点での復興費を4110億ドルと見積もっていた。

シュミハリ氏は、ウクライナ全土が解放されれば復興費はこの2倍になると予想し、復興には何十年もの時間がかかるとの見通しを示した。

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#ウクライナ復興会議(ロンドン)

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は22日、ウクライナでの戦闘におけるロシア側の損失や失敗について国防省プーチン大統領と国民にうそをついていると非難した。

ロシア国防省は軍事作戦の効率を高めるためとして、ワグネルのような「志願兵分遣隊」に対し、月末までに同省と契約するよう求めているが、プリゴジン氏は拒否している。

プリゴジン氏は音声メッセージで、ショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長が「戦線での非常に深刻な損失」をプーチン大統領に隠していると非難。

「全てのことが全ての人に隠されている。ロシアはある日目覚めて、(併合した)クリミアがウクライナの手に渡ったことを知るだろう」などと述べた。

「ロシア国民を欺いており、このままではロシアという最も重要なものを失ってしまう」とも語った。

国防省は現時点でプリゴジン氏の非難に反応していない。

同省はこれまでにロシア軍がウクライナのあらゆる反転攻勢を撃退し、ウクライナ側の装備と人的資源に大きな損害を与える一方、ロシア側の損失はわずかにとどまっていると発表している。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・プリゴジン「損失隠蔽」)

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#ワグネル(プリゴジン「戦闘継続不明」)

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#ワグネル(ロシア国防省「志願兵分遣隊」・プリゴジン「契約せず」)

ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は22日、同国軍は東部戦線でロシア軍を封じ込め、「1メートル」の前進も許していないと述べた。

マリャル氏はメッセージングアプリ「テレグラム」への投稿で、東部の重要拠点4カ所に言及し「ロシア軍の前進を効果的に封じ込めている」とした。

また、南部戦線でも漸進しているとした。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・マリャル国防次官「東部戦線でロシア軍封じ込め」)

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#ウクライナ戦況(反転攻勢・マリャル国防次官「ウクライナの部隊が前進することは非常に困難だ」)

#ウクライナ戦力(ウクライナキエフ・強制動員)

#ウクライナ戦況(反転攻勢・「T-64のように行き詰まっている」)

#ウクライナ戦況(反転攻勢・プーチン大統領・頻繁に発言)

ロシアのプーチン大統領は22日、安全保障会議を開催し、ウクライナ軍が進めている反転攻勢などを巡って側近らと協議しました。

このなかで、ショイグ国防相「敵は活動を縮小させた」ウクライナ軍の勢いは当初よりも衰えていると主張し、パトルシェフ安全保障会議書記も、反転攻勢を開始してからウクライナ軍の死者が1万3000人に上ると報告するなど、ロシア軍が撃退に成功していると強調しました。

また、ショイグ国防相「契約に基づいて新たに兵士として11万4000人を採用した。1日に平均1336人が契約を結んでいる」などと主張し、兵士の増員に取り組んでいる姿勢をアピールしました。

一方で、プーチン大統領「われわれは、敵が攻撃力を使い果たしていないという事実をみなければならない。多くの予備の部隊はまだ行動に移していない」と述べ、引き続きウクライナ軍の動きに警戒し、今後の備えを尽くすよう指示しました。

これに対し、22日、イギリスで会見したウクライナのシュミハリ首相は「われわれが準備を進めていた間にロシア側も準備していたため、行く手を阻む多くの地雷原があるが、わが軍はこの2週間で8つの集落を解放し、113平方キロメートルを超える 広大な領土を奪い返した」と述べ、さらに前進を目指しているとしました。

また、ゼレンスキー大統領は22日、「ロシアがザポリージャ原子力発電所でテロ行為を検討しているという情報を入手した。放射性物質の拡散を伴うテロ行為だ」としてロシア側が占拠を続けている南部ザポリージャ原発でテロを計画していると主張し、各国の政府に対して関連する情報を伝える考えを示しました。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官はロシア側は今月、IAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長によるザポリージャ原発の視察を認めるなど、現地の状況を公開しているとしたうえで「ウクライナ側の主張はうそだ」と述べました。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・プーチン大統領「敵は攻撃力使い果たしていない」)

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#ウクライナ戦況(反転攻勢・プーチン大統領ウクライナに勝ち目はない」)

反転攻勢を続けるウクライナのマリャル国防次官は22日、SNSで「南部では徐々に前進している」としたうえで、南部ザポリージャ州の主要都市メリトポリやアゾフ海に面した港湾都市ベルジャンシクに向かう方面で作戦を続けていると強調しました。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシア側が占拠を続けているザポリージャ原子力発電所について「ロシアが、放射性物質の拡散を伴うテロを計画しているという情報を入手した」と主張しました。

すでにウクライナ政府からG7やG20、そして国際機関の代表に状況を説明したとして「世界は占領者が何を準備しているか知る必要がある」と訴え、国民を守るための必要な措置を講じるようクリメンコ内相に指示をしたとしています。

ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はSNSで「ロシアは原発の冷却水を供給していた貯水池などに地雷を埋めている。ロシアが実行するかどうかは、世界の反応にかかっている」と訴えました。

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「それはうそだ」と否定しています。

ロシア側によりますと、23日、ザポリージャ原発を6月に視察したIAEA国際原子力機関のグロッシ事務局長がロシア西部のカリーニングラードを訪れて、ロシアの原子力企業ロスアトムのリハチョフ総裁と会談する予定で、原発の安全性などについて意見が交わされる見通しです。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・ゼレンスキー「ザポリージャ原発でロシアがテロ計画」)

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#ウクライナ原発

#ウクライナ戦況(反転攻勢・ゼレンスキー「ザポリージャ原発でロシアがテロ計画」)

ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、南部ヘルソン州カホフカ水力発電所のダム決壊で死亡した人々の遺体を回収し隠匿するため、ロシアが特別な集団を結成したと述べた。定例のビデオ演説で明らかにした。

今月初め、ウクライナ南部のロシア支配地域にあるヘルソン州カホフカ水力発電所の巨大ダムが決壊した。その責任を巡り、ロシアとウクライナの双方は互いに非難し合っている。

ゼレンスキー氏は、ロシア支配地域の状況について「控えめに言っても壊滅的」と表現した。

ダム決壊により下流に大量の水が押し寄せ、特にロシア軍が一部地域を占領しているヘルソン州が被害を受けている。

ウクライナは、ロシアが被災者の救助を行っていないと非難している。

ウクライナ側は発表している公式な死者数は21人。このうち5人は避難活動中にロシア軍の砲撃で死亡したという。ロシア側は死者数を46人としている。

ウクライナ軍は22日、被災地の疫学的状況がかなり悪化し、特にA型肝炎ウイルスの感染が広がっていると明らかにした。

ウクライナのストリレツ環境相によると、ダム決壊による被害額はこれまでで15億ドルを上回っている。

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#ウクライナ戦況(反転攻勢・ヘルソン州・カホウカダム破壊・被害)

国連のグテレス事務総長は22日、ロシアが2022年にウクライナで136人の子どもを殺害したと非難し、ロシア軍をグローバル犯罪者リストに加えた。ロイターが国連安全保障理事会への報告書を確認した。

国連はまた、ロシア軍とその関連グループが518人の子どもに傷害を負わせ、学校や病院を480回攻撃したと確認。さらに報告書によると、ロシア軍は91人の子どもを人間の盾にした。

ロシアはウクライナ侵攻以来、民間人を標的にしていないと主張している。

報告書はまた、ウクライナ軍が80人の子どもを殺害し、175人の子どもに傷害を負わせたほか、学校と病院に212回の攻撃を行ったことも確認。ウクライナ軍はグローバル犯罪者リストには入っていない。

グテレス氏は報告書の中で、ロシア軍による多数の子どもの殺害と負傷、学校と病院への攻撃に「特にショックを受けている」と表明。また、ウクライナ軍による子どもへのこうした犯罪の多さも「特に憂慮している」とした。

ニューヨークのロシア国連代表部にコメントを求めたが、今のところ回答を得られていない。

#ウクライナ戦犯(国連・グローバル犯罪者リスト・子供殺害)

ロシアが国営パイプライン独占運営会社トランスネフチの油送管経由での原油輸出を7─9月期は日量424万バレルと、4─6月期の当初計画値(426万バレル)に比べ0.5%減らす計画であることが、業界筋の話やロイターの試算で分かった。

業界筋は「国内の製油所の保守点検による休止は数カ月ぶりに低水準となり、稼働率の上昇が見込まれる」と指摘。一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の減産と自主的減産で石油生産が抑えられ、「結果的に輸出が減少する」という。

7─9月期のプリモルスク港、ウスチルガ港、ノボロシースク港からの輸出量は前期比1.1%減の日量226万バレルと、前期の229万バレルから小幅減少する見通し。

ロシアは欧州に石油を運ぶ「ドルジバ・パイプライン」によるウクライナ経由での石油輸出は継続する方針で、7─9月期のチェコハンガリースロバキアへの石油輸出は日量約32万バレルを計画。前期は33万バレルだった。

同パイプラインでのポーランドやドイツ向けの輸出は予定がないが、カザフスタンのドイツ向け輸出分は前期(約2万4000バレル)から変更はない。

#経済予測(ロシア・欧州向け原油輸出)

ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、ロシアからの商用の書籍輸入を禁止する法案に署名した。侵攻以後、ウクライナはロシアとの文化的関係を弱める措置を相次ぎ講じている。

ゼレンスキー氏は「この法律は正しいと考える」とテレグラムに投稿。法律はウクライナのロシア占領下にある地域やベラルーシで印刷された書籍の商業輸入も禁じていると説明した。

さらに、第三国からのロシア語書籍輸入にも特別許可が必要となる。

トカチェンコ文化情報相はテレグラムで「法律発効により、ウクライナの書籍出版と物流業者をロシア世界の破壊的影響から保護できるようになる」と述べた。

#ウクライナ経済制裁ウクライナ・書籍商業輸入禁止

IOCは22日、スイスのローザンヌで臨時総会を開き、バッハ会長が議事の前にウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアとその同盟国のベラルーシの選手の国際大会への復帰について自身の考えを語りました。

バッハ会長は「ロシアの選手などは戦争を無視することを望んでいる。一方、ウクライナの選手などはロシアとベラルーシの選手を孤立させることを望んでいる。どちらの立場も私たちの使命とオリンピック憲章に相対するものだ」と述べ、選手が『中立』の立場であれば復帰を認めるとするIOCの方針を改めて強調しました。

臨時総会では、審判の不正疑惑や不透明な財政管理など組織運営に問題を抱えているIBA国際ボクシング協会について統括競技団体としての承認を取り消す採決が行われ、賛成多数で可決されました。

ただ、選手保護の観点から来年夏のパリオリンピックIOCの主導で競技を行うことも決めました。

#IOC(バッハ会長「ロシアベラルーシの選手中立なら復帰」)

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#スポーツ(IOC・ロシア)

#ウクライナ戦況(反転攻勢・チョンハル橋・別府正一郎)

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#ウクライナ戦況(反転攻勢・チョンハル橋・ヘルソン州親ロシア派トップ「ミサイル攻撃で損傷」)

話を聞いたのは「アゾフ旅団」歩兵部隊長

首都キーウで2023年6月14日にインタビューに応じた「アゾフ旅団」の下士官、アナトリー・イエホロフさん。歩兵部隊の隊長の1人として、キーウ州内で若い兵士の訓練をしながら、出動命令を待っています。

「アゾフ旅団」はロシアによる軍事侵攻当初、東部の要衝マリウポリなどの防衛に関わった準軍事組織「アゾフ大隊」が元になっていて、内務省傘下の部隊として前線で戦っています。

イエホロフさんは2015年に当時の「アゾフ大隊」に入り、2022年5月のマリウポリでの戦いにも参加。最後まで製鉄所の地下に立てこもり抵抗を続け、投降後は4か月にわたってロシア軍の捕虜となりました。捕虜交換で解放された後、再び部隊に戻り、任務に就いています。

※以下、アナトリー・イエホロフさんの話

反転攻勢開始 兵士たちの士気は?

私たちは2014年に東部ドンバス地域でこの戦いを始めました。はじめはウクライナの分離主義者との戦いでした。

しかし、そのころからロシアとの戦争になると覚悟していました。私たちはそのために準備をしてきましたし、この反転攻勢はウクライナにとっての大きな転換点になると思います。私たちにとって、この100年で最も重要な戦いとなるでしょう。ですので、兵士たちはやる気に満ちていますし、士気もこれ以上ないほど高いです。

アゾフ旅団の任務は?

あらゆることです。その時々によって変わるのです。防御担当の部隊が攻撃の任務を負うこともありますし、1日のうちに任務が変わることもあります。ロシアの侵攻初期はマリウポリが最も厳しい戦場でした。

しかし、いまはザポリージャ方面も、マリウポリ方面も、バフムト方面も、どの戦線が最も厳しく危険かとは言えなくなっています。

どこも同じく困難な戦場なのです。我々が展開している方面では、いまはまだ偵察部隊による前哨戦が始まったという段階です。まだ大きな進展はありませんが、これからもっと大きな戦いの情報が入ってくるでしょう。

あのマリウポリでの激戦 降伏時の気持ちは?

私たちは上官の命令には絶対に服従します。上官は通称レディスと呼ばれた男で、いまはトルコにいます。

彼の命令で銃を置くとき、だれも反論しませんでした。彼がいなければあそこまで持ちこたえることはできなかったからです。あの時、我々が持ちこたえることで、ウクライナ軍は時間を稼ぐことができました。

私はいまも彼に戻ってきてほしいと思っています。彼こそ、いま始まった「反転攻勢」に必要な男です。

製鉄所内に立てこもると決まったとき、そこが私の『最期の場所』になると思いました。覚悟はできていました。あとはできるだけ多くのロシア兵を殺すだけだと。

5月に投降し、製鉄所の外に出て捕虜になったときには、この世で最悪の人間たちに捕らわれたと思いました。

マリウポリで戦い、製鉄所に立てこもった3か月間と、ロシアの捕虜になった4か月間を比べたら、マリウポリで徹底抗戦した3か月間のほうがよほどマシでした。

4か月の捕虜生活、拷問などは?

常にありました。私はオレニウカというところに捕らえられていましたが、まず、食事を減らされることです。豚のほうが良い食事をしています。

ただ、オレニウカで私が受けた拷問はまだ軽いほうでした。尋問の際に殴られるという程度でしたが、ドネツクの収容所では、もっとひどかったそうです。電気を使ったり、首を絞められたり、想像できるあらゆる拷問が行われていたようです。

我々はすでに本拠地であるマリウポリを失っていたので、隠すことなど何もありませんでした。それでも彼らは、彼ら自身の罪を我々になすりつけるために、拷問を繰り返したのです。

例えば、「劇場に爆弾を仕掛けたのはお前だろう」という風にです。市民が殺された事案を、すべて我々のせいにしようとしたのです。殴られ拷問され、自白調書にサインさせられるのです。

それと、生活環境を良くするということで、200人ほどの捕虜が、ある建物に入れられたことがありました。ロシア兵はその建物を爆破したのです。少なくとも60人が死んだと言われています。行方不明になっている者も多く、犠牲者はもっと多いはずです。多くのけが人も出ました。

そのうちの何人かは捕虜交換で解放されましたが、何人かは手足を失ったまま、いまも捕虜となっています。もはやけがによって戦闘員ではなくなった人たちは、捕虜交換ではなく、すぐに解放されなくてはなりませんが、彼らはまだ捕らえられたままです。

それでも、なぜ私が部隊に戻ったかといえば、私にとってアゾフは軍隊と言うより大きな家族だからです。彼らは兄弟であり、戦友だからです。

多くの仲間がまだ捕虜に?

そうです。彼らはとても非人間的な扱いを受けています。ロシア軍はジュネーブ条約の決まりなど守っていません。長い時間が過ぎました。もう1年以上も600人を超える仲間が捕らえられています。アゾフ大隊のメンバーというだけで、彼らはほかのウクライナ兵よりもひどい扱いを受けます。ロシアのプロパガンダでは、アゾフを「ナチ」と呼び、ウクライナの非ナチ化を進めるとしています。

ですから、彼らは去年、24000人もの兵力を投入してマリウポリを攻撃したのです。

そして、そのマリウポリでの戦いのせいで、ロシア軍はザポリージャやドニプロなどのほかの戦線で前進をすることができませんでした。

彼らはアゾフの部隊をよく知っています。解放すればすぐさま隊に戻り、戦闘に復帰すると考えているんです。ですから、彼らを捕虜交換で解放することに、二の足を踏んでいるのです。

いまの「アゾフ旅団」の兵力は?

旅団の兵力規模は7000人です。マリウポリが陥落したあと、生き残ったメンバーやロシアから解放されたメンバーは合わせて600人~700人ほどでした。現在いるそのほかの6300人ほどは、みんな新規に募集した若い兵士です。ですから、訓練が必要です。

一部の部隊はすでに前線に配備されていますが、我々のようにまだ訓練を続けている部隊もあります。アゾフは訓練を十分に受けていない兵士を前線には出しません。そうさせないための罰則もあります。

アゾフの規律は厳しいです。私が以前、若い兵士と一緒に昼食を食べたとき、炊事場にこんな注意書きが貼ってありました。「皿もきれいに洗えないやつは前線でロシア軍と戦いに行けないぞ」と。

アゾフの中では前線に行けないのはとても恥ずかしいことです。前線に行って初めて一人前と認められます。

今後の反転攻勢で必要なものは?

我々はこれまで様々な戦いを経験し、失敗からも教訓を学んで準備を進めてきました。まだ足りないものがあるとすれば、装甲車です。アゾフ旅団では特に戦車が必要です。こうした兵器は消耗品です。

攻撃には防御側の3倍の戦力が必要と言われています。戦闘を繰り返すごとに、戦車や装甲車はダメージを受けていきます。まるでナイフの刃の部分のように、切れ味が悪くなっていくのです。

それにロシアは人口1億4000万の大国です。兵力の点でも我々を上回っていることを忘れてはなりません。

アゾフ旅団にとっての反転攻勢の目標は?

私たちの悲願は、マリウポリを奪還し、再び我々の旗を打ち立てることです。これは私たちにとって重要なことなのです。たとえ直接、奪還をするのが我々の部隊でなくてもかまいません。奪還することが私たちにとっては大切なのです。そして、それは中間的な目標にすぎません。

最終的な目標は、ウクライナの領土すべての解放です。自由で豊かな国を取り戻すことです。すべてのウクライナ人が自由になるまで、我々は武器を取って戦い続けます。

ロシア兵は1年あまり前は、プロフェッショナルで優秀でした。長期間、訓練も受けた兵士たちでした。しかし、いまはそうした兵士は200人か300人ほどで、あとはほとんどが素人の動員兵たちに取って代わられました。

ウクライナ兵が時間を追うごとに強くなっていったのとは逆に、ロシア兵はどんどん弱くなり、まがい物の軍隊になっていったのです。

私たちは勝つでしょう。そのことを世界に示すときだと思っています。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・「アゾフ旅団」下士官アナトリー・イエホロフ・NHKインタビュー)

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「アゾフ旅団」はロシアによる軍事侵攻当初、東部の要衝マリウポリなどの防衛に関わった準軍事組織「アゾフ大隊」が元になっていて、兵力は7000人規模で、内務省傘下の部隊として前線で戦っています。

#ウクライナ戦況(反転攻勢・プーチン大統領「成功せず」)

#NATOexpansion

#反ロシア#対中露戦

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