通信ネットワークを運営するJ-LIS=「地方公共団体情報システム機構」などによりますと、26日午前8時ごろから全国の地方公共団体などが使用している「LGWAN=総合行政ネットワーク」と呼ばれる専用の通信ネットワークに障害が発生し、一部の自治体で証明書のコンビニでの交付ができなくなったり、自治体職員のメールや在宅勤務のシステムなどが使えなくなったりするといった影響が出ていました。
J-LISによりますと、全国におよそ1800ある自治体のうち、少なくとも100を超える自治体で影響が確認されましたが、証明書のコンビニでの交付と自治体職員のメールについては、午後0時35分ごろにすべての自治体で復旧したことが確認されたということです。
一方、自治体の職員が在宅勤務をする際に使うシステムについては依然として障害が残っているということです。J-LISでは、原因の調査を進めていて「住民の皆様をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。
ネットワーク障害の影響で、沖縄県が26日から始めた、抗原検査で陽性となった人が電話やオンラインで医師の診断を受けられるようにする「抗原定性検査・陽性者登録センター」の運用にも支障が出ました。
県によりますとネットで申請をすることはできるものの、一時県が申請状況を確認できない状態になったということです。
このため県は電話での連絡を呼びかけていましたが、昼ごろにネットワークが復旧し、ネットでの申請の受け付けを再開したということです。
国際ビジネスのトラブルを解決する手段の1つの「国際調停」は、「調停人」と呼ばれる第三者を交えて当事者どうしが話し合って合意を目指すもので、法務省によりますと、世界的に利用が進んでいるということです。
こうした中で、法務大臣の諮問機関、法制審議会の部会は「国際調停」の活用を促す新たな制度の創設を柱とした要綱案をまとめる方向で調整を進めています。
具体的には、話し合いによる合意の内容について、裁判所が日本国内の公序に反しないかなどを審査した上で強制力を持たせる制度とする方針です。
また、適用の対象は、トラブルの相手が外国の法人など企業間どうしの合意に限定し、職場や家庭のトラブルは除外する考えです。
法制審議会の部会は、調整を続けたうえで、来月はじめの会合で、要綱案をとりまとめることにしています。
関係者によりますと今月15日と16日に行われた大学入学共通テストのうち、初日の15日の午前中に行われた「地理歴史」の中の世界史の問題用紙が受験生によって試験中に撮影された疑いがあり、インターネットを通じて外部に送られたということです。
問題を受け取ったのは東京大学の大学生で、家庭教師の紹介サイトで知り合った受験生とみられる人物から試しに解いてほしいと依頼されて解答し、その後、試験中に実際の問題が送られていたことに気付いて文部科学省に連絡したということです。
受験生とみられる人物から依頼を受けた大学生は他にもいて、同じように共通テストの問題とは知らずに解答していた可能性があることが関係者への取材で分かりました。
ネット上には受験生とみられる人物から送られたとする試験問題の画像が投稿され、実際の世界史の問題と一致していることが確認されました。
警視庁は、公平に実施されるべき試験を妨害した偽計業務妨害の疑いがあるとして捜査を始め、今後、関係する人物の特定などを進めることにしています。
関係者によりますと、今月15日と16日に行われた大学入学共通テストのうち、初日の15日の午前中に行われた「地理歴史」の中の世界史の問題用紙が受験生によって試験中に撮影された疑いがあり、インターネットを通じて外部に送られていたことが分かりました。
これまでに東京大学の学生など2人が、家庭教師の紹介サイトで知り合った受験生とみられる人物から依頼されて共通テストの問題とは知らずに解答した可能性があることが分かってますが、国語や数学などほかの科目についても同じ人物から別の大学生に依頼があったことが関係者への取材で分かりました。
受験生とみられる人物とやり取りをした女子大学生によりますと、相手は高校2年生の女子生徒だと名乗り、共通テストが行われる時間帯を指定したうえで「家庭教師をお願いする前に実力を確認する意味でテスト問題に解答してほしい」などというメッセージを送ってきたということです。
この女子大学生は共通テストの当日までやり取りをしていましたが、直前に相手と連絡が取れなくなり、試験問題に解答することはなかったということです。
警視庁は、外部に流出した画像などからカメラが付いた端末で試験問題が会場で撮影され外部に送られたとみて偽計業務妨害の疑いで捜査を始め、関係する人物の特定などを進めています。
受験生とみられる人物から問題の解答を依頼されたという20代の女子大学生によりますと、先月3日、登録している家庭教師の紹介サイトを通じて、高校2年生の女子生徒と名乗る人物のアカウントからメッセージが届いたといいます。
共通テスト対策の授業をしてほしいという内容でしたが、それに先立って今月15日か16日の午前中から午後4時までの時間帯に体験授業をしてほしいと依頼してきたということです。
依頼があったのは現代文、古文、漢文、世界史、英語、化学、それに数学で、メッセージでは「各1時間ずつお願いしたいのですが、時間が長くかかるとおもうので、できれば15日、16日に分けて行いたいです」と書かれていました。
さらに「実は前にお世話になった先生があまり良くなくて先に先生にテストという形で問題を解いていただいて大丈夫そうでしたら次回から指導をお願いしたいと考えています」とも書かれていたということです。
依頼を受けた大学生は、世界史を除く科目について体験授業を行うことを了承しました。
すると、この人物からは「でしたら、古文漢文と英語を15日、数学と化学を16日にお願いしたいです」「テストと言ったんですけど、1時間以内に収まるようでしたらネットなどで調べてもらったり電卓をつかっていただいて大丈夫です!できれば可能な限り完璧に近づけてもらえると嬉しいです!」と返信があったということです。
この時、大学生は依頼の内容が共通テストの実際の日程や科目と重なっていることに気づきましたが、当時はカンニングについては想像もしていなかったといいます。
その後は、サイトではなく別のアプリで直接やりとりするようになったという2人。当日の今月15日もメッセージでやり取りし、午後1時には古文と漢文の問題が送られてくることになっていました。
しかし、午後1時前になって相手から突然「国語はキャンセルし、英語のみお願いしたい」という内容の連絡があり、その後、音信不通になったということです。
対応がおかしいと感じた大学生は相手のアカウントをブロックしたうえで、サイトの運営会社に通報しました。
その翌日の16日、運営会社からは「通報を受けた生徒は極めて悪質な行為であると判断したため、強制退会とさせていただきました」と報告を受けたということです。
そして26日、ニュースを見てやり取りしていたのが同じ人物ではないかと気づいたということで、大学生は「当時は予備校の模擬テストか何かだと思っていて、まさか実際の会場で試験問題を撮影できるとは考えてもみませんでした。音信不通にならなければ自分もカンニングに加担してしまっていたかもしれないと思うと怖いです。今回のようなことが発覚して驚くとともに、まじめに勉強している受験生のことを思うとやりきれません」と話していました。
この問題について、大学入学共通テストを実施する大学入試センターは試験初日の今月15日に外部からの匿名の通報で把握し、18日に警察に相談したとしています。
大学入試センターは「現在、警察に相談しながら事実確認を進めている。今週末には共通テストの追試験と再試験が行われるが、これまでどおり不正行為が起きないよう厳正に試験を実施したい」とコメントしています。
大学入試センターは試験中の不正行為が認められた場合、受験したすべての教科、科目の成績を無効にするとしています。
不正行為としては、カンニングや、試験終了前の問題冊子の持ち出しに加え、携帯電話やスマートフォン、それに身につけられる「ウエアラブル端末」といった電子機器の使用などを挙げ、事前に配る「受験上の注意」の冊子や、当日の会場でも重ねて周知しています。
携帯電話やウエアラブル端末などは、かばんにしまわず身につけたり、手に持っていたりするだけでも不正行為となることがあるとしていて、ことしの共通テストでも解答を検索しようとスマートフォンを太ももの間に挟んでいた受験生が不正行為で無効となっています。
受験生とみられる人物から問題を受け取ったのは、家庭教師を紹介するサイトに登録している大学生でした。
サイトを運営する都内の会社によりますと、大学入学共通テストの初日にあたる今月15日に、登録している複数の大学生から「共通テストのカンニングに関わったかもしれない」という連絡があったということです。
運営会社が確認したところ、大学生がやり取りしていたのは、いずれも去年12月に女子高校生としてサイトに登録された人物のアカウントでした。
この人物からサイトを通じて「1月15日に体験レッスンを受けたい。家庭教師と無料通話サービスでやり取りしたい」という内容の依頼があり、これを見た学生が個別に連絡を取ったということです。
そして今月15日になってこの人物からそれぞれ問題を受け取ったということで、学生は「依頼に応じ、解答を送ってしまった」と話しているということです。
サイトの運営会社は「サイトは家庭教師と生徒をつなぐサービスであり、仲介したあとの具体的なやり取りについては把握していない。カンニング行為が事実だとすれば誠に遺憾だ」と話していました。
先月、家庭教師の紹介サイトを通じて受験生とみられる人物から世界史と現代文の問題の解答を依頼されたという東京大学の男子学生は「家庭教師をする前に試験のようなことをされるのは珍しいなと思ったが、そこまで怪しい感じもなかった」と話しています。
この男子学生はスケジュールが合わず、実際に解答をすることはなかったということで「もし解答していたら、カンニング行為、不正行為に加担していたことになり恐ろしいです。自分の実力ではなく他人を利用するのはひきょうだし、まじめにやっている人がかわいそうだと思います」と話していました。
今回、問題を受け取った大学生と同じように家庭教師の紹介サイトに登録している東京大学の学生からは、サイトの運営会社に対策を求める声などが聞かれました。
このうち工学部の男子学生は「『体験授業をしてほしい』といった依頼はよく来ますが、『問題を解いてほしい』というケースは周りでも聞いたことがなく、不審に思わなかったのだろうかと感じました。ただ、家庭教師は収入がいいので、依頼に飛びついてしまう気持ちも分かります」と話していました。
また薬学部の男子学生は「今回は『試しに解いてほしい』などと家庭教師としての実力を試すような依頼のしかただったと聞いていますが、そう言われると家庭教師の側としては解答せざるをえないと思います。カンニングかどうかはこちらでは見破れないので、サイトの運営会社などで対策をとってほしいです」と話していました。
都内の予備校に通う受験生などからは「不正はしっかり取り締まってほしい」といった声が聞かれました。
このうち受験生の19歳の男性は「不正によって1人の受験生だけが得をするのはよくないと思うので、しっかり取り締まってほしいです。実力がある人が合格できるようにしてほしい」と話していました。
また別の受験生の男子高校生は「ずるいと思いました。『この大学に行かなきゃいけない』という考えがあったのかもしれませんが、公平性を考えると不正は絶対にだめだと思います」と話していました。
大学の入学試験の問題が試験中に外部に流出したケースは過去にも確認されています。
2011年2月には京都大学、早稲田大学、同志社大学、それに立教大学の入学試験の問題の一部が試験中にインターネットの質問サイトに投稿され、解答を依頼する書き込みに対して返事が寄せられていたことが明らかになりました。
警察は翌月、このうち京都大学の入学試験について、問題の一部を投稿し入試に関わる大学の業務を妨害したとして、仙台市の当時19歳の男子予備校生を偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。
調べに対し「試験会場の自分の席から携帯電話で問題を投稿した。合格したかった」などと話していたということです。
予備校生はその後、家庭裁判所に送られましたが、裁判所は「深く反省している」などとして処分しないことを決めました。
また、2013年1月には長崎市にある大学の会場で行われた大学入試センター試験で、受験生が試験中に「地理歴史」と「公民」の問題冊子を持ち出し、予備校の関係者に渡していたことが明らかになりました。
当時、受験生は「問題を持ち出すことが不正だとは思っていなかった」、予備校の関係者は「問題の分析をしたかった」と話していたということですが、受験生はその後、受験資格を取り消されています。
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