岸防衛大臣は21日夜、ポーランドのブワシュチャク国防相とテレビ会議方式で会談し、両国の防衛協力や交流をさらに深めるとした覚書に署名しました。
そのうえで、緊張が続くウクライナ情勢について、岸大臣は、力による一方的な現状変更は認められず、国境周辺地域におけるロシア軍の増強の動きを重大な懸念を持って注視しており、国際社会と連携して適切に対応していく考えを伝えました。
そして両氏は、国際社会全体にも影響を及ぼす看過できない重大な問題だという認識を共有しました。
また、ウクライナの在留邦人の安全確保に関連し、ブワシュチャク氏は最大限の支援を行う意向を示しました。
このほか、両氏は、中国を念頭に、東シナ海や南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更の試みや緊張を高めるいかなる行為にも反対する意思を表明し、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序が重要だという認識で一致しました。
ロシアのプーチン大統領は21日、クレムリンで緊急の安全保障会議を開きました。
この中でプーチン大統領は、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の親ロシア派が事実上支配している地域について、ウクライナ政府側が停戦合意を守らずに攻撃を続け、治安情勢が悪化していると主張し、強く非難しました。
また「ウクライナが、NATO=北大西洋条約機構に加盟すれば、ロシアに対する脅威が何倍にもなるだろう」と強調しました。
そして、ウクライナ東部2州の親ロシア派が事実上支配している地域について、それぞれ独立国家として承認することを検討するよう要請を受けたとしました。
プーチン大統領は閣僚など政権の主要幹部に意見を求めたうえで、その後、国民に向けてテレビ演説しました。
この中で「ウクライナ政府は、東部の問題を軍事的に解決しようとしている。長い間待ち望まれていた、独立と主権をすみやかに承認することを決断する必要がある」と述べ、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。
この後、プーチン大統領は、国防省に対して、この地域でロシア軍が平和維持にあたるよう指示しました。
欧米のメディアは、これによってロシアが今後、ウクライナから2州を守るためだとして、軍の部隊を駐留させることを正当化する可能性があると伝えています。
また、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は21日、フランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相と電話で会談し、親ロシア派が事実上支配している地域について、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名する意向を伝えたということです。
これに対して、両首脳からは失望が示されたとしています。
一方で、両首脳からは対話を続ける用意があるという意向が示されたとしています。
これについて、ドイツ政府の報道官は21日、声明を発表し、ショルツ首相はロシアの対応を非難したうえで「ウクライナ東部の紛争を平和的に解決するために結ばれた停戦合意と著しく矛盾する一歩となるだろう」とプーチン大統領に直接伝えたとしています。
プーチン政権が、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配している地域を一方的に国家承認し、ロシアがこの地域への影響力を一段と高めることに、欧米の批判がさらに強まるとみられます。
ウクライナ東部の一部の地域を事実上支配し、2014年に一方的に独立を宣言した親ロシア派の武装勢力の指導者が21日、声明を出し、ウクライナ政府軍がアメリカなどからの軍事支援を得ながら、停戦合意に反して、東部の紛争を武力で解決しようとしていると主張しました。
そして、ウクライナ軍の攻撃から地域の住民を守るためだとして、プーチン大統領に、この地域を独立国家として承認したうえで、軍事面での協力協定を締結するよう求めました。
ロシア軍は21日「ウクライナ東部との国境地帯で、ウクライナ軍の工作員5人を殺害した」と一方的に発表しました。
この中で「21日の朝、連邦保安庁の国境警備局が破壊工作員のグループを見つけた。応援要請を受けて現場で戦闘になり、その際、軍用車両2台が国境を越えてロシア領に侵入したことから、車両を砲撃し、破壊した」と主張しています。
一方、これについてウクライナのクレバ外相は「ロシアの偽情報に断固、反論する。東部を攻撃もしていなければ国境を越えて工作員や車両を送り込んだこともない。そのような計画もない」とツイッターに投稿し、ロシア側を非難しました。
フランスの航空会社エールフランスは21日、パリとウクライナの首都キエフを往復する22日の便の運航を取りやめると発表しました。
ウクライナの現地の状況から予防的措置として判断したとしていて、週2往復のうち今月27日日曜日の便と、それ以降については、今後の状況をみて判断するとしています。
キエフとの間を結ぶ国際便の運航については、ドイツのルフトハンザ航空も21日から1週間、取りやめることを発表しています。
ウクライナ東部は、2014年からロシアの後ろ盾を受けた親ロシア派の武装勢力が一部を占拠し、ウクライナ政府軍との間で散発的に戦闘が続き、ロシアとウクライナの対立の要因の1つとなっています。
親ロシア派の武装勢力が占拠しているのは、東部のドネツク州とルガンスク州の一部で、いずれもロシアと国境を接しています。
歴史的にも経済的にもロシアとつながりが深く、ロシア語を母国語とする住民が多い地域です。
ソビエト時代に開発された炭鉱や鉄鉱石の鉱山があり、豊富な資源を背景にした鉄鋼業が盛んで、ウクライナ有数の工業地帯となっていました。
しかし2014年、ロシアがウクライナ南部のクリミアを一方的に併合すると、直後の4月、親ロシア派の武装勢力が、州政府庁舎や治安機関の建物に押し寄せ、次々に占拠。
その後、ウクライナからの独立を一方的に表明しました。
ウクライナ政府は、これに対して軍を派遣して、強制排除に乗り出しましたが、各地で武装勢力と激しく衝突し、死者が多数出る事態に発展しました。
混乱が続いていた2014年7月には、オランダ発のマレーシア航空の旅客機がドネツク州の上空で撃墜され、乗客乗員298人が死亡する事件が起き、オランダなどの合同捜査チームは親ロシア派の支配地域から発射されたと発表しましたが、親ロシア派は否定しています。
一方、政府軍と親ロシア派の武装勢力との間の紛争を解決しようと、2014年9月、それに2015年2月にはフランスとドイツの仲介で「ミンスク合意」という停戦合意が結ばれましたが、その後も散発的な戦闘が続きました。
OHCHR=国連人権高等弁務官事務所によりますと、これまでに双方で1万4000人以上が死亡したということです。
8年にわたる紛争の影響で、生活に不可欠な水道や暖房施設などインフラが破壊される甚大な被害が出ていて、これまでに150万人の人々がこの地域からの避難を余儀なくされています。
親ロシア派の武装勢力について、ウクライナや欧米は、ロシアが軍事的な支援を行い後ろ盾となっていると指摘しています。
ロシアのプーチン政権は、紛争への関与を否定する一方、2019年からこの地域の住民に対するロシアのパスポートの発給手続きを簡素化し、これまでに70万人以上がロシア国籍を取得したとされ、ロシアへの依存度を高めています。
また、ロシアの議会下院は今月15日、親ロシア派の支配地域を、独立国家として承認することを検討するよう、プーチン大統領に求める決議を可決しました。
プーチン大統領は15日、民族などの集団に破壊する意図をもって危害を加える「ジェノサイド」という表現まで用いて、ウクライナ軍が停戦合意に違反して、親ロシア派の武装勢力への攻撃を激化させていると主張しています。
こうした動きに呼応するかのように、親ロシア派は政府軍による攻撃を理由に住民を隣国のロシアに避難させると発表し、ロシア政府もロシアに避難してきた住民に1万ルーブル、日本円にしておよそ1万5000円を支給するなど支援しています。
これに対して、ウクライナ政府は攻撃を否定するなど非難の応酬となっています。
また、アメリカのバイデン政権は「ロシアが侵攻を正当化するため偽りの口実を作る可能性がある」として虚偽の情報を拡散しようとしていると、警鐘を鳴らしています。
ウクライナ西部と国境を接するポーランド南東部のメディカの検問所では、人や車の往来は、ふだんと比べて大きな変化はありません。
ただ、中には、ウクライナから避難してきたという人もいて、不安やロシアへの反発を訴える声が聞かれました。
このうち、首都キエフから20日に避難してきたという、34歳の男性は「怖くて国を離れることにした。キエフではみな怖がっている。私たちは平和を求めている。持ちたいのは銃ではなく幸せな家庭だ」と話していました。
一方、仕事でポーランドに来たという43歳の男性は「もし戦争が起きたら、幼い子どもがいるのですぐに家に戻る。そして祖国のために戦う。ウクライナは私たちの土地で、ほかの誰のものにもならない」と話していました。
また、同じく仕事で来たという47歳の男性は「すべての人が平和を求めている」と話していました。
ウクライナ情勢を受けて、ポーランドにはアメリカがおよそ4700人の部隊の派遣を決めています。
ウクライナとの国境から西に150キロほど離れたミエレツにある民間の飛行場には、到着したアメリカ軍の部隊が展開していました。
現地では、軍用車両やテントが立ち並び、パトロールする兵士の姿も確認され、アメリカがヨーロッパ東部の防衛態勢の強化を図っている様子がうかがえます。
アメリカのサキ報道官は21日声明を発表し「ロシア側からのこうした動きは予想していたことで、即座に対抗措置をとる用意がある」としました。
具体的には、プーチン大統領が独立国家として一方的に承認したウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の一部において、アメリカ人などによる新たな投資や貿易、それに金融取引を禁じる大統領令を近く出すとしています。
また、この大統領令はウクライナのこうした地域で活動しようとする、いかなる人物に対しても制裁を科す権限があるということです。
一方で、声明ではこうした対抗措置は、ロシアがウクライナに侵攻した場合に欧米が科すとしている厳しい制裁とは、別のものだとしています。
バイデン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と30分余りにわたって電話で会談したほか、安全保障を担当する高官らからホワイトハウスでウクライナ情勢についての報告を受けていました。
ロシアのラブロフ外相は21日、クレムリンで行われた緊急の安全保障会議の場で、アメリカのブリンケン国務長官との会談は今週24日にスイスのジュネーブで行われると明らかにしました。
外相会談では、アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領の首脳会談の時期や形式について話し合われる見通しです。
ただ、アメリカのホワイトハウスは、首脳会談も外相会談も、ロシアによる軍事侵攻がないことが、開催の条件だとしています。
ロシア軍は21日、南西部ロストフ州で国境侵犯を行ったウクライナの工作員5人を発見し、交戦の末、殺害したと発表した。現地メディアが報じた。ロシア側に死傷者はいなかったという。
ウクライナはロシアによる偽装工作だとして否定している。
日本郵便は、重さ30キログラムまでの書類や荷物などを海外に送るEMS=国際スピード郵便と航空便について、ウクライナ宛ての新規の引き受けを22日から停止します。
ウクライナ情勢の緊張が高まる中、委託先となっている海外の航空会社が運休することに伴うもので、再開の見通しは立っていないということです。
一方、船便については、従来どおり取り扱いを続けるとしています。
日本郵便によりますと、ウクライナ宛てのEMSは、2019年度には年間で2万通の取り扱いがあったということです。
EUは21日、ベルギーのブリュッセルで外相会議を開き、ウクライナ情勢について協議しました。
会議のあとの記者会見でボレル上級代表は、ウクライナの東部2州のうち、親ロシア派が事実上支配している地域について、プーチン大統領が独立を承認しないよう望むと述べました。
そのうえで「もし承認した場合は結束して対応する用意がある。承認がなされれば、私は制裁案を加盟国に示し、外相たちが制裁を決めるだろう」と述べ、プーチン大統領が独立を承認すれば、ロシアに対する制裁の発動に向けた手続きに入る考えを明らかにしました。
EUはこれまで、ロシアがウクライナに対して軍事侵攻すれば制裁を科すとしてきましたが、ボレル上級代表は、親ロシア派が事実上支配している地域の独立の承認が制裁の対象になると明言することで、プーチン大統領をけん制した形です。
EU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領とフォンデアライエン委員長は声明を発表し「ロシアの大統領の決定を最も強いことばで非難する」と述べました。
そして、ロシアのとった行動は国際法に違反するとしたうえで「EUは、この違法な行為に加担した者たちに制裁で対応する。ウクライナの独立と主権、領土の一体性に、改めて確固たる支持を表明する」と強調しました。
欧州連合(EU)は21日、外相理事会を開催し、ロシアに対する制裁をまだ行わないことで一致した。まず緊張緩和に向けた外交努力を続ける方針。即時の制裁導入を求めるウクライナの意向には沿わない形となった。
リトアニアのランズベルギス外相は、ウクライナは既に経済面などで甚大な被害を被っているとして、ロシアによる侵攻を確認した場合以外にも制裁を科すべきと主張。また、ロシア軍を駐留させているベラルーシにも追加制裁を科すよう要請した。
これに対し、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表ら複数の外相は、まだロシアに制裁を科す予定はないことを明らかにした。またボレル氏は「時期が来た場合には」、制裁実施の合意に向けた臨時会合を招集する考えを示した。
オーストリアのネハンマー首相によると、EUが準備した対ロ制裁では、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」も対象に含まれる。
このパイプラインは建設済みだが、独およびEU当局の承認待ちでまだ稼働していない。
米政府は在ウクライナ大使館と国務省の全人員をいったんポーランドに移す。親ロシア派武装勢力が独立を宣言していたウクライナ東部2州について、共和国として承認する大統領令にプーチン大統領が署名したのを受けた措置。
事情に詳しい関係者1人が匿名を条件に明らかにしたところによると、米国は治安上の理由で一時的な移転を命じた。バイデン政権当局者の計画では、ロシアによるウクライナ侵攻がなければ22日午前にウクライナに人員を戻すという。
米国務省と国家安全保障会議(NSC)の報道官は、いずれもコメントを控えた。ロシアは侵攻の意図を否定している。
在ウクライナ大使館はこれに先立ち、首都キエフから同国西部リビウに移転していた。
原題:U.S. Orders Personnel Out of Ukraine on Threat From Russia(抜粋)
21日に公表されたロシアのプーチン大統領の署名入り合意文書のコピーによると、ロシアはウクライナの2つの親ロシア派地域に軍事基地を建設する権利を獲得した。同派の指導者らと新たに合意したという。
プーチン大統領はこれに先立ち、親ロ派の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を認める法令に署名した。
また、ロシア下院が22日に審議する法案によると、ロシアと親ロ派地域は軍事協力と国境保護に関する別の合意にも署名する計画だ。
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部2州のうち、親ロシア派が事実上支配している地域の独立を一方的に承認する大統領令に署名したことを受けて、外務省は22日朝、新たに海外安全情報を出しました。
これらの地域では、先週末から親ロシア派の武装勢力側からの攻撃回数が急増していて、今回のロシア側の一方的な決定によりさらに戦闘が激しくなり、戦闘地域が拡大する可能性を排除できないとしています。
そして、滞在する日本人に、直ちに安全な方法で退避するよう重ねて呼びかけています。
外務省によりますと、ウクライナに滞在する日本人は、先週末の段階でおよそ120人いるということです。
ロシアのプーチン大統領は21日、テレビ演説し、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認する大統領令に署名した。その上で2地域に軍を派遣するよう国防省に命じた。米欧は強く反発し、対抗措置を取ると表明した。
派遣する部隊の規模は明らかになっていないが、法令によると、ロシアは2地域で軍事拠点を設ける権利があり、派遣される軍は平和維持の任務に当たる。欧米側がこうしたロシアの軍事行動をウクライナ侵攻の始りと捉えるのかは不明。
ロシア国営テレビはこれに先立ち、プーチン大統領が親ロシア派の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を認める大統領令に署名する映像を放映した。
プーチン大統領は演説で、ロシアがウクライナに対しオープンな協力関係を築く一方、ウクライナ指導者は義務を果たすことなく「いいとこ取り」に徹しているとし、ウクライナの行動に不満を表明。ウクライナが外国の勢力にコントロールされており、米国に植民地化された「傀儡(かいらい)政権」にすぎないと言明した。
さらに、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟はロシアへの直接的な脅威になるとし、NATOがロシアの安全保障要求を完全に無視したと非難した。
プーチン大統領は、ロシアがウクライナに対しどのような行動を取るかにかかわらず、いずれにせよ西側諸国は対ロ制裁に踏み切るとの見通しを示した。西側は「制裁の根拠を見つけたとするか、あるいは捏造するだろう」とした。
その上で、ロシアには自国の安全を守り報復措置を取る権利があり、主権と国家の価値を決して放棄しないと述べた。
バイデン米大統領は21日、ロシアが独立を承認したウクライナ東部の2地域について、米国人による貿易や投資を禁止する大統領令に署名した。ホワイトハウスが発表した。
米国人による当該地域への「新規投資」を禁止するほか、「当該地域から米国へ直接、もしくは間接的にモノやサービス、技術を輸入すること」を禁止する。
米国、英国、フランスは、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認したことを受け、ウクライナに関する国連安全保障理事会の会合を21日中に開催するよう要請した。複数の外交筋が明らかにした。
欧州連合(EU)欧州委員会のフォンデアライエン委員長とミシェル大統領は共同声明で「EUはこの違法行為に関与した者に対して制裁措置で対応する」と述べた。
トラス英外相も英政府は22日にロシアに対する追加制裁を発表するとツイッターに投稿した。
NATOのストルテンベルグ事務総長は、ロシアがウクライナ東部の紛争をあおり続け、さらなる侵攻のための口実を作ろうとしていると非難した。
ロシアのプーチン大統領が21日、ウクライナの東部の親ロシア派が事実上支配している地域を一方的に国家承認したことを受けて、アメリカのバイデン大統領はドイツのショルツ首相、フランスのマクロン大統領と電話会談を行いました。
ホワイトハウスは会談後、声明を発表し「首脳らはプーチン大統領の決定を強く非難した」としてロシア側の対応は受け入れられないとの立場を確認したとしています。
また、ドイツ政府の報道官の声明によりますと、首脳らは今回のロシアの一方的な行動について、ウクライナ東部の紛争を解決するために結ばれた停戦合意に明確に違反するものだという認識で一致したということです。
またバイデン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話会談を行い、ホワイトハウスによりますと、バイデン大統領はロシア側を強く非難したうえで、アメリカ側の対抗措置の内容について伝え、ロシアが軍事侵攻した場合には迅速かつ断固とした措置を取ると述べたということです。
バイデン大統領は21日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配している地域を一方的に国家承認したことに対抗するため、対象地域に関連する経済取引を原則禁じる大統領令に署名しました。
具体的には、対象のドネツク州とルガンスク州の一部において、アメリカ人などによる新たな投資や、物品・サービスの輸出入、それに融資や保証などの金融取引を禁止します。
また今後、対象地域で活動する会社や団体の人物に対しては、財産の差し押さえなどの制裁を科すとしています。
さらにバイデン政権は、ロシアの今回の行動は国際的な取り決めに違反しているとして、早ければ22日中に追加の対抗措置を発表することを明らかにしました。
ただ、この一連の対抗措置については、ロシアがウクライナに侵攻した場合に欧米が科すとしている厳しい制裁とは別のものだとしていて、ロシアに対し、緊張の緩和を強く促すとしています。
ウクライナ情勢が悪化する中、米国務省の職員全員に同国からの退避が命じられたと、ブルームバーグが21日報じた。
ブルームバーグ記者は「在ウクライナ米大使館はキエフから西部リヴィウに移転したが、ポーランドへ移転する」とツイッターに投稿した。
ロイターは米国務省にコメントを求めたが、現時点で回答を得られていない。
ロシアのプーチン大統領は21日、国民向けにテレビ演説を行い、ウクライナ東部で、親ロシア派が事実上支配している地域について、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。
これを受けて国連安保理では、アメリカ、フランス、イギリスなどの要請に基づいて、21日午後9時すぎから緊急の会合が開かれました。
会合では欧米など各国が相次いでロシアの決定を非難し、このうちアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「プーチン大統領の決定は国連加盟国であるウクライナへの攻撃で、国際法の原則を侵害するものだ。大統領はさらなる侵攻の口実も作ろうとしている」と厳しく非難しました。
これに対し、安保理の議長国を務めるロシアのネベンジャ国連大使は「ウクライナ軍が東部地域で軍事活動を激化させたことで、多くの女性や子どもの命が脅かされてきた。われわれの決定は住民を保護するためのものだ」と述べ、プーチン大統領の決定を正当化しました。
そして「欧米こそロシアによるウクライナ侵攻が差し迫っていると根拠のないパニックをあおり、武器や部隊を送っている」と欧米側の対応を厳しく非難し、双方の応酬となりました。
国連安保理の緊急会合には、ウクライナのキスリツァ国連大使も出席しました。
キスリツァ大使は、発言を前につけていたマスクを外し、「今や新型コロナウイルスに対するワクチンは存在するが、国連はクレムリンがばらまく別のウイルスによって毒されている」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。
そして、ウクライナは固有の自衛権を持ち、いかなる挑発にも屈することはないと強調し、ロシアに対して今回の決定を取り消し、交渉のテーブルに戻るよう求めました。
そのうえでキスリツァ国連大使は、ロシアによる2008年のジョージアへの軍事侵攻や、2014年のウクライナのクリミアの併合を例にあげ、ロシアが周辺国への侵攻を繰り返してきたと指摘し「国連加盟国のうち、次に標的にされるのはどこなのか。ウイルスに屈するかどうかは加盟国の対応次第だ」と述べ、国際社会に対して直ちに行動を起こすよう訴えました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は22日未明、国民に向けて演説を行い、ロシアが和平の取り組みを崩壊させたと非難した。また、領土を巡るいかなる譲歩も行わないと表明した。
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認する大統領令に署名し、同地域への軍派遣を命じた。
ゼレンスキー大統領は安全保障会議を主宰した後に演説し、ロシアがウクライナの領土を侵害したと非難。ロシアの行動はウクライナ東部の紛争解決に向けた「ミンスク合意」からの離脱を意味する可能性があると述べた。
ウクライナは外交を通じた危機解決を望むが、事態の長期化に備える用意があるとも言明。平和と外交にコミットしているとする一方、「われわれは自国の領土にある」と述べ、「誰に対しても何も渡さない」と強調した。
その上で、ロシアに対し「明確かつ効果的」な措置を講じるよう同盟国に促すと同時に、ウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの緊急首脳会議開催を求めた。
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認するとテレビ演説で表明した。緊迫するウクライナ危機において今回の決定がどういう意味を持つのか、西側諸国の対応とともにポイントを整理した。
◎親ロシア派の分離独立地域とは
ウクライナ東部にあるドンバス地域と呼ばれるドネツクとルガンスクでは、2014年にロシアが支援する分離独立派が「人民共和国」として独立を宣言したが、承認されていなかった。ウクライナ政府によると、宣言後に約1万5000人が戦闘で死亡。ロシアは紛争当事者であることを否定しているが、軍事・財政支援、新型コロナウイルスワクチンの提供、少なくとも80万人の住民に対するロシア旅券(パスポート)発行など、独立派を支援している。
◎ロシアの独立承認は何を意味するのか
ロシアはドンバス地域をウクライナの一部とは見なさないと初めて表明。これは分離独立地域に公然と軍隊を派遣し、ウクライナから独立派を保護するために同盟国として介入するという主張に道を開く可能性がある。
◎ミンスク合意はどうなるのか
ウクライナ東部の停戦と和平への道筋を示した「ミンスク合意」(14─15年)は、ロシアが親ロ地域の独立を承認したことで事実上消滅する。この和平合意はまだ履行されていないものの、これまでロシアを含む全ての当事者が紛争解決に向けた最善の機会と見なしていた。合意は親ロ2地域に対する大規模な自治を要求している。
◎西側はどう対応するのか
米欧など西側各国は数カ月にわたり、ロシアがウクライナ国境を越えて軍隊を展開すれば、厳しい金融制裁を含む強力な対応を取ると警告してきた。ブリンケン米国務長官は16日、ロシアが親ロ2地域の独立を承認すれば、「米国は同盟国、およびパートナー国と完全に協調して迅速に、かつ強硬に対応する」と表明。独立が承認されれば「ウクライナの主権と領土保全が一段と阻害され著しい国際法違反となる」と述べた。
◎ロシアは過去にも分離地域を国家承認したことがあるのか
08年にジョージアと短期間の交戦を行った後、アブハジアと南オセチアの独立を承認した。大規模な財政支援、住民のロシア国籍取得を行ったほか、数千人の部隊を駐留させている。
◎独立承認によるロシアの利点と欠点は
ジョージアの場合、ロシアは分離地域を承認することで旧ソ連周辺国への軍事駐留を正当化し、自国領土を完全に支配できないようにすることでジョージアの北大西洋条約機構(NATO)加盟構想に歯止めをかけようとした。ウクライナにも同じことが当てはまる。
一方、ロシアはミンスク合意にコミットしていると長く主張してきたにもかかわらず、それを放棄したことによる制裁と国際的非難に直面する。また、8年間にわたる戦闘で荒廃し、大規模な経済支援を必要とする2地域の責任を負うことになる。
ロシアのプーチン大統領は21日、国民向けにテレビ演説を行い、ウクライナの東部2州のうち、親ロシア派が事実上、支配している地域をめぐり、ウクライナ政府側が停戦合意を守らずに攻撃を続けていると非難しました。
そして「独立と主権を速やかに承認することを決断する必要がある」と述べ、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。
この中でプーチン大統領は、国防省に対して「平和維持」を名目に、ロシア軍を現地に派遣することを指示しました。
これについて、バイデン政権の高官は記者団に対し「プーチン大統領の演説はロシア国民向けで、戦争を正当化するためのものだ」と非難しました。
そのうえで、ウクライナ東部の親ロシア派の支配地域には、以前からロシア軍が駐留しているとする見方を示し、「ロシア軍がこの地域に入ること自体は、新たな動きではない」と述べました。
また、記者団から「ロシア軍の部隊がこの地域に入れば、制裁を伴う軍事侵攻と見なすのか」と問われると、バイデン政権の高官は「ロシアの行動を注意深く見極め、相応の対応をとる」と述べるにとどめました。
アメリカ政府としては、ロシア軍がいつ、どれほどの規模で親ロシア派の支配地域に展開するのかなどを慎重に見極める姿勢を示した形です。
岸田総理大臣は総理大臣官邸で記者団に対し「独立の承認など一連のロシアの行為はウクライナの主権、領土の一体性を侵害するもので、国際法に違反し、『ミンスク合意』にも反するものであり、認めることはできず、強く非難する」と述べました。
そのうえで「今後、事態の展開について深刻な懸念を持って注視し、G7をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む対応を調整していく」と述べました。
また、岸田総理大臣は、ロシアがウクライナに侵攻した場合についても、G7をはじめとする国際社会と連携しながら対応する考えを示しました。
一方、現地に滞在する日本人の保護については「少しずつ退避する方はしていると報告を受けている一方、ウクライナ人の家族を持つ方など、残留の意思が固い方も大勢いる。状況が緊迫の度合いを高めているので、引き続き現地の大使館を中心に退避の呼びかけを続けている」と述べました。
林外務大臣は、記者会見で「ロシア側の行為は、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、国際法に違反するもので、決して認められるものではなく非難する」と述べました。
そのうえで「事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応について、調整を行っていく」と述べました。
また、林大臣は、ロシアが「平和維持」を名目に軍をウクライナ東部に派遣した場合、軍事侵攻と受け止めるかどうかについては「仮定の質問に答えることは差し控えたい」と述べたうえで、国際社会と連携して対応していく考えを重ねて示しました。
松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ウクライナの主権や領土の一体性を侵害し、国際法に違反するもので、決して認められるものではなく、非難する。わが国として改めて事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7をはじめとする国際社会と連携し、制裁を含む厳しい対応について、調整を行っていく」と述べました。
また、現地に滞在する日本人の保護について「現時点までに邦人の生命や身体に被害が及んでいるという情報には接していない。引き続き退避の呼びかけを継続するとともに、あらゆる事態に適切に対応できるよう、近隣国でチャーター機の手配を済ませるなど、さまざまな準備を行っている」と述べました。
今回のロシア側の対応について、外務省の担当者は、22日朝の自民党の会合で、ウクライナの主権と領土の一体性が侵害されたものであり、力による一方的な現状変更は許されないとして、日本として、近く非難声明を出す方針を明らかにしました。
また、出席した議員から、G7=主要7か国の緊急の外相声明を出すべきだという意見が出されたのに対し、外務省の担当者は「早急に検討したい」と述べました。
一方、外務省の担当者は、日本を含めた各国がロシアへの制裁に踏み切れば、ロシア側からの対抗措置も考えられ、事態が長期化する可能性もあるという認識を示しました。
岸防衛大臣は閣議のあとの記者会見で「防衛省としては、ウクライナ情勢を含むロシア軍の活動全般を重大な関心を持って注視しており、関連する軍事動向について、情報収集、警戒監視を継続していく」と述べました。
またロシアが今月19日、極超音速ミサイルや弾道ミサイルなどを発射する演習を実施したことについて、岸大臣は「通常であれば秋ごろに行われる演習をこの時期に行い、核戦力、非核戦力の双方のミサイル発射演習を行ったことは異例だ。ウクライナ情勢における緊張の高まりを受け、ロシアがあらゆるレベルで能力を発揮できると誇示するねらいがある」と述べました。
ウクライナ情勢について、萩生田経済産業大臣は22日の閣議のあとの記者会見で「エネルギーなど重要物資の安定供給の確保の懸念だけでなく、足元で上昇傾向にある原油価格の動向や日本企業への影響を含め、高い警戒感を持って注視している」と述べました。
また、事態が悪化し、半導体などの供給に影響が及ぶ可能性については「ウクライナから調達する物資は、複数の国から調達可能であり、現時点で主要企業から製造に影響があるとは聞いていないが、今後も産業界の声を丁寧に聞き取りつつ状況を注視していく。ウクライナ情勢の変化による日本企業の事業活動への影響が最小限にとどまるよう、G7をはじめとする国際社会と連携し、適切に対応していきたい」と述べ、各国と緊密に連携して対処していく考えを強調しました。
また、鈴木財務大臣は22日の閣議のあとの記者会見で「緊迫した状況にあり、日本経済への影響をしっかり注視しなければならない」としたうえで「緊張緩和に向けた努力を支援することが最優先だが、日本としてはG7各国と連携し、適切に対応したい」と述べ、G7の財務相による共同声明の内容に沿って、引き続き各国と緊密に連携していく姿勢を強調しました。
ロシアのネベンジャ国連大使は21日、ウクライナ東部はロシアにとって容認できない新たな「ウクライナの軍事的冒険」の瀬戸際にあったと主張し、ロシアは同地域で「新たな大量殺りく」が起きるのを許さないと表明した。国連安全保障理事会の緊急会合で述べた。
大使はまた、西側諸国は「熟考」すべきと警告し、ウクライナ情勢を悪化させないようけん制した。
バイデン米政権の高官は21日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認する大統領令に署名し、「平和維持軍」の派遣を命じたことについて、より広範な制裁を発動するような侵攻には相当しないとの見方を示した。ただ、ウクライナへの全面的な侵攻はいつでも起こり得ると指摘した。
米政権高官は、親ロシア派の実効支配地域への軍派遣はロシアが既に行っていることで、広範な制裁にはつながらないと説明した。
政権高官は「ロシア軍がドンバス地域に移動することは新たな動きではない。過去8年間ロシアはドンバス地域に軍を配備してきた。現在、よりあからさまでオープンな方法でこれを行う決定をしている」と述べた。
バイデン大統領は21日、ロシアが独立を承認したウクライナ東部の2地域について、米国人による貿易や投資を禁止する大統領令に署名した。米国人による当該地域への「新規投資」を禁止するほか、「当該地域から米国へ直接、もしくは間接的にモノやサービス、技術を輸入すること」を禁止する。
中国の張軍・国連大使は21日、ウクライナを巡る国連安全保障理事会の緊急会合で、危機に関わる全ての当事者に自制を求めたほか、緊張を高めかねないいかなる行動も避けるよう呼び掛けた。
また、危機の外交的解決に向けたあらゆる努力を歓迎・奨励すると述べた。
ウクライナ東部ドネツク州の首都ドネツク周辺で戦車など軍用車両が隊列を成しているのを、ロイター記者が22日未明に確認した。
ドネツク郊外で戦車5両前後の隊列を確認し、他の場所でも2つの車列があった。
どの軍に所属しているかを示す記章は確認できなかった。ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認する大統領令に署名し、「平和維持軍」の派遣を命じた。
ロイターの記者によると、前日まではドネツクで戦車は走行していなかった。
ロシアのプーチン大統領は21日、国民向けのテレビ演説でウクライナの東部2州のうち、親ロシア派が事実上、支配している地域をめぐり、ウクライナ政府側が停戦合意を守らずに攻撃を続けていると非難しました。
そして、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名するとともに、国防省に対して、「平和維持」を名目にロシア軍を現地に派遣することを指示しました。
これに対してウクライナ政府は声明を発表し「ロシアは国際的に認められたウクライナの主権と領土の一体性を侵害した。これはウクライナ東部での停戦合意からの一方的な離脱を意味しかねない」と強く非難しました。
そのうえで「私たちは挑発行為に屈することなく、軍事衝突を回避するための政治的、外交的努力を続けている。われわれはロシアの行為をこれ以上は容認できないという明確な合図を送るため、ロシアへの制裁の適用を主張する」としています。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は対抗措置として、ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の一部での関連する経済取引を原則、禁じる大統領令に署名しました。
これに加えてバイデン政権は、早ければ22日中に追加の対抗措置を発表するとしています。
さらにイギリスのジョンソン首相は、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談でロシアに対する制裁を22日に発動する考えを示すとともに、ウクライナへの防衛面での支援をさらに強化すると伝えました。
フランス大統領府も21日、声明を発表し、ロシアを強く非難するとともに、EU=ヨーロッパ連合の加盟国による一致した制裁を求める方針を示すなど、欧米各国を中心に反発が広がっています。
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上、支配している地域の独立を一方的に承認したことについて、ロシア外務省のザハロワ報道官は、22日、今後の各国との外交交渉に影響を与えるものではないという考えを示しました。
そのうえで「最も困難な時でも、交渉の準備はできている。われわれの立場は変わらない」と述べ、24日にスイスのジュネーブで予定されているアメリカのブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相による外相会談の実現に前向きな姿勢を強調しました。
この外相会談をめぐり、アメリカのホワイトハウスは、ロシアによる軍事侵攻がないことが開催の条件だとしています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、国民向けに演説し、「ロシアの行動は、ウクライナの主権と領土の一体性に対する完全な侵害だと断言する。すべての責任はロシアにある」と述べ、強く非難しました。
そのうえで、「われわれは政治的・外交的な解決に専念しており、いかなる挑発にも乗ることはない。国境はしっかりと守られており、パートナーは、私たちを支えてくれている」と述べ、各国と連携して対応していく姿勢を強調しました。
紛争地域で人道支援にあたるICRC=赤十字国際委員会によりますと、ウクライナ東部のドネツク州にあるポンプ場などの給水施設が先週、戦闘行為で被害を受け、機能を停止したということです。
この施設は、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上、支配している地域と、ウクライナ側の双方の住民100万人以上に飲み水を供給する必要不可欠な社会インフラだということで、赤十字国際委員会のウクライナ代表部は紛争の当事者に対し、民間のインフラやその関係者に危害を加えないよう求めています。
EU=ヨーロッパ連合の外相にあたるボレル上級代表は22日、フランス・パリで記者団に対し、「ロシア軍はすでにウクライナ東部に入った。全面侵攻とは言わないが、ロシア軍はウクライナの領土にいる」と指摘しました。
そして「きょう午後、制裁について決定する」と述べ、22日午後にパリで緊急の外相会議を開き、ロシアへの制裁について協議することを明らかにしました。
アメリカのブリンケン国務長官と中国の王毅外相は電話会談を行い、ウクライナ情勢をめぐって意見を交わしました。
アメリカ国務省によりますと、この中でブリンケン長官は、ウクライナの主権と領土の一体性を維持する必要性を強調しました。
一方、中国外務省によりますと、会談で王外相は、ロシアがNATO=北大西洋条約機構をさらに拡大させないよう求めていることを念頭に、「いかなる国の合理的な安全保障上の懸念も尊重されるべきだ」と指摘しました。
そのうえで「ウクライナ情勢は悪化の一途をたどっている。各国が自制を保ち、対話と交渉を通じて事態を緩和させ、意見の違いを解消するよう改めて呼びかけたい」と述べ、各国に自制を求めました。
中国外務省の汪文斌報道官は22日の記者会見で、「関係各国は自制を保ち、交渉を通じて意見の違いを解消し、情勢をさらにエスカレートさせないよう改めて呼びかけたい」と述べ、各国に自制を求めました。
また汪報道官は、ロシアがNATO=北大西洋条約機構をさらに拡大させないよう求めていることを念頭に、「いかなる国の安全保障上の利益も尊重され、守られるべきだ」とも強調しました。
ロシアのラブロフ外相は22日、構成地域を代表していないとしてウクライナ政府の主権を疑問視した。インタファクス通信が報じた。
ラブロフ外相は、2014年にウクライナでロシアが支持する大統領が退陣し西側寄りの政権が誕生したことを批判。これをきっかけにロシアはクリミア半島を併合し東部地方とのつながりを深める展開となった。
「2014年のクーデター以降、ウクライナの政権が領土に暮らすすべての人々を代表していると考える人はいない」と述べた。
ドイツのショルツ首相は22日、記者会見で、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派が事実上、支配している地域の独立を一方的に承認したことを踏まえ、ロシア産の天然ガスをドイツに送る新たなパイプライン「ノルドストリーム2」の稼働に向けた手続きを停止する考えを示しました。「ノルドストリーム2」をめぐってはウクライナ情勢が緊迫する中で、アメリカがロシアに対する制裁として稼働の停止を繰り返し強調し、ロシアとの経済的な結びつきの強いドイツの対応が問われていました。
ロシアのシュリギノフ・エネルギー相は、同国とドイツを結ぶ天然ガス海底パイプライン「ノルドストリーム2」が稼働阻止に追い込まれる場合、参画した複数の欧州企業にとっては損失を意味すると指摘、「誰かがこれを補償する必要があるだろう」と述べた。
シュリギノフ氏はエナジー・インテリジェンス(EI)とのインタビューに応じ、「ガス供給問題は政治利用されるべきではない」との考えを示した。
欧州連合(EU)は「ガス輸入を増やす必要がある。それには追加的な供給を確保できるノルドストリーム2の容量を活用するべきだ」と同氏は主張。ロシアはガス供給を増やす用意があるとし、「(ロシア国営ガス会社の)ガスプロムと契約しないとなれば、代わりの選択肢は液化天然ガス(LNG)だが、LNGは常に比較的高価だ。欧州は自ら墓穴を掘るのだろうか」と問い掛けた。
原題:EU Firms Face Losses if Nord Stream 2 Rejected, Russia Says: EI(抜粋)
ウクライナ情勢をめぐって、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配している地域の独立を一方的に承認し、ロシア軍の現地への派遣を指示するなど、情勢が緊迫化しています。
こうした事態を受けて岸田総理大臣は22日午後6時ごろからおよそ30分間、G7=主要7か国の議長国、ドイツのショルツ首相と電話会談を行いました。
会談で両首脳は、現地の最新の状況や関係各国の動向について意見を交わした上で、一連のロシアの行為はウクライナの主権と領土の一体性を侵害するもので、国際法に違反し容認できないという認識を共有し、強く非難する立場で一致しました。
その上で、事態の展開を深刻な懸念をもって注視するとともに、24日にオンライン形式で予定されているG7の首脳会議を前に、制裁を含む今後の対応についてもすりあわせを行い、各国と連携していく方針を確認しました。
また、ショルツ首相は、日本政府によるLNG=液化天然ガスのヨーロッパへの融通に対して謝意を示しました。
松野官房長官は、午後の記者会見で「極めて緊迫した情勢の中で、国連の安全保障理事会が会合を開催したことは関係国による外交努力の一環として受け止めている。今後、事態の展開を深刻な懸念をもって注視しつつ、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携し制裁を含む厳しい対応について調整を行っていく」と述べました。
また、記者団が「ロシアがウクライナに軍を派遣する行為をもって侵攻とみなすのか」と質問したのに対し「予断を持って答えることは差し控えたいが、G7をはじめとする国際社会と連携し、事実関係を情報収集して今後の対応を検討したい」と述べました。
今回のロシアの行為について、日本政府は、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害し、国際法に違反するものだと強く非難しています。
背景には、ヨーロッパだけの問題ではないという危機感があります。
台湾海峡を含めた東シナ海などで海洋進出の動きを強める中国が念頭にあります。
日本は、力による一方的な現状変更の試みは容認できないとして、民主主義などの価値観を共有する国々と「自由で開かれたインド太平洋」の実現を掲げ、中国に自制を求めています。
こうした中で、ロシアによる力の行使を黙認すれば、中国の動きを助長しかねないと見ているわけです。
ある政府関係者は「ロシアの軍事侵攻を防げなければ、国際社会に大きな地殻変動が生じる。岸田総理大臣も、インド太平洋地域の秩序に影響しかねないという強い懸念を持っている」と話しています。
一方、日本政府は、ロシアが軍事侵攻した場合の制裁の内容や時期は明らかにしていません。
外務省幹部の一人は「何をもって軍事侵攻と見なすかという判断は難しく、各国と歩調を合わせる必要がある」と話しています。
実際、ロシアが「平和維持」を名目に、ウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配する地域に軍を派遣した場合、軍事侵攻と受け止めるかどうか、バイデン政権の高官は明言を避けています。
日本政府としては、アメリカをはじめG7各国の動向を見極め、制裁の内容や時期を判断するものとみられます。
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